逃げて勝つ 投資の鉄則 大負けせずに資産を築く10年戦略(読書ノート)
逃げて勝つ 投資の鉄則 大負けせずに資産を築く10年戦略
資産形成が求められる時代
- 少子高齢社会
- 「老後2,000万円」に象徴される政府も投資を呼びかける時代
時代にあった投資方法をみつけることが大事
現在の視点で過去を解釈してはいけない
- 過去10年間や30年間がよかったからといっても、当時はその投資をすることが避けられていたことも多い
- 現在の都合で解釈して今後も同じ様になると予想してはいけない
- 長期分散積立は2009年~2019年のアメリカ、2012年~2019年の日本ではよかったが、それ以前の20年間はプライスマイナスゼロであった。そのためここ10年間で成果が出たからと言って過去からやるべきであったとはいえない
- 金融業者は顧客の意思決定で買わせるが、売る提案をしない(するのは買い替えのとき)。売ったあとで相場が上がることで機会損失があったり、損失を出すことをすすめることがしづらいため
- トレンドは、テーマ株が流行ると、上昇し、上昇の理由をメディアや周囲が解説することでさらに上昇し、バブルとなる(過去の日本の不動産バブルも同様)
- システムトレードやAIが進むことで、ファンダメンタルの指標が市場にすぐに取り込まれることを効率市場仮説という
投資におけるリスクとリターンの位置づけ
- リスクとは、値動きの動きの大きさのこと
- リスクとリターンが大きい順に、以下のように並べられる
- コモディティ(原油/銀など)
- 海外新興国株式(為替変動含む)
- 海外先進国株式(為替変動含む)
- 海外不動産/REIT(為替変動含む)
- 国内株式
- 国内不動産/REIT
- 国内債権
- TB/預金
経済成長の投資リターンのバランス
アメリカの経済成長と金融リターン(1971年~2019年平均)
GDPデフレーターは3.54%
- 経済成長率(GDP成長率)は6%強
- 短期金利(TB3ヶ月金利)は5%弱
- 投機金利(国債10年)は6%強
- 株式リターン(S&P500)は8%弱
ハイリスクはハイリターンとなっている(短期金利<長期金利<株式リターン)
全体を平均すると経済成長率に見合う
- 景気の良し悪しの波があり、それぞれのタイミングがずれて巡っている
- 株だけが成長することはない。実体経済の成長に見合う
- 今このタイミングではどこが有利なのかを見極めることが大事
(例)金利は減少している
金利と株価は逆相関するため、株価は上昇しやすい
→今は株式が有利
(例)日本はGDP成長率が下がっていき、国債も0%に近づいているため、株高になってきたが、これ以上上昇しない可能性がある
経済成長≒労働人口伸び率×一人あたり生産性伸び率×インフレ率
→今は海外投資の方がよい
投資家の性格にあわせて分散するのがよい
①地主タイプ(期待リターン5%)
40%:国内不動産
40%:債権
20%:外国REIT
②中小企業社長タイプ(期待リターン:10%)
30%:国内不動産
20%:国内株式(インデックス)
20%:先進国株式
20%:新興国株式
10%:金ETF
景気や商品には連動のロジックがある
相場は要素となる波を期間で区切り、超長期、長期、中期、短期の階層に分けて考える
- 超長期で見ると経済成長率(人口成長率×一人あたり生産性伸び率×インフレ率)に収束する→新興国、ハイテク分野の方が経済成長率が高いと考えられる
- 長期で見ると景気サイクルが数年で動く(1%~3%ほどの変化)
- 中期(3ヶ月~1年)は、金融による増幅の波(10%~20%)、金利や通貨供給量(特に中央銀行)で動く
- 短期(1日~3日)は、投機や人の思惑による増減の波
→テレビや異なる意見が出やすい④に惑わされずに③を見極めることで短期的な利益が出せる
期間ごとに見るべきものが異なる
・景気悪化
GDP成長率よりも、人口成長率×一人あたり生産性伸び率×インフレ率が下がってきた
中央銀行が金利を下げる
①金利中立割れ
低金利のため住宅ローンを組み住宅を買うようになる ※米国は日本よりも敏感に動く
②住宅指標上昇
住宅を買うと、建設や資材、家具、大型耐久財、流通の売上が増える
売上が増えるので在庫を増やす
売上が上がり好決算が出ることで、株価が上がる
③株価指標上昇
売上が上がり株価が上がったことで仕事を増やす
④企業心理上昇
雇用を増やす
⑤雇用上昇
残業時間を増やす
⑥賃金上昇
給料が増えると買い物が増える
⑦消費上昇
物が売れるので企業は投資を増やす
⑧企業投資
・景気好調
⑨雇用逼迫
賃金を上げるとインフレになる
物価が上がるため中央銀行が金利を上げる
⑩金利中立超
住宅ローンを組まなくなる
⑪住宅指標減少
住宅の指標が下がる
⑫大型株減少
株価が下がる
⑬企業心理減少
企業の投資が減る
⑭企業投資減少
雇用が減る
⑮雇用減少
・景気悪化
不況から立ち直る際のサイクル投資
景気停滞
①安い時期にはバーゲンハンティング(バリュー投資)
②勢いのある株(モメンタム投資)
③リスク資産売却
④高配当株(インカム投資)※近年は低金利のため高配当なものはハイリスクになりがちのため、買わずに逃げるのがよい
景気加熱
電力・ガス・医薬品・医療・内需・輸入企業・IT・プラットフォーマー→金融機関・建設→運輸・倉庫・物流→素材・製造業→スイスフラン・円・金
相場が上昇し下落するそれぞれの段階での投資の格言
- 強気相場は悲観の中で生まれ、懐疑の上で育ち、楽観のうちに成熟し、陶酔の中で死ぬ
- 野も山もみな一面の弱気なら阿呆になって米を買うべし
- 迷う相場は高い
- たい焼きの頭と尻尾はくれてやれ
- 利食い千人力
- 野も山もみな一面の強気なら阿呆になって米を売るべし
- 上がり百日下げ三日
- 落ちてくるナイフを掴むな
世界経済の考え方
- 投資は人が関わるため予測できない
- 相場予想は天気予想のようなもの
- 確立された理論はあるが、理論と過去のデータ、観察した内容をもとに自分自身でロジックを持っておくことが大事
- 日本株は米国株に遅れて動きやすい、アメリカが金融緩和をするとドル円が下がる
- アメリカが好景気になることで日本からの輸入が増え日本が連動して好景気になりやすい
- アメリカを基準に考えることが大事
- 世界中で金融緩和が一斉に行われているため、停止することで一時的に下落する可能性がある
- ワクチンの普及による回復、バイデン大統領による経済施策、FRBの異次元金融緩和
- 2021年は景気は回復するが需要が回復しきらないため金融緩和が続く
- 2022年まで天井を迎えはじめるが、10月にアメリカで中間選挙があるため残り2年で公約を実行するために増税と規制は見送られそう
- 2023年頃に利上げの可能性が出てくると陰りが見え株価が下がりそう
新興国が狙い目
日本は低成長国のサイクルとなっているが、新興国はグロースの状況といえる
新興国は海外資産が流れ込む→自国通貨高→株価が上がる→企業が成長→為替で利子が少なくて済む、の好循環があるが、逆回転すると暴落する
・高インフレ時代は、株価→景気→金利→ドルの順に早く上がった
・低インフレ時代は、株価と景気とドルがなだらかに移動するようになった、金利の下落によりさらになだらかに移動するようになってきた
- アメリカの景気が良いなかでドルが下がることがある。金利が下がることでお金が出回り新興国や資源に投資をするようになることが理由
- 新興国や資源が10年ぶりに上る可能性がある
- 株式の上昇が停滞してくることで安全資産として金が買われる用になるはず
- テレワーク銘柄やIT銘柄が上がった→調整された→ワクチンやバイデンで全体的に上昇がこれから
- 米国のテーマごとにみると、コロナ直後にはハイテク、医療、プラットフォームが上昇した
- 今後はワクチン、バイデン相場で景気株、バリュー株、半導体、中小企業、クリーンエネルギー、EVが伸びる
- クリーンエネルギーやEVは期待が高すぎるため調整が入る可能性が高い
- 外貨ではブラジル、トルコは今後回復の可能性がある
コア投資と、サテライト投資で分ける
- 不動産は安定しやすいが流動性が低いのが特徴
- 流動性が高い資産と分散しておくのがよい
- 海外のものでもスマートフォンで買える
書籍とあわせて、以下のYouTubeも参考になりますので紹介いたします。
逃げて勝つ 投資の鉄則 大負けせずに資産を築く10年戦略