Categories: 株式投資

アルファベット(Google親会社)2019年第4四半期決算まとめ

2020年2月3日(米国時間)に、Google親会社のアルファベットが2019年12月31日に終了した2019年第4四半期の決算、および会計年度の通期決算を発表しました。

アメリカの企業の多くは決算が12月ですが、決算の1ヵ月後にIRが公開されることが多いです。
アルファベットでは、PDFとあわせてYouTubeでも発表していますので、あわせて参考にすることができます。

今回の決算では、はじめてYouTubeと、Google Cloudのセグメントに区切って詳細な売上データが出ました。2019年12月に創業者のラリー・ペイジ氏とセルゲイ・ブリン氏の退任が発表されてはじめての決算発表で、CEOがサンダー・ピチャイ氏に変わったことから、より透明性の高い情報を出すために詳細を開示したのではないかと考えられます。

目次

アルファベット(Google親会社)決算

2019年第4四半期(2019年10月~12月)

  • Google検索は2.7兆円まで成長したが、前年比較で16.6%の成長だが、過去からの伸びが鈍化してきている
  • YouTube広告とGoogle Cloudの成長が投資領域で、これからの稼ぎ頭になっていくのではないか
項目2018年Q42019年Q4変化率
Google検索など23,32027,185+16.6%
YouTube広告 ※注13,6054,717+30.8%
 Googleプロパティ26,92531,902+18.5%
Googleネットワークメンバーのプロパティ
(Google AdSenseや検索エンジンの提供による売上)
5,5936,032+7.8%
 Google広告32,51837,934+16.7%
Google Cloud1,7092,614+53.0%
Googleその他 ※注1
(Google Pixel、Google Homeなど)
4,7715,264+10.3%
 Googleの収益38,99845,812+17.5%
その他のベット収益
(Pokémon GO)
154172+11.7%
ヘッジ利益(損失) ※注2
(現金の運用による金利など)
12491-26.6%
総収入39,27646,075+17.3%
(参考)Alphabet Investor Relations

[単位]ミリオンドル
※注1:YouTubeの非広告収入は、Googleの他の収入に含まれています
※注2:ヘッジ利益(損失)は、以前はGoogleの収益に含まれていました

項目2018年12月31日2019年12月31日前年比
売上39,27646,07517%
営業利益8,2219,26613%
営業利益率21%20%-5%
その他の収入(費用)1,8511,438-22%
純利益8,94810,67119%
希釈化EPS12.7715.3520%
(参考)Alphabet Investor Relations

[単位]ミリオンドル

2019年通期(2019年1月~12月)の収益

  • 投資をしていながらも、利益率を20%で維持している
  • トラフィック獲得コストTAC(Traffic Acquisition Costs)は他社とのレベニューシェアのため、上がりすぎないようにコントロールする必要がある
項目2018年4Q2019年4Q変化率
Google検索など23,32027,18517%
YouTube広告 ※注13,6054,71731%
 Googleプロパティ26,92531,90218%
Googleネットワークメンバーのプロパティ5,5936,0328%
 Google広告32,51837,93417%
Google Cloud1,7092,61453%
Googleその他 ※注14,7715,26410%
 Googleの収益38,99845,81217%
その他のベット収益15417212%
ヘッジ利益(損失) ※注212491-27%
総収入39,27646,07517%
トラフィック獲得コスト合計7,4368,50114%
就業者数98,771118,89920%
(参考)Alphabet Investor Relations

[単位]ミリオンドル
※注1:YouTubeの非広告収入は、Googleの他の収入に含まれています
※注2:ヘッジ利益(損失)は、以前はGoogleの収益に含まれていました

2019年通期(2019年1月~12月)の貸借対照表

  • 現金および現金同等物は1.8兆円、市場性のある有価証券が10.2兆円ある
  • 現金に換金可能な状態で運用していると考えられる
  • 長期債務は0.4兆円、負債をすべてあわせても0.7兆円だが、全体からみると小さいため財務としては健全

2019年通期(2019年1月~12月)の連結損益計算書

  • 研究開発は、エンジニアの人件費で年間で0.26兆円
  • 営業やマーケティングで0.18兆円
  • EUからの罰金は1.3兆円

2019年通期(2019年1月~12月)の地域ごとの内訳

  • 為替の影響を除外したもの
  • EMEA(ヨーロッパ、中東、アフリカ)は、18%伸びている
  • APAC(アジア太平洋地域)は23%伸びている
  • Other Americas(アメリカ以外の北米、南米)は26%伸びている
  • United States(アメリカ)でも16%も伸びているが、おそらくYouTubeなのではないか

既存の検索も成長が伸び悩みつつも大きく伸ばしていて、かつ新規でYouTubeとGoogle Cloudに投資をしていますが、毎年約20%の成長を続けているアルファベットならではの、引き続き成長が見込めそうな決算となりました。

アルファベット(Google親会社)の他の決算

2020年第1四半期の決算は以下をご覧ください。

弦本 卓也

1987年、埼玉県生まれ。大学卒業後、大手広告会社「リクルート」にて不動産メディア「スーモ」(SUUMO)の運営に従事。新卒で入社して、スーモのメディアづくりを7年、その後にエンジニア組織の組織づくりを4年行う。 また、リクルート社内の部活動制度にて「大家部」を立ち上げ部長を務める。不動産投資に関する情報交換や物件見学のワークショップなどを行う。 入社2年目に新築一戸建ての広告を取り扱う部署に異動したことをきっかけに、「いい企画を作るためには、まずは自分で経験したい」という想いから個人で新築一戸建てを購入。その翌年には売却分野を担当したことをきっかけに売却も経験。マンションの売買なども行い、11年間で11回の引っ越しを経験。 「新しい住まいや暮らしを自ら探究したい」という気持ちで購入した東京都千代田区の神保町の中古ビル「弦本ビル」は、コワーキングスペース、シェアオフィス、シェアハウス、飲食店が入居する複合ビルとなっており、20代を中心とした若手社会人や学生のやりたいことを実現する場所として注目を集めている。3年間で延べ1万人以上の来場者を記録し、家賃年収1,400万円を達成しながら満室経営を続けている。 お金面とビジョン面の両立を大切にしており、モットーは「一人ひとりの可能性をもっと世の中に」。会社員を続ける傍ら、学生時代に起業した会社とあわせて株式会社を3社創業。うち1社は売却し現在は2社を経営している。他にもエンジェル投資家として若手実業家の支援を手がける一面も。 日経新聞や不動産業界紙、書籍や雑誌、テレビなどでも多数の注目を集めておりセミナー講師なども行う。宅地建物取引士を保有。

Recent Posts

読書ノート『「家賃0円・空室有」でも儲かる不動産投資』

「かぼちゃの馬車」事件で話題と…

12か月 ago

読書ノート『ハーバード式不動産投資術』

お仕事をご一緒する機会があった…

12か月 ago

読書ノート『スモールビジネスの教科書 実践編』

前作が非常に学びになったので、…

1年 ago

同志社大学政策学部で講義をしました!

2023年1月16日に、同志社…

2年 ago