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読書ノート『きちんと稼げる「1人会社」のはじめ方』

まわりにフリーランスや、1人会社を経営している友人が多く、また1人会社をつくりたいという友人も多くいるため、参考までに読んでみました。

縮小する時代にあった考え方なのかもしれませんが、個人的にはあまりポジティブな選択ではないかもなと思いました。また、個人で最低限の売上をつくると言いながらも、1日に5万円の売上を安定的にあげるということも、なかなか難しいのではないかと思いました。

一方で、人生で必要なお金から計画を立てることや、支出を下げること自体については、個人的にも大切にしていることだったため、共感しました。

目次

『きちんと稼げる「1人会社」のはじめ方』読書ノート

きちんと稼げる「1人会社」のはじめ方

「1人会社」が増える時代背景

一般的な会社は、資本金→利益→従業員→設備投資→売上→利益→従業員→…→株式公開と大きくしていくのが資本主義の正しい方法だといわれている

しかし、日本国内では人口の減少やAI化・ロボット化などのテクノロジーの進化により、大企業は縮小を迫られ、労働者の仕事も減ると考えられる

そのような時代には、かつて低成長の時代であった産業革命の前の時代のような、個人事業主や小規模の企業の経営者が多い「個人」の社会に回帰すると考えられる

会社勤めでは、1人では何もできない人になるリスクがある

1人会社は、 一定の規模を保ち、大きくしていかない経営をしていく。事業拡大のための再投資をしない、少数の顧客と長く取引をしていく会社のことをいう

IT化やAI化、ロボット化は、人を必要としない効率的な技術のため、1人会社でも役に立つ

多様化や分業化が進むため、特定の人の役に立つサービスが仕事になる

スタート地点から走り出すのではなく、前もって助走してスピードをつけて、スタート地点を走り出す準備をしておく

「1人副業」も増えてくる

昨今は、企業も副業を推奨しつつある。人口が減少するなかで、利益が減少し賃金も減らさざるを得ないため、社員に複数で生計を立ててほしいという意図もあるはず

会社員の場合は、効率を上げて労働以外の時間をつくることが大事

自分の時給を計算する

1人副業も、1人でできる小規模な副業がよい

今の会社の延長と、1人経営の収支を計算して比較する

本業をしっかりやり、定時までに終わらせる

週末や平日の限られた時間で副業として小さくはじめてみる

「1人会社」の経営戦略

最低限の労働で最低限の報酬をもらい、最低限の利益を出す

粗利率の高い事業で、低い売上の目標を立てる

経費をかけずに、原価を下げる工夫をする

開業資金にもコストをかけない。アイデアで乗り越える

利益は再投資せず、手間のかからない投資にまわす

事務所は置かない

自宅をオフィスにする、レンタルオフィスを借りる、カフェやレストラン、ネットカフェを利用する

パソコンとスマートフォンがあれば仕事ができる。プリンターはコンビニでの印刷を利用する

従業員は雇わない

従業員がいる場合でも自宅で勤務してもらう

解雇は簡単にはできない

人間関係の面倒もない

2人雇うと2人の間での人間関係や、2人での社長への反発がおこる可能性がある

お金を借りない

赤字になりづらく、黒字経営がしやすい

上手くいかなくても方向転換がしやすい

集客しすぎない

目の前のお客さんに注力し、紹介やリピーターに頼る

「1人会社」の事業テーマの選び方

自分がどのような人生を送りたいかを考えることが大事

長くつづけられるように好きなことや得意なことを仕事にする

学びつづけられる分野を選ぶ。関係する分野の本を数十冊読む。動画やセミナーからも学ぶことができる

お金や心の持ちようについても学んでおく

健康第一で、生涯続けていくことが大事

好きなものを組み合わせてみる(本とコーヒーが好きであれば、図書館カフェなど)

人から評価されやすいものを選ぶ

半分仕事、半分プライベートではなく、いつもプライベートでも仕事でもある状態をつくっておく

「1人会社」のお金

開業時には初期費用以外に経費の4〜5ヵ月分を用意する

計画を立て、検証して確率を計算し、試行回数を増やしていく

お店を開業するなら、1週間お店の候補地に立ち続けて客層からお客さんになる確率を計算する

ネットの商品であればリスティングをしてみて広告と売上の関係を計算してみる

収支の計画を立てて実績を計算していく

最低限やること、やらないことを決める

死ぬ年齢、セミリタイヤする年齢と月々の収支を計算する

年金の受給額を調べて7掛けしておく

老後は年間支出が360万円、年金は200万円で毎年160万円が不足する
80歳まで働き100歳で死ぬのであれば3,200万円
40年間で貯めるのであれば年間80万円の貯蓄

粗利を役員給与4:経費4:利益2で分ける
役員給与を税金や社会保険料1:生活費1:貯蓄1

モデルケースは、法人の支出は年間粗利1,200万円、役員給与480万円、経費480万円、利益240万円。個人の支出は、税金や社会保険料160万円、生活費160万円、貯蓄160万円

飲食業で原価20%であれば年間1,500万円の売上、月125万円、月25日営業であれば1日5万円、客単価1,000円であれば1日50人の客数

年間で何人が何回、いくら払ってくれるのかを考える

事業と直接関係のないところで信用を稼ぐ方が、事業に帰ってくることがある

サービスの提供先以外からお金をもらうこともできる(広告や紹介料など)

「1人会社」の例

ブレンドコーヒーのみで料理を作らない居抜きカフェ。12時から18時の営業、15人くれば利益が出る

年間に数件の契約で数百万円がもらえる不動産屋さん、葬儀屋さん

高額のスクール(例えば高額の出版スクールでは、授業料を出せる人は質も高いためもともと出版できる能力のある人で、出版をしてもらいやすい)

会社経営について学べる本

会社経営について学べる本は、こちらにもまとめていますので、ぜひ参考になさってください!

弦本 卓也

1987年、埼玉県生まれ。大学卒業後、大手広告会社「リクルート」にて不動産メディア「スーモ」(SUUMO)の運営に従事。新卒で入社して、スーモのメディアづくりを7年、その後にエンジニア組織の組織づくりを4年行う。 また、リクルート社内の部活動制度にて「大家部」を立ち上げ部長を務める。不動産投資に関する情報交換や物件見学のワークショップなどを行う。 入社2年目に新築一戸建ての広告を取り扱う部署に異動したことをきっかけに、「いい企画を作るためには、まずは自分で経験したい」という想いから個人で新築一戸建てを購入。その翌年には売却分野を担当したことをきっかけに売却も経験。マンションの売買なども行い、11年間で11回の引っ越しを経験。 「新しい住まいや暮らしを自ら探究したい」という気持ちで購入した東京都千代田区の神保町の中古ビル「弦本ビル」は、コワーキングスペース、シェアオフィス、シェアハウス、飲食店が入居する複合ビルとなっており、20代を中心とした若手社会人や学生のやりたいことを実現する場所として注目を集めている。3年間で延べ1万人以上の来場者を記録し、家賃年収1,400万円を達成しながら満室経営を続けている。 お金面とビジョン面の両立を大切にしており、モットーは「一人ひとりの可能性をもっと世の中に」。会社員を続ける傍ら、学生時代に起業した会社とあわせて株式会社を3社創業。うち1社は売却し現在は2社を経営している。他にもエンジェル投資家として若手実業家の支援を手がける一面も。 日経新聞や不動産業界紙、書籍や雑誌、テレビなどでも多数の注目を集めておりセミナー講師なども行う。宅地建物取引士を保有。

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