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LiDSに掲載していただきました!

目次

ゴールにとらわれすぎずに、プロセスを楽しむ! 〜未来を切り拓く国際人へ〜 – vol.2

普段はリクルートで働きながら、個人でも高専を支援する団体「高専ベンチャー」を立ち上げ、さらには弱冠27歳でビルを購入しオーナーとなった弦本さん。現在の活動のコアとなる価値観ができたという、海外での体験談を伺いました。

※ 弦本卓也さんのプロフィールはこちら (https://www.facebook.com/takuya.tsurumoto)

– 海外への好奇心 –

小さい頃から好奇心が旺盛でした。時間のある学生のうちに視野を広げておこうと、海外にも関心を持っていました。

高校生の時にはオーストラリアのメルボルンに行きましたが、大学時代にはニューヨークでの短期留学やソウルでのホームステイ、ジャカルタへの旅行などの経験をしました。

そして、今の自分に一番影響を与えているのは、2ヶ月間ほどかけてヨーロッパを一周したバックパッカーの体験でした。

– 白紙の地図と予定表 –

とにかく自由な旅といった感じで、具体的なルートや日程はその日その場所に行くまで決めていませんでしたね。

最初に決めたことといえば、ヨーロッパのたくさんの国を見てまわるということ。英語が通じて移動がしやすそうだという理由で、ロンドンからスタートして各国の首都をまわり、ヨーロッパを一周しようと考えていました。出発までは大学の研究やアルバイトを詰め込んだこともあり、計画をほとんど立てずにロンドンへの片道切符だけを持って空港に向かいました。

そのため、ロンドンに着いた初日にいきなり、電車の乗り方も宿の取り方も分からないことに気が付きました(笑)。

「とりあえず日本人に日本語で教えてもらおう」と思い、真っ先にロンドンの日本大使館を訪ねてみたのですが「ここは観光案内所ではありません」と一蹴。門前払いをされて落ち込んだのを覚えています(笑)。

それがこの旅で一番のショックで、バックパッカーを開始してわずか数時間で、公園のベンチに座って呆然。「どうしたらいいかわからない。早く日本に帰りたい…」とまで落ち込んでいました(笑)。

文字通り途方に暮れていましたが、なんとか夜には宿を確保して「ヨーロッパ一周を目指しておいて、ロンドンだけで終わるのは洒落にならない!」ということで気を取り直して、気が付けば同じ宿に2泊しないというルールを作って、2日に1回夜行列車に乗り、時には野宿をしながらも、所持金35万円で26カ国33都市を旅するほどになっていました。

– 英語力がなくてもいい –

海外旅行には英語が必要だとは言いますが、テキストを使って勉強をするのとか、駅前留学をするのとかって、自分にはあまり合っていないんですよね。海外の人と話すのが目的だったら、同じお金と時間を使って少しでも海外に行って、現地の人と直接話したいじゃないですか!

英語は話したいという気持ちさえあれば、中学レベルでも十分に通じると思います。ヨーロッパには英語が通じない国もありましたが、それでも絵を描いて説明すれば意思の疎通はできましたし、なんとか生活することができました。というか、地図を持って話しかければ大体、行き先を聞きたいんだろうし、スーパーで話しかければ大体、買うものを探しているんだろうし、ドミトリーに行けばチェックインをしたいんだろうし、言葉が無くても通じるのは考えてみれば当たり前のことかもしれないですが(笑)。

– 一人旅が良い理由 –

普段はつい予定を詰め込んで忙しさに埋もれてしまったり、SNSで気軽に他人と繋がったり、誰かと一緒に行動することが多いと思います。なので、日常から離れて自分と向き合う時間を取れるのが、一人旅の一番の良さだと思います。

ヨーロッパの一人旅では、長距離移動の電車の中で「自分ってなんだろう?自分は何をやりたいんだろう?お金や会社ってなんだろう?何のために生きて、何のために働くんだろう?」と考える時間が豊富にありました。そこで自分なりに解釈して、心から納得できる答えを見つけられたのが、今の自分を形作っているんだと思います。

それから、普段の何気ないことにも感動し、感謝するようになりましたね。

例えば海外旅行では、飛行機ってめちゃめちゃすごいんですよね。誰かが飛行機を発明して、鉄鋼を作って運んで組み立てて、そして誰かが運転してくれて、いろんな人がお金を払って乗っているから、自分も数万円を払えば乗れて、人生をかけてでも行けないような遠くまで数時間で行けちゃう。これは普段乗っている電車でもそうですし、同じ様にこうしてカフェに入って机や椅子があって食べ物が出てくることも、本当はすごいことだと思うようになりました。

あとは、ツアーで海外に行くと基本的にガイドブックに載っているようなところしか見られないですからね。一人旅では裏通りの汚い部分も見られますし、少しでも現地の人の生活に近づくことができます。他にも気に入ったカフェや公園が見つかったら、その日は予定を変えて半日ぼーっと過ごすなどといったことができるのも、ツアーではできない一人旅の醍醐味だと思います。

– 学生の皆さんへのメッセージ –

自分は学生時代には「社会人になったらお金はあるけど時間がない、しかし学生は時間があってもお金はない」と決め付けて、時間がないと行けないであろう海外の長期旅行に行くようにしていました。なので、少しでも時間があるなら、社会人になれば自分で稼げるようになるという前提で、借金をしてでも海外を経験してみて良いと思います。

とはいえ、成田空港でたまたま隣の席に座った社会人の方に「転職前のリフレッシュ旅行で1ヶ月間トルコに行く」と言われたときには「長期旅行は学生の特権じゃないんだ…」と、離陸前に出鼻をくじかれましたが(笑)。

たしかに実際、社会人になってみると思っていた以上に時間を取れるし、やりたいことやできることも増えて楽しいし、学生時代とはまた違った意味で無茶もできることが分かりました(笑)。

ただ、当時、学生の貧乏旅行で「2,000円以上の宿には泊まらない!」と決め込んで公園や国際空港で野宿をした経験や、お金のかかる観光地やレストランにはほとんど行かずに、自炊と歩いてばかりの旅行をしたのも、今の自分を構成しているし、本当に貴重な経験だったと思います。

ぜひ、みなさんも貴重な学生時代を、後悔のないように過ごしてください!

引用: http://lids-jpn.net/jpn/interviews/vol-2/

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ABOUT US
弦本 卓也
1987年、埼玉県生まれ。大学卒業後、大手広告会社「リクルート」にて不動産メディア「スーモ」(SUUMO)の運営に従事。新卒で入社して、スーモのメディアづくりを7年、その後にエンジニア組織の組織づくりを4年行う。 また、リクルート社内の部活動制度にて「大家部」を立ち上げ部長を務める。不動産投資に関する情報交換や物件見学のワークショップなどを行う。 入社2年目に新築一戸建ての広告を取り扱う部署に異動したことをきっかけに、「いい企画を作るためには、まずは自分で経験したい」という想いから個人で新築一戸建てを購入。その翌年には売却分野を担当したことをきっかけに売却も経験。マンションの売買なども行い、11年間で11回の引っ越しを経験。 「新しい住まいや暮らしを自ら探究したい」という気持ちで購入した東京都千代田区の神保町の中古ビル「弦本ビル」は、コワーキングスペース、シェアオフィス、シェアハウス、飲食店が入居する複合ビルとなっており、20代を中心とした若手社会人や学生のやりたいことを実現する場所として注目を集めている。3年間で延べ1万人以上の来場者を記録し、家賃年収1,400万円を達成しながら満室経営を続けている。 お金面とビジョン面の両立を大切にしており、モットーは「一人ひとりの可能性をもっと世の中に」。会社員を続ける傍ら、学生時代に起業した会社とあわせて株式会社を3社創業。うち1社は売却し現在は2社を経営している。他にもエンジェル投資家として若手実業家の支援を手がける一面も。 日経新聞や不動産業界紙、書籍や雑誌、テレビなどでも多数の注目を集めておりセミナー講師なども行う。宅地建物取引士を保有。