【住宅ローン】繰り上げ返済の手数料・時期・タイミング・メリットを解説!

住宅ローンを組むときは数千万円単位の金額になってしまうことも珍しくありません。

よほど資産に余裕がある人でない限り、慎重な返済計画を立てる必要があります。

返済計画では毎月の返済額と給与収入のバランスを考えることが大切ですが、余裕資金ができたときには繰り上げ返済を検討することも重要です。

しかし、繰り上げ返済にはメリットだけでなく、デメリットもあるので気をつけなければいけません。

そこで、この記事では住宅ローンの返済において重要な役割を持つ繰り上げ返済の特徴やポイントについて紹介します。

目次

繰り上げ返済とはどういうもの?

繰り上げ返済とは、毎月の返済額とは別枠で融資を受けた金融機関へ返済することを指します。

住宅ローンを組むと融資金額や融資を受けた人の収入状況によって、毎月一定金額を返済しなければいけません。

基本的には決められた金額を毎月返済していけば、返済期間満了とともにローン残高はなくなります。

しかし、「少しでも早くローンを返済したい」「利息負担を軽減させたい」という人は、必ずしも毎月決められた金額だけを払う必要はありません。

手持ちの資金に余裕があるときは、それを活用して金融機関へ任意に返済してもよいのです。

住宅ローンを組むということは、金融機関からお金を借りるということなので、返済にあたっては元本とは別に利息を支払わなければいけません。

通常の場合、毎月の返済額は「元本+利息」で一定額になるように調整されています。

しかし、繰り上げ返済はあくまでも任意なので、返済した金額はすべて元本に充当されるのです。

また、繰り上げ返済というと「残額を一括で返済しなければいけない」と勘違いしている人もいますが、そんなことはありません。

繰り上げ返済は毎月の支払いとは別に返済をする行為を指すものなので、残額の一部だけを返済する人もいます。

つまり、繰り上げ返済において必要な金額に定めはないのです。

繰り上げ返済でお得になる理由

「繰り上げ返済をするとお得になる」という話を耳にしたことはありませんか。

それは、「利息の支払いが少なくなる」「返済期間の短縮や毎月の返済額の削減が可能」という2つの理由によるものです。

まず、利息の支払いが減る理由は繰り上げ返済すると利息がかかるもととなる元金が少なくなります。

たとえば、融資残高が2000万円(借入期間20年)で利率が1%の場合の利息は、トータルでおよそ207万円かかります。

それに対して、同様の条件で融資残高が1000万円の場合の利息は、トータルでおよそ104万円しかかかりません。

このケースでは1000万円を繰り上げ返済することで、およそ100万円も支払い金額を少なくできるのです。

このように繰り上げ返済をすると元金と支払い利息の両方が減るので、毎月の返済額も必然的に少なくなります。

毎月の返済額を少なくする繰り上げ返済方法を返済額軽減型と呼びます。

一方で、毎月の返済額をこれまで通りにする代わりに、支払い期間を短縮する方法は期間短縮型です。

繰り上げ返済をするメリット

繰り上げ返済をする大きなメリットとして挙げられるのは、利息軽減効果があることです。

元本を早く返済できるので、支払い期間のトータルで考えると非常に大きな効果が望めるケースもあります。

少しでも返済金額を減らしたい人は積極的に検討したほうがよいでしょう。

また、繰り上げ返済の方法で期間短縮型を選択した場合は、ローンの完済時期を早められるというメリットもあります。

定年退職によって安定した収入が望めなくなる場合や、子供が学校に行くにあたって大きな費用が必要になる前に繰り上げ返済を行うと総返済額が少なくなって効果的です。

また、返済額軽減型を活用して毎月の返済額が減った場合は、そのお金を貯金に回すこともできます。

人生は長いので、人によっては病気になったり転職をしたりするなどさまざまなことが起きる可能性もあるでしょう。

ひょっとしたら収入が減少してしまうかもしれません。

繰り上げ返済をして毎月の返済額を抑えておくことで、そのようなリスクに備えられるのです。

繰り上げ返済をするデメリット

繰り上げ返済をするデメリットとして挙げられるのは、手元の資金がなくなることによるトラブルです。

繰り上げ返済をすることで、トータルの出費を抑えることはできるのですが、大きな金額を返済しないと効果はそれほどありません。

そのため、一時的とはいえ大きな出費をしなくてはいけないのはリスクだといえます。

たとえば、「病気や事故などで収入がなくなってしまう」というリスクが考えられるでしょう。

繰り上げ返済をした直後に万が一の事態が起こってしまうと、毎月の返済額が少なくなっても生活するためのまとまったお金が手元にないため困窮してしまうかもしれません。

将来を見据えて繰り上げ返済をしたけど、かえって生活が苦しくなってしまっては本末転倒です。

繰り上げ返済をするときは、資金にゆとりがある状態で行うように気をつけることが重要だといえます。

繰り上げ返済をしないメリット

繰り上げ返済をしないことによるメリットは、まず「住宅ローン控除をしっかりと受けられる」ことが挙げられます。

住宅ローン控除とは、一定の要件を満たした住宅に適用される税金の控除制度で年末時点での借入残高に応じて控除されます。

つまり、繰り上げ返済をしたことによって借入残高が少なくなると、住宅ローン控除で控除される税金の額も少なくなるということです。

住宅ローン控除の適用を受けているときは、繰り上げ返済をしないというのも一つの方法だといえます。

また、住宅ローンを組むときは団体信用生命保険に加入することが条件になっている場合もあります。

そのようなケースで繰り上げ返済してローンを完済してしまうと、保障対象から外れてしまうのです。

つまり、生命保険の加入先が一つ減るということなので、場合によっては新たに生命保険に加入する必要性も生じます。

「毎月の返済額には生命保険の掛け金も含まれている」という考え方もできるでしょう。

さらに、変動金利でローンを組んでいる場合は、繰り上げ返済をしないほうが金利面で有利になるケースもあります。

なぜなら、日本では日銀のゼロ金利政策によって、住宅ローンの金利もかなり低く抑えられているので、そもそも支払っている利息が少ないというケースもあるからです。

「状況によっては繰り上げ返済をしない」というのも選択肢の一つであることは覚えておきましょう。

結局繰り上げ返済はしたほうが良いの?

実際に繰り上げ返済をしたほうがよいかどうかは、その人が置かれている状況によって異なります。

繰り上げ返済をしたほうがよいケースとして挙げられるのは「住宅ローンを少しでも早く完済したい場合」や「無駄な利子を払いたくない場合」です。

繰り上げ返済には期間短縮型と返済額軽減の2つがありますが、状況によって使い分けるとよいでしょう。

また、繰り上げ返済をしてローンを完済した場合は、毎月の返済をする必要がなくなります。

すると、新たにローンを組んで住み替えを視野に入れることも可能です。

たとえば、退職後に新しい物件に住みたいときなどは、繰り上げ返済をしてローンを完済しておくとよいでしょう。

一方、繰り上げ返済をしないほうがよいケースとして挙げられるのは「まとまったお金がなくなると生活が苦しくなる場合」です。

住宅にかかる費用は生活するにあたって大切なものですが、日常生活で暮らすためにはその他にもお金がかかるものがたくさんあります。

たとえば、近いうちに車を買い替えるときなどは要注意です。

繰り上げ返済をして生活に困るようでは意味がありませんので、あくまでも余裕のある範囲で行うようにしましょう。

損得だけでは考えてはいけない理由とは?

繰り上げ返済をすると金利負担が軽くなるケースが多いので、結果的にお得になることがよくあります。

しかし、必ずしもその場限りの損得だけで考えないようにしましょう。

なぜなら、繰り上げ返済をして実際に得をするには、それなりの期間がかかるからです。

たとえば、期間短縮型であれば将来的な返済期間が短くなるだけで、毎月の支払額は変わりません。

つまり、毎月の家計負担にも変化はないのです。

また、返済額軽減型であっても繰り上げ返済に充てるまとまったお金を運用したときと比べて必ずしも得をするとは限りません。

無理な繰り上げ返済をすると日常生活が困難になってしまう恐れがあるため、注意が必要です。

家庭の貯蓄状況によっては、貯金を優先したほうがよいケースもあることは忘れないようにしましょう。

期間短縮型の繰り上げ返済の特徴

期間短縮型の特徴は、「繰り上げ返済したにもかかわらず毎月の返済額は変わらない」ということです。

しかし、返済期間は短くなるので早くローンを完済してしまいたい人に向いている方法だといえます。

また、忘れてはいけないのが返済額軽減型と比べてトータル支払い利息は少なくなることです。

なぜなら、利息というものは元本に対して付くものだからです。

繰り上げ返済したにもかかわらず、毎月の返済額が変わっていないということは、それだけ毎月の支払いで元本を多く返済しているといえます。

元本をたくさん返すということは、それだけローン残高が減ることを意味します。

つまり、繰り上げ返済と同じような効果があり、支払い利息が少なくなるのです。

繰り上げ返済をしても毎月の返済額が変わらないのは精神的にストレスになるかもしれませんが、将来的に考えると大きなメリットになり得ます。

返済額軽減型の繰り上げ返済の特徴

返済額軽減型の特徴は、返済期間が変わらない反面、毎月の返済額が減ることです。

毎月の返済額が減ることで家計にゆとりが出るため、繰り上げ返済の効果をすぐに感じやすいのもメリットでしょう。

返済金額が減ったぶんを貯金したり、老後の備えに蓄えておいたりといった自由な使い方ができます。

子供の成長に合わせて教育資金が必要なときや、配偶者が退職するときなど、これから生活費が必要になってくる時期に合わせて行うと効果が大きいでしょう。

返済額軽減型は、さまざまな生活環境の変化に対応できるほか、繰り上げ返済のデメリットの「返済後の生活が苦しくなるリスク」を軽減できる効果も期待できます。

繰り上げ返済で利息はどの程度変わる?

繰り上げ返済の効果は「実際に数字でどれぐらい違うか」を見るとよくわかります。

そこで、仮に借入金額2500万円(35年ローン)、固定金利1.36%で、借入から10年後に100万円の繰り上げ返済をした場合で考えてみましょう。

この条件で、たとえば期間短縮型を選択すると返済期間は1年6カ月減少し、33年6カ月となります。

また、総返済額も39万721円少なくなります。

一方で、返済額軽減型の場合は、毎月の返済額が7万4843円だったものが、7万909円となって差額はおよそ4000円です。

トータルでの返済額の減少効果は18万170円となります。

総返済額で比べると期間短縮型のほうが約20万円も支払いを少なくできます。

それに対して、返済額軽減型は毎月4000円の余裕ができるので、積み立て貯金などをすることも可能です。

期間短縮型と返済額軽減型ならどちらが良い?

期間短縮型と返済額軽減型はそれぞれにメリット・デメリットがあります。

そのため、どちらがよいか一概にいうことはできません。

あくまでも状況に応じて使い分けることが基本になります。

一般的に期間短縮型に向いているケースといわれるのは、「完済までの期間を短くしたい」「支払い利息を大幅に減らしたい」場合です。

これらは毎月の返済額を減らさない代わりに、元本部分を多く返済する期間短縮型ならではのメリットだといえます。

一方、返済額軽減型に向いているケースといわれるのは「返済期間にはこだわっていない」「毎月の負担を少なくしたい」場合が挙げられます。

期間短縮型と比べると利息の支払いはトータルで考えると多くなりますが、毎月の返済額が少なくなるので家計は楽になるでしょう。

返済が減ったぶんを貯金することもできるので、将来の収入減というリスクに備えるには向いている方法です。

変動金利で繰り上げ返済する場合の注意点

繰り上げ返済は毎月の負担を減らしたり、返済期間を短くしたりするために行うものですが、変動金利でローンを組んでいる人は注意が必要です。

なぜなら、変動金利の場合は繰り上げ返済をすることで、かえって毎月の返済額が増える可能性があるからです。

住宅ローンを変動金利で申し込んだ場合、急激な金利上昇に備えて一定期間だけは毎月変わらない金額を返済するような仕組みを取っている場合があります。

このような契約では金利が上昇したときは、元本部分の返済を抑えて返済金額が変動しないような仕組みが適用されています。

しかし、繰り上げ返済をしてしまうと、この仕組みが適用されなくなり、繰り上げ返済をした時点での利率が適用されるケースがあるのです。

つまり、契約時点より金利が大幅に上がっているときは、毎月の返済金額も上昇する可能性があります。

この状況を防ぐ方法は、「金利上昇分を補うほどの資金で繰り上げ返済をする」または、「返済時期を見定めて金利が下がってきたときに繰り上げ返済する」の2つです。

ただし、繰り上げ返済できる資金は限界があるケースが多いでしょうから、返済時期を見定める方法を選ぶのが現実的でしょう。

繰り上げ返済をしないほうが良いケース

繰り上げ返済をしないほうがよいケースとしては、手元資金に余裕がない場合が挙げられます。

手元資金があまりない状態で繰り上げ返済してしまうと、万が一の際や、ちょっとした出費にも敏感にならなければいけません。

すると、日常生活にもゆとりがなくなってしまうので、支払っても生活に影響を及ぼさないようなお金で行いましょう。

どれぐらい資金に余裕があればよいのかは、それぞれの家庭状況によっても異なりますが、気をつけなければいけないのは将来的な視点で考えておくことです。

たとえば、小さい子供を抱えているファミリー世帯であれば、教育資金を貯めておくことも重要になります。

将来的な貯蓄が十分にできていない場合は、繰り上げ返済をしないほうがよい場合もあるでしょう。

また、団体信用生命保険が保障の一部になっているときも注意が必要です。

ローンが残っているからこそ保険に入っている状態なので、一括で返済してしまうと保障がなくなる可能性もあります。

高齢や持病持ちなどの理由で、他の保険に加入できないような事情があるときは注意したほうがよいです。

さらに、借り換えのほうが有利な条件で契約できるときも繰り上げ返済はしないほうがよいでしょう。

日銀のマイナス金利政策によって銀行は融資を推進しているところも多い傾向のため、借り換えで既存の契約よりも有利な条件で申し込める可能性があるのは覚えておいたほうが賢明です。

低金利時代では繰り上げ返済すべき?

繰り上げ返済は総支払額を減らすために有効な方法ですが、必ずしもお得になるとは限りません。

別の選択肢によっては繰り上げ返済で減らした支払額よりも利益を生み出す可能性があります。

たとえば、借入金額3000万円(返済期間30年)で25回目の返済時に100万円を返済額軽減型で繰り上げ返済したときに軽減される利息はおよそ22万4000円です。

つまり、残りの28年間で100万円を元手にしておよそ22万4000円以上の利益を出せば、繰り上げ返済したよりもお得だといえます。

たとえば、100万円を元手に28年間で22万4000円以上稼ぐためには、1年当たり約0.8%で資金を運用していくことが必要になります。

しかし、この方法における最大のリスクは「投資には失敗がつきものである」ということです。

元本を増やすつもりが反対に減らしてしまう可能性もゼロではありません。

それとは反対に、投資に慣れている人は年間平均で1%どころか2~3%程度の利益を稼いでしまうケースもあるでしょう。

どうしたらよいかわからない人は、とりあえず資金の半分を繰り上げ返済に回して、残りの半分で投資してみるという折衷案を取ってみてはいかがでしょうか。

住宅ローン減税中はどうすべき?

住宅ローン減税は、毎年末における住宅ローン残高の1%分を最大10年間にわたって所得税や住民税から控除できる制度です。

控除できる金額は最大で1年間に40万円なので、10年間トータルでは最高400万円(2021年12月まで)も控除されます。

毎年末のローン残高に合わせて控除されるということは、繰り上げ返済をすると適用される控除額が減少するということです。

そのため、住宅ローン控除を受けている期間中に繰り上げ返済をするよりも、控除の終わった時期まで待ってからするほうがお得になる場合があります。

ただし、これは一般的な話であって借入金額が多かったり、高い金利が適用されていたりするときは、この限りではありません。

たとえば、金利が高いとなかなか元本が減らないので、いつまでたってもローン残高は減らないときがあります。

そのようなときこそ、元本部分を直接減らせる繰り上げ返済は有効です。

いずれにしても、住宅ローン減税を受けている最中は、「繰り上げ返済をしたほうが本当に得なのか」をしっかりと検討してから行うようにしましょう。

繰り上げ返済をすべきタイミング

繰り上げ返済は利息部分ではなく、元本部分を減らすことができます。

そのため、早い時期にすればするほど、将来的な支払い利息が少なくなるので効果的です。

住宅ローン減税との関係もありますが、可能であれば返済を始めてから10年以内に行うとよいでしょう。

たとえば、借入金額3000万円(返済期間35年)で、金利2%(固定金利)というローンを組んだとします。

このときに、10年目と30年目において期間短縮型で100万円の繰り上げ返済をしたときの違いを比べてみると一目瞭然です。

10年目に繰り上げ返済した場合のトータルでの支払額はおよそ4112万円なのに対して、30年目に行った場合はおよそ4164万円となります。

総返済額におよそ50万円の違いが出るうえ、10年目に行ったほうが返済期間は1年4カ月も短縮されるのです。

金利情勢や貯蓄額など繰り上げ返済にあたって検討するべき項目はたくさんありますが、基本的には早いほうがお得だということは覚えておきましょう。

一括返済はお得なの?

一括返済は残りのローン残高をすべて一度に返済してしまうもので、繰り上げ返済のメリットを最大限に発揮する方法だといえます。

ただし、注意しなければいけない点もいくつかあります。

たとえば、住宅ローン減税がまったく受けられなくなる点です。

そのため、一括返済しなかったときに支払う利息と、将来的に住宅ローン減税を受けて控除される税金とを比較してみる必要があります。

もしも、住宅ローン減税で控除される税金のほうが多ければ、一度考え直してみたほうがよいでしょう。

また、忘れてはいけないのは一括返済するにも費用がかかるということです。

金融機関によって異なりますが、繰り上げ返済手数料で数万円かかることも珍しくありません。

さらに、ローンを組むにあたって設定された抵当権を抹消するための手続きにも費用がかかります。

これらの費用を計算したうえで、得になると思ったら実行しましょう。

繰り上げ返済をするときのポイント

繰り上げ返済をするときのポイントは「無理のない範囲で行うこと」。

繰り上げ返済では、ある程度まとまったお金が必要なので、資金に余裕がない場合は行わないほうが無難です。

人生は何が起こるかわかりませんので、突然の病気や事故によって収入が減少するリスクもあります。

それらのリスクに備えて貯蓄を十分に行ったうえで、それでも余裕があると思ったときに実行しましょう。

また、返済するタイミングを見極めることも重要です。

たとえば、住宅ローン減税を受けている最中や変動金利で契約している場合などが考えられます。

このような状況のときは、繰り上げ返済をすると損をしてしまうかもしれません。

繰り上げ返済をするときは現在と将来の状況をよく考えたうえで、計画的に行うようにしましょう。

繰り上げ返済の手続き方法

繰り上げ返済をするときは、一般的に融資を受けた銀行の窓口で行います。

必要な持ち物は、預金口座の届出印と通帳、返済予定表などです。

一部繰り上げ返済の場合は、実印が必要になるケースもあるので、事前に窓口で確認しておくと当日の手続きはスムーズに進むでしょう。

手続き方法は、基本的に繰り上げ返済申込書へ署名・捺印するだけです。

返済に必要な資金は直接渡すのではなく、返済指定口座への振り込んでおく必要があります。

なお、繰り上げ返済日の前日までに手数料なども含めて入金しておく必要があるので、気をつけましょう。

お金とタイミングを考慮した繰り上げ返済を

繰り上げ返済は住宅ローンの返済において大変重要な選択肢です。

早い時期に繰り上げ返済することで、総返済額を大幅に減らすことができます。

しかし、繰り上げ返済の効果を高めようとすると、それなりに大きな金額を返済しなければいけません。

すると、日常生活において資金が少なくて困る可能性があります。

必ず、手元資金を確認したうえで行うようにしましょう。

また、繰り上げ返済をするタイミングにも注意が必要です。

タイミングを見誤ると、繰り上げ返済の効果が薄れるどころか損をする結果になりかねません。

将来を予測することは難しいですが、最適な金額とタイミングを狙って繰り上げ返済をするようにしましょう。

弦本 卓也

1987年、埼玉県生まれ。大学卒業後、大手広告会社「リクルート」にて不動産メディア「スーモ」(SUUMO)の運営に従事。新卒で入社して、スーモのメディアづくりを7年、その後にエンジニア組織の組織づくりを4年行う。 また、リクルート社内の部活動制度にて「大家部」を立ち上げ部長を務める。不動産投資に関する情報交換や物件見学のワークショップなどを行う。 入社2年目に新築一戸建ての広告を取り扱う部署に異動したことをきっかけに、「いい企画を作るためには、まずは自分で経験したい」という想いから個人で新築一戸建てを購入。その翌年には売却分野を担当したことをきっかけに売却も経験。マンションの売買なども行い、11年間で11回の引っ越しを経験。 「新しい住まいや暮らしを自ら探究したい」という気持ちで購入した東京都千代田区の神保町の中古ビル「弦本ビル」は、コワーキングスペース、シェアオフィス、シェアハウス、飲食店が入居する複合ビルとなっており、20代を中心とした若手社会人や学生のやりたいことを実現する場所として注目を集めている。3年間で延べ1万人以上の来場者を記録し、家賃年収1,400万円を達成しながら満室経営を続けている。 お金面とビジョン面の両立を大切にしており、モットーは「一人ひとりの可能性をもっと世の中に」。会社員を続ける傍ら、学生時代に起業した会社とあわせて株式会社を3社創業。うち1社は売却し現在は2社を経営している。他にもエンジェル投資家として若手実業家の支援を手がける一面も。 日経新聞や不動産業界紙、書籍や雑誌、テレビなどでも多数の注目を集めておりセミナー講師なども行う。宅地建物取引士を保有。

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