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読書ノート『幸福の「資本」論』

目次

幸福の「資本」論(読書ノート)

幸福の「資本」論

いまここに存在することが幸運

  • 恵まれた環境に生まれた
  • いまの時代に生まれた
  • この奇跡と幸運を活かし、幸福な人生をつくりあげていくべき

幸福はひとそれぞれ定義が異なるが、土台として共通するものは多い

  • あると幸福なもの(お金、若さ、健康、美貌、権力、名誉、家族、恋人など)
  • これまで運命として諦めていたものも、自分の手で変えられるようになってきている(病気に対する治療法、障碍に対するハイテク補助具、知能に対するAI、価値観の多様化による職業選択の自由など)

幸福に生きるための土台

  1. 金融資産…金融資産の市場では、投資家がリスクを取ってリターンとなる富を得る
  2. 人的資本…人的資本の市場では、労働者が自らの労働力を投資して給与という富を得る
  3. 社会資本…社会資本の市場では、まわりの人たちとの関係性を活かして愛情や友情などの富を得る

3つの資産の有無による人生の8パターン

3つあることはあまりない。1つあると幸せになれるが、2つあると幸せが安定する

  • 金融資産✕人的資本✕社会資本✕…貧困
  • 金融資産✕人的資本✕社会資本○…プア充(マイルドヤンキー)
  • 金融資産✕人的資本○社会資本✕…ソロ充、駆け出しの自営業
  • 金融資産○人的資本✕社会資本✕…退職者
  • 金融資産✕人的資本○社会資本○…リア充
  • 金融資産○人的資本✕社会資本○…旦那
  • 金融資産○人的資本○社会資本✕…お金持ち
  • 金融資産○人的資本○社会資本○…超充

愛情や友情を換金することは難しいため、社会資本と金融資産は両立しづらい

限界効用逓減の法則

  • 個人年収800万円、世帯年収1,500万円を超えるとそれ以上収入が増えても幸せは増えないといわれている
  • 金融資産も1億円を超えると幸せは増えないといわれている
  • 反対に、不幸にも限界があり、慣れてしまうといわれている

金融資産とは

  • 1人のサラリーマンが生涯に支払う税金は約1億円になる
  • 年収600万円の会社員は、見かけ上、所得税+住民税+社会保険料で年間114万円で実効税率は19%にみえているが、実際には企業が会保険料を折半していることから、実際には約30%を支払っていることになる
  • 経費化することで法人税を下げやすい。中小企業は政治的に票田となっているため、優遇を受けやすかった
  • 日本は多大な借金による財政リスクがあるため、全投資株式のETF(1554)を買うのがおすすめ
  • 海外に銀行口座を開いておくのもよい

富=(収入ー支出)+資産×運用利回り

  • 節約は怠惰な自分に抗いながら目に見える成果を出すプロセスを楽しめるので、ダイエットや片付けのように趣味にできる
  • 同じ結果を得られるのであれば、安いほどいい
  • 到着する時間が同じなので飛行機はエコノミークラスに乗る、ネット証券で投資する、生命保険に入らない
  • ただし時間のほうが大事なので、比較しすぎないことが大事(少しでも安く買うために遠くまで移動しすぎない)

人的資本とは

  • 仕事とは労働力を投資して金融資産を回収するもの
  • 安定的な仕事は債券投資のようなもので、成果報酬の仕事は株式投資のようなもの
  • 会社員の生涯年収を3億円、倒産や病気などのリスクプレミアムを8%とすると、社会人になったばかりの人は5,500円の人的資本を持っているものといえる
  • 人的資本は、必ずリターンが0を下回らないという点で借金にならないのがよい点
  • 老後とは人的資本がなくなること

仕事の種類

  • 労働とは、生計を立てるための仕事
  • キャリアとは、自分の成長をするための仕事
  • 天職とは、自己実現をするための仕事で、幸福度があがる
  • 一見労働の仕事でも、自分の捉え方次第で天職に変えられる
  • 一方で、天職のように見せることで企業がやりがい搾取することもある
  • 仕事では金融資産と同様で、収入が大きければ大きいほうが良い、同じ収入であれば月々の上下は安定したほうが良い
  • 仕事では社会資本を得ることもできる(収入に関わらず自己実現できるほうが良い)

仕事の種類

  • 差別のないリベラルな会社には優秀な人材が集まる
  • クリエイターは上限がない仕事(複製可能なもの)をするべき
  • 劇団ではなく、映画(多言語化、DVD、レンタル)
  • 医者や弁護士などは単価は高いが上限のある仕事
  • マクドナルドのバイトなどは単価が低く上限のある仕事
  • マニュアル化された仕事は、グローバルな低単価で働く人材やテクノロジーで休みなく働くロボットに取られていく

日本で働くことには有利な点もある

  • 海外では若手からレイオフしていくが、日本は新卒一括採用があるため若手にとっては就業の機会を得やすい。またジョブローテーションにより天職を見つける機会もある。少子化の中では若いことが希少性として差別化にもなる

好きなことを仕事にするべき

  • 好きなことは情熱を持てるので一人でも学習できる。能力のある人はひとりで学習することを好む
  • 目立ちたいと思うのは子孫を遺すための本能であり、目立つために好きなことに熱中し得意なことにするのも本能的なこと
  • 弱い生物やビジネスの生存戦略としては、よりニッチに逃げるまたは複雑な環境に逃げる、または変化の激しい部分に逃げることで大企業が入ってこないようにする
  • 分業することで全体は効率化する
  • 会社は取引コストという障壁で分かれている

大企業の弱み

  • 大企業は社員にイノベーションを生むような配置転換をできない。ハイリスクハイリターンのリスクを取らせて、その社員が成功しても平等性の観点で高い報酬を払えない、失敗しても他の社員と同様の報酬を払うことが他の社員の批判を買うため
  • そのため、大企業はイノベーションを買収という形で社外に求めるようになる。そしてベンチャー企業は上場よりも大企業への売却を狙うようになる

人的資本を活かす戦略はフリーエージェント化すること

  1. 好きなことをみつけ熱中し集中投資する
  2. 大企業が入れないニッチを見つける
  3. 大企業を取引してマネタイズする

社会資本とは

  • 重要だが関わる人数が1%の愛情空間…家族や恋人など
  • 関わる人数が19%の友情空間…学校の同級生、会社の同僚、ママ友などの平等な関係
  • 重要ではないが関わる人数が80%の貨幣空間…お金を介してつながっている他人。無関係だからこそ割り切って広く付き合える

社会資本と金融資産の両立

  • 社会資本の愛情空間や友情空間では、愛情や友情はプライスレスのため、お金が絡むのはよくないと考えられている
  • 武士と商人が相容れない、ロマンとソロバンが両立できないことと似ている(武士は伝統、名誉、階級。商人は協力、交易、契約、信頼)
  • 権力とお金がからむと必ず腐敗し崩壊する

人間関係の悩みの克服

  • 人生の3大悩みは、健康、お金、人間関係
  • 愛情空間や友情空間は強いつながりでハイリスクのため、関係者に対してリスクをとりづらくなる
  • 貨幣空間は弱いつながりでローリスクのため、良いときには手柄にしやすく、悪いときは離れることで評判が下がるリスクが少ない。そのため空気を読む必要がないため気軽にいられる
  • 金融資産があれば社会資本がなくても愛情空間や友情空間を貨幣空間に置き換えることで人間関係の悩みをなくすことができる

自己決定権が大事

  • 自分の人生を自分でコントロールできる(自己決定権がある)ほど人は幸せを感じやすい
  • 会社員よりも自営業の方が、いつ働くかとだれと働くかを選べることから幸せになりやすい
  • 人は強い弱みを受けることよりも弱い痛みが継続することのほうが不幸に感じやすい

最適なポートフォリオとは

  • 金融資産は、経済的自由になること。具体的には投資収入が支出を上回ること。インデックス投資で全世界ETFを買い世界にリスクを分散させておく(分散投資)
  • 人的資本は、子供の頃のキャラクターでいられる天職をみつける(集中投資)。本当の自分は、大人の事情を知らない子供の頃の無邪気に過ごしていたキャラクター。スペシャリストやクリエイターとして専門的な知識やスキル、コンテンツを官僚化した組織では生み出せない大企業に提供する。いずれ会社員は退職があるため、生涯現役でいるためにもこのような働き方を身につけておく。インターネットを通じて顧客に販売することで、知的コミュニティの中で評判を得ること
  • 社会資本は、愛情空間や友情空間の強いつながりは少数の夫婦や恋人、友人と密な関係を築きつつ(集中投資)、仕事上のつながりでは組織に生活を依存させず、プロジェクト単位で貨幣空間の弱いつながりから人間関係を選択できるようにする(分散投資)

幸福とは

  • 適度に不幸(逆境)を経験している方が幸福になりやすい
  • 幸福は変化によって感じるものなので、幸福になっていくプロセスを歩みつづけることが幸福だといえる
  • 幸福は自分で設計し、実現していくべきもの
  • 人は自分に似た人の意見を参考にして、自分で幸せになっていこう

幸福の「資本」論

弦本 卓也

1987年、埼玉県生まれ。大学卒業後、大手広告会社「リクルート」にて不動産メディア「スーモ」(SUUMO)の運営に従事。新卒で入社して、スーモのメディアづくりを7年、その後にエンジニア組織の組織づくりを4年行う。 また、リクルート社内の部活動制度にて「大家部」を立ち上げ部長を務める。不動産投資に関する情報交換や物件見学のワークショップなどを行う。 入社2年目に新築一戸建ての広告を取り扱う部署に異動したことをきっかけに、「いい企画を作るためには、まずは自分で経験したい」という想いから個人で新築一戸建てを購入。その翌年には売却分野を担当したことをきっかけに売却も経験。マンションの売買なども行い、11年間で11回の引っ越しを経験。 「新しい住まいや暮らしを自ら探究したい」という気持ちで購入した東京都千代田区の神保町の中古ビル「弦本ビル」は、コワーキングスペース、シェアオフィス、シェアハウス、飲食店が入居する複合ビルとなっており、20代を中心とした若手社会人や学生のやりたいことを実現する場所として注目を集めている。3年間で延べ1万人以上の来場者を記録し、家賃年収1,400万円を達成しながら満室経営を続けている。 お金面とビジョン面の両立を大切にしており、モットーは「一人ひとりの可能性をもっと世の中に」。会社員を続ける傍ら、学生時代に起業した会社とあわせて株式会社を3社創業。うち1社は売却し現在は2社を経営している。他にもエンジェル投資家として若手実業家の支援を手がける一面も。 日経新聞や不動産業界紙、書籍や雑誌、テレビなどでも多数の注目を集めておりセミナー講師なども行う。宅地建物取引士を保有。

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