【2022年版】宅建士独学勉強ノート(借地)

・借地権の適用範囲

借地権とは、建物所有を目的とする土地の賃借権や地上権のことをいう
✕駐車場目的
✕使用貸借権(無償の賃貸権)
✕ゴルフ場目的
△一時使用

・存続期間

30年以上30年以上の場合には定めた期間となる
30年未満自動的に30年となる(借りる側に不利な条件は無効)
期間の定めなし

・法定更新

法定更新(更新とみなされる)期間を過ぎても建物があり、借地権者が引き続き利用していて、借地権設定者(地主)も遅滞なく異論を述べない場合
※更新時に建物がない場合には、法定更新や更新請求をすることができない

・借地権設定者(地主)からの解約

正当事由が必要借地権の存続期間満了の際には、借地権設定者は遅滞なく正当な事由があれば契約を終了することができる
※正当事由は使用の必要性・従前の経過・土地の利用状況・立退料などを総合考慮して決めるが、実際にはほとんどの場合で認められていない

・建物の再建

1. 再築の申出(増築は対象外)

 1回目の更新前に滅失1回目の更新以降に滅失
再築の申出を地主に通知地主の返事が2ヵ月間なければ承諾したことになる
→承諾がなくても再築できる
地主の返事がなくても承諾したことにならない
→承諾がなければ再築できない

2.地主の承諾がある場合

 承諾があった日または再築された日のいずれか早い日から20年間延長される

3. 地主の承諾がない場合

 1回目の更新前に滅失1回目の更新以降に滅失
地主の承諾がない場合地主が承諾しなくても期間満了まで借地権は消滅せず存続する<地主が主張できること>
承諾なしに再築した場合、解約の申入れをすることができる
→3ヵ月後に契約終了
<借主が主張できること>
地主が承諾しなければ地主の承諾に代わる裁判所の許可の申立てをすることができる(譲渡の場合は売主、競売の場合は買主が建物の代金を支払った2ヵ月以内に申立てをする)

※契約期間の短い借主は保護が強いが、契約期間が長くなると地主側が有利になる

※更新の際に建物が存在しない場合には、借地権設定者は更新せずに終了することができる。同様に、借地権設定者が借り続けることによる法定更新も適用されない(建物がある場合に借主保護のために適用されるため)

・借地権の譲渡と転貸

※建物単体での譲渡はできず、借地権とあわせて譲渡する必要があるため、借地権者の承諾が必要

※建物の賃貸では借地権者の承諾は不要

・建物の譲渡について借地権者の承諾が得られない場合

借主ができること地主の承諾に代わる裁判所の許可をもらう
建物譲受人ができること建物買取請求権を行使する

・建物買取請求権

・期間満了や合意解約の場合には、借地権設定者は借地権者に対して建物買取の請求をすることができる
・一方で債務不履行解除の場合には、借地権者に対して建物買取請求権を主張することはできない
・立ち退きと買取請求は同時履行のため、借地権者は建物買取請求をしながら、代金が支払われるまで居座ることができる
・滅失時に再築した際に、たとえ地主から承諾を得られなかったとしても、契約終了時に買取請求をすることができる(無断再築は債務不履行の扱いにはならない)
・買取請求が適法に行使されたときは、当事者間で建物等の売買契約が成立したものと同一の効果が生じる(形成権)

・定期借地権・事業用定期借地権(地主を有利にする制度)

※公正証書は、公証役場で公証人と面談をして作成する必要がある

弦本 卓也

1987年、埼玉県生まれ。大学卒業後、大手広告会社「リクルート」にて不動産メディア「スーモ」(SUUMO)の運営に従事。新卒で入社して、スーモのメディアづくりを7年、その後にエンジニア組織の組織づくりを4年行う。 また、リクルート社内の部活動制度にて「大家部」を立ち上げ部長を務める。不動産投資に関する情報交換や物件見学のワークショップなどを行う。 入社2年目に新築一戸建ての広告を取り扱う部署に異動したことをきっかけに、「いい企画を作るためには、まずは自分で経験したい」という想いから個人で新築一戸建てを購入。その翌年には売却分野を担当したことをきっかけに売却も経験。マンションの売買なども行い、11年間で11回の引っ越しを経験。 「新しい住まいや暮らしを自ら探究したい」という気持ちで購入した東京都千代田区の神保町の中古ビル「弦本ビル」は、コワーキングスペース、シェアオフィス、シェアハウス、飲食店が入居する複合ビルとなっており、20代を中心とした若手社会人や学生のやりたいことを実現する場所として注目を集めている。3年間で延べ1万人以上の来場者を記録し、家賃年収1,400万円を達成しながら満室経営を続けている。 お金面とビジョン面の両立を大切にしており、モットーは「一人ひとりの可能性をもっと世の中に」。会社員を続ける傍ら、学生時代に起業した会社とあわせて株式会社を3社創業。うち1社は売却し現在は2社を経営している。他にもエンジェル投資家として若手実業家の支援を手がける一面も。 日経新聞や不動産業界紙、書籍や雑誌、テレビなどでも多数の注目を集めておりセミナー講師なども行う。宅地建物取引士を保有。

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