ニューヨーク滞在記③ベーグル屋さん、語学学校初授業、タイムズスクエア

Aug/25/2008 MON 快晴

睡眠19:00→1:15、2:15→5:30

夜中に一度目覚めて、ここぞチャンスとばかりに日記を書き綴った。けれど再び眠くなってしまったので、1時間ほどでまた布団に戻って眠る。

昨日の夜に空港で耳にした、心地よいジャズのような夢を見た。朝6:00に目覚めて、相方を起こさないようにと気をかけて廊下に出る。そして共同のパソコン室に移動して、また7:00まで日記を書いた。今朝は室内に半袖でいても汗ばむような気温の朝だ。今日から新しい学校生活が始まって、友達が増えて、覚えることが増えたら、ここまで過ごしてきた出来事や、初日からの些細な感情を忘れてしまうのがすごく嫌だったので、集中して日記を書くことに決めこんだ。

きっと今日からホテルでは、昼にベッドメイキングが入るであろう。チップを1ドルだけつまみ出し、枕元に置いておく。相方と2人分のシーツを毎日換えてもらうのに、毎回毎回高額なチップ代では馬鹿にならないと考えて、多くは置いておかないことにした。

腹ごなしに昨日の夜に買ったクッキーを食べて、起きだした相方と準備して、荷物をまとめて7:30にホテルを出発する。今日は8:40にLSIに着けば良い。昨日ドラッグストアで買った天然水は、現地でたまに広告されていた天然水だった。んだけど、飲んでみると後味が悪くて美味しくなかった。何日か放置して腐った水のような味だった。細々と買っては効率が悪いと思い、プラスチックの大きなもので買ってしまった。これじゃあ火災のときの非常用の水にしか役に立たないかも。。。

ニューヨークの水道水はガイドによると飲めるらしかった。けれど、ここでは水道水をそのまま飲む人はあまりいないらしい。幸いここでは日本でも販売されている、ヴォルビックやエビアンなどの美味しい天然水も販売されている。天然水を除くと、売店にあるジュースは色の着いた毒々しいものが多い。健康のことを考えると、スターバックスのコーヒー、あるいはミニッツメイドやトロピカーナのような、100%のオレンジジュースやアップルジュースにしか手が出せなさそうだ。

ホテルを出て、2人で朝の通勤風景を目にする。さすがここはニューヨーク、車も人も多く行き交う街だ。ホテル最寄りのこの59St.駅では、降りてくる乗客の数もかなり多い。きっと郊外から多くの会社員が出勤してきているのだろう。前日のレッドラインでの下見とは別ルートで、ホームに下って乗り場の近かったブルーラインに乗って、ダウンタウンのキャナルSt.駅に向かうことになった。

8:00にブルーラインのキャナルSt.駅に着いて、LSIに向けて歩いていった。ブルーラインとレッドラインはある程度の区間で並走して走っているため、そのどちらに乗っても大きな違いはなかった。しかし、59St.駅ではレッドラインとブルーラインのホームは地下でつながっていたものの、キャナルSt.駅では交差点をまたいで別々のところに離れていた。電車の車内は依然として汚く、ホームでは相変わらず異臭が放たれていた。

昨日の交差点の角に、昨日の下見のときにはなかったスタンドが見られた。スタンドは屋台のようなもので、車で運んできてその場で組み立てるという感じの、小さな屋台であった。そこでは50歳ぐらいのおじさんが、エプロン姿で菓子パンやベーグルのサンドイッチを売っている。

そこで、俺はベーグルのサンドイッチを買うことにした。いくつかのメニューから、エッグ&チーズ ベーコンという名前の商品を選んで、白人のそのおじさんに注文を仕掛ける。すると自信の無さが声や表情に出たのであろうか、そのおじさんに「Egg and cheese bacon、right?」と確認されてしまう。もうちょっと自信を持ってハキハキと喋らなくっちゃいけないな。ここは正確に、聞き返されずに一発で注文したいところだ。

おじさんは、手慣れた手つきで卵を2つ割ってかき混ぜ始めた。そして、ベーコン、チーズ、卵、そしてパンの内側を開いて、それぞれ目の前の鉄板に乗せて加熱する。日本では路上で調理するお店はそこまで多くない。排気ガスの漂う屋外で調理して、もしものことがあったときは誰が衛生面の責任をとるのだろうか、などと考える。

そこには日本のマクドナルドのように、急いで作ろうとする様子はまったくなかった。すべてをおじさんのペースに任せて、並行して処理すべき他のお客さんに割り込まれながらも、出来上がるまでの5分間、鉄板の様子をじっと見ながら待った。「3ドル」と言われたのでお金を支払って、ビルの陰に隠れて立ちながら口にする。やっぱり出来立てのホクホクは美味しい。相方は何も食べないつもりのようだ。

8:15にLSIの受付に到着した。8:40に集合だったけれど、充分に余裕をもった到着だ。1階の受付では黒人の女性にパスポートを見せて、自分の名前を用紙に記入した。セキュリティーを気にしてのことらしい。この建物はもともとメトロポリタン大学のビルで、その中にLSIの英会話学校が入っているようだ。

12階では「We will have a LSI program from today.」と言って、ここでも1階のときと同じように、パスポートを見せるように指示をされる。このやりとりでは、口にした英語はたったのワンフレーズだけだった。けれど、それが簡単に通じて、そして向こうの言っていることも分かったのでよかった。もしかしたら毎回、英語を学習しにくる留学生を相手にしているもんだから、やさしい英語を選んで使ってくれたのかもしれないんだけどね。

外国人に立ち向かうときに、なるべくなにも考えずに声をかけるようにしたい。言いたい要点は用意しても、口にする英文を事前に考えるようなことはなるべくしたくはない。事前に準備して、一字一句言うことに神経を尖らせることで、逆に刻一刻と変化する話題についていけなくなるような気がするからだ。別にカッコよく英語を話すことが目的で英語を話しに来たんじゃない。英語がすらすらと出てこないで恥ずかしい思いをしてもかまわないから、それよりもその場その場での即興性だとか、柔軟性を養っていきたいと思う。最悪、英文が完璧に言えなくても、単語とジェスチャーだけで通じるもんだし。練習になればいいな。

相方も通行の許可がもらえて、集合場所の12階のラウンジで待つように言われた。そこで、ラウンジに入って8:40の開始までの間を、相方と会話しながら待った。好きな座席に座ってよかったので、いつでも誰とでも話しやすいようにと位置を考えて、真ん中のテーブルを選んで座る。今日は筆記テストと面接とガイダンスの日だ。まわりには外国人たちが同様に座って、互いに喋ったりなんかしている。場慣れしていなさそうな人たちは今日が初日なのだろう。仲良く英会話している人は、在校生か集団の新入りなのかなぁ。さぁて、これから友達はできるかな?

まぁ、ぶっちゃけ初対面では、日本人でもアメリカ人でも、自分から声をかけるのがナンボだと思う。プライドとか世間体なんかを気にしてたら、相手に受け入れてもらうどころか、関わるきっかけさえなくなってしまうだろう。大事なところさえ失わなければ、プライドはいくら捨てたって後からついてくるもんだと思う。こっからは失敗を恐れることなんかよりも、自分から積極的に声をかけて、楽しい生活にしていくことに従事したいと思う。

いやー、しかし、ここ何日間かあまり野菜を食べてなかったせいで、口内炎が痛い。飛行機の機内も乾燥していたし、不規則に寝たせいもあり、コーヒーを飲んで歯を磨かなかったりしていたから、口内炎ができたに違いない。唇も荒れてしまった。ただでさえ日本よりも乾燥する夏なんだから、リップクリームをつけなくちゃ、カサカサするぜー。

ラウンジから見下ろす眺めは見事なもんだった。なんせブロックの角の12階だもんな。記念に南に走るキャナルSt.の写真を記念に1枚だけ収めておく。

結局、予定されていた時間を20分ほどオーバーして、9:00までラウンジで待つことになった。生徒も先生も、集合時間から10分が過ぎても集合率は悪そうだった。待っている間に、日本人の友達が2人できた。1人はユウキという静岡大学出身の男で、もう1人はコウという、福岡情報大学出身の男だった。

ユウキは俺のファッションを見て、日本人だと判断して声をかけてきてくれた。コウはその後3人で喋っていて、彼がKOKUYOのノートを持っていることに気づいたから、こっちから話しかけてみた。彼らともしばらく、ここまでの失敗談なんかを話して笑い合った。

そして、集合場所だったラウンジでいよいよガイダンスがはじまった。白人の化粧の濃いおばさまが現れて、まずは一人ひとり紙に名前を書くようにと言った。後にIDカードにするために、これから写真を撮影するのだという。

一人ひとりが紙を持って列になって写真を撮り終えると、そこから部屋をT教室に移して、リスニングと筆記試験、それから面接をおこなうことになった。これはクラス分けのためのものだったんだけれど、どれもほどほどの出来だったと思われる。筆記では主に文法の問題、リスニングではセントラルパークの歴史などの長文を聴いて解答するものだった。筆記の後半と面接の試験では、どちらも簡単な自己紹介と、今回の留学の目的を問われた。躊躇して少しテンパッたこともあったけれど、事前に英文の自己紹介カードを用意していたので、英語で自己紹介や目的に答える準備は頭の中に用意してあった。あと、ラガーディア空港で相方の情報誌を読んどいて、そこにちらっとセントラルパークの歴史についても載ってたのが助かった!面接では優しそうで気の弱そうな20代の白人女性が相手をしてくれたんだけど、大学でパソコンについての勉強をしているとか、将来は英語を使った仕事をやりたいって言うのに詰まって、苦戦してしまった。

テストは終わった順に教室を抜けることが許されていた。時間が余ったものの、たっぷりと余った時間を見直しに充てた。終了後に少しまわりの様子を見てみるに、自己紹介や留学の目的については、中身に困ってあまり書けていない人もいるようだった。何となく目的もなく来るのは日本人だけじゃないんだなって、少しホッとした。

11:30にはテストが終わり、13:00まで休憩の時間が設けられた。そこで、先ほどの日本人と4人で昼ご飯を買いに外に出てみることになった。交差点の角では、朝とはまた違う、ホットドッグを売っているスタンドが立っていた。ユウキとコウは、そのスタンドで、ホットドッグを買った。俺は朝ごはんが重かったためにまだ食欲がなく、何も買わないことにした。すると、店の白人のおじさんが時間潰しに「ホットドッグの味はどうか?」と尋ねてきた。2人はおじさんが何を言ったのかが分からなかったので、俺の顔を見て何かと尋ねてきた。俺は3人の間に入って通訳に入ることになった。すると、おじさんは次第に話題を変えて、留学について尋ねてくれた。ニューヨークでは人々が気軽に話しかけてくれる。少しでも英語で話すきっかけがほしい留学生にとっては、それがとっても助かる街だ。

昼休みはラウンジで12:30まで、4人で会話して時間をすごした。そしてさきほどのT教室に戻ってガイダンスの続きを受けた。午後のガイダンスは職員の女性の方がゆっくりと分かりやすく話をしてくれた。そのため十分に話を聞き取れて、言っていることを一単語も漏れずにほとんど完全に理解できることができた。ただし、いつでも聴くことに集中していないと、メモや考え事をしながら話を聴いたときには、単語が入らない瞬間が生じてしまって、前後で推測しなくてはいけなくなってしまう。しかし、今回はほとんど完璧に理解ができた。嬉しい!だれかに通訳してあげたいほどだ。

また、配布された書類の記入をして新しく知ったことがあった。家の住所は、英語では、番地からはじまり、市町村、市区郡、都道府県、国の順番で書くらしい。それから、ここでは日付の書き方が2008/08/25の順ではなく、08/25/2008の順になるらしい。

語学学校のLSIについての説明は、校内では母国語は禁止だとか、とにかく英語漬けになりなさいだとか、あとは図書室のパソコンの使い方だの成績のつけ方だの、最寄の街の案内などといった、事務的な連絡に終始した。学生ビザで来た留学生は、毎回のテストで80%以上をとらなきゃいけなかったり、欠席は週2回までで、遅刻は3回で欠席1回分になるなどと言われていた。俺は学生ビザではないので関係はないものだけど。

ガイダンスが終わると、校内を一通り見学してまわる時間になった。つい最近から校舎を改装しているらしく、廊下のカーペットの一部がはがれていたり、張替えのために壁が汚くなっている箇所があった。改築する古い教室とは別に、臨時に仮教室が設けられている。

教室をぐるりとまわり、毎週火曜日にクラス分けの発表がされるという掲示板を教えてもらった。毎週月曜日にはクラス分けが考慮されたテストが実施されて、火曜日にはテストなどによって考慮された、その週のクラスが掲示板に掲示されるというのだ。また、放課後には毎日、アクティビティと呼ばれる有志の人たちで遊ぶ企画があるようだ。どこかの団体が企画していて有料だったり、無料なものがあったりして、午後に外国人の友達を作って英語を喋るためには格好の企画なのかもしれない。

そんなこんなで今日は13:30に放課した。思ったよりも早く終わった。相方とこの後どうするかを相談して、今日は日本人4人でタイムズスクエア駅に行こうという話になった。タイムズスクエアというのは、ニューヨークで、いや、世界中で最も有名な場所のひとつであるらしい。

まだあまりお腹が空いていなかったので、ご飯も食べずにそのままLSIの校舎を出る。最寄りのレッドラインのキャナルSt.からダウンタウンに乗って、タイムズスクエア駅(別名42St.駅)まで移動して、降車した。

地下鉄を出るとタイムズスクエアは、平日の真っ昼間だというのに、外国人でとても賑わっている街だった。4人はとりあえず人通りに流されながらも、道なりに周辺を探検してみることになった。まずは腹ごなしにナッツ4(フォー)ナッツという、4種類のナッツ(カシューナッツ、アーモンド、ピーナッツ、ココナッツ)に蜂蜜と砂糖をまぶしたものを、屋台で3ドルを出して食べることに決まった。これはユウキが事前にチェックしていた食べ物で、彼が食べたいと言ったので、4人それぞれで買って食べることになった。ナッツたちのなかで、ココナッツだけは繊維質丸出しの味がした。そのどれもが砂糖の甘さが絡められていて、これだけでお腹が満足できた。

ナッツたちをつまみながら、7th Ave.とブロードウェイとが重なるタイムズスクエアの通りを一周しながら、洋服屋さん、ドラッグストア、デパート、リーバイスのショップなどに入店した。薬局にもふらっと入って、口内炎のためビタミン剤を買おうと思ったけれど、錠剤の数が多くて、しかも英語で用法も用量もわからなかったので諦めることにした。デパートも通りと同様に、月曜日の昼にもかかわらず賑わっていた。おじさんは会社に行かないの?みんなちゃんと働いているの?リーバイスでは、ユウキが言うに日本にはないと思われる、536などのシリーズが置いてあった。

だんだんとタイムズスクエアの心臓部に近づいてきたようだ。年末のカウントダウンで賑わうといわれるタイムズスクエア。その中心地や、名物のネイキッドカウボーイと呼ばれる、上裸にブリーフのおっさんなどを見てまわる。ネイキッドカウボーイは観光客と写真を撮るのが仕事なんらしいんだけど、身体をベタベタ触ったうえに、ドル札を巻き上げたりしているようだ。

タイムズスクエアはまさに観光地という印象だ。アメリカ人と見分けのつかない他の外国人たちも、カメラをぶら下げて懸命に家族写真なんかを撮ったりしている。もう外国人にも慣れてきて、昨日のハーレムのときのように黒人を見てびっくりしたり怖くなったりすることもなくなってきた。

途中、警官がタイムズスクエアのど真ん中に駐在していたので、コウとお願いして写真を撮ってもらうことにした。

んで、洋服屋さんの地下にあったスーパーで、エビアンのペットボトル500mlを50セントで購入した。ここのお店では、タイムズスクエアの中心地にあるにもかかわらず、これまでで一番安いエビアンを売っていた。

そこで、コウはエビアンを片手にぶら下げて店を出ようとしたので、入り口のガードマンに見つかって捕まってしまった。彼はレシートを貰っておらず、しばらく入り口で問答し、英語で話していた。すると、ガタイのいい白人のお兄さんの警官に奥に連れて行かれてしまった。残された3人は、しばらく表で彼が無事に戻ってくるのを願いつつ待っていた。その後、コウはレジのお姉さんのところに行って、お姉さんがコウのことを覚えていたので、解放されたそうだ。エビアン1本で、なんという高いセキュリティ。

ゴディバでは、店内の一部商品に対して半額セールをおこなっていた。そこでオヤツにクッキーに挟まれたチョコレート1.5ドルと、気が早いものの家族へのお土産用に缶のココアの粉5.00ドルを買うことにした。

タイムズスクエアをぐるっと一回りして、16:00にひとまずYMCAに戻ることに決めた。ユウキはなんだかホームステイ先のことを心配していて、そこに帰宅するために別れることになった。コウもホームステイだけど、相方と俺に着いてきて、ホテルに遊びにくることになった。

「また明日」とユウキと別れて、3人でタイムズスクエア駅から59St.駅に移動する。再びレッドラインのダウンタウンに乗って、滞在先のホテルに戻る。位置関係でいうと、宿泊先のホテルから学校に行く途中にタイムズスクエアがあるのだ。

ホテルに戻ると、フロントではまた行列ができていて、黒人のお兄さんがひたすらにフロント業務をこなしているようだった。とてもじゃないけど毎日があんな業務じゃあきっと身が持たない。単調で閉塞感があって、俺には絶対にそんな仕事はできないだろう。ちゃんと休みをもらっているのかな?そしてちゃんと給料は評価されているのだろうか。

部屋に戻ってゴディバを置いて、ベッドでダレながら、コウを含む3人で、他愛のない会話をして過ごした。コウはなかなかたくましかった。彼には長年連れ添ってきて、近いうちに結婚したい彼女がいるらしい。彼はブランドが大好きで、ファッションでは帽子からアクセサリーまで、ブランドに力を利かせている。彼は恋愛には見返りを求めない優しさが必要だと説いた。彼女とはたまに喧嘩もするらしいけれど、彼は土木関係のバイトでお金を稼いでいて、人に物を与えるのが好きらしい。父親も土木系の会社の社長をやっていて、彼もゆくゆくは社長になりたいと言った。彼は肉体労働で2ヶ月必死に働いて、今回のこの留学にこぎつけたという。それでも彼は1週間だけの滞在だった。金額はそれほど変わらないのに、俺らとユウキは1ヵ月間の留学だった。

19:00になってお腹も空いたので、「アメリカらしく肉でも喰いに行っかー」ってことで、外にステーキを食べに行くことになった。取りあえず59St.周囲にお店の検討がつかなかったので、栄えているタイムズスクエアに戻って探してみることにした。タイムズスクエアは近くて便利だ。ホテルからレッドラインに乗って、15分ほどで到着する。

再び訪れたタイムズスクエアで、ふらふらと適当なお店を探して歩く。空はつい何時間前かとは打って変わって、薄っすらと灰色の空に変化して、どんよりとしていた。夕方と夜の狭間って感じだ。

3人はしばらく歩いて、19:30に見つけたTad’s steakhouseというステーキ屋さんに入ることにした。そのお店では、メニューが写真と番号とで記されていて、カウンターの目の前で店員さんが肉を焼いてくれる仕組みのお店だった。そこでサラダ(ガーリックドレッシング)、ポテト、ガーリックパン、リブ肉を注文して、16.34ドルを支払った。商品を受け取って、奥のテーブルに腰を掛けて座る。ここの肉は日本よりも一皿の量が多かった。日本ではこのぐらいの肉はもっと高い値段のはずだ。値段の割に量が多く、そして脂がのっていてボリュームがあって、美味しい。とはいえ、アメリカの牛肉だからといって、日本で食べるアメリカの牛肉と特に違いがある感じではなかった。

帰りに地下駅の入り口付近で、黒人の人がゴミ箱を叩いて軽快なリズムを生み出していた。通行人が立ち止まってそこに集まっている。きっと気が向いた人がお金をあげる仕組みなんだろう。

満腹感に満ちたお腹を抱えながら、タイムズスクエア駅でコウとお別れして、今度はレッドラインではなく、イエローラインに乗ってタイムズスクエア駅を後にする。タイムズスクエア駅は様々な路線が合流する駅なので、同じタイムズスクエア駅でも降りた階段によって地下でつながっているホームとそうでないホームがあるようだ。今回はレッドラインやブルーラインが分らなかったので、イエローラインに乗ることになった。イエローラインは、アップタウンで57St.駅を過ぎると、東に転回してホテルから離れていってしまうラインだった。そのため、そこから少し西に向かって歩かなければいけなかったけれど、57St.駅で降りてセントラルパーク内を横切って帰宅することにした。いろいろなルートを辿るのは実に面白い。なんせこれは冒険なのだ。

夜のセントラルパークはチラホラとカップルで占領されていた。相方とそんな雰囲気は横目に、まっすぐホテルへと戻っていく。アメリカ人は外でも気にせずいちゃつくみたいだね。

帰宅すると21:30になっていた。個室の便器を堪能したあと、シャワールームに入ってゆっくりとシャワーを浴びた。俺は日本では一回に45分ほど入る超長風呂派なんだけれども、こっちでは日本のように湯船に浸かれないので、疲れがあまり取れたような気がしない。

今日も長い一日だったぜ、と振り返って、22:30にくたくたになって就寝する。今日はお店の店員さん以外ではほとんど日本人としか話さなかったような気がする。少し残念だけど、まぁ初日から外国人とバリバリ渡り歩くなんてことは少ないんだろうね。まずは日本人同士で親交を深めたという感じで。むしろ今日は日本人とでも、一緒に交流して行動をともにできる仲間に出会えてよかった。今日も充実だった!んだけど疲れたー。

早く外国人の友達もほしいなー。おやすみ。

弦本 卓也

1987年、埼玉県生まれ。大学卒業後、大手広告会社「リクルート」にて不動産メディア「スーモ」(SUUMO)の運営に従事。新卒で入社して、スーモのメディアづくりを7年、その後にエンジニア組織の組織づくりを4年行う。 また、リクルート社内の部活動制度にて「大家部」を立ち上げ部長を務める。不動産投資に関する情報交換や物件見学のワークショップなどを行う。 入社2年目に新築一戸建ての広告を取り扱う部署に異動したことをきっかけに、「いい企画を作るためには、まずは自分で経験したい」という想いから個人で新築一戸建てを購入。その翌年には売却分野を担当したことをきっかけに売却も経験。マンションの売買なども行い、11年間で11回の引っ越しを経験。 「新しい住まいや暮らしを自ら探究したい」という気持ちで購入した東京都千代田区の神保町の中古ビル「弦本ビル」は、コワーキングスペース、シェアオフィス、シェアハウス、飲食店が入居する複合ビルとなっており、20代を中心とした若手社会人や学生のやりたいことを実現する場所として注目を集めている。3年間で延べ1万人以上の来場者を記録し、家賃年収1,400万円を達成しながら満室経営を続けている。 お金面とビジョン面の両立を大切にしており、モットーは「一人ひとりの可能性をもっと世の中に」。会社員を続ける傍ら、学生時代に起業した会社とあわせて株式会社を3社創業。うち1社は売却し現在は2社を経営している。他にもエンジェル投資家として若手実業家の支援を手がける一面も。 日経新聞や不動産業界紙、書籍や雑誌、テレビなどでも多数の注目を集めておりセミナー講師なども行う。宅地建物取引士を保有。

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