この記事を読まれている方は不動産投資に興味や経験がある方だと思いますので、一度は「REIT(リート)」という言葉を聞いたことがあるでしょう。
しかし、REITの仕組みやメリット・リスク、現物不動産投資との違いなどについて、体系的に把握する機会はなかなかないのではないでしょうか。
そこで今回は、
・REITの根本となる不動産証券化や不動産ファンドについて
・REITの基本である仕組みや不動産株との違いについて
・REITのメリットやリスクについて
・REITと現物不動産投資の違いについて
・REITに向いている人について
などを徹底解説していきます。
この記事を読んでREITに対する理解をしっかりと深め、REIT投資にチャレンジしてください。
目次
REITを理解するうえで、まずは不動産証券化について説明していきます。
1990年代の終わり頃、歌舞伎役者である当時の松本幸四郎(今の二代目松本白鸚)さんが企業のプレゼンテーションの場面設定で、
松本幸四郎「社長!不動産の証券化をご存じですか?」
社長「・・・詳しく話を聞こうじゃないか」
といったやり取りをする某財閥系大手不動産会社のテレビコマーシャルに出演しており、盛んにテレビで流されていました。
いわゆる不動産と金融を融合した不動産金融ビジネスの始まりです。
2000年代に入ると、バブル経済の破綻により不良債権処理に苦しんでいた銀行などの金融機関が、大量の担保不動産を売却・処理するために不動産の証券化(流動化)といわれる不動産金融のスキームを取り入れていました。
この不動産証券化とは、本来金融商品ではない不動産を投資対象に組み込みこんで、投資家に小口化した金融商品として販売することをいいます。
仕組みとしては、特定のペーパーカンパニーであるSPV(Special Purpose Vehicle)を受け皿として証券化の対象となる不動産を取得します。
SPVのうち合同会社や特定目的会社などの法人格を有したものをSPC(Special Purpose Company)といいます。
取得資金は、金融機関からの借入れや小口化した金融商品を発行して複数の投資家に販売することにより調達します。
投資家へは対象不動産が生み出す賃料収入や不動産の転売損益が配当されることになります。
いかに安定した賃料収入を確保していくか、いかに付加価値を付けて転売利益を高めることができるかなどが、投資家の利益に直結することになります。
このようにSPVが取得した不動産が生み出す果実は投資家へ分配されるため、不動産証券化はその対象不動産を投資家が共有しているのと同じ効果を生みます。
また、SPVはこのスキームを実現する単なる器に過ぎず、実際にどの不動産をいくらで購入し、どのように運用していくのかを決めるのはSPVの代理人である「アセットマネジャー」です。
<不動産証券化のイメージ図>
不動産証券化のスキームが理解できましたら、次に不動産ファンドについて確認しましょう。
「不動産ファンド」とは、複数の投資家から集めた出資金により、投資対象である不動産へ投資を行い、そのリターンを出資金に応じて投資家へ還元する仕組みをいいます。
不動産への投資ですが、信託受益権という形に変えて投資するケースと現物不動産のまま投資するケースがありますが、税制の違いを除けば実質的な投資効果は同じです。
その際、一般的に前章で説明した不動産証券化のスキームが使われます。
つまり、不動産ファンドは、不動産への投資を希望する複数の投資家が共同で対象不動産に投資します。
そして得られた賃料収入などから経費を差し引いた金額が、投資家の出資金に応じて分配されるため、不動産投資という同じ目的を持つものが集まる組合と考えられます。
そして、不動産ファンドには少数の限られた機関投資家などを集めて募集する「不動産私募ファンド」と「REIT」のような公募ファンドがあります。
公募ファンドであるREITは証券取引所に上場されており、上場株式と同様、経済状況や需給のバランスにより日々価格が変動しており、不特定多数の個人投資家により売買されています。
それに対して私募ファンドはその名の通りプライベートファンドとも呼ばれ、機関投資家などの一部の投資家だけを対象に販売され、証券取引所には上場しておりません。
上場していないために流動性が低く、その分ハイリスクハイリターンな商品も多く見られ、最低投資単位もREITなどが数万円単位で投資できるのに対し、私募ファンドでは数千万または億単位で資金が必要な場合があります。
私募ファンドでは、賃貸収入のみならず対象不動産の転売利益を見込んでいる場合も多く、そのため長期間での運用を前提としておらず、5年以内といった短期で売却されるケースがほとんどです。
また、REITのような上場商品ではないため、あまり商品に関しての情報開示がなされておらず、実態が不明な場合もあります。
<不動産ファンドの分類>
また、市場規模は、国内シンクタンクである三井住友トラスト基礎研究所が2018年9月10日に公表した「不動産私募ファンドに関する実態調査」によると、2018年6月末時点の不動産私募ファンドの市場規模を、運用資産額ベースで約16.9兆円と推計しています。
J-REITの約17.3兆円と比べてもそん色のない市場規模といえるでしょう。
<私募ファンドとJ-REITの市場規模推移>
参考:三井住友トラスト基礎研究所 不動産私募ファンドに関する実態調査 2018年7月 ~調査結果~ より
(https://www.smtri.jp/news/release/2018_09_10_004234.html)
REIT(リート)とは不動産投資信託のことですが、ここではREITの基本について説明します。
不動産ファンドのうち、REITとはアメリカで誕生した不動産投資信託の仕組みであり、「Real Estate Investment Trust」の略称です。
世界各国で制度がつくられており、日本版REITは「JAPAN」の「J」を取り、「J-REIT(ジェイリート)」と呼ばれています。
投資家から集めた資金によって不動産を所有し、その不動産から生み出される賃料収入や転売益を投資家に分配する商品です。
J-REITは投資証券を発行し、投資家は東証J-REIT市場で上場株式と同じように、証券会社などを通じて投資証券の売買をすることができます。
J-REITは、2000年11月30日に施行された「投資信託及び投資法人の関する法律」(投信法)によって規定されており、それまで主に株などの有価証券が運用対象として定義していましたが、投信法施行により不動産などを運用対象とすることが認められたのです。
<J-REIT全体のスキーム図>
J-REITの全体のスキームは上図の通りとなっています。
投資法人は従業員のいないペーパーカンパニーですので、実質的な運用業務はアセットマネジャーに一任されます。
投資法人は信託受益権化された不動産でも現物不動産でもどちらでも投資することができますが、一般的には信託受益権化された物件取得が行われています。
なぜなら、信託受益権であれば不動産の名義上の所有者が信託銀行となるため、資産保管や管理事務などを信託銀行に委ねることができるからです。
また、不動産取得税がかからないことや登録免許税の税率が軽減される税制上のメリットもあります。
[su_box title=”関連記事” style=”bubbles” box_color=”#0075c2″ title_color=”#ffffff”]・登録免許税とは?計算・軽減措置・相続・納付方法について解説!実質的な運用を行うアセットマネジャーの役割は非常に重要であり、具体的には取得物件の選定、購入価格決定、物件査定(デューデリジェンス)、運用戦略立案、プロパティマネジャーの選定、収支予算計画の策定、財務戦略の策定などの経営管理業務を担当します。
アセットマネジャーに選任されたプロパティマネジャーは、建物・賃貸管理業者として不動産の維持管理やテナントの募集、賃料の収受、クレーム対応などを行います。
また、物件取得のために金融機関から調達する融資は、ノンリコースローンと呼ばれる不動産担保融資です。
ノンリコースローンは担保となる不動産の生み出す収入のみが返済原資となります。
J-REITは、不動産を所有して運用することにより利益を得るという点において、一般の不動産会社と似ているといえます。
しかし、一般の不動産会社はオフィスビルや商業用ビルの賃貸だけでなく、マンションの分譲開発なども並行して行っているケースも多く、それらの事業の成否によって会社の損益は影響を受けてしまいます。
つまり、そうした不動産会社の株に投資することは、ビルなどの賃貸事業以外の要素によって大きく株価が変動するリスクがあるといえるでしょう。
それに対して、J-REITは不動産の運営収益とその不動産の資産価値に特化して利益を得ているため、他の要素に影響を受けることはありません。
そのため、REITの価格動向は、一般的な不動産株と比較して安定して推移する傾向があります。
<J-REITと不動産株の違い>
続いて、REITのメリットとリスクについて確認しましょう。
ここでは、特にJ-REITについて考えてみます。
J-REITは、不動産の価値を小口化した投資証券に投資する仕組みであるため、1口数万円程度の資金で投資することができます。
アセットマネジャーという専門家が物件の選定から運用、維持管理、テナント募集などの経営管理業務を行うため、投資家は不動産投資に関しての専門的知識は不要です。
もちろん、投資家自身が不動産の維持管理やテナント管理などを行う手間もかかりません。
東京証券取引所のJ-REIT市場を通して、上場株式と同じように売買ができ、いつでも時価で現金化することができるため流動性が非常に高いといえます。
また、上場株式と同様に日々変動する価格をリアルタイムにチャートで確認でき、購入や売却について成り行き注文や指値注文などを行うこともできます。
J-REITは少額投資が可能なため、複数の不動産への分散投資が可能になります。
それにより、リスクを分散することができます。
J-REITでは、投資法人が法人税の課税が免除されているため、運用利益のほとんどを投資家に分配できる仕組みになっています。
そのため、現物不動産投資と同様に、不動産からの収益を配当金(法律上は分配金)として受け取ることができます。
参考:一般社団法人 不動産証券化協会 J-REIT分配金利回り(10年間)より
(https://j-reit.jp/market/03.html)
上のグラフは、一般社団法人不動産証券化協会が発表した「J-REIT分配金利回り(10年間)」です。
J-REITの平均分配金利回り、長期金利(10年国債利回り)、東証1部株式配当利回り、スプレッド(J-REIT分配金利回りと長期金利の差)の直近10年間の推移を表示しています。
このグラフによると、J-REITの平均分配金利回りは2018年9月末現在で4.13%、東証1部株式配当利回りは2018年9月末現在で2.00%となっています。
つまり、J-REITの分配金利回りの方が投資の代表的な株式配当利回りより高く、リスク分散をしながら高利回りが得られるという結果になっています。
J-REITは不動産を運用対象にして証券市場で売買されます。
したがって、不動産を取り巻く環境や不動産市況、金利動向、マクロ経済の変化などの要因に影響を受けやすいといえます。
国債のように安全性が高く、元本や利回りが保証された金融商品ではないことをあらかじめ理解しておきましょう。
また、不動産市況の悪化などにより保有する不動産の評価額が下落したり、賃料収入が減額したりすれば、投資口価格の値下がりや分配金に影響が出る可能性もあります。
J-REITの投資対象が不動産である以上、地震や火災などの天災地変リスクは避けることができません。
万一、被害を受けた場合には、予想不可能なリスクにより投資口価格や分配金が変動する可能性があります。
REITを発行している投資法人が倒産するリスクもゼロではありません。
万一、倒産リスクが顕在化した場合、投資口価格が著しく下落する可能性や現金化できない可能性があります。
税制や建築に関する規制、会計制度の変更など、法制度が変更した場合に、投資口価格や分配金が変動する可能性があります。
例としては、建築基準法の変更により運用している物件が既存不適格(新しい法律に対しては違法であること)になるケースや、税制改正により分配金が低下するケースなどが想定されます。
J-REITは、投資家からのエクイティ(資本)のほかに金融機関からの借入金によって、不動産取得のための資金調達をしています。
このため、金利が上昇すれば利息負担が増加して収益を圧迫することとなり、投資口価格や分配金が変動する可能性があります。
証券取引所が定める上場基準や投信法などに抵触して投資法人が上場廃止となった場合は、証券市場での取引ができなくなる可能性があります。
J-REITのリスクについては、上場時や増資時に発行される目論見書に詳細に記載されていますので、購入前には必ず確認してリスクを認識しておくことが大切です。
ここでは、J-REITへの投資と現物不動産への投資の違いについて確認していきましょう。
<J-REIT投資と現物不動産投資の比較表>
J-REITの場合、数万円程度の少額資金で投資を始めることができますが、現物不動産の場合は郊外や地方のワンルームマンションでも数百万円程度、1棟アパート・マンションであれば数千万円~1億円以上の資金が必要なため、キャッシュで購入できる富裕層以外は金融機関の融資が必要となります。
J-REITの投資対象物件は都心の大型オフィスビルやショッピングモールなどの商業施設、物流ターミナルなど、日頃から我々が働いていたり、利用したりしている物件も数多くあります。
一方、現物不動産の投資対象物件は、代表的なものが1棟アパートや1棟マンションです。
部屋数が4室程度のものから数十室くらいの物件が主な投資対象となるケースが多いでしょう。
<J-REITの物件例>
(左から、六本木ヒルズ森タワー・虎ノ門ヒルズ森タワー・イオンレイクタウンkaze)
J-REITと現物不動産で最も大きく違うのが、レバレッジ効果(※)といえるでしょう。
J-REITを取得するために金融機関から融資は受けられません。
そのため、投資可能資金は自己資金のみとなり、レバレッジを効かせることができません。
一方、現物不動産の場合は、物件を担保に金融機関から融資を受けることが可能です。
購入者の属性や物件によっては、購入資金全額を融資してもらえる場合もあり、レバレッジを大いに効かせることができます。
そのため、投資のパフォーマンスを上げて資産形成のスピードを加速させることができる点では、現物不動産投資の方が優れているといえます。
(※)レバレッジとは「てこ」のことであり、少ない資金で大きな金額の投資ができることをレバレッジ効果と呼んでいます。
収益性に着目してみると、J-REITの平均分配金利回りは前述の通り約4%です。
現物不動産投資の代表的な物件であるアパート・マンションなどの賃貸住宅の場合、下表のように東京都心では表面利回り約5%弱、東京以外の地区では約5%~6%程度となっています。(表面利回り=年間の賃料収入÷物件購入価格)
<賃貸住宅の期待利回りの調査結果>
参考:一般財団法人 日本不動産研究所 「第36回不動産投資家調査」より
(http://www.reinet.or.jp/chine/pdf/2017/Survey-May2017.pdf)
この数値だけで判断すると、現物不動産の方が収益性は高いと感じるかもしれませんが、利回りの内容が違うため一概に数字だけで比較はできません。
J-REITの場合は、基本的に配当金は分配金利回りの通りに投資家へ配当されます。
しかし現物不動産の場合は、賃料収入からローンを返済し、管理運営費用を支払った残りが手取り額です。
すなわち、空室や滞納による賃料収入減や修繕費の発生、ローン金利の変動などによって手取り額が大きく変動する可能性があり、表面利回りが6%であっても実質利回りは2%というような状況になることもあります。
ただし、現物不動産投資は個別の物件を確認することができるため、立地やエリアの賃貸需要、建物の状態、修繕費のシミュレーションなどさまざまな角度からの検討が可能です。
それにより、ある程度自分自身でリスクコントロールをしたうえで購入の意思決定ができますが、J-REITの場合は運用については投資法人に一任のため、投資家は関与できません。
つまり、現物不動産投資は、物件の選定やオーナー自身の物件運営能力によって、収益性を高めることができるメリットがあるといえます。
また、流動性や価格変動についてですが、J-REITは証券市場が開いている午前9時~午後3時の間であればいつでも時価で現金化することができ、投資口価格は株価同様に需給バランスにより分単位で変動します。
現物不動産は、売却開始から決済・引渡しまで一定期間(およそ1~3ヶ月程度)の時間を要します。
場合によっては6ヶ月~1年程度かかることもあり、流動性は低いといえます。
なお、現物不動産の価格は株価のように急激な値下がりをすることはなく、購入前に立地や賃貸需要、建物の状態を見極めることによって価格変動リスクをコントロールすることもできます。
J-REITは配当所得・売却益ともに源泉分離課税(証券会社の特定口座で「源泉徴収あり」の場合)となり、所得税と住民税を合わせて20.315%(復興所得税含む)です。
また、NISA(少額投資非課税制度)を利用した場合は、年間120万円までは非課税となります(最大600万円まで)。
現物不動産の場合は、賃料収入などの不動産所得は総合課税、売却益については個人であれば源泉分離課税となります。
不動産所得は給与所得など他の所得と合算し、所得が増えるほど税率が高くなる累進課税です。
売却益に対する税率は、物件の所有期間が5年以下の短期譲渡の場合が39.63%、5年超の長期譲渡の場合が20.315%となります。
いずれも確定申告が必要です。
税金では、J-REITの方が税率も低く手間もかからないといえるでしょう。
また、現物不動産の場合は、建物の減価償却による所得税の節税効果や相続税対策にも効果を発揮します。
さらに、法人を設立して賃貸経営をするなど、工夫次第でより節税効果を高めることが可能です。
最後に、J-REITの仕組みやメリット、リスクなどを考慮したうえで、J-REIT投資に向いている人について見ていきましょう。
J-REITは1口数万円からの投資が可能ですので、現物不動産投資と比較して少額の資金で始めることができます。
もちろん、1口数十万円のJ-REITを何十口も保有し、数千万円単位で投資することも可能であり、実際にそうした投資家もいます。
現物不動産に投資する場合は、購入前に物件や賃貸需要などを調査・分析し、金融機関でローンを組み、賃貸管理運営をしていくという手間や時間がかかります。
登録免許税や不動産取得税、毎年の固定資産税・都市計画税などの税金や仲介手数料や賃貸管理費など不動産業者への費用、修繕費や維持費、公共料金などさまざまなコストが発生します。
J-REITは、こうした手間や時間、コストをかけずに不動産へ投資することができます。
現物不動産に投資する場合、何百万、何千万円の資金を投資して購入するにもかかわらず、情報開示が十分でないケースが見られます。
取引を成約させ仲介手数料を稼ぎたいために、十分な情報開示や調査をせずに契約や決済を進めてしまう不動産仲介業者もいまだに存在します。
それらはすべて自己責任での対応となりますが、J-REITではそういった不安は一切ありません。
プロの不動産投資運用業者であるアセットマネジャーが選定した物件を保有・運用していますので、安心できる不動産への投資が可能です。
J-REITでは日本全国のエリアにわたって不動産運用を行っているため、効率のよい分散投資をすることができます。
例えば、北海道・東京・大阪・福岡などに物件を保有するJ-REITに分散投資するなど、個人単位では難しい投資が可能となります。
近い将来に使う予定のある資金を預貯金などで眠らせている場合、J-REITであればローリスクハイリターンで運用することができます。
資金が必要なときには証券市場でいつでも現金化できるため、いざという時でも困ることはありません。
個人で現物不動産に投資する場合には、立地条件がよく見栄えのいい不動産に投資することはなかなかできません。
1棟ビルやマンションに投資できても、中小規模の建物となるでしょう。
J-REITに投資した場合は、六本木ヒルズや虎ノ門ヒルズなど、日本を代表するビルや施設への投資が可能です。
「六本木ヒルズのオーナーです」と言っても、あながちウソではないといえるでしょう。
昨今の預貯金の金利情勢や国債の利回りなどと比較すれば、J-REITは高利回りであるといえます。
もちろん不動産が生み出す賃料収入などを収益の原資としているため、天災地変リスクや地政学的リスクはありますし、元本や利回りが保証されている訳ではありません。
しかし、J-REITでは分散投資によってそういったリスクをヘッジすることもできるため、ローリスクハイリターンな投資がしたい人には向いています。
J-REITの根本である不動産の証券化を含めてJ-REITの仕組みやメリット、現物不動産投資との違いなどについて解説してきました。
不動産と金融が融合したJ-REITはまだ歴史の浅い金融商品ですが、非常に良くできている仕組みといえます。
J-REITは投資対象を不動産とする点では現物不動産投資と同じですが、それぞれの投資方法の特徴やメリットやリスクを理解したうえで、自分自身の適性や志向に合った投資方法を選択することが大切です。
その際には、この記事で得た知識や理解をぜひ役立ててください。