Sep/10/2008 WED 晴れ
睡眠4:00→7:30
おっはよ。今朝も寝不足だけど、意外といける。相方とユウキと3人で合流し、一緒にLSIに向かう。今日はホテルから近い交差点の、角にあるフルーツの屋台にて、苺のパックを2ドルで購入する。
LSIではまたしてもラウンジで洗って食べるものの、今回の苺はそこまで熟れていなかった。不揃いさが安い理由なのかもしれない。路上の排気ガスなどに触れて品質が悪くなっちゃったのかなぁ。きちんと選んで買えばよかった。
授業を終えると、昼はドンホーとミランとジュンペイと出かけることにした。
LSIを出てキャナルSt.からソーホーの方までしばらく歩いて、ドンホーのおすすめの手軽なピザ屋さんに入る。そこではピザを2枚を選んで、あわせてコーラを頼むことにした。ドンホーからは、韓国での義務で軍隊に行ったときのミリタリーサービスの話、ミランからは遠距離恋愛中の彼との話などを聞いた。ミランは頻繁に彼と電話をするらしい。
お店の近くでは、ゲイが目立つ色の服を着て集合していた。みな明るい色の服を着ている。俺は見慣れていなかったけど、通りすがりの人たちは少し目を向けても驚く様子などはなく、ごく自然にすれ違っていく。ドンホーは、男がピンク色などの明るい色の服を着ると、ゲイに声をかけられると言っていた。
そっからレッドラインに戻って、サウスフェリー駅に向かう。ドンホーはサウスフェリー駅の近くの公園に行きたいという。そこは前にユウキとも来た、マンハッタン島の南端の、バッテリーパークのことだった。ドンホーに先導してもらい、しばらくあちこちと歩いてまわる。ドンホーはどこかの場所を探しているようだ。俺はその目的がわかった。そしてドンホーにその場所を教える。前に来たときに、韓国に関係するオブジェを見ていたからだ。そこには朝鮮戦争の記念碑があった。
そういえば、ここにきて留学生たちと戦争について話すことはしていなかった。俺はどんな話でも抵抗はないけど、戦争についてはあまり勉強しておらず知識がない。高校では世界史を履修していなかったこともあるけど、勉強して自分なりの意見が持てるようになったら外国人とも話せるかもしれない。すぐ隣りの韓国の戦争についても詳しくない。もう少し勉強しておけばよかったかな。ジュンペイの意見では、戦争では日本が醜いことをしたイメージしかないということだった。それで日本人は戦争について詳しくないのかも。
しばらくしてから、近くのスターバックスに入って4人で話す。俺はバニラチョコレートブレンドコーヒーを頼んでみる。シェークのような味わいで、バナナとチョコレートを混ぜて氷を入れたような、がんばれば家でもつくれそうなものだった。4.28ドルだった。
話題は主に、日本と韓国の歌手、スポーツ選手の名前、有名な企業についてなどだった。もてる知識を出し切ったころで、このあとアンズとマリコと合流するために、ジュンペイと俺は18:30にドンホーとミランと別れた。今日はストンプという、演奏のパフォーマンスを観にいく予定なのだ。
レッドラインでタイムズスクエア駅に移動して、光るマクドナルドの看板が目印の、いつもの待ち合わせ場所に向かう。18:45に2人と合流して、イエローラインに乗ってユニオンスクエア駅でグリーンラインに乗り継ぎ、アスタープレイス駅へと南下する。
ストンプの会場の前には、前にアスタープレイスに来たときにサンボンがおすすめしていたポテトフライの専門店があった。美味しいポテト屋さんらしいということで紹介して、そこで大きめのポテトフライを割り勘して2ドルずつで買うことにした。
ソースの味はオニオンマヨネーズにした。ソースをつけないで食べても、十分に塩がきいていて美味しい。大きめのポテトはじゃがいもの味がダイレクトに伝わってくるし、なにより揚げたてのサクサク感が好きだ。
ストンプの会場に入ると、客席は20行×30列ぐらいあるなかのほとんどの席が埋まっている。俺達はほぼ中央のよさそうな席で、4人で横に並んで座れた。
ストンプの中では写真撮影は禁止らしく、俺がカメラを構えて1枚撮ると、ガタイのいいお兄さんがやってきてカメラを没収された。俺のカメラを取りあげて、片手に持って他の客人たちの誘導をつづける。お客さんの整理が終わるころを見計らって、謝ってカメラを返してもらいにいくと、その場で撮った写真を消すようにと指示される。なのでその1枚を消してみせると、さらに他の写真も見せろといわれる。素晴らしいプロ意識で、なかなか徹底していて厳しい対応だった。もう、カメラを返してくれないんじゃないかと思うぐらいだ。
ストンプのパフォーマンスはすごく面白かった。会話などのまったくない、終始無言のパフォーマンスでありながらも、場面がわけられていて、ストーリー性があるようだ。はじめに何人かが出てきて、モップを床に叩きつけたり、床に擦りつける音だけで演奏をするなどと、さまざまなパターンの演奏ではじまる。途中でバケツが出てきたり、フライパンが登場したり、宙ぶらりんになって演奏をしあうバトルがはじまったり、流し台のシンクを叩いたり、そこに水を入れて水の量を変えて音を変えてながら演奏したり、濡れたところを白い粉を撒いてモップで音を立ててきれいにしたり、目で見ても耳で聴いても楽しめる構成になっていた。
照明には青系の色が多く使われていた。観客を巻き込むために、手をパチパチ叩くように要求するパフォーマンスもあった。それは観客との一体感を演出するパフォーマンスだった。リズムにも静と動のメリハリがあり、盛り上がりのパートがあった。奏者は1人からはじまり、徐々に増えて最大で8人ぐらいになったり、ピークをすぎると逆に人数が減っていったりした。アクロバティックな動きや、全体が揃った動きも観客の目を奪う。
舞台挨拶も無言のままで、無事に幕を閉じる。1時間半ほどのパフォーマンスが終わり、時刻は22:00だ。ジェームズと約束していた時間だ。
4人はひとしきり感動していて、ざわめく観衆のなかを「面白かったね」と一言だけつぶやいて、そのまま無言で駅まで歩く。駅の近くで別れて、今度はジェームズのところに向かうことにする。アスタープレイス駅からは、東側に突っ切る電車がないので、いっそのことと思い、歩いて郵便局まで行くことにした。
約束に遅れる申し訳なさもありながら、途中でデュアンリード(duane reade)立ち寄って、スニッカーズのミックスチョコと、99セントのクラッカーを買っておく。これはジェームズにあげるためだ。ここのデュアンリードの店舗は、滞在先のホテルの近所にあるお店よりも広かった。それでも24時間営業をしているがありがたい。デュアンリードはいろんなところにあるチェーン店なんだな。金額は4.99ドルだったけど、直接現金であげるよりも心がこもっているような気がする。
中央郵便局に駆け込む。ジェームズは眼鏡をかけて、入口の見張りの机に座って書き物をしていた。俺が遅くなったことを謝り、昨日のお礼と今日のお詫びにお菓子を買ってきたことを告げると、ジェームズは「You are kind」と喜んでくれ、加えて「Kiss me」と言ってきた。俺は男にキスする趣味はなかったので、よくわからないと伝えたら、顔を近づけてほっぺたをあわせる挨拶のようだった。
時刻は22:45をまわっていた。30分ほど軽い雑談をして、お菓子は一緒に食べずにそのままあげて帰ることにした。今日も遅い時間になってしまった。人気のない道を早歩きで歩いて、34St.の駅からブルーラインに乗って、北上して59St.駅へと帰る。
帰ってもまだ気力が残っていたので、いまのうちにと洗濯、シャワー、乾燥をやってしまう。小銭はまだたっぷりと余っていた。この様子だと、帰るまでに25セントで困ることはもう2度とないだろう。小銭のマネジメントは意識できていて、大きいお金からくずせそうな場所では優先してくずすようにしている。チップを手渡すための1ドル札や5ドル札も増えてきた。今日は気になっていた爪も切った。
帰ると部屋のベッドメイキングがされている。今日も一日が長かったなぁ。まだストンプの効果音が少し耳に残っている。余韻に浸りながら、おやすみなさい。