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本シリーズでは、「投資家」としても「事業家」としても成功する不動産投資と題して、弦本の不動産活用のキャリアや、不動産を売買するときのコツをご紹介しています。
本記事では、弦本が社会人2年目の24歳のときに、新宿に3階建て、4LDKの新築戸建てを購入した物件を、翌年に売却をしたときの流れや、不動産を売るときに気をつけたことをご紹介します。
戸建を購入した翌年に、SUUMOで「売却」のサービスを検討するプロジェクトに関わることになりました。
今度は「家を売る人の気持ちも知らなくては」と思い、実際に買った物件を売りに出すことにしました。
当時はすでに月額40万円ほどの売上があり、あまり売却をする気持ちがなかったので、冗談半分で、不動産仲介会社さんとの価格決定の際に、強気の金額で設定することにしました。
不動産仲介会社さんからの提案では、新築でまだ買って1年も経っていないので、あまり価格を決める基準がなく、まずは購入した金額で出してみるのでもいいのでは、とのことでした。
そこで、売られていたときの金額、すなわち値引きをして購入する前の金額ということで、値引きした分の1,000万円を上乗せして、4,500万円でとりあえず売りに出してみることにしました。
すると、売りに出してほどなくして、「どうしてもファミリーで4LDKに住みたい」という方が現れました。多少高くても買いたい、ということで、売買が成立しました。
もちろん、そのときは不動産の相場が世の中的に上がってきていたときでもあったので、買ったときよりも高く売れるというのは、その当時の市場としては傾向としてはあったかなとは思います。
しかし、これだけの利益が出た理由の1つには、周辺に似た物件がないような、競合の少ない物件だったというのも、大きく貢献しているかなと思います。
そのため、時間をかけて安く購入した物件を、時間をかけて高く売却することができたのです。
かつて、営業同行をしたときに先輩に教えてもらったとおりに、不動産の売買を経験してみて、その結果を仕事にも活かすことができました。
まず、不動産の購入は、本当に不安だというのを身をもって体感しました。
ハンコを押す手が震えるとはよく聞きますが、たしかに震えます。
「後で一生後悔するんじゃないかな?」「ずっと賃貸でもよかったんじゃないかな?」というのが頭をよぎります。
また、災害などの不安も拭いきれません。「地震や水害が起こらないか?」「このエリアは浸水をしないか?」「地震はないか?地盤は大丈夫か?」などといった不安です。
また、将来性であったり、景気であったり、地域の特徴であったり、「資産価値が下がったらどうしよう」という気持ちが、ずっと心に残ります。「後から近くに条件のいい物件が出てきて、焦って買わなければよかったとかないかな」・・・みたいなことまで考えると、本当に不安です。
また、ローンを組むことが決まったあとに、銀行から渡されて「返済表」というものを初めて見ましたが、50歳になってもまだ1千万円も返済が残ってるので、「50歳の会社員になっても、まだ借金を返さなきゃいけないのか」「利息は高いし、借金地獄になったらどうしよう」という不安も現れました。
やはり、不動産の購入は人生で1、2番目といわれるぐらいの大きな買い物です。
しかも、業者さんや建てた人たちは知っていても、買う自分はやはり不利な立場で、もしかしたら情報が隠されてるかもしれない、そのようななかで大きな買い物の決断を迫られているのだとしたら、すごく不安だなというのを感じました。
だからこそ、短期間でもたくさん検討して、たくさん勉強して、考え抜きました。
購入の経験をしたあとは、買うときの不安な気持ちを実体験することができたので、本業の会社では、不動産の仲介会社さんのクチコミを掲載する機能の追加を、社内で推進しました。
また、売却を経験した際には、さらに不動産業界の課題を実体験することができました。物件を売る人にもたくさんの課題があるのですが、いざ売れて喉元をすぎると、「売れてよかった!」となってしまうのです。
本書を出版したときのこだわりは、以下をご参考ください。