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不動産投資は、家賃としてある程度のまとまった収入が長期間、安定して入ることから、魅力的な投資といわれています。
不動産の家賃の相場は、株式や為替のような市場の乱高下がほとんどないため、安定して収入を得ることができます。
そのため、購入するときに必要なお金も、大部分は銀行などから借りることができます。
時間の面でも、不動産投資では常に相場を気にする必要はありません。
購入後の物件や入居者の管理は、管理会社に任せられるのです。
こういった点から、不動産投資は「不労所得」ともいわれます。
もちろん、不動産投資は他の投資と同様にリスクがあります。
特に不動産は金額が高いことから、慎重にリスクを見極めなければなりません。
不動産投資で失敗をしないためには、物件を探すときや、現地で見学するときなどに、ひとつずつじっくり取り組めば、リスクは十分に防げます。
不動産投資の失敗の多くは、相場やリスクを自分でよく調べずに、条件の悪い物件を買ってしまうことが原因です。
自分で考えて決められるようになるために、まずは正しい知識を身につけましょう。
不動産投資の魅力は、自分の努力次第で利益を上げられることです。
自分に合った方法を見つけて、不動産投資を成功させましょう。
不動産投資の収入といえば、月々の家賃が想像しやすいでしょう。
しかし、不動産を売ったときの収入も忘れられません。
家賃収入は、物件を貸すときに得られるものですが、物件自体は手元に残ります。
そのため、売るときにも収入を得ることができるのです。
また、土地は不動産の中でも劣化がしにくいことから、時間が経っても価値を保ち続ける資産です。
そのような中で、近年の傾向として「土地」の価格は、都心を中心にじわじわと上がってきています。
国土交通省のデータでは、東京23区の土地の坪単価は、2013年を底値に、上昇を続けています。
「建物」に関しては、実体のある資産であるため、時間の経過とともに価値が下がります。
新築物件の場合、売り出されたときに、不動産会社の広告料や利益が価格に上乗せされているため、買った瞬間にその分の価値が下がるといわれています。
しかし、建物自体の価値は、初めの15年間は毎年2%、その後は毎年3%のペースで価値が下がるとも試算されています。
土地に関しても、過去の不動産バブルのように、急激な価格の低下が起こる可能性も否定できません。
そのため、不動産投資の収支では、物件の値上がりをいたずらに期待するのではなく、毎月の家賃の収入とあわせて、全体の収支を計算することが重要です。
不動産は、英語で「リアルエステート」といわれるように、「実体」のある資産です。
そのため、一般的に銀行などに価値を審査してもらって、いざというときの担保にすることで、ローンとして大きなお金を借りることができます。
これにより、ローンを借りたあとに返済ができなくなってしまったときに、銀行は物件を代わりに売って、お金を回収することができるようになります。
ローンを借りられる金額は、物件やそれを買う人の状況、銀行などによって異なります。
一般的な目安としては、物件の購入価格の1~2割ほどは現金での支払いを求められますが、ローンは年収の5倍までが借りられる金額だといわれています。
年収が360万円の会社員が、1000~1500万円ほどのローンを借りることも、十分に可能です。
なお、諸費用やリフォームについても、銀行によっては専用のローンを用意しています。
そのため、必要な資金をすべてローンでまかなえる場合もあります。
しかし、ローンを借りる金額が大きすぎると、返済の負担が重くなるため、あまりおすすめはできません。
ここでは、手持ち資金が200万円で、1000万円の物件を買う場合を例に挙げます。
このとき、物件の価格以外に必要な「諸費用」が70万円かかると想定すると、物件自体を買う資金は130万円になります。
そこで、銀行から870万円を借りると、全部で1000万円の物件を買えるようになります。
引き続き、手持ちの資金が200万円の例で、その後のお金の流れをイメージしてみましょう。
この例では、1000万円の物件を買うために、銀行で870万円のローンを借りました。
ここでは、金利4%で20年間のローンを借りたとすると、月々のローンの返済額は約5万円になります。
一方で、物件を貸したときの家賃の収入は毎月8万円で、管理費やリフォームなどの費用が1カ月あたり1.5万円だったと仮定します。
すると、年間の収支は15万円のプラスとなります。
この物件を20年後に、700万円で売ったとします。
すると、家賃の収入とあわせて、全体では795万円の利益になります。
この例では、初めの手持ち資金は200万円でした。
20年間で795万円が手元に残るということは、実に4倍近くになる計算になります。
不動産投資をシミュレーションするときには、金額の大きなものから順に考えましょう。
まずは、物件を買うときと売るときの金額です。
これらは築年数をもとに物件自体の価格から計算します。
物件を買うときには、諸費用もあわせて計算しましょう。
次に、物件を貸すときの家賃と、月々のローンを返す金額を計算します。
月々のローンでは、無理なく返せる金額かを確認します。
そして、定期的に必要な、リフォームの金額を試算します。
株式や為替などの投資では、常に相場に張りついて売買を行うプロのトレーダーが数多く存在しています。
その中で、初心者が勝ち続けることは難しいです。
しかし、不動産投資では、特定の地域に特化すれば、プロにも十分勝つことができます。
不動産は一つひとつの物件で条件が異なり、売り買いにある程度の手間がかかるため、すべての地域で物件を見極めることはプロにはできないのです。
限られた地域では、プロと比べて初心者のほうが、その地域に詳しいことがあります。
たとえば、新しくショッピングセンターができて便利になり、近くの不動産の価格が上がりそうだ、などといった情報は、プロの不動産投資家よりも、地元の人たちのほうが先に知っている場合が多いです。
まずは、自分の地域を深く研究して詳しくなり、その地域のプロになりましょう。
国内の不動産は、基本的に誰でも買うことができます。
もちろん、安定した収入が入る公務員や会社員は、銀行などのローンを借りやすく有利ではありますが、学生や個人事業主、フリーターであっても、不動産を購入することは可能です。
また、不動産投資は実績があるほど、ローンを借りやすくなります。
そのため、まずは小さくても、実績を作ることが大切です。
市場では需要と供給のバランスによって価格が決定しています。
不動産の市場でも同様に、主に景気の動向や政策金利、政府の規制、事件や出来事などが需要や供給を動かし、価格を決定しています。
しかし、不動産は日用品などとは異なり、まったく同じ商品は一つとして存在せず、定価もありません。
そのため、不動産の市場では価格の決定は、必ずしも一般的な市場の原理にはあてはまらないのです。
不動産の売り買いを決断する理由としては、「買いどきだから」、「売りどきだから」といった市況よりも、むしろ個人の事情による影響が大きいです。
不動産を売ったり買ったりする必要が出てくるのは、転勤や引っ越しなどの個人的な都合や、一緒に住む家族の人数の変化などが理由なのです。
また、不動産は買い手と売り手の、お互いの納得する金額によって取引が成立しています。
そのため、不動産の価格は高くも安くもなり得ます。
売り手によっては「時間をかけてでも高く売りたい」という人がいる一方で、個人的な事情があり、「時間をかけずにとにかく売りたい」という人もいるのです。
そのため、不動産の市場では、自分が買いたいと思ったときが買いどきで、自分が売りたいと思ったときが売りどきといわれています。
市況はあくまでも目安です。
目の前の物件を見て、自分が本当に買いたいと思えるのか、売りたいと思えるのかというのが大切です。
不動産は、土地と建物があり、土地の上に建物を新築したり、解体したりを繰り返しています。
また、土地や建物は売買や賃貸をされています。
そうしたさまざまな流れの中で、さまざまな専門の会社が協力をし合っています。
新たに建物を建てるときには、設計や建築を行う会社が、売買や賃貸を行うときには、それを仲介する会社や、その価値が妥当なのかを調査や鑑定する会社などがあります。
不動産会社のビジネスモデルは、大きく3つに分かれます。
1つ目は、自社で商品を作って売ることで、利益を得るモデルです。
主に新築のマンションや一戸建てを販売している会社に多いです。
2つ目は、自社では商品は作らないものの、誰かの商品を紹介することで、仲介手数料をもらうモデルです。
仲介会社と呼ばれるこれらの会社は、さまざまな物件を取り扱っています。
この場合は、仲介が成立したときに初めて、あらかじめ決められた仲介手数料が支払われます。
3つ目は、誰かの物件を調査したり、管理したり、工事したりするモデルです。
どのくらいの人数と時間が必要かを事前に見積もり、工賃として計算された人件費をもとに、報酬をもらいます。
このように、不動産会社は、さまざまなビジネスモデルで事業を行っています。
それぞれ専門の分野の仕事を分担したり、自社の他部門と連携をしたりしながら、それぞれの事業を展開しています。
不動産は、初心者にとっては知識の少ない状態でも、不動産会社とのやりとりが必要になります。
そこで、悪い会社にだまされないために、不動産会社を見分ける方法を紹介します。
まずは、担当者または社員が資格を持っているのか、仲介会社の場合には免許が掲示されているかを確認します。
免許には更新回数が記載されていて、数字が大きい場合は、それだけ長く経営していることを表しているので、信頼できる会社だとわかります。
また、行政の業者名簿などを見て、悪い情報がないかを確認します。
インターネット上でも情報が公開されています。
会社名で検索して口コミを見るのも有効です。
不動産会社の担当者の良し悪しは、接客の様子で見分けましょう。
身だしなみや言葉づかいに問題がないか、マナーや時間を守っているか、専門的な知識があるか、親身に話を聞いて要望通りに提案をしてくれるかを見ましょう。
特に、悪い点も話してくれるか、ごまかしたりあいまいにしたりしないかは大切なポイントです。
不動産会社が利益を得るのは契約が成立したときです。
そのため、購入の判断を急がせてきたり、無理に契約をさせようとしてきたりする営業には注意が必要です。
「ここまでやってくれたから」などと遠慮せずに、信用できないと感じた場合には、はっきりと断りましょう。
シェアハウスとは、複数人で家を共有する形式の住み方です。
入居者たちは、主に個室で生活をしながら、キッチンやお風呂、トイレなどを共同で利用して生活をともにします。
以前は部屋数の多い物件を複数人で借りて、一人あたりの家賃を抑えることが多かったですが、近年ではさまざまなコンセプトのシェアハウスが登場し、都心を中心に人気が出てきています。
コンセプトは、クリエイター、国際交流、起業家、就活生専用などとさまざまです。
シェアハウスはコミュニティに価値があります。
入居希望者にも事前に見学をしてもらって、相性を見極めましょう。
シェアハウスでは、部屋を分けることで、1部屋あたりの単価が上がり、全体での家賃が上がる傾向にあります。
また、部屋を分割して貸し出すことで、空室のリスクが下がります。
入居者は、定期的な交流会を行うことで、すでにいる入居者から紹介される場合も多いです。
一方で、共同生活である以上、ルールを作って入居者同士がお互いに守ることが大切です。
ゴミ出しや掃除のルールなどを定めて、入居者同士でのトラブルを防ぎましょう。
仲の良さももちろん大切ですが、近隣とのトラブルを防ぐためにも、ルールを徹底することが大切です。
シェアハウスは用途を寄宿舎にし、消防法や都道府県が定める建築安全条例などを満たす必要があります。
詳しくは国交省のガイドブックを参照しましょう。
「民泊」とは、旅行者などが一般的な民家の全部または一部の部屋に宿泊することを呼んでいます。
近年では、インターネット上で、ホストと呼ばれる貸し手と、ゲストと呼ばれる借り手が連絡を取り合って、宿泊の日にちや条件などをやりとりします。
現在、世界的にも法律を整備しているところですが、日本では2018年に住宅宿泊事業法が施行されて、旅館業よりも簡単に、民泊を開業できるようになりました。
住宅宿泊事業法では、家主が住みながら部屋を貸す家主居住型と、家主がいなくても貸せる家主不在型の2種類が認められていますが、いずれも1年間のうち、最大で180日間までしか貸すことができません。
また、行政が条例で緩和や規制を行う場合もありますが、マンションの管理規約では、不特定多数の出入りによるトラブルを防ぐために、民泊を認めていない場合が多く、まだまだ普及していくには時間がかかりそうです。
近年は外国人の旅行者も増えており、観光地を中心に民泊の需要も増えてきています。
そのため、通常の居住用の賃貸よりも、宿泊で貸したほうが利益が出るといわれています。
ただし、あらかじめ適切な部屋を用意して、行政への届出や登録を行う必要があり、定期的に受付や、部屋の中の掃除、シーツの交換などが必要になります。
手間がかかるため、申請や運用を代行してくれる業者も増えています。