2020年3月以降、新型コロナウイルス感染症は世界的に拡大しましたが、2020年には、感染が比較的早くからはじまった中国や日本のみでなく、被害の大きかったアメリカやヨーロッパでも、新規の感染者数が減ってきています。
そのようななかで、世界の株式市場は全体的に回復してきています。
今回は、世界の株式のETFを比較して、株式市場の回復が遅れている国について分析をしてみました。
VT(世界株式)を基準に、世界の主要な株式市場の指標と比較してみたところ、EPI(インド株式)はまだ、3月下旬の世界的な下落から回復できていないことがわかります。
また、日本で人気のある主要な世界株式市場のETFとの比較でも、EPI(インド株式)はまだ、3月下旬の世界的な下落から回復できていないことがわかります。
たしかに、世界的には減少に転じてほとんど収束してきているにも関わらず、インドでは2020年5月25日時点でも、感染者数はピークに達しているところです。
理由はアメリカなどと比べて2週間ほど遅れて感染がはじまったため、2週間遅れて回復がこれからはじまる段階に来ているということなのかもしれません。
インドは、もともと人口も多く、今後2020年以降に大きくGDPを伸ばしていくといわれている国です。
過去10年ほどのインドの株式市場を振り返ってみると、全体的にレンジ相場でしたが、現在は株式市場全体が下落しています。
そのため、現在のコロナショックでのタイミングは、長期的にみて買うのにいい機会かもしれません。
日本の証券会社で購入のできるインドのETFは、主に以下の3つがあります。
対象 | ティッカー | 名称 | 概要 | 評価 | 時価総額 | 経費率 | 分配利回り |
---|---|---|---|---|---|---|---|
インド | EPI | ウィズダムツリー インド株収益ファンド | ・ウィズダムツリーインドアーニングスインデックスに連動 | ◯ | 562百万USD | 0.85% | 0.39% |
GLIN | ヴァンエック・ベクトル・インド成長リーダーETF | ・MVISインドスモールキャップインデックスに連動 | ◯ | 64百万USD | 0.80% | 0.86% | |
INDL | Direxion デイリー MSCI インド株 ブル3倍 | ・MSCI India Indexの変動率の3倍に連動 | 62百万USD | 0.95% | 0.00% |
それぞれを比較すると、時価総額が高く流動性のあるものはEPIがよいといえそうです。
一方で、MSCI India Indexの変動率の3倍に連動しているINDLは、過去最大の下落をしており、コロナショックの底値からほとんど回復をしていません。年初来からみても4分の1ほどにまで落ち込んでいるため、変動が大きいためおすすめはしませんが、リスクをふまえた少額の購入であれば、試してみてもいいのかもしれません。