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『超ど素人がはじめる不動産投資』出版記念パーティーを開催しました!

※この記事は、2019年1月21日に開催された『超ど素人がはじめる不動産投資』の出版記念パーティーでの、講演の書き起こしです。

※文中に不適切な情報や、誤った記述などがございましたら、お手数ですが弦本( @takuyatsurumoto )までご連絡をお願いします。

目次

『超ど素人がはじめる不動産投資』出版記念パーティー

(会場拍手)

はい、ありがとうございます!

本日は、お忙しいなかお集まりいただきまして、ありがとうございます!

ちょうど今日、こちらの『超ど素人がはじめる不動産投資』の本の発売日となりました。本日は出版を記念しまして、みなさんにお披露目のプレゼンテーションをさせていただければと思います。

この本を作るにあたり、気をつけたことや葛藤などをお話して、これから本を書きたいという方や、新しいことをはじめたいという方の参考になればなと思っています。よろしくお願いします。

今日はだいたい200枚くらいのスライドを作っていますが(笑)、20分ぐらいでお話をしたいと思います。

今回のテーマは、主に私がこの本を出版するまでの間で、どのような葛藤や想いがあったのかについてです。「これから出版をしたい」と思う方や、「なにか新しいことをはじめたい」と思う方にも、参考になれば嬉しいです。よろしくお願いします!

自己紹介

まずは自己紹介です。私は弦本卓也(つるもとたくや)ともうします。

普段は本業として、リクルートで働いていまして、スーモという不動産メディアのITの部署の、いわゆる組織開発を行っています。新卒で入社して、現在8年目です。

また、副業として自分でも2社、会社をやっておりまして、起業して9年目の会社と5年目の会社を細々と経営しております。テーマとしては「一人ひとりの可能性を活かす選択肢の提供」ということで、様々な事業をさせていただいております。

それから、みなさんのいるこの「弦本ビル」ですね。こちらは私が購入したビルで、購入からまもなく4年が経つところです。

今みなさんがいらっしゃるのは2階のテナントさんが運営している「TOKYO PRODUCERS HOUSE」といって、略して「プロハ」と呼んでいる場所なのですが、この5階建てのビルを所有して、オーナーとして活動をさせていただいています。

そして4つ目は、著者ということで、今回はじめてプロフィールに加えてみたのですが、これまでに書籍を2冊、自費で出版してきました。

これらは自分で書いたというよりは、スポンサーをさせていただいて、このビルで活躍するみなさんをとりあげて、本にさせていただいたというものです。

この「TOKYO PRODUCERS HOUSE」や「弦本ビル」の仲間について書いた『PRODUCERS』という本を2016年に、『プロハ夢手帳』という本を2018年に、それぞれ出版しました。

そして、なんと今回!本日が発売日ということで、3冊目の書籍を出版しました。ありがとうございます!
こちらの本に関しては、これからじっくりご説明したいと思います。

『超ど素人がはじめる不動産投資』書籍紹介

書籍の紹介です。タイトルは『超ど素人がはじめる不動産投資』 という本です。いわゆる商業出版で、出版社は翔泳社様です。ページ数は168ページ。フルカラーになっております。

特徴としては、フルカラーでページの半分がイラスト、もう半分のページが文章になっていて、わかりやすいことです 。

全体としましては、まず「表紙」があって、そのあとに「巻頭特集」があります。それから、「目次・はじめに」があり、「本編」、「コラム」、「おわりに」という順になっています。 本章は7章に分かれています。

章立てとしては

・巻頭特集で「不動産投資を始めよう!」

・1章で「不動産投資で失敗しないために」

・2章で「良い物件を探すためのコツ」

・3章で「良い物件を見極めるコツ」

・4章で「物件を買う契約とローン」

・5章で「物件のリフォームと管理」

・6章で「物件を貸すとき、売るとき」

・7章で「不動産投資のお金と仲間」

という構成となっています。

一般的な本では、買うまでの話が多いんですけど、この本では、物件を買うまでの話だけでなく、その後の管理やリフォーム、貸すとき、売るとき、お金、仲間みたいな、不動産に関するあらゆることを広く取り上げている、というのが特徴となっています。

そのため、一般的な不動産投資だけでなく、資産性を考えたマイホームの購入にも役立つ1冊です。

本は、7つの章に判れていまして、それぞれの章に項目がありまして、全部で70個の項目で本が構成されています。

ここからは、今回の出版にいたった、そもそものきっかけについて紹介します。

出版のきっかけ

そもそものきっかけは、このビルのテナントで「TOKYO PRODUCERS HOUSE」を運営してくださっている「ジョブライブ」という会社がおこなっている「無人島プロジェクト」という事業があって、私は去年の夏に2回目の参加をしました。

プログラムとしては、30人ほどで国内の無人島に2泊3日で泊まりに行くというものなんですけど、それに参加したのがきっかけでした。

無人島で感じたことは、自分は魚獲りもできないし、火起こしもできないし、料理もできないなっていうことでした。

魚をとるのがうまい人が魚をとってきてくれて、料理ができる人がご飯を作ってくれて、それをみんなで美味しく食べる、という経験をして、あらためて感じました。

無人島で自分は、ひとりで生きていくことができないんだな、と気づきました。

できる誰かに支えられて生きている。そして「みんなで助け合いながら生きている」ということを感じました。

そんななかで、「自分には何ができるんだろう?」というのを考えました。

「いろんな人に助けてもらっているけども、自分はどんなことができるのかな?」と。あらためて、自分の活動について振り返りました。

そんなときに、自分のやってきたことを振り返ってみると、過去に書籍を2冊、自費出版で出していたんですけれども、「もう1冊、新しい本を書いて、自分の経験を世の中に発信することができるんじゃないか」というのを思いいたりました。

書籍で新しく発信することで、自分にある知識やノウハウ、自分の経験を伝えるということが、世の中のために、いろんな人のためになるんじゃないかなと思いました。

とりあえず、行動してみる

なので、とりあえず書いてみました。実際に書いた本は『ビルを購入して入居者と楽しく不動産経営をするヒント』という本です。

そこでまず、とりあえず本を書いてみました。


『ビルを購入して入居者と楽しく不動産経営をするヒント』という本です。この本には、実は、現在はお蔵入りにしている本なのですが、ビルを購入して3年間できたコミュニティのことや、それがはじまったきっかけみたいなものを書きました。

実際には2週間ほどで作ったのですが、10万文字の本として、AmazonのKindleでアップロードしました。実際には、実働としては4日間ほどで、 自分で話をして録音をして、クラウドソーシングのサービスで書き起こしをしてもらって、表紙のデザインも作ってもらって本を書くことができました。

こうして、実際に世の中に出してみてはじめて気がついたんです。そこで、ぶつかった壁がありました。

何かというと、ニーズがないのではないか。知識が偏っているのではないか。再現性がないのではないか。そして、ただの自己満足なのではないか。ということでした。

この本が対象にしている、「入居者を探して一緒に不動産を経営したい」と思っている人なんて、そんなにたくさんはいないですよね(笑)

そもそも、ビルを買うっていうこと自体も、なかなか偏っていますし。

このビルは結構特殊なビルでして、「借地権」という土地を賃貸で借りるような方法や、「賃貸併用住宅」といって、住居と賃貸で貸せる部分とが両方ある物件として「住宅ローン」を借りて買っています。

「借地権」だと土地を買わないのでそのぶん総額が安くなり、また「住宅ローン」だとローンを借りるときに年数を長くして借りられるため、「月々の支払い返済額」が低くなるので、最初に必要な自己資金が少なくても買える、みたいなところがコツだったりするんです。実際このビルは7,400万円をフルローンで借りて買うことができました。

当時はそういった条件でも買えたんですが、今、これを読んだからといって、同じような物件で、同じようにローンを組んで買えるかっていうと、そうでもないのです。結構、偏った特殊な買い方で、今ではあまり再現できないような内容になっていました。

それなのに書きたいと思うのは、自分がやってきたことがいかに素晴らしいかを伝えるだけの、ただの自己満足なのかなとも思って、書いたけど意味があるのかなとも感じていました。

そう考えると、「これって、無責任なのではないか?読んでもらわなければ意味がないし、読者の役に立たないと意味がないのでは?」と思いました。

「読者の役に立たないと、本を書いても意味がないのでは?」と感じたんですね。

れであれば、世の中に出回っている、いわゆる「商業出版」と呼ばれる本は、どんな内容なんだろうと思って、実際に本屋さんに行ってみました。

弦本ビルから近い、神保町にある三省堂さんに行ってみました。とりあえず、並んでいる本を読んでみました。

そこでは、いろんな本を立ち読みしました。不動産投資のコーナーで、たくさんの不動産投資の本を研究してみました。

そんなときに、ふと「そういえば、商業出版の本の作り方って、どんなものなんだろう?」と思い立ち、書籍の出版についてのコーナーに行ってみました。

そこで、ある1冊の本と出合いました。こちらの『誰でもビジネス書の著者になれる!出版の教科書』とう本です。

出版の仕方についてや、出版のために必要な「出版企画書」の書き方について書かれた本だったんですけど、こちらの本を実際に買って読んでみました。

そして、とりあえず出版企画書を書いてみました。こちらが実際に書いた出版企画書です。

タイトルや、サブタイトル、著者のプロフィール、サンプルを少し書いたりするものです。類書との違いや目次、章立てなどを作って、この「出版企画書」というものを実際に書いてみました。

そして、せっかくできたので、とりあえずメールをしてみました。この本の筆者に、勝手に出版企画書を添付して、メールを送ってみたんです(笑)

「本を読んで出版企画書を作りました!」「もしよろしければご覧ください!」といって、自分の出版企画書を添付して、「勝手ではございますが、見てみていただけませんか」っていうメールをしてみました。勢いで(笑)

そしたら、なんと返事がきました。

「弦本さんの企画はとても面白いです」「価値があって、差別化ができていて、とても興味深いです。」「弦本ビルの話は素晴らしく、感動すら覚えました。懇親会で話がしたいです」というメールをいただきました。

要するに、有料のセミナーに来てくださいってことだったんですけど、無料で招待していただきました。

「ん?これはいける?」と思いました。調子に乗って、とりあえずメールをしてみました。

出版社約144社、編集者約1285人です。

こちらが実際の出版社のリストなんですけど、こういった会社さんに連絡をしました。

ただ、自分で一つひとつ連絡したというわけではなくて、とりまとめているサービスを経由して連絡をしました。

それが、こちらの「企画のたまご屋さん」という会社です。こちらの会社さんは自分で出版企画書を書いてお願いをすることで、数々の編集者さんにメルマガを送ってくださるようなサービスを提供しています。

そのとき担当してくださった森久保さんも、今日は来てくださっています。

出版社へのアプローチ

「企画のたまご屋さん」は、本を書きたい人の「出版企画書」の情報をもとに、編集者の方にメルマガを送って、出版社からオファーをもらうという事業をしている会社です。

最初は無料なんですが、実際に出版をしたときにはじめて印税の3割を支払う、というビジネスモデルになっています。初期費用としては、無料でお願いをすることができるサービスとなっています。

そこで、「ほんたまメールマガジン」で取り上げていただきました。こちらが実際のメールマガジンの文章ですね。

すると、反応がありました!

「本日配信した企画に、以下の出版社から問い合わせがありました」と。

「シリーズの1冊として刊行できればと考えているようです」というご連絡をいただきました。そして、「これから詳細を伺いたいので一緒に打ち合わせに行きませんか」とお誘いいただきました。

お声がけをくださったのはなんと、翔泳社さんです。

翔泳社さんは、MarkeZine(マーケジン)のウェブサイトも運営されていて、技術書とかマーケティングの本が多い出版社です。

そして、お話したときにいただいたのが、この『超ど素人がはじめる不動産投資』という本です。

いざ、打ち合わせに行ってみました。とりあえず提案資料を作って持っていきました。

自分のなかで妄想して、どんな表紙がいいかなとか、どんな色がいいかなとか、目次の構成を書き出してみたり。他の本も見ながら、他の本のタイトルと比較して、もれなく自分の説明したいものが入るような目次を揃えてみたり。

あと目次とか文章の、さらにパワーポイントでスライドを作って、実際のアウトプットのイメージまで作って持って行きました。

そんなときに、ぶつかった壁がありました。

本当に書きたい本なのか?

よく考えたら「この本、本当に書きたい本なのかな?」というように感じたのです。

というのも、出版社さんからはシリーズとして書きたいなということで、不動産投資がなかった超ど素人シリーズを書いてほしいと言ってくださったのですが、僕自身はビルを買ったときの想い、買ったときの方法、買ってコミュニティが生まれていく話みたいなことを伝えたかったのです。「これ本当に書きたい本なのかな?」というように感じました。

「著者が書きたいと思った本」と「読者が読みたいと思った本」は違うんだな、、、というのを思いしらされました。

そんなとき、リクルートの先輩からも意見をもらいました。こちらの先輩方は以前、弦本ビルを買ったときにも面白がってくださって、お世話になった先輩たちです。

定期的に飲みに行ったりしてるんですけど、「今回出版したいと思っていて、出版社に相談しに行ったら、この本書いたらいいんじゃないっていうふうに提案をいただきました」っていうふうに相談しました。

そしたら、「それで、何がしたいの?」「書いてどうしたいの?」「なんでやるの?」と言われました。

リクルートって結構、そういう「なんでやるの?」とか「お前は何がしたい?」って言う会社なんですけど、プライベートで本を出すときにも、同じように言われるんだな(笑)って思いました。

でも、たしかに、と思いました。「本当に自分が書く必要があるのか?」「本当は誰が書いてもいい本なのでは?」という問いに、答えられる自信がありませんでした。

だって、自分がやっている不動産投資の経験ってそんなに数も多くないし、というかそもそも投資だと思ってやっていなかったし、自分はそんなに詳しくもないんです。

もっと詳しい人が細かく、基礎的なことを書いたら、そのほうがいいんじゃないかなとまで思いました。なんのために本を書きたいんだろう、と思いました。

とはいうものの、せっかくいただいた機会ですので、いつものように、とりあえず本屋さんに行ってみました。悩んだときは、本屋さんが助けてくれます。

ふたたび、神保町の三省堂に行きました。とりあえず不動産に関連する本を買って読んでみました。

その数は、なんと約50冊!です。

1冊ずつ、パラパラめくって読んでみたんですけども、読んでみて思ったことは、まず、めちゃめちゃ勉強になりました!(笑)

いろんなことが書いてあって、それをまとめたり読書ノート作ったりしたんですけど、書籍作りの参考にさせてもらいました。

そして一方で、感じた問題もありました。

不動産投資の書籍約50冊を読んで感じた問題

その問題は、大きく6つあるのですが、1つ目が、なんだかんだでやっぱり難しいなと思いました。「はじめての」であったり「よくわかる」、「1年生」とか、「教科書」みたいなタイトルになってるんですけど、目次を読んだ時点からすぐに「分かりづらいな…」と思うようなものとか、やっぱり専門家の方が書いているので、丁寧に噛み砕いてなくて分かりづらいなということを感じました。

そして2つ目は、投資手法が偏っているということです。これは、「中古マンションのワンルームを買おう」であったり、「新築の1棟を買おう」であったり、「地方で戸建てを買ってDIYしよう」であったり、本によって様々な投資手法が書かれてあるんですけど、それぞれの著者が、それぞれの知識でやってきたことが書かれているので、あまり網羅的に書かれていないなと感じました。

どの投資方法ももっともらしく、正直「どれが正解だかはわからないな」と思いました。投資の方法が偏っていると、知識も偏ってしまい、誤っていることや思い込んでいることも、出てきてしまうかもしれません。

3つ目は、「当時はできたけど今はできない」ということです。今は探しても見つからないような条件の物件が、まるであるかのように書かれていたり、今では借りられないローンが書かれていたりなど、古いなと思うものがありました。

そして、こちらも結構、多かったんですけど、4つ目は「物件を買うまでがゴールと」いうことです。買うところまでの探し方や買うときの契約まではすごくきちんと説明されているんですけど、そのあとの管理とか、貸したりとか、リフォームや、最後の売るところまでを書いている本は、なかなか多くはありませんでした。

5つ目は「宣伝、誇張、自己満足」で、セミナーの宣伝、自分の不動産会社の宣伝、自分の投資がいかに稼げたか、自分の投資がいかに素晴らしいか、みたいなところが書かれている本もありました。

6つ目の、続きはセミナーでという本にも近いです。大事なことはあまり説明せずに、無料相談会に来てくださいとか、動画を見てくださいとか、メールを登録してウェブページを見てください、みたいな本も、意外とありました。

不動産は、仲介会社さんなどだと、1つの物件を契約すると、300万円とか500万円とかの仲介手数料入ってきたりするようなビジネスモデルなんです。そのため、本を仮に自費出版したとしても、どこかで宣伝になってお客さんが来て、1件でも契約ができれば元が取れちゃう、みたいな世界だったります。

なので、宣伝として書くというようなこととかも多いなというように思いました。

もちろん全ての本がそういった本ではないですし、素晴らしい本もたくさんありました。 また、本の位置付けをどうとらえるかも人それぞれですので、それはそれで悪いというわけではないと思います。

問題は、こういった不動産投資の本を見ても、不動産投資をこれからはじめたいと思った読者にとっては、それを見分ける力が足りないことだと思います。

もちろん、自分の本が必ずしも問題がないよと言っているわけではないですけど、そういった本が多いなというような印象をうけました。

「これって本当に読者が読みたい情報なのかな?」と思いました。実際にAmazonのレビューを見てみたんですけども、「やっぱり!」と思いました。

期待して買って読んでいるんですけど、中身を見てがっかりしてしまう人もなかにはいるのかな、と思いました。期待していた内容と中身が異なることも、たしかにあるんだと思います。

「あれ?」と思いました。そういえば、かつての自分も同じだな、と思いました。

自分が書きたいなと思っていた本を思い返してみると、たしかにニーズもないし、知識も偏っているし、再現性もないし、ただの自己満足なのかな、というように感じました。なんでこうなっちゃうんだろう…、と思いました。

こういった問題が発生してしまう背景としては、大きく3つあるのかなっていうふうに思います。

問題が発生してしまう背景

1つ目が、本を出版することがゴールということです。これはとにかく本が出せればいいやという思いで、中身のことをあまり考えずに出してしまうということです。

2つ目が、本を買ってもらうことがゴールということです。これは、多くはタイトルを「やさしいです」とか「はじめての」とか「教科書」のような書き方をするんですけど、それは手に取ってもらいやすいからということなんでしょう。

あとは結構「極められる」とか「全部分かる」、「丸分かり」みたいな本もあるんですけど、実際丸分かりじゃなかったりするので、買ってもらったあとにがっかりさせちゃうんですけど、買ってもらうためにそういうタイトルにしているんだと思います。

それから、3つ目は本業への「集客」がゴール、ですね。

これは先ほど有料セミナーや宣伝ということも申し上げたんですが、そういった本なのかなというふうに思いました。それが悪いというわけではないのですが、不動産会社の人などが書いている場合に、たまに感じるのは、本を出版していること自体がステータスになったり、それによって信用してもらえたり、それによって自社の集客につなげられたりするというのが、出版の目的になることがあるようです。

それでも、内容がよければいいのですが、そうでない場合もあるのでしょう。

これでは読者のためにならない!本当に解決すべき「問題」ってなんだろう?と考えました。

「本は誰のためのものなんだろう?」「本当に解決すべき課題は何だろう?」「読者の役に立つってなんだろう?」と考えました。

そんなときに、自分が不動産を実際に売買したときに感じた不安を思い出しました。

不動産の売買には不安がいっぱい!

私は戸建てを購入して、売却して、ビル1棟を購入したという経験をしてきたんですけど、そのときに、実際にたくさんの「不安」を感じていました。

社会人2年目のときに、はじめて戸建てを買ったのですが「本当にこれでよかったのかな」、「ハンコを押す手が震える…」であったりとか、「買って、地震とか災害が起きたらどうしよう」とか、「もっといい物件が出てきたらどうしよう」とか。

一番びっくりしたのが、銀行からローンの返済表をもらったんですけど、当時24歳だったのに、ローンを組んで返済をしていって、「50歳になってもまだローンが1,000万円以上残ってる…」と知ったときには、働きながらずっと借金を返していくのかと、とても不安になりました。

しかも、その意思決定を、24歳でしてしまってもいいのかと。働き続けて、借金をずっと返済しつづけなきゃいけない。ということに、すっごく不安を感じました。

それでも買いたいなと思ったので、私は物件を買いました。でもそれは、僕がリクルートのスーモで、企画の仕事に活かすために、買う人の気持ちを知って、スーモのサービスで買う人たちのために広告を作りたいなという「経験のため」からでした。なので、そういった不安を乗り越えることができました。

ですが、普通の人はもっとハードルを超えるのが大変なんじゃないかなと思いました。そして、「不動産投資で失敗する人を減らしたい!」と思いました。

不動産の売買は、人生でそう何度も経験することでありません。そのため、不動産に関する知識は身につきづらく、自分で考えたり調べたりするのが難しいです。

多くの場合は、知識がないことや、言われたとおりにそれを鵜呑みにして買ってしまうことによって、自分であまり考えないで調べずに買ってしまって失敗する人が多いのかなと思いました。

なので、「読者に役に立つためにどんな本を書けばいいのかな?」ということを考えました。

さきほど、6つの問題をあげさせていただいたんですけど、それぞれ解消することが必要だと思いました。

読者の役に立つ本とは?

「なんだかんだでやっぱり難しい」というところは、「やさしい解説や図解」が入ってると役に立つと思いました。

それから「投資手法が偏っている」は、「幅広い投資の知識」があること。

「当時はできたけど今はできない」ではなくて、「再現性が高い」ということ。「物件を買うまでがゴール」というところは、「物件を買ったあとまで」きちんと説明する。

「宣伝、誇張、自己満足」は、「徹底的な読者目線」。最後に「続きはセミナーで」というところは、「1冊の本で基礎を完結させる」ということです。

こういった本が役に立つ本、本当に読者のためになる本だと思います。

もしかして…。ということで、リクルートの先輩たちに「何がしたいの?」「書いてどうしたいの?」「なんでやるの?」と言われたんですが、よくよく考えたら、この本って自分にしか書けないのではないか?(笑)とまで思うようになりました。

なぜかというと、1つ目が、自分の立場が実際に不動産会社とか業者ではなくて、不動産のメディアを扱っている立場だということです。

買いたい人と売りたい人の両方の観点を持ちながら、業界のためにどういうふうに情報を発信していけばいいのかというのを考えているからです。

2つ目が、個人的に不動産の売買で苦労した経験があるということです。

実際にハンコ押すときの怖さであったり、自分がそのときに知りたかったことっていうのを自分で痛いほど感じているので、それを伝えたいと思いました。自分自身も「超ど素人」からはじめたので、当時の自分が知っておきたかった知識や想いが、たくさんありました。

最後に、正しい知識をつけてほしいという想いです。間違った投資の方法や、間違った知識ではなくて、きちんと自分で考えながら、調べながら分かるようになってほしいと思ったので、「そういう想いが大きいのは自分だ!」ということで、自分にしか書けないのではないかなというように思いました。

実際に、会社でも大家部という部活動を立ち上げて、不動産投資について正しい知識を身につける、情報交換をする部活もはじめていました。

そこで、あらためて出版をすることを自分なりに決意できたのですが、実際に出版社さんにいただいた提案としては、「4月の出版でお願いします」とのことでした。

しかし、4月よりも1月のほうが投資をはじめやすそうかなということで、年の初めに新しいことはじめたいなと思ったときに、不動産投資に興味あるなというように手に取ってもらえるかなと思ったので、1月に発売にしたいなと思いました。

なので、「1月出版にしませんか?」と提案しました。

その分、フルカラーで製作コストも割高になるよということもあって、協賛金だとか、自費でちょっと購入してねとか、締切り前倒しさせてね、みたいなことを言われました。

それでも出版を1月にしたいなと思ったので、お願いしますというふうにしました。

そしたら「それでは、11月中に納品してください」と言われました。

この時点で、すでに10月でした(笑)

1ヵ月で納品してくださいと言われました。猶予は1ヵ月!ということで、やばい!と思いました。

あらためて振り返ってみると、自分は本業で平日の昼間はリクルートで働いていますし、他にもいろいろな活動をしているので、本当に自分の時間が取れるのかな?と思いました(笑)

実際、本を書く予定を空けていたわけではなかったので、すぐに今から書かなきゃいけないって状況に追い込まれました。

ということで、怒涛の1ヵ月間がはじまりました。これは実際の執筆しているときの様子です。

怒涛の執筆活動

ここの弦本ビルで、泊まりこむように本を書きました。パソコンを置いて、周りに本を置いたりとか、ホワイトボードにメモをて情報を整理しながら記事に起こしたりしました。

ラーメン食べながら目次を見なおしたり、家に帰らずに漫画喫茶で作業したりとかもしました。

あとは、よく行ったのが温泉ですね。温泉に行って休憩をとりながら、カタカタカタカタ仕事をする(笑)みたいなこともしました。

時間があるかぎり、いろんなところで執筆活動を続けました。いろいろなところで、時間さえあれば本を書いていました。何度も頭を切り替えました。いろんな人にも見てもらったり、いろんな本を読んで勉強しました。

ここで、簡単にではありますが、時間を確保するためのナレッジを紹介させていただきます。

まずは「タイムマネジメントスキルの大活用」です。みなさんもしかしたら取り組まれてるかもしれないんですし、一般的なタイムマネジメントスキルかもしれないんですけど、いくつかご紹介します。

ここにいらっしゃるみなさんには釈迦に説法という感じがするのですが、たとえば、すぐに着手する。言われたらすぐにその場でやって、なるべく早く返事をするとかですね。

それからアウトプットを意識する。これは提案しに行った時点でもそうなんですけど、最後のアウトプットをイメージを作っておいて、実際にすぐすりあわせられるようにと意識しました。テンプレートを本のかたちにして、書いたらすぐにみなさんにレビューをしてもらったりしました。

それからタスクリストと優先順位は、やるべきことを書き出して、きちんと優先順位を立てて、早くやっていくものから順番にやっていくということ。

それから所要時間の測定と見立てですね。例えば1ページ書くのに20分くらいかかったりする作業だったんですけど、それによって残りのページ数とかを見て、あと何日必要だなとかを見立てて、それに合わせて時間を配分していくってことをしました。

あと、筆が進まないときは、とにかく寝るとか、サウナに入ることでリフレッシュして、本当に書く気持ちになっていて集中できるというときに書くように気をつけました。

また、時間を節約するために、テクノロジーも大活用しました。

今日、来てくださっているみなさんも、お忙しい方が多いと思うので、もしかしたら役に立つかもしれないです。様々なサービスを活用しました。

時間を短縮するために、たとえば「クラウドワークス」ですね。これはアウトソーシングするサービスなんですけども、他の本の要約であったりとか、骨子をまとめる部分をアウトソースして、他の人のまとめたものを見ながら、それを参考に自分の目次を作ったり、うまく外注しました。

それから「Uber Eats」ですね。これは執筆してた場所から3分くらい離れた場所にあるマクドナルドから買っている様子なんですけど、Uber Eatsで買ってきてもらって。歩いてすぐなので、「自分で買いに行けよ」って話なんですが、着替えて外に出て、行って待って買って帰るのをあわせたら20分ぐらいかかるので、配達料を払ってでも持ってきてもらう、という感じでした。

それから「しろふわ便」というのは、お洗濯代行・クリーニングのサービスなんですけど、自分の服を洗う時間ももったいないので、洗濯機をまわすことすらもアウトソーシングしました。

休日はとくに、外に出る回数が減ったので、日によっては着替えやお風呂の時間も惜しみました(笑)まるで受験生みたいです。

それから、千代田区は「ちよくる」というシェアサイクルがあるので、自転車をレンタルして、移動の時間を節約しました。

あとはホテルの予約ですね。ついに、会社から家に帰る時間も惜しいぐらいにまで追い込まれてしまって(笑)

会社の近くのホテルを予約して、常に行き来できるような状態にして、浮いた移動時間の30分とか1時間を執筆の時間にあてるようにしました。

こうやって、時間を節約しまくって、時間を作りまくって、執筆をがんばりました。

こちらが実際に校了したときに出版の編集者さんからいただいたメールなんですけど、翔泳社の編集者さんから、連絡をいただきました。

「とりあえずこれで校了します。ありがとうございました」と。

「やっと終わった…」と思いました。

いろんな修正をしていただいたり、たくさん最後までこだわって、いろいろ反映していただいたりしたんですけど、「最後まで希望を叶えてくださって本当にありがとうございました。もう後悔はありません。これから、たくさん売れるように頑張ります!!」というふうに返信しました。「終わった…」と思いました。

『超ど素人がはじめる不動産投資』書籍に込めた想い

この本に込めた想いなんですが、まず不動産に興味があるという人が不動産投資で成功するというのはもちろんだと思っています。

でも、それだけではなく、これまで不動産以外のことに興味がある人が、この本をきっかけに不動産にも興味をもってくださって、「不動産以外の興味のあること」掛ける「不動産」で、新しい場所や拠点、コミュニティが、この世の中にたくさん増えればいいなと思っています。

みなさんがいらっしゃる、このビルのようにですね(笑)

そういった場所を世の中にもっと増やしていきたいなというふうに思っています。

それから、私は不動産業界でたくさん育ててもらったと思って、お世話になっていますので、不動産業界を盛りあげることによって、育ててもらった不動産業界や関係者のみなさんに恩返しができたらな、というのをこの本を通じて実現できればと思っています。

最後になりましたが、今回もたくさんの方に貴重なレビューをいただきました。こんなに1ヵ月がんばれたのも、やはり、まわりのみなさんに支えていただいたおかげでした。

たくさんのレビューをいただいたり、PRの相談に乗っていただいたりしました。今日来てくださったなかにも、たくさんの方がいらっしゃいますね。 本当にありがとうございました。

こういった方々ですね。たくさんのアドバイスや修正をしていただきました。貴重なレビューもたくさんいただきました。

それから、紹介もすごくたくさんしていただきました。

実際に本を書いている方を紹介をしてもらったり、そういうメディアを紹介してもらったりして、たくさんの人を紹介していただきました。

実際に本を出された先輩方にもPRの方法をたくさん教えていただきました。出版のその後ですね。本当にたくさんの本を書いている人たちに、本を書いたあとどういうことをしてるか、たくさんお話いただきました。

あとはSNSでもたくさん応援していただきました。いつもお世話になってる早野さんっていう編集者の方がいらっしゃるんですけど、こうやって行動をして本を出したのすごいなっていうふうにお言葉をいただきました。

他にもブログをやってる方にも実際に取り上げてもらったりだとか、今まで会う機会がなかった人と再開していろんな発信をしていただいたりもしました。

まだまだ、他にもたくさんの方に、お世話になりました。みなさま、本当にありがとうございました!この場を借りてお礼をもうしあげます。おかげさまでがんばれました。

そしてなによりですね、翔泳社の編集者様には本当にお世話になりました!

何度も書いては書きなおしたりとか。一度「OK」って言ったんですけど、やっぱりこうしてくださいみたいな無茶をたくさん聞いていただいて、本当に「もう二度と仕事したくない」と言われるんじゃないかと思ってるんですけど、たくさんの無茶を聞いていただきました。

おかげで、本当に後悔のない1冊を作ることができました!この場を借りてお礼をもうしあげます。本当にありがとうございました。

ということで、無人島で感じたことですね。

魚獲りもできないな、火起こしもできないな、料理もできないなと思ったんですけど、そんな僕でも本を出すことができちゃいました。

これまで学んできた、不動産投資の知識をやさしく噛み砕いて説明する1冊を作ることができました。

これで、世の中に少しでも貢献できたらいいなと思っています。

ということで、本ができちゃったということだったんですけど、2019年1月18日の出来事です。

発売日は今日で、1月21日が正式なんですけど、5日前ぐらいからそわそわして、毎日まだかまだかと通っていました。

いつもの三省堂書店さんです(笑)

まだ早いかなと思ったんですけど、3日前になると、もう早めに本棚に並んでいました。しかも表向きで、目線の高さで表紙が見えるように置いてくださっていました!

これまでこの三省堂書店さんには、毎週のように通って、しかも毎回10冊ずつぐらいの不動産投資の本を買っていたんです。

なので、もしかしたら「なぜか急に、不動産投資の本がめちゃめちゃ売れる!」となって、私の本もたくさん用意して、期待して表紙を前にして、アピールして置いてくださったのかもしれません(笑)

もう、僕は不動産投資の本は十分に買ってしまって、自分の本はすでに持っているので、しばらくは買わないかもしれないのですが・・・(汗)

たくさんの本を読んで、この本を作ることができたので、一緒に書店で並んで、すごく嬉しいなと思っています。三省堂書店の神保町本店さんにも、この場を借りてお礼をもうしあげます。困ったときや悩んだときに、たくさんの学びをいただきました。

ぜひ、みなさんもご購入お願いします。実はもう買われたという方が多いと思うので、まわりの方にすすめていただけたらなと思います。

なんなら、プレゼントしていただいてもいいかなと思います(笑)

ということで、以上が、出版までの想いや葛藤についての紹介でした。

ここまでは出版のお話だったんですけど、ここからは少しだけ質疑応答のお時間をとりたいと思いますので、もしあればお答えしたいと思います。

ちなみに、ひとつだけ、よくある質問なんですけど、この「ポイント」ってしゃべってる図の人、表紙のシーソーに乗ってる人ですね。

この人、よく「弦本ですか?」って言われるんですけど、この顔は私がモデルではありません(笑)

もともといるキャラクターを流用したものとなっています。

今日のお話が、これから出版をしてみたい方や、なにか新しいことをはじめたい方への、ヒントになると嬉しいです。

最後に、この会場の「TOKYO PRODUCERS HOUSE」を貸してくださって、「無人島プロジェクト」も主催している梶 海斗さんと、会場の準備をお手伝いしてくださった日比 大輔さん、素敵な機材で、動画や写真を撮影をしてくださった早野 龍輝さん。

北海道の美味しい料理を取り寄せてふるまってくださった伊藤 健人さん、美味しい日本酒を取り揃えてくださった久保田 薫さんにも、この場を借りてお礼をもうしあげます。

参加者のみなさんも、本当にありがとうございました!

みなさんも、もしよろしければ『超ど素人がはじめる不動産投資 』を、今後ともよろしくお願いいたします!

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弦本 卓也
1987年、埼玉県生まれ。大学卒業後、大手広告会社「リクルート」にて不動産メディア「スーモ」(SUUMO)の運営に従事。新卒で入社して、スーモのメディアづくりを7年、その後にエンジニア組織の組織づくりを4年行う。 また、リクルート社内の部活動制度にて「大家部」を立ち上げ部長を務める。不動産投資に関する情報交換や物件見学のワークショップなどを行う。 入社2年目に新築一戸建ての広告を取り扱う部署に異動したことをきっかけに、「いい企画を作るためには、まずは自分で経験したい」という想いから個人で新築一戸建てを購入。その翌年には売却分野を担当したことをきっかけに売却も経験。マンションの売買なども行い、11年間で11回の引っ越しを経験。 「新しい住まいや暮らしを自ら探究したい」という気持ちで購入した東京都千代田区の神保町の中古ビル「弦本ビル」は、コワーキングスペース、シェアオフィス、シェアハウス、飲食店が入居する複合ビルとなっており、20代を中心とした若手社会人や学生のやりたいことを実現する場所として注目を集めている。3年間で延べ1万人以上の来場者を記録し、家賃年収1,400万円を達成しながら満室経営を続けている。 お金面とビジョン面の両立を大切にしており、モットーは「一人ひとりの可能性をもっと世の中に」。会社員を続ける傍ら、学生時代に起業した会社とあわせて株式会社を3社創業。うち1社は売却し現在は2社を経営している。他にもエンジェル投資家として若手実業家の支援を手がける一面も。 日経新聞や不動産業界紙、書籍や雑誌、テレビなどでも多数の注目を集めておりセミナー講師なども行う。宅地建物取引士を保有。