ニューヨーク滞在記⑧ノリータ、ソーホー、リトルイタリーへ!

Aug/30/2008 SAT 晴れ

睡眠0:45→10:30

今日は土曜日だ。昨日、ユウキと約束した12:00にはまだたっぷりの時間がある。ゆっくりと寝坊して目を覚まして、それから身支度をしてベッドに1ドルを置いておく。今日も気持ちのいい朝だ。相方は目覚める気配がない。12:00になったのでひとりで部屋を抜け出して、待ち合わせのレッドライン59St.駅の真上の、地球儀のオブジェの前へと出向いていく。今日は、ニューヨーク南方の、ノリータ、ソーホーと呼ばれるファッションのお店の多い地域に買い物に行く約束をしていたのだ。

一方のユウキは30分ほど遅刻をして12:30になって現れた。普段は30分なんて待てない性格だったけど、今日は待ち合わせが自分の最寄りで、ユウキはホームステイ先から遠く、来るのに時間がかかることは分かっていたので、ゆったりと彼を待った。そしてベンチで待ちながら、白昼堂々とパソコンを広げて日記を書いていた。

今日は日差しが一段と強い。雲こそあるものの、ときおり雲間から射抜く日光が視界をじりじりとさせている。現れたユウキと合流すると、昼だけどモーニングを食べようということで、周辺をふらふらしながらすることにした。

59St.駅の近くにはユニークなお店なども多く、休日ということもありそれなりに人も歩いていた。

13:00に、ふと見つけたデリに入って食事をとることにした。カウンターでおじさんにベーグルにクリームチーズを入れてもらい1.50ドルを支払う。加えて、デリからよそってきた生野菜のサラダと、苺とシリアルのヨーグルト、9.95ドルをユウキと割り勘して食べることにした。野菜はひさしぶりの摂取になった。

野菜は積極的に摂取するようにしなくては、ここではだれも気にかけて用意してくれたりなんかしない。自分の健康は自分で管理しなければならないのだ。こっちにきてやっと、マトモに野菜というものを食べた気がする。

ユウキは初日から揉めていたホストファミリーの苦情を言うために、旅行会社に電話がしたいと言った。彼は初日に家に着いてからというものの、まだホストマザーには会えておらず、代わりに若い夫婦に迎えられているのだ。依然として彼らは掃除も洗濯もせず、料理も作らず、喧嘩と夜の営みとをただただ繰り返すだけだという。飼われていた犬が吠えると、主人は「Sid down!」や「Shut up!」などと叫び蹴り、そして落ちたフンも掃除されることなく、これまでずっと放置されているというのだ。

そこでYMCAのホテルに戻って、ユウキが電話をかけるのを待つことにした。少しの間、電話の扱い方に手間取りながらも、電話をかけることに成功したようだ。ユウキは以前ゴウンと俺がLSIのラウンジで待っていたときに、俺の携帯に電話しようとして失敗していたようだ。電話の使い方は、受話器を取ってから25セントを2枚入れて、それからローカル番号1を押してから、次に相手先の番号を押すということが判明した。電話は時間にかかわらずつながるようで、話し放題のようだ。日本の旅行会社の話では、やはりホストマザーはおばあちゃんの具合が悪くなって見舞いに行っているとの回答だった。

ユウキが電話するのを待ってから、14:00にひとまず片付いたらしきユウキと再出発することにした。部屋に戻ると、相方はすでに出てしまっていた。相方は昨日の話では、今日はセンチュリー21に行って、昨日買い出しに行ったホールフーズで寿司を買って食べるという話だった。

ホテルを出てユウキとブルーラインに乗り込む。59St.駅からワシントンスクエア駅までを移動して、そこから歩きながらソーホーとノリータといわれる、買い物のショップでにぎわう街並みをショッピングして歩く。

大通りは人通りも多く、反対に、狭い道は閑散としていた。

ふらふらと歩いている途中に、SONYのゲーム機、PSPの広告があったので記念に撮影しておいた。なんだかやはり日本の企業の広告を見ると、こんなところでも日本人として誇りを感じられて嬉しかった。

まだ明るくはあるものの、17:00になって喉が渇いてきたので、途中で立ち寄ったドラッグストアにてスターバックスのコーヒーフラペチーノ2.19ドルと、チェリー風味のコーラ1.69ドルを購入する。ユウキはライム味のコーラを買っていて、交換して少し飲ませてくれた。ユウキの買ったライム味はあまり主張が強くなく、普通のコーラとあまり変わらない味で美味しかった。しかし、俺の買ったチェリー味は香料が強く、逆にコーラという感じがしない。これはコーラに飽きた人が、アクセントを求めて買うような商品なんだろう。

19:00までには満遍なく、ノリータとソーホーのほとんどの小道を歩きまわって、気になったお店にかたっぱしから入っていった。半日もかけると、ノリータとソーホーは十分、完全制覇だという気分になれた。お店では洋服、靴、革製品、カード、小物雑貨、日本の無印良品などを見てまわった。ショップでは多くが女性用の商品を扱っていて、男性用のものがあったとしても、やっとの思いで見つけたもののほとんどはサイズが大きく、多くはB系のもののようだった。結局、今回のショッッピングでは残念なことに、選ぶ選択肢も少なく、欲しいものがなにも見あたらなかった。

ニューヨーカーはイメージに反して、まったくお洒落ではないような気がした。ニューヨークの街には、無地やストライプやボーダーなどの、いたって地味目な服装の人ばかりで溢れている。無印良品やユニクロが流行りそうなイメージだ。そしてみんな、思ったほど背は高くない。2mほどの巨人ともたまにはすれ違うものの、ほとんどの人が俺よりかは背が低い。俺は184cmで日本でも背が高い方だけども、海外でも身長が高い方に入るのは、ナメられないような気がするので助かるなぁ。

19:00になり、お腹が空くとともに夕飯のいい時間帯になってきた。そこでノリータの南部に面したキャナルSt.を横切って、適当なバーやレストランがないかと探し歩きながら、リトルイタリーへとさまよう。

ここら一帯はまだ、開拓の余地がありそうだ。リトルイタリーには、お土産屋さんもいっぱい目に入ってきた。もちろん、イタリアンなレストランも通りに並んでいる。日本でならカップルのデートで賑わいそうなレストランの並びだ。しかし、本場のイタリア料理のようなものは少し値段設定が高そうだ。そこで、ユウキと2人で店頭のメニューをみながら歩きまわり、一軒のピザ屋さんでピザを食べること決めたのだった。

どの店も、人で賑わっていて混んでいることには間違いなかった。あいているテーブルを選んで席について、注文をとる。肉がいっぱいのピザ12.55ドルと、野菜がたっぷりのピザ9.25ドルを、ユウキと半々にして食べるっていう計算だ。さらに、お供に3ドルの赤ワインを一杯いただくことにした。しかし、注文してからピザが運ばれてくるのに、30分は待たされた。結局20:30まで待たされたのだ。。。

味は日本の宅配ピザでは食べたことのないような逸品で、できたての具だくさんで、どの一口も最高の味付けだった。噛み締めた肉の油汁がなんともいえない。パン生地はさくさくふっくらで味がしっかりしていて、オイリーでスパイシーな味付けがさらに美味さをかきたてている。

ここではチップを15~20%ほど払うのが慣習のようだった。待たされたことに本当はチップなんて渡さなくてもいいだろうっていう冗談もあったんだけれども、一応マナーっちゅうことで、会計後に3ドルを挟んで21:15に店を出た。

途中、帰りがけに壊れた信号機をみかけた。歩けと止まれが同時に点灯していて、危険だが面白い。標示がどちらかの判断は、交差点側の横の信号機を見て解釈するしかなかった。ちなみに、今は赤を示す時間だ。

早歩きで歩いたこともあり、キャナルSt.駅からはほろ酔い気分でイエローラインに乗る。車内では、日本語の会話を日本人女性と楽しむ外国人女性の姿が目にはいった。彼女はかなり流暢に日本語を話していた。そばにいた日本人女性は、彼女に日本語を教えていたのだ。その外国人女性に、日本語で「日本語上手いですね」と言ったら、にっこりと笑顔を返してくれたんだけども、こんなところでも母国語を勉強してくれている外国人がいることがすごく嬉しかった。22:00にタイムズスクエア駅でユウキと別れて、俺はレッドラインに乗り換えてそのままホテルに帰ることにした。

部屋に戻ると相方はシャワーを浴びていた。俺もシャワーを浴びてから寝る準備をした。相方は宣言通り、今日はセンチュリー21に行ってきたらしい。そしてそこで買った茶色のジャージを得意げに羽織って見せてくれた。8万円が2万円で買えたらしい。自分のサイズにあった洋服で、センスのいいのをよく見つけたもんだ。相方は高校時代から、お気に入りの服があると、しばらくずっとその服を着ているイメージがある。きっとこれもずっと着てあげるんだろう。

23:00から一時間ほど日記を書いて、明日の計画を立ててから0:00に眠りについた。明日も9:00にユウキと待ち合わせて、郊外のアウトレットに買い物に行く予定なのだ。アウトレットに行くにはバスに乗ったりしなくてはならず、それがなかなか複雑そうだ。今度こそ何かいいものを見つけて買おうと思う。アウトレットは安くて商品がたくさんある、人気のお買い物スポットらしい。お金もまだ余っているので、せっかくニューヨークまできて使っておかないのももったいない気がしてならない。明日には期待していいんじゃないかな。

今日はベッドメイキングが入っていない。土曜日は休みなのかな?それとももしかして、チップが安すぎたとか?なんてのを脳裏に浮かべながらも、枕元に出しておいた1ドルを回収して横になる。おやすみー。

弦本 卓也

1987年、埼玉県生まれ。大学卒業後、大手広告会社「リクルート」にて不動産メディア「スーモ」(SUUMO)の運営に従事。新卒で入社して、スーモのメディアづくりを7年、その後にエンジニア組織の組織づくりを4年行う。 また、リクルート社内の部活動制度にて「大家部」を立ち上げ部長を務める。不動産投資に関する情報交換や物件見学のワークショップなどを行う。 入社2年目に新築一戸建ての広告を取り扱う部署に異動したことをきっかけに、「いい企画を作るためには、まずは自分で経験したい」という想いから個人で新築一戸建てを購入。その翌年には売却分野を担当したことをきっかけに売却も経験。マンションの売買なども行い、11年間で11回の引っ越しを経験。 「新しい住まいや暮らしを自ら探究したい」という気持ちで購入した東京都千代田区の神保町の中古ビル「弦本ビル」は、コワーキングスペース、シェアオフィス、シェアハウス、飲食店が入居する複合ビルとなっており、20代を中心とした若手社会人や学生のやりたいことを実現する場所として注目を集めている。3年間で延べ1万人以上の来場者を記録し、家賃年収1,400万円を達成しながら満室経営を続けている。 お金面とビジョン面の両立を大切にしており、モットーは「一人ひとりの可能性をもっと世の中に」。会社員を続ける傍ら、学生時代に起業した会社とあわせて株式会社を3社創業。うち1社は売却し現在は2社を経営している。他にもエンジェル投資家として若手実業家の支援を手がける一面も。 日経新聞や不動産業界紙、書籍や雑誌、テレビなどでも多数の注目を集めておりセミナー講師なども行う。宅地建物取引士を保有。

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