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地方活性化と本気で向き合うために個人の限界に挑戦する

目次

地方創生を職業に 個人でも活動

Q:現在のお仕事は?

 本業は某大手IT企業でエンジニアをやっています。
 業務内容は、半分はサービスの保守・制作、残りの半分は地方創生関連のことをしています。地方の頑張っているキーマンの人と、地域にかかわりたいけど機会がない人をつなげています。
 地方創生といっても様々な方法があるのですが、自分のやり方としては、田舎で1人で頑張っている人で新しい製品をつくりたい、日本酒をつくりたいと。でもラベルのデザインしてる人がいないから、デザイナーでボランティアで協力してくれる人いないですかときたら、うちでプラットホーム持ってるんでそこで出して、ユーザー登録してくれている人からボランティアを手伝ってもらっていると、こういったやり方です。
 金銭のやりとりは全くなくて、お互いもうボランティアで、プログラマーとか最近は東京の技術系のデザイナーとか、そういう方を中心に地域の方と繋げてお互い協力しているという感じです。そこでたまにイベントをやったり、地域ツアーを組んでやったりしています。肩書はマネージャーで、防災という部署なんです。もともと震災支援から始まって、年々なんかお金はそんな動いてないからボランティアみたいな事業だから完全に赤字ですよね。
 仕事の比重でいえば、いまはエンジニアと地方創生が半々くらいですが、今後は仕事の比重を地方創生にシフトして、100%にしたいですね。エンジニアの難しさもさることながら、やはり学生時代から地方とか地域活性のことをやってたんで、それをそろそろ本業にしたいなっていうのはありますね。

日本酒ブームの中、酒蔵を再生する

Q:個人での活動は?

 今メインでやってるのは2つです。
 1つは酒蔵を買ったという話があって、福島県の南のほうにあるんですけど、単純に僕は日本酒が好きだったんで日本酒を将来作りたいと思っていて。日本酒女子とかいうくらい最近日本酒ブームなんですよ。意外と日本酒を消費するコミュニティーみたいな会がたくさんできてて、作るところに新規参入する人がいないんですよね。
 酒蔵を買ってみてわかったのが、法律の壁がめちゃくちゃあると。お金もかかるんですよね。だから日本全国いっぱい酒蔵はあるけど後継者がいないからつぶれていくところもあって、ブームといいつつも作る人が少ないので、自分が酒蔵に投資しています。
 でもまだ全然進んでなくて、平日はサラリーマンしてるし土日も毎週行けるわけじゃないですけど。そこも10年間誰かが管理してたわけじゃないから荒れ放題で、まずそこからDIYから始めないとなと、免許もそうだし衛生局とかにも見てもらわないとだし設備だってあるけど完璧ではないし、作れるって言われたのは2年後くらいって言われたので。それは完全に自分の趣味でやってるので、のんびりとやっていこうかなと思っています。

福島県でサードプレイス開発

 もう1つは地域活性化です。福島県の西会津町でやっていまして、そこが芸術を売りにしてる町なんです。西会津国際芸術村というのがあるんですけど、そこの管理人の方と知り合って。
 その方はカナダでデザイン事務所を持っていて、けっこう稼いでた人なんですけど。それこそ震災があって、自分の故郷を見つめなおす転換期みたいになって、その方はカナダから戻ってきて芸術村で町おこしをしつつ、移住定住のプロジェクトを行なっている人なんです。
 その方と東京でたまたま出会って、僕も拠点を探していて何かやりたいと思ったけど、実績があるわけじゃないので勝手に町に行ってやらせてくれなんてできないじゃないですか。人口1万人未満のところはよそ者に敏感なので、いきなり来てもやらせてくれないんですよ。それで活動拠点を探していたときにキーマンに会ったので一緒にやるようになりました。
 具体的にやってるのが、西会津でのワークショップ。東京から学生さんを呼んで、簡単にいうとビジコンみたいなかんじですね。学生さんとか社会人に西会津のことを考えてもらうようなイベントをやっていたんですけど、結局ワークショップは継続性がなくて。ちょうどそんな時、田舎にしては最高の立地にもともと旅館があったんですけど、廃業してちょうど3年くらい経ってて、そこを一緒に活動していたNPOの人がもらってそこを有効活用したいという話になって、今度そこでDIYを始めるんですよ。カフェ兼ワーキングスペースみたいな。
 例えば、東京の喫茶店とかで働いていてもなんか落ち着かないじゃないですか。そういう人たちが田舎にサードプレイスを求めているというのが理想としてありますよね。会津大学の先生も入って、loTも絡めた美術寄りのワーキングスペースをやりつつ、隣にカフェもあってバス停もあって。バス停も全部一緒にしちゃおうと、そういう場所を1階に作って、2階は元々旅館だったので法律の申請はとれてるのでゲストハウスみたいな形にしようと。クラウドファンディングで一緒にDIYしながら作っていこうというプロジェクトが始まっています。

変人を集めたら、イベントになった

 僕自身、喋るのが好きで、自分の変人と思ってないけど周りから言われてたんです。変人ってワードってあまりポジティブワードじゃないんですけど。
 それこそ福岡のとある町で地域興しを精力的に行なっている方がいて、その人は東大卒で東大の教授までいった超エリートで、でも地元に帰ってNPOを立ち上げたり会社を経営したり農家にインターンしたりしてて、その人がたまたまヤフーニュースで「地域にこそ変態が集まるべき」みたいな記事を出したんですよ。そこに私が思う変人の定義みたいのがたくさん書いてあって。
 それを見て自分とほぼ合ってると思って、しかも自分の周りそんなやつばっかりだなと冷静になったら思って。元々その変人ばっかで飲み会をやってたんですけど100人くらいで飲んでたんで誰が何してるかわからなくて、ちゃんと1人とじっくり話したいなって思って、自分がそのなかでも興味がある人と喋ってみようと、話したらはたからみたらこの話面白いなって、他の人にも話したいなって、そんなときに丁度イベントやってみようかって。その時は30人くらいですけど割とみんな面白くて定期的にやろうってなって。でも最近は地域系の活動にちゃんとコミットしなきゃなって思って一旦お休みみたいなかんじです。

Q:最近のプロハの活動は?

 みなさん個人事業者の方が多かったから完全にそこで活動してるけどお互いの交流もあんまりなかったし、みんなもくもくと作業しててこの空気感つらいなとちょっと思っていて。でもなんか和気あいあいとしてるし、酒飲みながらやったりもしてるし、そういうところがいいなと思いましたね。
 メンバーも増えてきてるんですけど、あんまりでかくなりすぎないほうがいいかなと。だからあんまりいろいろ広げないでほしいですね。

Q:いま企んでいることは?

 実は今大阪の大学で非常勤講師もやってて、そこで講義というよりワークショップ形式のことやったりしてて。
 まあ今年の目標としては、僕あんまりメディアとか出るの好きじゃないんですけど、完璧主義者なのでそれなりに完成しないと人前に出したくなくて、だからそれなりの成果を出してメディアに取り上げていただきたいなと、思っています。

弦本 卓也

1987年、埼玉県生まれ。大学卒業後、大手広告会社「リクルート」にて不動産メディア「スーモ」(SUUMO)の運営に従事。新卒で入社して、スーモのメディアづくりを7年、その後にエンジニア組織の組織づくりを4年行う。 また、リクルート社内の部活動制度にて「大家部」を立ち上げ部長を務める。不動産投資に関する情報交換や物件見学のワークショップなどを行う。 入社2年目に新築一戸建ての広告を取り扱う部署に異動したことをきっかけに、「いい企画を作るためには、まずは自分で経験したい」という想いから個人で新築一戸建てを購入。その翌年には売却分野を担当したことをきっかけに売却も経験。マンションの売買なども行い、11年間で11回の引っ越しを経験。 「新しい住まいや暮らしを自ら探究したい」という気持ちで購入した東京都千代田区の神保町の中古ビル「弦本ビル」は、コワーキングスペース、シェアオフィス、シェアハウス、飲食店が入居する複合ビルとなっており、20代を中心とした若手社会人や学生のやりたいことを実現する場所として注目を集めている。3年間で延べ1万人以上の来場者を記録し、家賃年収1,400万円を達成しながら満室経営を続けている。 お金面とビジョン面の両立を大切にしており、モットーは「一人ひとりの可能性をもっと世の中に」。会社員を続ける傍ら、学生時代に起業した会社とあわせて株式会社を3社創業。うち1社は売却し現在は2社を経営している。他にもエンジェル投資家として若手実業家の支援を手がける一面も。 日経新聞や不動産業界紙、書籍や雑誌、テレビなどでも多数の注目を集めておりセミナー講師なども行う。宅地建物取引士を保有。

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弦本 卓也

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