不動産仲介業では、宅建を持っていない一般的な消費者が仮に損失を被った際に、きちんと補填することができるように、不動産業者には開業時に法務局に供託金を預けるルールがあります。その金額は、本店に対しては1,000万円、支店が増えるごとに500万円とされています。
しかし、保証協会に加盟し60万円の弁済業務分担金を預ければ、その1,000万円や500万円の供託金が免除されるという仕組みがあります。
そのため、多くの場合には不動産仲介業の開業時には保証協会に加盟することが一般的です。また、保証協会では、定期的に開業支援セミナーなどのイベントを開催していて、不動産仲介業の開業の支援をしています。
不動産業界で独立開業をする場合、初期費用をおさえるためには保証協会に加入するのがおすすめです。
保証協会の開催する不動産開業セミナーは、不動産仲介業で開業を検討している人であれば、不動産業界の経験がなくても無料で参加できるイベントです。全国各地の保証協会が開催しているため、管轄の地域のイベントを探してみるとよいでしょう。
不動産屋の開業ではハト(全日本不動産協会)とウサギ(全国宅地建物取引業協会連合会)はどちらがよいのか?
不動産業界はどのような市場なのか、不動産仲介業は具体的には仕事をするのかなどといった基本的なことから、開業するために必要な手続きや免許の取得や登録の具体的な方法など、はじめて不動産仲介業で開業を考えている人に役に立つ話の聞けるイベントです。
また、セミナーのあとには個別の相談会があります。個別相談会では先輩経営者の講演や、税理士、行政書士などからも、実務で気をつけるべき点など、気になることを自由にを聞くことができます。
セミナーに参加したからといって、必ずしもその保証協会に加盟しなければならないということではありません。複数の保証協会の話を聞いて、自分にあった保証協会に加盟するのがおすすめです。
もし、先輩起業家の話を参考にしたいものの、セミナーに参加するまではハードルが高いと感じる場合には、実際の開業者の書籍やブログを読むのもおすすめです。
また、保証協会に加盟すると、不動産仲介業の実務についてのセミナーにも参加ができます。基礎知識を学べるセミナーでは、不動産仲介の取引の基礎知識も体系的に学習することができます。また、実務に関するセミナーでは、宅建業法の基礎や最新の変更点などの取引に関する専門的な内容や、法律や税制、パソコンの使い方なども教えてもらうことが可能です。
さらに、保証協会によっては電話での業務相談も受け付けています。開業直後にはわからないことも多いです。毎回、相談をしに出向くのは大変ですので、電話で相談できるのは非常に便利でしょう。不動産業では広告のルールも厳密に定められています。そのため、不動産広告の作成で困ったことも「不動産の表示に関する公正競争規約」などを正しく遵守しているかを、電話で事前に相談することができます。他にも、弁護士への無料の法律相談も可能な場合もあります。
不動産屋の開業をご検討の方は、ぜひお気軽にご相談ください。