アパート経営などの、不動産投資は大きなお金がかかる投資だけにリスクを心配する方が多いです。
投資である以上、不動産投資にリスクが存在するのは間違いありません。
しかし不動産投資は歴史の長い投資であるだけに、リスクカバーのための対策もきちんと用意されています。
ここでここではアパート経営を考えた時に、どのようなリスクがあり、またどのようにリスクカバーすればよいのかをお伝えします。
目次
不動産は入居者が決まれば、不労所得に近い収入を得られます。
しかし一度退去が発生してしまえば、収入はゼロになり、ローンなどの返済も出来なくなってしまうでしょう。
収入が0になることを防ぐには、所有する部屋の数を増やすことです。
高価な区分マンションや戸建てを1つずつ購入するよりも、部屋数の多いアパートを購入すれば、退去が1件や2件出ても、収入がゼロになることがありません。
投資対象を分散することで、収入減少リスクを抑えられるのです。
不動産投資をする上で、一番避けたいのはローンを返済できなくなって物件を売却せざるを得なくなる状況です。
物件を売却してローンを完済できるのであれば、まだダメージは少ないのですが、最悪の場合物件を売却してもローンを返済できずに、自宅や他の利益が出ている物件を処分しなければいけないこともあります。
返済が出来なくなる状況をできるだけ避けるにはどうしたらいいでしょうか。
それは毎月の返済の義務を金額を抑えることです。
自己資金を多めに用意する、もしくは返済期間を長く設定するなどの対策で毎月の返済義務を軽減できます。
とりあえず可能な限りの長期融資を受け毎月の返済額を抑え、お金に余裕が出たら繰り上げ返済するという方法宅ローンの返済計画を立てます。
現在の日本は日銀の政策によりマイナス金利政策が導入されています。
そのため住宅ローンだけではなく、アパートなど投資用ローン金利も低くなっています。
投資家にとっては好ましい状況ですが、今後の変動としては、金利が上昇する可能性が高くなっています。
アパートローンの場合住宅ローンよりもどうしても金利が高いです。
そのため金利が変動すれば、毎月の返済額が一気に増える可能性があります。
借入額が多ければ多いほど金利上昇の影響は大きくなり、場合によっては家賃収入で返済できなくなるほどのローン返済額になってしまう可能性があります。
不動産投資以外の収入源が少ない、不動産投資であまりキャッシュフローが生まれてないという方はいきなり多額の借入額で物件を購入するのではなく、比較的安価に購入できる物件から投資を始めていきましょう。
そうすれば金利が上昇しても影響を抑えられます。
日本で不動産投資を考える上で避けて通ることができないのが、台風・大雨・洪水などの自然災害によるリスクです。
日本は地震大国であるだけに、地震対策も考えておかなければいけません。
そのための対策としては二つ考えられます。
1つ目は、国が提供するハザードマップなどを見て、災害を受けにくい場所に物件を購入することです。
高台や丘に物件を購入すれば少なくとも、洪水などの被害は避けられます。
中腹ではなく丘の上に物件を買えば、地盤も強固なので、揺れや土砂崩れの恐れもなくなります。
エリア的に九州や沖縄に物件を買えば大雪を避けられますし、北海道ならば台風が来ないというメリットがあります。
自分が購入する物件のあるエリアでどのような災害が起こり得るのかを考え、立地選びで自然災害対策をします。
もう1つの自然災害への対策が、保険を利用することです。
立地選びは自然災害の被害を受けないための対策ですが、保険の場合は災害の被害に対する保証としての対策です。
基本的に投資用ローンの融資を受ける時には、火災保険への加入が必須です。
地震保険の加入は火災保険と同時でないと加入できません。
また火災保険では火災だけではなく、水害や風災、強風その他にも様々な問題が発生した時のための保険が用意されています。
保険を必要なものは加入して、自然災害リスクに備えましょう。
アパート中心の投資の場合、家賃が非常に安い物件もあります。
家賃を下げれば入居者が決まりやすいだろうと、ついつい値下げしてしまう人もいますが、それはリスクが伴います。
家賃が安い物件は、入居者が決まりやすい一方で、家賃滞納が起こりやすいのです。
家賃が安い物件に住む人ほど収入が少ない事が多いからです。
家賃滞納が発生すると、部屋が満室でも想定通りの収入になりませんし、入居者に退去してもらわないと、新規入居者募集ができないため状況が、空室時よりも悪い状況と言えます。
そんな時の対策としては、入居時に家賃保証会社を利用します。
家賃保証会社がいれば、家賃滞納が発生したときも、家賃保証会社が家賃を支払ってくれますし、入居者からの家賃回収を、家賃保証会社が行ってくれます。
自分が所有する物件で事件や事故が起きてしまった。
いわゆる事故物件は、事故物件をまとめたサイトの登場などで一般への認知度が上がっています。
一度事件や事故が発生してしまうと、心理的瑕疵物件として一度は家賃を下げて募集しなければいけません。
なかなか入居者が決まりにくいですし、家賃収入が減ってしまうので収益性が大きくダウンしてしまいます。
そんな時にも頼りになるのが家賃保証会社です。
家賃保証会社に加入しておけば、事故物件化した時に保険金を受けとれます。
それほど起こるトラブルではありませんが、いざという時の備えとして、加入を検討しましょう。
物件を購入して運営していくと、建物の老朽化や設備の破損などが発生します。
同じ建物でも管理状態により、設備の持ち方も違います。
管理状態を長期間良い状態に保つためには、評判の良い管理会社を利用することです。
きちんと定期的に作業してくれる管理会社を利用すれば、入居者からの不満も減りますしトラブル対応をスピーディーに行えます。
入居者からも、このアパートは良いアパートだと思って貰えれば、長期間の入居に繋がります。
管理費削減のために、自己管理をしようとしても、素人かなかなか対応できるものではありません。
質の良い管理会社を使うことで、物件の修繕頻度を減らすことができますし、修繕の必要性が出たときも速やかに問題を解決してくれるでしょう。
不動産物件の運営では、入居者による問題にも気を配らなくてはいけません。
家賃滞納だけではなく、ゴミ出しのルールを守らない、夜中でも平気で騒ぐといった問題がある入居者は、大家にとって大きな悩みの種になります。
また最近増えている外国人入居者も、保証人が中々用意できないので、どうしてもリスクが高くなってしまいます。
そのような問題のある入居者が入ることを防ぐには、入居時の審査が重要です。
収入の安定性や保証人がきちんとついてくれるかを、不動産会社に厳正に審査をしてもらった上で入居決定します。
空室が多いときに、入居希望者が来ると、審査も疎かなまま、入ってくださいとお願いしたくなるものです。
しかし審査をキチンと行わないと、と後々大きな問題に発展する可能性があります。
審査を行った上で、安定した収入がない、保証人がいない時、は家賃保証会社に加入してもらうことでリスクカバーします。
アパートなのに住む人は若い人が中心ですが、最近では非婚化や晩婚化などの影響で、中高年から高齢者の入居者も増加しています。
中高年以上の方が一人で生活をしていると、身体に何か問題があった時でも、すぐに病院に連絡してくれる人がいないので、倒れたまま孤独死が発生する可能性があります。
孤独死が発生すると、事故物件になるので、収益性に大きな悪影響が出ます。
遺体の発見が遅れれば、臭いや染みが付いて大規模な修繕が必要になるのです。
そのリスクカバーのために、最近では孤独死に対応する保険が出ています。
孤独死の発生による家賃収入の減少、そして修繕費までカバーしてくれます。
中高年の方で健康に問題がある方、身内がいない方などの入居者がいる時には、孤独死対応の保険に加入しておくのも一つの手です。
不動産投資には様々なリスクがありますが、いずれも保険やローンの組み方で対応可能です。
その意味では不動産投資はリスクコントロールが可能であり、取り組み方次第で高い確率で収益を得られる投資法と言えるのです。