Categories: 弦本ビル

週刊ビル経営に掲載していただきました!(その4)

都営新宿線・三田線、東京メトロ半蔵門線「神保町」駅から徒歩5分ほどの場所に立地する「弦本ビル」。オーナーの弦本卓也氏は平成27年3月、弱冠27歳で同ビルを購入した。弦本氏はその理由を「1階に飲食、2~3階が事務所で4~5階が和室と食・住・職が揃っているビルで面白さを感じたから」と明かす。昭和54年竣工で、購入当時で築30年以上が経過。通常賃貸では厳しさも出てくる年数であるが、同ビルはどのような再生を辿ってきたか。

「購入した当初、1階部分のみテナントが入居していて他は空の状態だったので、テナント探しに奔走しました。そのなかで知り合ったのが現在2階に入居する『TOKYO PRODUCERS HOUSE(通称、プロハ)』(東京都千代田区)でした」(弦本氏)

ただ築年数の経過が示しているように、ビルの内装は弦本氏曰く「昭和のビルという感じでした」。そこで、2階フロアを使用するにあたって原状回復義務を無くし自由な改装を行うことを可能にした。前オーナーの時には麻雀店として使用されていたフロアを、電気配線部分を除いて、天井・壁などの改装をDIYで行うことになった。建設業者などではない20代のプロハの会員たちが工具を用いて以前の内装を解体していく様子を思い出して弦本氏は「不安もよぎりました」と苦笑する。

改装工事は7日間という期間で、昨年11月に完成。昭和らしさが残っていたフロアは黒を基調としたモダンな空間に生まれ変わって、若き起業家たちが集まるに相応しい場所となった。現在ではイベントスペース・交流の場として稼働しており、20代、30代の若者を中心にしてコミュニティを形成している。それに加えて、今年の8月には「弦本ビル」と「プロハ」の軌跡や、入居者の物語をつづった書籍『PRODUCERS』が出版された。

新しいビル経営の風が吹き込んでいる。

弦本 卓也

1987年、埼玉県生まれ。大学卒業後、大手広告会社「リクルート」にて不動産メディア「スーモ」(SUUMO)の運営に従事。新卒で入社して、スーモのメディアづくりを7年、その後にエンジニア組織の組織づくりを4年行う。 また、リクルート社内の部活動制度にて「大家部」を立ち上げ部長を務める。不動産投資に関する情報交換や物件見学のワークショップなどを行う。 入社2年目に新築一戸建ての広告を取り扱う部署に異動したことをきっかけに、「いい企画を作るためには、まずは自分で経験したい」という想いから個人で新築一戸建てを購入。その翌年には売却分野を担当したことをきっかけに売却も経験。マンションの売買なども行い、11年間で11回の引っ越しを経験。 「新しい住まいや暮らしを自ら探究したい」という気持ちで購入した東京都千代田区の神保町の中古ビル「弦本ビル」は、コワーキングスペース、シェアオフィス、シェアハウス、飲食店が入居する複合ビルとなっており、20代を中心とした若手社会人や学生のやりたいことを実現する場所として注目を集めている。3年間で延べ1万人以上の来場者を記録し、家賃年収1,400万円を達成しながら満室経営を続けている。 お金面とビジョン面の両立を大切にしており、モットーは「一人ひとりの可能性をもっと世の中に」。会社員を続ける傍ら、学生時代に起業した会社とあわせて株式会社を3社創業。うち1社は売却し現在は2社を経営している。他にもエンジェル投資家として若手実業家の支援を手がける一面も。 日経新聞や不動産業界紙、書籍や雑誌、テレビなどでも多数の注目を集めておりセミナー講師なども行う。宅地建物取引士を保有。

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