「仲介手数料無料の不動産会社は怪しいって聞くけどホントなの?」
「仲介手数料無料にした場合のデメリットが怖い!デメリットの内容を知りたい」
上記のように、仲介手数料を無料にしたいけれど、契約後のデメリットが怖いという人は多くいます。結論からいいますと仲介手数料無料の不動産会社だからといって怪しい会社というわけではありません。
今回の記事では、「仲介手数料無料にできる仕組み」や「デメリット」、みなさんが不安に思っている「疑問点」や「仲介手数料以外に請求される費用」なども詳しく解説します!
目次
仲介手数料無料の会社は有料の会社と違って怪しい会社というわけではありません。正当な理由で無料にできる仕組みがあります。
仲介手数料無料にするためには2つの方法が主にあります。
①両手仲介によって売主または買主の一方から仲介手数料を貰う方法
両手仲介とは、1つの物件を売買するときに、売主にも買主からも仲介手数料を貰うことができる仲介方法になります。収入源が2つあるので、売主または買主の一方から仲介手数料を貰い、もう片方の仲介手数料を無料にするということができます。
片方からのみの報酬になりますので貰える金額は少なくなり、仲介する不動産会社にはデメリットしかないように思えます。しかし、仲介手数料を最初から無料にすることで顧客の数を増やすことができます。
仲介手数料無料で契約したい人は数多くいます。そのため、最初から「うちを通せば無料で仲介しますよ!」と宣伝することで、有料で仲介している不動産会社と差別化をはかることができます。
仲介手数料無料にすることで1回の契約での報酬は減りますが、契約数を増やすことができます。仲介会社としては顧客を増やせるメリットがあり、仲介を利用する側としては無料で仲介してもらえるメリットがります。
②売主または買主と直接契約を結ぶ方法
仲介手数料無料にできる仕組みに、仲介を通さずに直接売買契約を結ぶ方法があります。仲介会社を通して売買契約することで仲介手数料の支払いが発生します。
そのため、最初から仲介を通さずに自分で契約する相手を見つけて直接売買契約を結ぶことで仲介手数料無料にすることができます。
仲介手数料は上限が法律で決まっています。上限以上に請求することは禁止されています。上限といっていますが、上限まで請求する会社が一般的です。
上限の計算方法をご紹介します。
仲介手数料の上限=(物件価格×3%+6万円)×1.1
4,000万円の物件の場合であれば、
(4,000万円×3%+6万円)×1.1=138.6万円
仲介手数料は課税対象になるので、「×1.1」で消費税分10%を計算式に入れて計算しています。
仲介手数料無料の会社を利用する場合によく聞くデメリットがあります。仲介手数料を有料で請求している不動産会社の営業マンから聞くこともあるかと思います。
実際によく聞くデメリットはホントなのかウソなのかを解説します。
仲介手数料無料の会社は人件費を削っているので、社員の教育が行き届いておらず劣悪なのではと不安になる人もいるかと思います。しかし、人件費を削っているので仲介手数料を無料にしているわけではありません。
無料にして顧客数を増やし、契約する数を増やすことによって利益を回収しています。そのため、仲介手数料無料の会社だからということは関係なく、社員の質が悪い・良いは会社の教育方針に大きく左右されます。
また、契約書や重要事項説明書は売主である不動産会社が作成します。なぜなら、売る物件の土地や住宅、周辺施設の告知事項のことを詳しく知っているのは売主だからです。仲介会社も必ずチェックする仕組みになっていますが、元を作成するのは売主になるので仲介手数料無料の会社を利用したからといって契約書に不備が出ることはありません。
仲介の業務内容の中に、売主や買主への交渉業務は含まれています。そのため、仲介手数料無料の会社を利用したからといって交渉できないということはありません。
買主は無料で売主から仲介手数料の上限まで貰うため、売主の味方になり積極的に値下げ交渉してくれなくなるではと不安に思う人もいます。しかし、仲介手数料無料だから売主の味方になるということは全くありません。
基本的に買主からの仲介手数料を上限まで請求したとしても、売主に対しても上限まで請求します。そのため、仲介手数料無料の会社でも有料の会社でも売主としてはどちらも差はないため、仲介会社として堂々と物件価格の値引き交渉をすることができます。
住宅ローンの審査や金利の決定は金融機関がすべておこないます。そのため、仲介する不動産会社は一切関係ありません。
しかし、仲介会社と銀行が提携している「提携ローン」を利用すれば通常より金利が安くなることはホントです。ですが、低金利が長らく続いておりネット銀行の参入もあることから、提携ローンの金利や条件が確実に優れているというわけではありません。
仲介会社は提携しているローンのお得さをアピールしてくるかもしれませんが、多くの金融機関の中から自分にあった条件の会社を選ぶことが重要になります。
仲介会社には仲介手数料を請求できる上限が決まっています。上限以上に請求することは法律で禁止されています。しかし、仲介手数料無料の場合は仲介会社が受け取れる報酬の上限まで達していないため、別項目で費用を請求することができます。基本的には仲介手数料無料だからといって別項目で費用を請求されることはありませんが、なかには別項目で費用を請求してくる会社もあります。
請求される項目として住宅ローンの事務手数料や斡旋手数料などがあります。しかし、いきなり請求されるわけではなく事前に説明を受けて承諾した場合のみ支払うことになります。
仲介手数料無料の不動産会社だと引き渡し後のアフターサービスをしっかりいてくれないという不安があります。しかし、アフターサービスは主に売主である施工主がおこないます。
仲介会社は契約から引き渡しまでをサポートする業務が主な業務内容になります。引き渡し後のトラブルまでは基本的に対応してくれません。
「購入した物件に不具合が見つかった」「3年住んだら雨漏りをするようになった」などの場合に、売主がおこなっているアフターサービスの内容によって対応される条件が異なります。
そのため、仲介会社が無料でも有料でもアフターサービスには関係ありません。アフターサービスが充実しているのかどうかは売主との売買契約の際に確認しておきましょう。
仲介手数料無料でも有料でも業務内容には関係ありません。媒介契約書を結ぶことにより仲介業務をおこなう義務が発生します。そのため、仲介手数料無料でも通常通りの業務をおこなってもらうことが可能です。
また、無料の会社を選んでも営業マンが良ければしっかりと業務をおこなってくれます。逆に、上限まで仲介手数料を支払っても「話を聞いてくれない」「質問してもすぐに回答してくれない」「あいまいな回答が多い」など不誠実な対応をする不動産会社や営業マンには注意が必要です。
仲介手数料無料の不動産会社にいこうとした際に、このように引き留められることがあるかもしれません。顧客を別会社に取られないようにするためのウソの場合もありますが、ホントの場合もあります。
売主と専任媒介を結び物件を紹介している場合には、専任期間中には物件を紹介できるのはその会社だけになります。他社で購入することはできません。
専任の期間は特に定めがなく、売主と仲介会社が双方相談して決めますのでいつまでなのか知ることはできません。
実際に、その会社でしか購入することができないのかは他社に問い合わせてみると確認することができます。
物件価格を決めるのは売主であり仲介会社とは関係ないため、仲介手数料無料だったとしても物件価格に上乗せされることはありません。また、物件価格は販売開始時に設定するので値下げすることはできても、途中で上げることは基本的にしません。
また、売主の子会社が仲介会社だったとしても、物件価格を決める場合には不動産市場を確認し売れる価格で販売します。売主としては、短期間で利益を確実に回収したいと考えます。子会社の仲介会社が仲介手数料無料で業務を最初からおこなっているからといって相場以上の価格設定をして売れ残るようなことはしません。
その他にも、物件価格が本来は値下げをしたのに、仲介会社が値下げ前の価格で紹介して差額を受け取る可能性を心配される人もいるかもしれません。しかし、売主と買主が交わす売買契約書には物件価格がしっかりと記載されており、物件価格を騙して請求することは不可能です。
仲介手数料無料の場合のデメリットを解説します。
仲介手数料に含まれる広告費用ですが、仲介手数料無料なので売却活動での費用と報酬の収支のバランスを考えて節約される可能性があります。
全く広告しない・宣伝しないのであれば仲介業務を果たしてないので問題になりますが、広告費を抑えて販売活動をしているかどうかを判断することは難しくなります。
売却で成功する重要なポイントは、広告サイトやチラシに物件の写真などを多数載せて広告することです。情報が多ければ多いほど物件に対しての興味を持ってもらいやすくなります。逆に情報が少ない物件はどれだけ条件が良くても、よくわからない物件になってしまい集客がしにくくなります。
早期売却するためにも、広告費や宣伝費用をかけて売却活動をしてもらうことが重要になってきます。
売主からの仲介手数料が貰えないので買主からの仲介手数料を満額貰おうとします。買主から値引き交渉をされた場合に、仲介手数料ではなく物件価格を値下げして買主の要望を叶え売買契約を結ぼうと考えます。
そのため、物件価格の値下げを積極的に交渉してくる可能性もあります。仲介手数料を支払う以上に物件価格を値引いて売買契約をすれば結果的に損することもあります。
売却でも購入でも優先順位が下がる可能性があります。最初から仲介手数料無料でのみ仲介する不動産会社であれば問題はありません。どの顧客も無料なため優先順位もありません。
しかし、仲介手数料が有料な会社から交渉したことによって無料にした場合には、仲介手数料を上限まで払ってくれる顧客を優先される可能性がります。
営業マンがスケジュールを調整するときに、案内日が後回しにされることで購入を希望していた物件が売却済みになってしまった、売却であれば購入希望者の内覧日程が遅れたことによって他の物件で契約されてしまったなどが考えられます。
仲介手数料無料と宣伝している不動産会社は、両手仲介によって片方からのみ報酬を貰うことを前提としています。そのため、売主から仲介手数料を貰える物件だけを紹介することになり、有料の会社より紹介してもらえる物件数が少なくなる可能性があります。
近くに自分の条件通りの物件があっても知らずに売約済みなってしまうことも考えられます。仲介手数料無料の会社を選ぶ際には、紹介されている物件情報が多いかを事前に確認しておきましょう。
また、人気物件やインターネットに載せていない未公開物件などが紹介されない場合もあります。人気物件であれば、無料にしなくても顧客が集客できるので無料にする必要はありません。未公開物件は不動産会社にとって貴重な情報になります。仲介手数料を支払ってくれる顧客のみに情報を紹介することがあります。
仲介手数料の上限以上に手数料を請求することはできせんが、仲介手数料無料の場合に他の項目で請求してくる不動産会社もあります。他の項目で請求してくる会社を一概にすべて怪しい会社だと決めつけず、支払う前に内容を確認しておきましょう。
よく話題に出るのが住宅ローンを組む際に請求される事務手数料です。「住宅ローンの事務手数料」や「斡旋手数料」、「住宅ローン代行手数料」などといわれていますが意味はすべて同じになります。
購入者に代わって仲介会社に住宅ローンの手続きをしてもらうことになります。金融機関に支払う「事務手数料」とは異なります。
無料でおこなってくれる不動産会社も多くありますが、仲介手数料無料なので住宅ローンの事務手数料は請求しますという会社もあります。
住宅ローンの事務手数料には、住宅ローンの審査をするための書類提出や申込書類の手続き業務、ローン契約日や決済日の日程調整などを金融機関とおこなってくれる業務が含まれます。
事務手数料を支払わないためにも、自分で金融機関と書類のやりとりをする方法もあります。
上記の場合であれば、1つの金融機関に書類を提出するだけなので、難しい内容ではありますが自分で手続きをしてもいいかもしれません。
逆に住宅ローンの借入額が年収などに対してギリギリの場合には、審査に落ちる可能性があるのでプロである不動産会社に任せると安心です。
住宅ローンの審査に落ちた場合、住宅ローンの審査が通りやすい金融機関を探して同時にいくつも書類を提出すことになります。年収以外にも勤めている企業の大きさや安定性、勤続年数などによって住宅ローンの通りやすさが変わります。どの項目に重きを置いて審査するかは金融機関によって異なるので、それを知っている不動産会社に任せたほうがスムーズにいきます。
住宅ローンの事務手数料は、コンプライアンス的にグレーなところがあります。事務手数料も仲介手数料もすべて無料の会社を選ぶこともできます。契約後のトラブル回避のためにも、事前に説明を受けて納得できるところに仲介してもらうことが大切です。
売却する場合には、物件を調査し査定する必要があります。2017年に一部法改正がされ、仲介手数料に現地調査費用をプラスして請求できるようになりました。
【現地調査費用が請求できる場合】
全国的に問題になっている空き家問題の対策として、空き家売却を活性化させるために政府が上記の条件であれば仲介手数料に現地調査費用を上乗せして請求してもいいということになりました。
現地調査費用という項目でいくらでも請求できるわけではありません。仲介手数料と合わせた合計金額の上限額は「18万円+消費税」になります。
不動産を売却する際に、広告や宣伝をしてもらい購入希望者を集客してもらう必要があります。基本的には、これらの項目は仲介手数料に含まれますので請求されることはありません。
請求される場合は、通常の広告ではなく費用をかけて大きく物件をアピールしたいなど特別に依頼した場合に費用が請求されます。
しかし、仲介手数料無料の場合には報酬がないため、広告費や宣伝費を請求される可能性もあります。この場合、媒介契約を交わす際に費用を請求する旨が説明されます。
仲介手数料を無料にできる仕組みがあり、仲介手数料無料だからといって怪しい不動産会社というわけではありません。しかし、仲介手数料無料にすることで購入する場合でも売却する場合でもそれぞれデメリットがあることも事実です。
不動産を売買するときに、仲介手数料無料にするのか上限まで支払うのかはメリットデメリットを考えて選択する必要がります。