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こどもの未来をつくる、不動産業からの挑戦

目次

不動産業をベースに福祉業界の架け橋に

Q:現在のお仕事は?

 不動産業です。賃貸の仲介、民泊のコンサルティング、保育園の開設支援を行なっています。色々な所にも行きますが普段は弦本ビルにいますね。3階にある事務所で登記もさせてもらっていて、プロハのメンバーとしても登録しています。
 また、最近こどもの支援をしたい人と空き家のマッチングのウェブサイトを作りました。Child Estate(チャイルドエステイト)というサイトです。空家に困っていて、良い人や良い活用法なら安くしたり条件交渉していいよという不動産オーナーと、こどもの支援活動をしているNPOやシングルマザーなどをマッチングしたいと思って作りました。面白い活用事例、こどもに関する活用事例など、こどもと不動産に関することを掲載しています。
 マネタイズができるとしたら結構先なんですけど、結局不動産の管理とか売却仲介などに結び付けないと収益化はこれだけでは難しい面もあります。
 福祉業界と不動産業界って、理解しあえる共通言語が少ないんですね。
 私自身、4年くらい不動産の普通の会社に入っていて、やっぱり利益重視もそうですしクレーム産業的で面倒くさいことはやらないという不動産屋も多いです。
 例えば、「与信がない人はないがしろにする」みたいな世界だったんです。でも福祉業界の人も不動産知識があまりなかったりして、その共通言語をつくる間をできる「通訳」になりたいなと思っています。

Q:「こども」が大きなテーマ?

 こどもの支援を生涯通してやりたいです。最初のきっかけは20歳を過ぎてこどもがすごく好きなことに気付いたことですね。普通に不動産会社に就職して働いていたら、次は次第に不動産も好きになって、好きなことどうしを結びつけて仕事にできたらというのはありました。
 10年後に大家さんになってボランティアでこどものことをやろうと思っています。今はその資金をつくるために稼ぎたいですね。

Q:解決したい社会課題は?

 こどものメンタル面のことです。去年こどもの貧困の講演会の開催に関わったり、待機児童の問題でこどもの保育園を増やしたり、NPOの若者メンタルサポート協会の広報をやっていたりするんですけど、いずれも感じるのはメンタル面の深い問題です。これを放っておいたら、日本は少子高齢化で子どもたちが減っていくのにメンタルも病んで、自分で自立して立てなくなってしまうのではないか。
 これはカンボジアとかアジアに行っても感じます。私は日本のこどもたちを支援したいのですが、じゃあ途上国はどうなのかと思っていて、周りでカンボジアで学校を作ったりスタディーツアーをやっている方が多いんですね。
 なぜカンボジアが多いのかを自らの目で確かめるために、現地に2週間ほど行きました。行ってみて感じたのは、日本人の素晴らしさです。
 学校建ててるのも日本人が一番多いですし、教員免許を持っているのに村で開拓していたり、無償で日本語を教えている20代の子がいたり。人に何かしたいという元々のマインドがあるのは素晴らしいなと。
 だからこそ、その日本人のこどもたちが病み、貧困で苦しんでいることを見過ごせないんですね。

プロハ立ち上げ期から積極的に参加

Q:プロハとの出会いは?

 メンバーの日比君からの紹介ですね。ビルを5階まで見せてもらって「ここ超面白い!」とテンションを上げて、その日に即決で決めました(笑)。最初はワーク会員で、イベントやろうって感じではなかったですね。
 その後、最初のイベントは「こどもの笑顔をつくる会」というタイトルで、こどもの社会課題とその解決方法について議論しました。最近では「大人の部活」として、「空き家活用部」と「日本酒部」をつくりました。
 不動産系のメンバーがプロハに多く、4階が空いていたので、その空き家を面白がってみんなでぐだぐだ集まるっていうのが「空き家活用部」ですね。
 他にも、「日本酒プレゼンナイト」というものをやりました。プロハにいると日本酒について色々活動されてる方がいてみんなで繋げたら面白いだろうというのが一つと、プロハを盛り上げたいという思いで、この「部活」を始めました。

Q:登記の決め手は?

 単純にコストが安いのとオーナーも良くしてくれたので、あとここは面白いメンバーに会えるというかみんな特別思考で繋がりとか相談できたりとかがすごく良かったっていうのがあります。

Q:印象に残っているイベントは?

 特に面白かったのはジョブライブがやっていた、地方創生をテーマに特産物を用いて活性化させるシミュレーションです。
 学生と混じってやったりして結構面白かったです。他には毎日ありすぎて、周りが活動的な方ばっかりなのでお互いに紹介しあったりとか、持ってるスキルが違うので協力できて楽しいです。

Q:プロハの魅力はどんなところ?

 プロハの魅力はやっぱり人、人だと思います。
 箱なんてどこにでもあるじゃないですか、やっぱり重要なのは箱だけじゃなくてそこで空気を作る人でしかないと思います。
 いま、街づくりのイベントやスクールに参加しているんですけど、どこもやっぱり人がキーで、どれだけコミットしてそこをやる人がいるかだと思います。

Q:今年のチャレンジは?

 私はもともと起業を目指していたわけではないんです。
 社会にうまく適合できないタイプで雇われて会社で働きたくなくて、色々あって会社を作ってしまった感じです。その中で事業を回していったり、会社としての役割みたいなのもわかってきたので、会社として実現できることを収益を得ながらやらなきゃいけないなと感じていて、ちょっと経営という部分の勉強もしたいなと思っています。
 長期的な話では、できれば少額でも不動産を買って増やしていって大家さんになり、10年後に鎌倉で大きい家を買って施設経営をやりたいですね。
 私はこどもに一番思いがあって、将来的にやりたいビジョンもあるんですけど、20代の私たちのような、やりたいことを実現したい若者を応援したり繋げたりすることに意味があると思っています。これから親になるのは私たちですし、親が生き生きと自信を持って自分の人生楽しんでいたら、こどもはそれを見て育ちます。
  「自分もお父さんみたいになりたい、じゃあ自分も好きなことやろう」ってこどもに継承されていくと思うんですよね。これから親になる私たちがやるべきことをして、20代のやりたいこと支援は次世代にも繋がる、大切なことだと考えています。

Q:弦本ビルの良い形とは?

 弦本ビルは、オーナーが1階から5階までのシナジーを生みたいと考えているところに共感しています。
 オーナーを応援したいし、2階の運用やメンバーを応援したいので、どうやったら盛り上げられるかなっていうのは一緒に考えてます。
 私は1年前の立ち上げ期からいて、人の定着とか苦労した部分もいっぱいあったけど、今は本当に良い人がたくさん集まってきてて、もっともっと成長していく中で独立したい人が羽ばたく場所であって、チャレンジできるようなビルになるといいなと思っています。何かやりたい人が集まって、それを周りが応援してくれてそこから羽ばたいていく、それが良い形だと思っています。

弦本 卓也

1987年、埼玉県生まれ。大学卒業後、大手広告会社「リクルート」にて不動産メディア「スーモ」(SUUMO)の運営に従事。新卒で入社して、スーモのメディアづくりを7年、その後にエンジニア組織の組織づくりを4年行う。 また、リクルート社内の部活動制度にて「大家部」を立ち上げ部長を務める。不動産投資に関する情報交換や物件見学のワークショップなどを行う。 入社2年目に新築一戸建ての広告を取り扱う部署に異動したことをきっかけに、「いい企画を作るためには、まずは自分で経験したい」という想いから個人で新築一戸建てを購入。その翌年には売却分野を担当したことをきっかけに売却も経験。マンションの売買なども行い、11年間で11回の引っ越しを経験。 「新しい住まいや暮らしを自ら探究したい」という気持ちで購入した東京都千代田区の神保町の中古ビル「弦本ビル」は、コワーキングスペース、シェアオフィス、シェアハウス、飲食店が入居する複合ビルとなっており、20代を中心とした若手社会人や学生のやりたいことを実現する場所として注目を集めている。3年間で延べ1万人以上の来場者を記録し、家賃年収1,400万円を達成しながら満室経営を続けている。 お金面とビジョン面の両立を大切にしており、モットーは「一人ひとりの可能性をもっと世の中に」。会社員を続ける傍ら、学生時代に起業した会社とあわせて株式会社を3社創業。うち1社は売却し現在は2社を経営している。他にもエンジェル投資家として若手実業家の支援を手がける一面も。 日経新聞や不動産業界紙、書籍や雑誌、テレビなどでも多数の注目を集めておりセミナー講師なども行う。宅地建物取引士を保有。

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弦本 卓也

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