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手に職を生み出すエンジニア育成を。

目次

エンジニアの派遣事業を展開

Q:現在のお仕事は?

 現在は株式会社YOUSにて、ITのシステムエンジニアの派遣事業をやっています。現役のエンジニアを派遣するだけではなく、自社で開発した6ヶ月のカリキュラムをもとに、未経験から6ヶ月で一人前のエンジニアに育てあげ、弊社を通してクライアントに派遣する事業です。
 自分の立場としては、プロハに登記している株式会社YOUSの役員と、その親会社である株式会社JAMPに新設したSES(システムエンジニアリングサービス)事業部の責任者を兼任しています。

オリンピック候補から、波乱万丈の人生

Q:これまでの経歴は?

 もともと、2014年のソチオリンピックを目指していたスキーの選手だったんです。でも「スキーだけでは飯を食っていけない」というのがあって、とある金融関係の会社に就職しました。そこで2年勤めていたんですけど、倒産してしまいました。寮も追い出され、所持金も840円しかなかったんです(笑)。ひとまず友人の家に半年間居候で住まわせてもらっていました。それが23歳のときですね。
 お金を稼ぐために、日中は佐川急便で、夜はラーメン屋で朝6時までアルバイトをしていたんです。さすがに体が持たないので、たまたま人材派遣の会社に登録し、次はビックカメラでインターネットのフレッツ光を売りはじめたんです。
 お金がなかったので徒歩で帰宅していると、渋谷で居酒屋のキャッチに捕まったんですね。「お兄さん居酒屋どうですか」と。その時お兄さんに、「時給いくらなの?」と聞いてしまったんですよ。そうしたら、客の売上の1割の歩合制だと。「ラーメン屋の時給よりいいかも」と思って、自分で始めることにしたんです。渋谷ではなく他の街で始めようと、居酒屋のキャッチがまだいなくて、客単価が大きいところってどこだろうと考えて、思いついたのが神保町だったんです。
 それで、神保町で最初にOKしてくれた店に早速客を送り込んだんです。2時間で48人(笑)。そこの社長ともうめちゃくちゃ仲良くなって、歩合も2割にしていたので、大体お客さんが10万円使ってくれて、その20%で2万円。これは稼げるぞと思って、夜はキャッチをするようになりました。
 それである程度お金を作ってから、居候していた友達の家を出て、自分で事業をやろうと思いました。まずは株式会社YOUSでNTTの代理店資格をとって、朝から夜九時までフレッツ光の飛び込み営業を続けました。こちらもうまくいき、2015年の1月期にはフレッツ光の営業全国大会で日本一を獲れるまでになりましたね。
 ただ、代理店だとどうしても本社の意向や業態に左右されてしまう。そのため、自分たちでサービスを作らなければならないと思いました。
 時代はIT分野だと感じ、会社で派遣の免許を取って、最初はカリキュラムを作っている会社と業務提携しながら、6ヶ月間でエンジニアを育てるっていう事業を立ち上げました。

手に職をつけることが未来を生み出す

Q:なぜエンジニアの教育事業に行き着いた?

 一番は、自分がビックカメラに派遣されていたときに「派遣社員って未来がないからがんばれないな」と感じたんです。だからこそ何か手に職をつけるようなことをしてあげたいと思いました。彼らが生きる術というか、正直会社が潰れたとしても、手に職をつけたらどこでも就職できるので。それなら世の中に貢献できるし、今の時代にマッチしているのはこのビジネスなんじゃないかと思って、ITのエンジニアを育てる事業を立ち上げました。
 自分でインターネット回線を売っていたこともあって、今後もIT業界はまだまだ伸びると感じていましたし、この業界で走りたいなと思っていました。ただ僕はもともとエンジニアではないし、ITにもあまり興味もなかった。だったら僕じゃなくて誰かがエンジニアを育てて、その彼らが何かサービスを作ってくれればいいなと。モノがあれば僕はそれを売る自信がありますしね。
 こうして、すべてがITのエンジニアを育てるということに直結していたんです。

Q:そのなかでなぜプロハに登記を?

 立地が良かったのが大きいですね。知り合いに紹介されて、神保町に面白い人がいる場所があると聞いて、僕もこの土地にはゆかりがあったので、魅力を感じてと思ってこちらに登記しました。
 弦本ビルは上に泊まれて、すごく理想的というか、自分がこんなものをもっていたらすごくいいなと思います。実は僕も、寮をつくりたいんですよ。エンジニアの寮。今は都内でエンジニアを育てているんですけど、今後地方から人をひっぱってきて育てようという計画が自分の中にあって、地方からやってくる人間が家賃を気にせず泊まれるスペースが欲しいんですね。

Q:プロハで今後やってほしいことは?

 国際的な活動をもっと増やしてほしいなと思います。弊社でも近々、日本語、英語でITのプログラミングのカリキュラムを一つの形にして、それをベトナム人に教えるという計画があります。無償提供のかたちで、NPOを作って活動しているんですけど、外国人技能実習生として3年間日本で学べるので、そのベトナム人を日本に輸出して企業で就職させる。
 日本で3年働けると、ベトナムの平均年収から考えて約10年分の年収が稼げるんですね。技能実習生として3年間学び、貯金を持った状態でベトナムに帰れるので、これは彼らのためにもなるし、ベトナム経済にも貢献できるんです。
 インターネットには国境がないので、日本でもベトナムでもどこでも仕事ができる。ベトナムに支店を作って自社で開発する際に現地の人を雇ってもいいわけです。
 国際貢献をずっと考えていたこともあって、例えばうちでベトナム人を雇うにしても、プロハで泊められればいいなと思いますね。

日本人にできる、国際貢献のかたち

Q:今後の目標は?

 先ほどベトナムの話をしましたけど、22歳の時にフィリピンのスマトラの辺りでボランティア活動をしていた時期があったんです。僕は小さい頃からずっとオリンピックで金メダルをとることが夢だったので、フィリピンのスモーキーマウンテンでサッカーをしている子どもたちに、「夢は何?」と聞いたんです。すると子供たちは「ハンバーガーを食べてみたい」「お腹がいっぱいになるまでご飯を食べてみたい」と言ったんです。僕は「君くらいの年のとき、僕はオリンピックの金メダルを目指していたんだよ」という話をしようと思っていたんですけど、夢のレベルが違いすぎて。「自分がもしここに生れていたら、こういう夢だったんだな」と、悲しくなったんです。
 それで日本に戻ってきたとき、僕にはやるべきことがあるなと感じたんです。例えば70年前に生れていたら、戦争とかを体験している年代じゃないですか。僕は昭和63年生まれの最後の世代なんですが、それがこの時代のこの日本に生れた昭和の最後の人間として、なにかやらなきゃいけない使命があるんじゃないかなと思うんです。
 それが国際的な貢献、それこそフィリピンやベトナムやカンボジアの子どもたちに何か貢献できる活動だったりとか。日本人はお金と環境に恵まれているので、海外支援みたいな活動をできたら。
 プロハのみなさんは、表向きでは色んな事業をやっていたり会社を登記していたりして華やかなイメージがあると思うんですけど、その裏で実は「僕たちは海外の子どもたちにこういう支援をしています」と、表には出なくても裏でやっていたらめちゃめちゃかっこいいし、意味のある活動をよりできるのではないかと思います。

弦本 卓也

1987年、埼玉県生まれ。大学卒業後、大手広告会社「リクルート」にて不動産メディア「スーモ」(SUUMO)の運営に従事。新卒で入社して、スーモのメディアづくりを7年、その後にエンジニア組織の組織づくりを4年行う。 また、リクルート社内の部活動制度にて「大家部」を立ち上げ部長を務める。不動産投資に関する情報交換や物件見学のワークショップなどを行う。 入社2年目に新築一戸建ての広告を取り扱う部署に異動したことをきっかけに、「いい企画を作るためには、まずは自分で経験したい」という想いから個人で新築一戸建てを購入。その翌年には売却分野を担当したことをきっかけに売却も経験。マンションの売買なども行い、11年間で11回の引っ越しを経験。 「新しい住まいや暮らしを自ら探究したい」という気持ちで購入した東京都千代田区の神保町の中古ビル「弦本ビル」は、コワーキングスペース、シェアオフィス、シェアハウス、飲食店が入居する複合ビルとなっており、20代を中心とした若手社会人や学生のやりたいことを実現する場所として注目を集めている。3年間で延べ1万人以上の来場者を記録し、家賃年収1,400万円を達成しながら満室経営を続けている。 お金面とビジョン面の両立を大切にしており、モットーは「一人ひとりの可能性をもっと世の中に」。会社員を続ける傍ら、学生時代に起業した会社とあわせて株式会社を3社創業。うち1社は売却し現在は2社を経営している。他にもエンジェル投資家として若手実業家の支援を手がける一面も。 日経新聞や不動産業界紙、書籍や雑誌、テレビなどでも多数の注目を集めておりセミナー講師なども行う。宅地建物取引士を保有。

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弦本 卓也

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