土地選びは確かにコツと呼べることもありますが、お客様自身で土地探しを進める場合、購入基準や探し方のポイントをまず知ってもらうことから始めるのが順序でしょう。
ここでは土地探しで必要な都市計画法の知識やその役立て方、また土地選びの重要なポイントを解説しています。
そして良さそうな土地が見つかった時は、信頼できるプロに相談してください。
目次
土地探しにはいる前に、最低限おさえておきたい予備知識についてあげておきます。
まず都市計画法の用途地域から説明します。
私たちが住む町(都市)は、行政によってひとつのルールに基づきながら快適な仕事や生活が送れるように作られています。
大雑把にいうとこれを都市計画といい、町(都市)を形作るルールを「都市計画法」と呼んでいます。
用途地域とは都市計画法で定められた地域区分のことで、計画的に市街化を進める区域では住居・商業・工業等、13種類の用途地域が定められています。
用途地域は「住居系」「商業系」「工業系」3つの区分から構成されています。
住居系 | 第1種低層住居専用地域、第2種低層住居専用地域、第1種中高層住居専用地域、第2種中高層住居専用地域、第1種住居地域、第2種住居地域、準住居地域、田園住居地域 |
商業系 | 近隣商業地域、商業地域 |
工業系 | 準工業地域、工業地域、工業専用地域 |
ただ土地を探す場合、用途地域から絞り込む人は少なく、大抵は子どもの学区や近隣のコンビニやスーパーなどの商業施設、あるいは総合病院などの近さ、駅までの距離、バス停などへのアクセスのしやすさなどを考えて土地を探すことが多いでしょう。
もちろんその探し方で土地選びは間違いではありません。
ただ最終的に選んだ候補地の用途地域を知らないと、用途地域によっては建物の高さや離れに制限があり、いざ住宅を建てる際に困ったことにもなりかねません。
ちなみに第一種低層住居専用地域は建物の高さに制限があり、3階建ては建てられませんし、壁面後退距離も1m、1.5mなどの制限が設けられている地域もあります。
ですから選んだ候補地が「住居系」の第一種低層住居専用地域という用途地域なら、第一種低層住居専用地域にはどのような制限があるのか、不動産売買のプロや専門家に聞いてみましょう。
用途地域に区分けされた地域を、都市計画では市街化区域とよんでいます。
市街化区域とは「優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域」と定められており、市街化区域は今後も建物を建てて良い地域ということで、都市計画法で定められています。
これとは逆に市街化調整区域、また非線引都市計画区域というものもあります。
市街化調整区域とは「市街化を抑制する区域」のことで、非線引都市計画区域は区域区分を定めていません。
簡単にいうと、どちらも建物が建てられないわけではありませんが、今後不動産の資産価値を考えると、無理して入手すべき土地ではありません。
これらの地域の土地は全く売りに出されていない土地ではないので、たまに格安で買える値段で売られている場合もあります。
また住宅を建てられたりもします。
ただ将来的には住宅が建てられなくなる可能性は市街化区域より濃厚です。
これから土地探しをする方は、市街化調整区域や非線引都市計画区域の土地には手を出さないと決めておくと良いでしょう。
市街化調整区域や非線引都市計画区域は都市としても遅れています。
建ぺい率と容積率とは、敷地面積に対してどのぐらいの規模の建物が建てられるかを示した数字(都市計画図などにも記載されています)で、用途地域と同様に住宅の建てられる広さを制限した数字と解釈して良いものです。
建ぺい率は敷地面積に対する建築面積の割合で、容積率は敷地面積に対する延床面積の割合です。
[su_box title=”関連記事” style=”bubbles” box_color=”#0075c2″ title_color=”#ffffff”]・建ぺい率とは?計算方法・緩和条件・容積率との関係について解説![/su_box]こういえば簡単ですが、建築面積と床面積を正確に説明できる人は少ないかもしれません(もちろん不動産を生業としている方には常識なのですが)。
建築面積とは建物を真上から見たときの水平投影面積のことです。
簡単にいうと一戸建て住宅で、1階と2階のうちどちらか大きなほうの面積です。
床面積はどこまで面積に算入するかが決め手となります。
つまり床はもちろんのこと、壁や屋根が掛かっている部分を床面積と表現します。
たとえば風除室がついている玄関ポーチなどは床面積に算入します。
ただし容積率では、延床面積の3分の1までの地階、延床面積の5分の1までの車庫を床面積から除外できます。
このような細かな決まりがあるのも容積率の特徴です。
ただあなたはプロでも専門家でもありませんから、建ぺい率と容積率の概要をおさえておくだけで結構です。
ただし、先程も出てきた第一種低層住居専用地域では、建ぺい率で60%~30%と非常に制限が厳しい地域もあります。
両親や祖父母と住む住宅は、土地の面積が小さいと希望する住宅の広さが確保できない場合があるでしょう。
なお都市計画の図面は自治体の都市計画課などで販売していますが、簡易的な用途地域マップならインターネットで公開されています。
興味のある方は検索エンジンで検索してみて下さい。
知識的なことは最低限におさえたことで、都市計画や用途地域、そして建ぺい率と容積率のことだけでも、土地探しは十分できます。
ただ物件をいよいよ決める際に大事なことがひとつあります。
それは水道を始めとする各種施設設備のインフラ状況と土地が接する前面道路の知識です。
土地が接する前面道路は、建築基準法が規定する「道路」でなければ住宅を建てることはできないという決まりがあります。
これについては多少長くなりますので、この後の項目で詳細に解説します。
前面道路が建築基準法上の「道路」であれば、水道はそれほど問題なく土地に引き込めます。
ただ、初めての方が買う土地の場合は、敷地内まで引き込みがされているかどうかもおさえておくことが大事です。
水道の引き込み状況を正確に知るには、現地を目視で確認するだけではだめで、市の水道部に出向いて施設状況を図面でチェックしなければなりません。
よくチラシやウェブページには引き込みについて「可」という文字だけ掲載されている場合がありますが、調べてみると土地に引き込みはなく、前面道路も公道ではなく私道となっている場合もあります。
こいうことは最近開発した分譲地ではあり得ないことです。
この場合は水道が引き込まれているかを仲介会社に調べてもらい、引き込みがない場合は引き込み費用は売主負担か買主負担かを聞いてみるしかありません。
ただ仲介会社(不動産会社)は売主主導で動きますから、ほとんどが買主負担でしょう。
電気やガスについては、よほどの僻地でなければ問題はなく施設されるはずです。
電気に関しては、工事をする電気業者が電力会社を通じて引き込みを手配してくれます。
通常、都市ガスの本管はガス会社の所有物です。
地方だと現在も都市ガスとプロパンの地域に分かれます。
しかしガスも問題なく施設されるはずです。
というわけでこの中で重要なのは、水道の施設引き込みと前面道路の件です。
土地をはじめとする不動産にとって、道路は重要な意味を持ちます。
もちろんですが、土地探しにも道路の知識は欠かせない部分です。
なぜなら道路は重要な動線経路ですし、地中にも水道やガス、日本では遅れていますが電気も地中埋設配管が始まっています。
インフラの集中拠点が道路そのものなのです。
ここでは接道義務を中心に、土地と道路のつながりについて基本的な仕組みをみていきます。
まず土地と道路の説明の前に、接道義務について触れておきます。
建物等を建てる土地は、幅員4m以上の道路に2m以上接しなければなりません。
これが建築基準法第43条1項にある接道義務です。
接道義務を果たす際は、それが建築基準法で認められた道路なら、公道でも私道でも同じです。
「道路」を規定する法律には、建築基準法、道路法、道路交通法、道路運送法などがありますが、不動産に関連する「道路」は、ほとんどが「建築基準法上の道路」だといって良いでしょう(建築基準法上の道路については後述します)。
それでは建築基準法上の道路を種類ごとに列挙します。
(1)から(4)までは、私道も混ざっているものの、幅員が4m以上の道路です。
ただし(5)「位置指定道路」(6)「42条2項道路」については原則私道という点で、(1)から(4)までとは区別できます。
国道、都道府県道、市町村道、区道などがあり幅員が4m以上の道路をいいます。
すべて公道です。
都市計画法、土地区画整理法、都市再開発法などの法律に基づいてつくられた道路をいいます。
ほとんどが公道ですが、なかには私道も混ざっています。
建築基準法が施行された昭和25年11月23日時点で存在している、幅員が4m以上の道路をいいます。
ほとんどが公道ですがこちらにも私道が混ざっています。
道路法、都市計画法、土地区画整理法、都市再開発法などの法律に基づき、新設、あるいは事業変更が2年以内に実施される見込みの道路です。
特定行政庁が指定しています。
建築物の敷地として活用するために、特定の法律によらずつくられた幅員4m以上で一定の技術的基準に適合(特定行政庁からその位置の指定を受けています)した道路です。
原則として位置指定道路は私道ですが、後に公道に変更になったケースもあります。
建築基準法が適用された時点ですでにあった幅員4m未満の道路のこと。
「2項道路」あるいは「みなし道路」ともいいます。
なお42条2項道路は敷地のセットバックにより、将来的に4mの幅員を確保することが前提です。
前面道路の幅員が4m未満の42条2項道路のときは、道路の中心線から水平距離で2m(または3m)の位置まで敷地を後退させる必要があります。
これをセットバックといいます。
また向かい側が川、がけ地、あるいは線路敷などの場合は、向かいにある道路境界線から4m(6m道路区域内では6m)の線まで、一方的に敷地を後退させる必要があります。
この場合セットバックした分は、建ぺい率や容積率を算定する際の敷地面積には含まれませんので注意が必要です。
どうしても気に入った土地でもなければ、たとえ格安で売られていた場合でも、2項道路を前面道路にもつ土地も、将来的な資産価値という点で買わないことをおすすめします。
建築基準法による道路とは、幅員4m以上を基準とした古いもので、その道路には「位置指定道路」といった私道も含まれており、「42条2項道路」という前時代的な道路もあります。
ここから分かることは、道路はなるべく広くつくられたものを選び、私道や2項道路を前面道路に持つ土地は、なるべくなら買わないことが大事でしょう。
土地選びは土地自体も非常に大事なのですが、それより歩道が整備された良い道路が接している土地を選んだほうが、資産価値の点でも間違いありません。
土地を購入する場合、道路を見て土地を選んだほうが、良い買い物ができるのです。
土地と道路の関係が理解できると、いわゆる旗竿地(はたざおち)や私道に接する土地がリスクが大きいことが分かります。
以下に注意点をまとめておきます。
旗竿地とは狭い路地上部分と有効宅地からなる、見た目にも旗竿形式の土地です。
なぜ旗竿地が安く売られているのかというと、接道している間口が狭いからです。
たとえば万が一火事になった場合でも、緊急車両がスムーズに進入できません。
その分消化活動も遅れてしまいます。
個人的には気に入った箇所があっても、万人に理解されないのが旗竿地です。
ゆえに先々転売したとしても、売れ残る可能性があります。
旗竿地は原則買わないことをおすすめします。
住宅を建てる土地は、幅員4m以上の道路に2m以上接しなければなりませんが、旗竿地の路地状部分がギリギリ2mジャスト接道したとしても、隣接した土地の持ち主が測量をやり直してみたところ、旗竿地の路地状部分が2mを切る場合も考えられます。
仮にこうなると、新たに住宅を建てられなくなります。
仮に旗竿地を入手するのなら、路地状部分は可能な限り広い土地を求めるほうが、間口が規定の大きさに足らずに、建て替えできなくなるリスクは軽減できます。
ただできることなら旗竿地はやめて、他の土地をあたってみることをおすすめします。
前面道路が私道という土地は古い分譲地に多く、地方ではまだ買い求める方がみられます。
ただし将来的な資産価値という点ではリスクがありますので、よく考えて決めたほうが良いでしょう。
それではなぜ私道はリスクがあると言えるのかですが、一例をあげると、地中に埋設されている水道管などが公のものではないため、工事の際にトラブルを招きやすいといったことがあげられます。
また道路を掘削する場合でも私道の場合は、所有者である私人に許可を取らなければなりません。
公道が前面道路の場合は、そうした精神的なストレスを回避できます。
もっとも私道が問題になりやすいのは、私道の所有者が各世帯で分有しているケースです。
分有とは敷地の前面を各世帯で所有しているケースのことで、テレビのニュースでも取り上げられました。
オーナーのエゴが表面化しやすいのがこのパターンです。
共有の道路であるはずの私道が、植栽や植木などを平気で置くのですから、通行の邪魔でしかありません。
前のものよりマシですが、私道の所有者が敷地に面した住人ではなく、法人や第三者の私人というケースもトラブルになりやすい場合があります。
この場合のトラブルで多いのは、空いている土地を購入した新参者が、建築工事を進める場合におきるものです。
つまり冒頭にもあげていますが、既存の私設水道管から分岐してもらうか、新たに公道から私設管を引っ張ってくるかで悩む点です。
公道が前面道路であれば、市の本管は地中に埋設しています。
引き込み工事はしますが、費用は私道に比べてそれほどかかりません。
これが私道の場合は、私設管を引っ張ってくる距離が何十メートルにも及ぶ場合もあります。
またたとえ私設管ではなく、分岐してもらえたとしても、相手に気を使うことになるのは目に見えています。
環境に良い私道に面した土地も確かにありますが、そうしたラッキーを狙うのではなく、原則的に私道に接する土地は、候補地から除外しておくほうが無難です。
土地選びはインターネットの発達によって、以前より格段に効率的に進められるようになりました。
しかし、せっかく建てるのが念願のマイホームということで、その敷地をみてマイホームのイメージがつくのか、実際に敷地にしばらく立ってみるということも、ぜひやってみてほしいと思います。
新しい分譲地では、周りも建っていないためイメージもしづらいと思いますが、ある程度建築が進んでいるところでは、風や陽当りを実感できるでしょう。
またその際に考えてほしいのが、土地の向きに関することです。
一般的に分譲地では南向きの土地に人気があります。
ただ必ずしも、南向きの土地がベストではないということです。
とくに敷地面積に余裕がない場合、南向きの土地だと人目に晒された場所にリビングを設けざるを得なくなります。
よほど外構工事で目隠ししなければ、道路側から中が丸見えの家になってしまいます。
そうなると土地の向きは、南向きが必ずしもベストではないことがわかります。
かえって正反対の北向きの土地も、プライバシーを大事にした間取りが作りやすいかもしれません。
また西向きの土地も敷地の奥が東南になるため、プライバシーを配慮した間取りを構成しやすくなります。
ある程度業者選びも進んでいる方は、設計者を土地選びに同行させても良いでしょう。
間違いない土地選びは、土地の図面にラフプランをのせてみると、より分かりやすくなります。
[su_box title=”関連記事” style=”bubbles” box_color=”#0075c2″ title_color=”#ffffff”]・【新築】注文住宅の間取りはどうやって決める?ポイントや流れを解説![/su_box]住宅を建てる土地は、周囲の環境よりやや高くなっている土地が理想です(ここでの「高い」は「価格」ではなく土地の「高低差」の意味です)。
ここでの周囲の環境とは、ひとつは前面道路で、二つ目は隣地です。
隣地は背面の土地も含みます。
隣地とはイーブンであれば問題ありません。
ただ前面道路ですが、道路より低くなっている場合は購入を見直したほうが無難です。
また古い分譲地では、背面地よりも明らかに低くなっている土地が見られます。
現在こうした土地は、境界線に土留めを打って分譲販売しているのが普通です。
土留がなければ、背面地の相場より少なくとも土留工事の分が、安く売られていなければなりません。
なぜなら、全てではなくても、土地の値段というのはそのように決められているからです。
かりに低い土地が安く売られていなければ、仲介業者か売主に価格交渉をします。
そのぐらい低い土地は、住宅を建てるうえで不利なのです。
住宅地は高いのが良いとされる理由は「水はけ」です。
低い土地には雨水が集まってきます。
そして水はけが良くなければ、湿潤した環境が長期にわたって形成されます。
湿潤地は地盤強度にも影響します。
田がどうして安いのかというと、田は典型的な湿潤地です。
典型的な湿潤地の田は地盤強度も弱く、住宅地には向きません。
田を造成した分譲地は杭を何メートルにもわたって打たなければなりません。
パイル工事業者は儲かって仕方ありませんが、田んぼに住宅を建てるのですから、分譲価格はもう少し常識的な値段にするべきです。
ある方が住んでいる地域は地盤がしっかりしており、建て替えがあっても杭を打たないでも済んでいました。
ところが、周囲より見た目で数センチは確実に低くなっている土地を昨年分譲したところ、その土地を購入者は全棟パイル工事をしなければなりませんでした。
たまたまなのかもしれませんが、周囲より低くなっている土地には注意しなければなりません。
また住宅を建てるための新しい土地を購入する際は、周辺より低い土地を地域で捉えてみることも重要です。
前項で取り上げた土地は、比較的近い距離の土地や道路に対して低い土地に対して注意を促しました。
しかし特定の地域が周辺地域より低くなっている場合は、より注意しなければいけません。
多くの方が知っていと思われる地域で低い土地というと、東京都の渋谷駅周辺があります。
有名な宇田川は渋谷区の地名のひとつですが、同時に渋谷区を流れる渋谷川支流の河川であり暗渠化されています。
暗渠とは地中に埋設された河川や水路のことで、渋谷センター街はちょうど暗渠の上に形成された街です。
渋谷と言えば駅裏の細長い公園もその下は暗渠でしょう。
細長い公園は大体が暗渠です。
つまり、渋谷駅周辺が住宅地だとしたら、もっとも避けなければならない土地だったことでしょう。
都内は暗渠だからまだ風情(?)がありますが、地方で低くなっている土地はほとんどが田んぼで、古い公図をみると水路の存在も認められます。
このような土地は河川が氾濫するといちばんに水災害に見舞われる可能性がありますし、まず地盤強度は総じて低くなるため家の建築には向きません。
ミクロ・マクロを問わず、周辺より低い土地には注意しなければいけません。
住宅を建てるのに向くのは周囲より高い土地ですが、山を切り崩して開発した擁壁のある土地は、高くはありますが選ぶ際に注意が必要です。
一般的に擁壁のある土地は、住宅を建てる際にアプローチ階段などを設置しなければいけません。
つまり費用が余計にかかるという意味で、あまりおすすめはしません。
ただ、たとえば両親が近くに住んでいる関係などで、擁壁のある土地を小さなころから慣れ親しんでおり、またそれが住宅公社などの公的組織が分譲し、ある程度の信頼が担保される土地だとしたら(そしてこれは実際にあった話なのですが)おすすめするかもしれません。
良い擁壁のある土地は水災害に強く、視界が総じて抜けており、眺望的にも恵まれているという特徴があります。
また適度に高台になっていることで、平屋を建てる場合にも適しています。
費用が余計にかかることを除けば擁壁のある土地は、環境面では良い土地なのです。
[su_box title=”関連記事” style=”bubbles” box_color=”#0075c2″ title_color=”#ffffff”] ・新築で平屋ってどうなの?メリット・デメリットを解説![/su_box]擁壁のある土地で注意したいことは、擁壁がしっかり作られているかということと、やはり地盤の問題です。
しっかり作られている擁壁は、排水口が擁壁面から見えています。
かならず排水口をチェックしてください。
地盤の強度は、擁壁のある土地では切土と盛土が混在しており、盛土の比率が高いと地盤データは悪くなりますので注意が必要です。
なおインターネットでも地盤データを調べられるサイトもありますが、普段使っている地盤調査会社から近隣のデータを出してもらえれば、それがいちばん確かな方法です。
調べて欲しい場合は、建築会社の営業マンに相談してみるといいでしょう。
ただし、非常に高さのある擁壁と隣接した特殊な土地は、擁壁自体に問題があるかもしれず、あまりすすめられません。
一般的な擁壁地とは違う土地は、たとえ安く出していても買うべきではなことを強調しておきます。
次に見ていくのは建築条件付きの土地です。
[su_box title=”関連記事” style=”bubbles” box_color=”#0075c2″ title_color=”#ffffff”]・建築条件付き土地とは?メリット・デメリットを解説![/su_box]建築条件付きの土地とは、住宅を建築する会社がすでに決まっている土地のことです。
ただ建築業者が決まっているだけではなく、通常は指定業者と一定期間内に工事請負契約を締結することが条件になっています。
どのぐらいの期間が設定されているかというと、普通は3ヶ月です。
そして3ヶ月を超えると土地の売買契約は白紙に戻ってしまいます。
ただ建築条件付きの土地で問題なのは3ヶ月という期間的なことではなく、どちらかというと、施主が望んでいる理想の注文住宅が建築できるかということにあるようです。
[su_box title=”関連記事” style=”bubbles” box_color=”#0075c2″ title_color=”#ffffff”]・請負契約とは?必要な印紙代や委託・委任契約との違いについて解説![/su_box]建築条件付きの土地と似たものに建売住宅があります。
ただよく両者の違いを知ると、双方は全く逆の不動産だと分かります。
建売住宅は未完成であってもすでに建てる内容は決まっており、役所にも申請が上がっています。
そのため建物の品質も、価格を意識した規格型のプランです。
建売住宅のメリットは価格の手頃さにあります。
契約も土地・建物と合わせて売買契約を締結します。
いっぽう建築条件付き土地の建物は、注文型の自由設計の住宅です。
土地は売買契約をしますが、別途住宅については工事請負契約を締結します。
建売の場合、価格は土地・建物のセット価格で表示しますが、建築条件付きの土地のほうは土地の価格のみで、建物は示しても参考価格どまりです。
つまり建築条件付きの土地とは、建売とは全く逆で、建てる会社は決まってしまいますが、完全に自由設計型の注文住宅が建てられます。
[su_box title=”関連記事” style=”bubbles” box_color=”#0075c2″ title_color=”#ffffff”]・建売とは?注文住宅との違いやメリット・デメリットを比較![/su_box]ただ建築条件付きの土地で注意したいのは、建物のレベルが規格型プランのものが多いということです。
ですから、こだわりの自由設計型の住宅で、あれこれ注文を出して建てられるケースは少ないかもしれません。
なぜそうなるのかといえば、土地込みの計画では住宅自体に予算配分をまわせる方は、そんなにいないからということもあるでしょう。
そしてそのことが業界の悪しき(?)風習になり、建築条件付き土地の上物が、次第に規格型設計の住宅になっていったと想像するしかありません。
建築条件付き土地は「量」で利益を確保しようとしますので、打ち合わせ時間も短く終わらせようとする傾向があります。
そいうことからも、典型的な注文住宅を望む方は、建築条件付き土地は狙わないほうが良いでしょう。
しかし普段は高くて手が出ない注文住宅だと、建築条件付き土地ではデザインのエッセンスを割安価格で体験できる可能性があります。
その辺りも含めて建築会社に相談してみれば、建築条件付き土地は好条件で家を建てるチャンスがあります。
ただそのような例外的なケースを除けば、一般的に建築条件付き土地はおすすめ物件ではありません。
あなたならどちらを選択するでしょうか?
住宅を建てるための土地探しは不動産会社に依頼するか、それともハウスメーカーか。
結論から言うと、不動産会社でもハウスメーカー(建築会社)でも、基本的には変わリません。
なぜなら、ほぼ全ての土地の売物件情報と過去1年間の成約事例は、不動産会社の人間ならレインズというシステムで共有しているからです。
[su_box title=”関連記事” style=”bubbles” box_color=”#0075c2″ title_color=”#ffffff”]・レインズ(REINS)とは?用途やログイン・閲覧方法を解説![/su_box]また注文住宅の会社でも、関連会社が宅建業を営んでいればレインズの情報は入手できますし、地元の不動産会社がハウスメーカーにレインズの情報を配布しているところもあります。
現在は土地を探すというより、すでに存在する売り物件から選んで見せているだけです。
これであれば不動産会社でもハウスメーカーでも大差はありません。
ただ強いて言えば、ハウスメーカーの社員は建物に詳しい知識がありますから、住宅に向く土地を見抜く目を持っています。
(もちろんこれは、こうした傾向が備わっている人が比較的多いだろうという意味ですが)
そのため建築会社の社員のほうが、的確なアドヴァイスをしてくれる確率は高いでしょう。
また不動産会社の営業マンは「物上げ営業」に力を入れている方が多いことから、基本的に売主重視で動かざるを得ません。
いっぽうハウスメーカー(建築会社)の営業の顧客は、基本的に土地の買主です。
このことからも、ハウスメーカー(建築会社)の営業マンが顧客(買主)重視で動くことが分かります。
言い換えれば不動産会社の営業は、情報の元締めのような役割を果たしているようなもの。
そして実際に手足を動かして探しているのが住宅会社の営業マンといえば、幾らか分かりやすいでしょうか。
もちろん営業マンによって得手・不得手もあり、個々の能力も異なります。
ただ相対的に見ると、このような判断で間違いはないでしょう。
ただし、土地探しを特定の建築会社に決めて依頼してしまうと、信頼関係ができてあとで断りづらくなることがあります。
このため、土地探しを誰にも頼らないで決めてしまう人が多いのです。
しかし自信のある営業マンなら、土地選びの手伝いをしたぐらいで建築も自社に決めてもらえるとは思いませんし、もちろん望んでもいないでしょう。
それでも6:4ぐらいの感覚で、建築会社の営業マンに土地探しを依頼する方が多いように思います。
不動産に簡単な買い物はありませんが、土地は不動産のなかでもとくに難しい買い物です。
また難しい買い物であるのに、不利になる情報はあえて買主に伝えようとはしないところがあります。
重要なのは、営業マンに全てを任せるのではなく、自分自身で知識を付け、ある程度土地の目利きが出来るようになっておくことです。
そうすることで、自分の理想の家作りに一歩でも近づくことが出来るのです。