※この記事は、2019年4月21日に開催された「不動産投資の再定義~楽して儲けるから楽しんで儲けるへ~」で発表した「弦本ビルの事例」についての書き起こしです。
目次
よろしくお願いします。弦本ともうします。
ちょっと、立つと影ができちゃって、見えづらくなってしまうので座りながらで失礼します。
さきほどご紹介いただいたように、今日のスライドは200ページぐらいあって。
話を聞いてなくてもスライド見てれば大体分かるような内容になっています(笑)
ぜひ、目で追いかけていただければと思いますので、見えやすい位置にお座りいただければと思います。よろしくお願いします。
あらためまして、本日はご来場ありがとうございます!
こちらが弦本ビルとプロハです。
プロハはTOKYO PRODUCERS HOUSEの略で、プロハという名前なんですけど、プロデューサーの人たちが集まるようなコワーキングスペース兼イベントスペースとなっております。
今日はまず、自己紹介させていただいて、このイベントの開催の経緯と弦本ビルの紹介、それからこのビルの誕生のストーリーをお話させていただきます。
まずは自己紹介です。弦本卓也ともうします。32歳です。
九州の出身で、生まれてからすぐに関東のほうにまいりました。
ご先祖様は相撲が強くて、相撲って「弓取り式」というのがあって、勝つと弓がもらえたりするんですけど、相撲が強くて弓をもらって、玄関に飾っていた本元の家ということで「弦本」という名前でございます。
大分のほうにたくさんある名前らしくて、以前試しに行ってみたんですけど、「弦本」のお墓がいっぱいありました。
ご先祖様は、相撲が強かったんですけど、僕はスーモっていう(笑)不動産メディアの仕事をさせていただいています。
ちなみに、不動産のオーナーさんには、親が裕福であったり、相続でオーナーになったりする方がいらっしゃいますが、僕自身は親が裕福とかではなくて、不動産とかもマイホームですらもっていませんでした。
「資産はないけど借金がないからいいよね」みたいなことを親から言われて育っていました。
ちなみに、もうすぐ令和とのことですが、僕自身は1987年の4月2日なので昭和の最後の生まれです。4月2日生まれは学年で一番早いので、ゆとりの第一世代ということで。ゆとりの第1号でございます。
人生をつうじてやりたいことなんですけど、3つありまして。
1つめが先人への感謝を、現生とか後生の人たちに還元していくということ。
2つめが、「一人ひとりの可能性をもっと世の中に」ということで、頑張ってる人を応援するみたいなことをこだわっています。
それから3つめが「三方よし」の実現ということです。
近江商人の言葉らしいんですけど、①売り手よし、②買い手よし、③世の中よしということで、自分に置き換えると、①自分がワクワクしていて、②目の前の人のためになっていて、③それが結果的に世の中のためにもなっている、みたいなのを自分でこだわってやっています。
自分でも、リクルートで働きながら会社をやっていたりとか、こういうオーナーもやってるんですけど、大切にしていることです。
主な活動についてなんですが、リクルートでは新卒で入って9年目になります。スーモのITの部署の、今は組織開発をさせていただいてます。
なので、人事とか総務みたいな仕事をしています。
それから、自分でも起業をしていまして、一人ひとりの可能性を活かす選択肢を提供するということで、いくつかのビジネスをさせていただいております。
新卒の紹介だとか、Webの制作会社をやっています。
それから、この弦本ビルですね。
このビルは買ってからちょうど4年がたちまして、5年目をむかえております。1階が中華料理屋さんで、このあと懇親会を開催する場所なんですけど、2階のこちらがイベントスペース、そしてサロンスペース、3階は個室のオフィスが入っていて、4階、5階はシェアハウスというかたちになっております。
それから著者としても、3冊の本を出してまして。
本日、後ろにあるのが『超ど素人がはじめる不動産投資』という翔泳社さんから出した本でございます。
以上が簡単に自己紹介となります。本日はよろしくお願いします。
さて、このイベントの開催の経緯は、さきほどお話があったんですけど、そもそものきっかけとしては中川さんとの出会いでした。
ちょうど4階が空いたときがありまして、そこで「プロハ空家活用部」というのをやりまして。
お酒を飲みながら、この4階が空いたけどどうしようか、みたいなことをみんなで話していました。
その会が、2016年2月5日に開催されてまして、そのときに初めて中川さんとお会いしました。
中川さんは空家問題の本を出されたばかりのころでした。
それから2年半がたって、僕自身も不動産投資の本を出す機会をいただきまして、今年の1月21日に『超ど素人がはじめる不動産投資』を出版をしました。
これは、スーモとかリクルートとか関係なく、自分で出したんですけど、不動産業界ではいま話題のさまざまな問題があるなかで、買う人のリテラシーが低いというか問題としてあるなと思い、買う人にちゃんと勉強してほしいっていうのと、オーナーとしての経営者視点を持ってほしいっていうのがあって。
そこで、自分の体験談とか成功談とかではなくて、不動産投資の教科書的な、第三者の視点できちんと知識を身につけるみたいなコンセプトで出しました。
そしたらなんと、シリーズの前作が、みなさん中川さんでして。
黄色い本なんですけど『ど素人がはじめる不動産投資の本』というタイトルで、前作を出されていました。
ということで、運命の再会をさせていただきました!
この写真は、お会いしてからお話をして、盛りあがってずっと飲んでて、閉店までずっとしゃべっていたときのものです(笑)
それから永井さんにもお会いして『家主と地主』にも、今回3月号、4月号と連続して掲載していただきました。こちらもありがとうございました。
つづきまして、このビルの紹介です。
まずは「数字」で切りとってお話したいなと思います。
1つめの数字は「27」です。
これは何かというと、僕が買ったときの年齢ですね。27歳で購入しました。
こちらはリクルートのホームページ、いわゆるコーポレートサイトなんですけど、27歳でビルオーナーになってパラレルキャリアを歩んでいる、実体験から学びたいと言っているものですね。
次の数字は「200万円」です。これは初期費用ですね。現金200万円を用意して買いました。
次は「7,400万円」なんですけど、これは物件価格です。実はこのビル、7,400万円なんですよ。
当時は築36年だったんですけど、土地が借地権だったので、こういった金額でございました。
次は「20%」です。これはちょっと一人歩きするとこわい数字なんですけど、いわゆる表面利回りですね。家賃収入は毎月130万円ほどなのですが、借地権なので地代とかいろいろと差し引くと、もっと小さい数字になります。
次の「ほぼ100%」っていうのは、入居率ですね。このあと紹介するんですけど、人が人を呼んで、満室が続くようになっています。大変ありがたいです。
なぜ買えたのか?というところなんですけど、自分なりに分析すると、大きく3つの理由がありました。
1つめは、さきほどもうしあげた借地権ですね。土地が賃貸のかたちになっていて所有ではないので、初期費用をおさえて買うことができます。
2つめが、実はこれ、住宅ローンで買っているんですね。
5階建てで、上の2階部分がシェアハウスなので、賃貸併用住宅であると解釈されまして、住宅ローンで組んでいます。
そうすると金利がちょっと下がったりとか、借入期間が長くなるので、月々の返済負担率が下がって、大きな金額でも借入られます。
3つめがすごい出しづらいんですけど、なんとか銀行から借りまして(笑)
ちょっと文字を隠させてもらったんで分からないかもしれないんですけど。さっきのパートから話題になってるんで出しづらかったんですけど(笑)
こんな僕にでもローンを貸してくれる銀行がいました。
再現性がないのでみなさんにオススメできないんですけど、真実なので紹介させていただきました。
金利は2.975%で、物件価格の全額を借りました。
今はひたすら給料とか自分の事業などでお金が入れば全部、繰上返済するみたいな感じで頑張ってお金を返しています。
弦本ビルの「これがない」なんですけど、実はないものが、大きく3つありまして。
まず賃貸の仲介会社がいません。それから管理会社もいません。リフォームの会社もいません。
ということで、多分一般の賃貸のオーナーの方とは違って、全部自分たちでやっていたりしています。
逆に何があるのかなというとこなんですけど、弦本ビルの「これがある」というのは、「仲間」ですね。
ここには、いろんな人たちがいるんですけど、仲間がたくさんいるって、これしかないなと思います。
物件自体古いし、あまり価値ないなと思うんですけど、仲間がいるっていうところでこの物件は価値を出しているんだなというふうに思っています。
これが入居者の人たちだったり、友だちたちが集まっているときの写真です。自分の目標に向かっている人がいたりとか、夜遅くまで麻雀する仲間がいます。
1周年もみんなでこうやって集まってお祝いしたり、2周年をお祝いしたり、3周年もお祝いしたり、こないだ4月1日に4周年もお祝いをして。
こうやってみんなで集まって楽しくさせていただいています。
オーナー自らが、抹茶のシュークリームで緑色に染まるみぐらい、仲良くさせていただいています。
結果的に、仲介会社、管理会社、リフォーム会社みたいなのがいない分、みんなで仲間集めをしたり、みんなで掃除をしたり、住人みんなでミーティングをして解決したり、みんなでDIYをしたりっていうのをしています。
たとえば、Facebookを使って入居者の方が、「ミニマム5万から住める新しい住人を募集してます」みたいなのを投稿してくださったりとか、僕自身も仲間を募集しますみたいな感じでシェアさせていただいたりしています。
これがちょうど今年の2月だったんですけど、3日間で17人の方から応募が来て、そのうち3人は2日で決まるみたいな感じですね。
最終的には20人の応募があって、2週間で満室になる、みたいな感じでした。
数が多いので面接とかをさせていただいて、次の入居者が決まるみたいな。
それから、管理会社がいないし、汚れていってしまうので、入居者の発案で「みんなで朝8時から4階を掃除しよう」とか。入居者のみんなで掃除をしています。
住人ミーティングもしています。本当は大好きなムービーがあって、お見せしたいなと思ったんですけど、ちょっと時間がないので割愛します。
DIYしているムービーがあるんですけど、もし興味があったらプロハで検索していただくと見られます。
この2階をみんなでDIYしています。3階もオフィスなんですけど、オフィスのテナントさんもDIYを自分たちでしました。あとは4階もキッチンとか、クロスを白く塗るみたいなことをみんなでやったりとかしています。
ちなみにみなさんがいる2階、beforeはこんな感じですね。3点ユニットがあったりとか、そこのキッチンのところもこんな感じですね。昔、売ってくださった売主さんの方が、そこのあたりにこたつを置いて1人で生活されていて、白い壁で昔ながらの感じだったんですけど、天井を剥がしたり、床を剥がしたり、壁を剥がしたりして、壁を壊したりもしたんですけど。そういったかたちでDIYをしています。
これも、普通にリフォームとかをしたら300万円とかかかると思うんですけど、ペンキ代だけだったんで30万ぐらいでやって。あとは天井を抜いたときに鉄が結構出てきたから、それ売ったらプラスになったみたいな(笑)
ほかにも入居者からの提案で、「賃料を値上げしたらいいんじゃない?」と提案されたりとか。
あと面白いのが、「部屋を入れ替えよう」みたいな提案があって。5階にいた人を4階に移動しようみたいな。
玉突きで移動したりするんですけど、それによって女性のフロアが誕生して、5階に女性だけが来るようなこともありました。
みんなで解決するっていうのがすごいよくて。オーナー側としては手間をかけずに提供できるとか、安く提供できるとか、入居者と一緒に運営できるとかあって。
入居者側は自分で選択できるんですね。自分の作りたい壁紙を選んだり、ペンキを塗ったりできるとか、自由さがあるので自由に選択できる。あとは何より、DIYとかをすると愛着がすごくわくんですね。自分たちで作ったっていうのがあるので、この場所にすごい想いができて、一体感がすごくできるなというふうに思っています。
なので、基本的に原状回復とかをしなくていいし、オーナーとしてはクロスの貼り替えたりとか、畳張り換えたりとかあまりしないんですけど、そこはみんなその分安く入ってもらって、自分たちで好きにやってもらうみたいなことでやっています。
そうすると退去する日の夕方から別の人が住みはじめるとかもあって。なので、本当の意味で空室がないみたいなところがございます。
オーナーと入居者の関係を越えた「仲間」になって、一緒に自分たちだけの場所をつくっています。
うまくいった理由なんですけど、ちょっとうまくいったって自分で言うのもあれなんですけど(笑)
何でだろうなと考えてみたんですけど、これも3つあります。
1つめが、まず自分が熱狂するっていうとこですね。自分が面白がるっていうところが一番大事かなと思っています。
2つめが言葉にする。コンセプトを作るということ。
3つめが発信する。想いを伝えるっていうこと。
これらの3つが大事かなと思います。
まず自分がすごくワクワクして、それを伝える言葉。シンプルに。たとえばここでいうと「食べる・住む・働く」が一体となったビルとか、20代を中心とした若手社会人学生の活躍する場所とか。発信するのは、そういうのを伝えていくみたいなことです。
お金よりもビジョンとか、ワクワクとか、仲間っていうのをすごく大切にしています。
本を出したりもしています。これは1冊めに出した本で、オーナーの自費出版で出しているんですけど、この1冊めの本は200部刷ってここに来た人たちに買ってもらったりして、売り切れちゃってるのでAmazonでしか買えないんですけど、『PRODUCERS』という本で、ここができた生い立ちだったりとか、ここで関わっている人たちのインタビューブックみたいなのを本にしています。2冊めの『プロハ夢手帳』でも、ここに出入りしている人たちの活動の様子や、うまくいっている秘訣などが書かれています。
ここ自体は僕が買ったあとに、1つ年下の世代で、自分たちの集まる場所を作りたいっていう2人がいまして、彼らと出会ってはじまりました。
僕はオーナーの立場で2人はテナントなので、実は賃料をもらっている関係なんですけど、それ以上の関係で。
こういうふうに出入りさせてもらったりとか、おたがいに支え合ったりしています。
うまくいっている理由は、オーナーと最初の始めた人たちのビジョンがすごく近いということがあって。
僕自身はさきほどご紹介したように、一人ひとりの可能性をもっと世の中に発信していきたいとかって言ってたんですけど、テナントの2名の方も、1人が同世代の88年会という集まりで、いろんな88年世代の人たちが集まって飲み会とかしてたんですけど、継続して集まれる場をさがしていました。
飲み会や交流会では、そのときはすごい盛り上がるんだけど、集まる場所がないから継続して一緒にビジネスできないとか、続かないみたいな課題があるんですね。
もう1人は、「やりたいを仕事に」っていうのを掲げて起業した人で、就職支援やウェブの制作会社、無人島の活用などをしているんですが、人と向きあう事業をしていて。
それぞれの応援したいとか、そういう場所をつくりたいという想いが1つになって、同じ方向を向いて利害のない関係というか、仲間になったんじゃないかなと思っています。
結果的に、まわりまわってお金が入ってくるようなモデルになってるんじゃないかなというふうに思っています。
リクルートでは「ロマンとソロバン」って言われたりするんですけど、ソロバンはもちろん大事で、不動産投資とかは特にお金がないと回らないと思うんですけど、ロマンもすごい大切かなというふうに思っています。
自分がどういうことをやりたいかとか、ビジョンがないと、人はついてこないし、ロマンとソロバンの両方が成り立たないと、全体が成り立たないものかなというふうに思っています。
ここからはこの弦本ビルの誕生のストーリーを紹介させていただきたいと思います。
どうしてここのビルをはじめたのかとか、どうやって手に入ったのかみたいな話をしたいと思います。
そもそものきっかけは、僕がスーモで働いて、リクルートで働いたことがきっかけでした。
最初は不動産メディアを作る仕事を6年ぐらいさせていただいていて。ホームページだったりとか、スマートフォンのサイトを作ったりなどをしていました。いい企画を作るために自分でも体験したいなと思いまして。
やっぱり、いい商品を作ったりとか、いいメディアを作るにあたっては、自分でも体験しないとその人の気持ちに寄り添ったメディアは作れないなと思いました。
最初は、自分で賃貸で借りて住んでみたりとか、入社して1年目で豊洲でマンション借りて4人でシェアハウスをして住んでみたりとか、そのあと、2年目だったんですけど、自分で戸建を買ってみて、3年目で自分で戸建を売ってみて、みたいな。
自分で体験するということに、すごいこだわってやっていました。
ローンを組んで50歳になってもまだ1,000万円もローンが残ってるみたいなやつを、自分で直面したりとか、はんこ押すときの緊張感みたいなのを感じることによって、メディアで探しやすく、より信頼されるようにしようと思ったりして、メディアをつくっていく仕事に活かしました。
そんななかで、次の新しい暮らし方をしたいなと模索していたときに、戸建てを買って売ってしたときに担当してくださった仲介会社の営業の方がいて、この人が急に「弦本さん、面白いビルがあるんですけど買いませんか?」っていうふうに電話をしてきました。
この営業の方は何を思ったかっていうと、「弦本さんは短期間で売買してくれるし、手数料稼げるし、物件も活用するので面白い」と思ってくださって。
というのも、戸建を買ったときも、地方の学生さんたちが東京に出てくるときの就活シェアハウスみたいなのを自分で運営していたりもしていました。
そういう面白い活用もするなみたいなことで声をかけていただきました。
そこで、「買います」ということで、この物件を購入しました。
このビル自体は松岡さんという方が、松岡ビルとして建てました。
1階では自分で中華料理屋さんをされていて、2階では麻雀店を経営されてました。3階に店員さんが休めるような休憩スペースを作っていて、4階、5階で3世帯で、お子さんとお孫さんと一緒に住んでいたという状態でした。
これが36年前に建てたときですね。
購入する直前には娘さんも地方のほうに結婚して出ていかれて、お孫さんも一緒に出ていかれて、わずか4名で住んでいるみたいな状態でした。
ご自身も、もう、ちょっと中華料理屋立てないねということで、テナントさんに貸して住んでるみたいなビルでした。
そのような状況だったので、見ていてもったいないなと、もっと活用できそうだなと思いました。
このビルの理想って、「食べる・住む・働く」が一体となったビルってことで、1階に食べるところがあって、2階、3階働くところがあって、4階、5階住むところがあるということだと思うんです。
それが一体になっているのは、すごく面白いなと思いました。
そのときは27歳だったので、20代が集まるたまり場にして、各階のシナジーを生み出して、自分たちで面白いことをする場所になったらいいなというふうに思ってました。
これは面白い!と思って、契約して引き渡しまでの1ヶ月間で、いろんなところに行って事例を見たりとか、勉強をしに行ったりしました。
多分100件ぐらいですかね。いろんな物件を見て、いろんな話を聞きに行きました。
そして、夢がすごい膨らみました。
それで、同時にあることに気付きました。
4人が住んでてテナント貸してる状態だったんですけど、買った瞬間に全部空くな、みたいな(笑)
そこに気付きまして。そうだ、いなくなるぞと。猶予は1ヶ月!ということで、やばい!ということになりました。
もともと住宅ローンで借りてるんですけど、月々の支払いが40万円ぐらいあって、地代も20万円ぐらいあるので、毎月60万円ぐらいの支出が予定されていて。
それにリフォームだったりとか、修繕費とか入れたら結構な金額になるなってことで、買ったのは春ですけど「夏ぐらいに破産するのか?!」みたいな感じで買いました。
なので、こりゃやばいと思っていろんな人に相談をさせていただきました。
「ビルを買おうと思っていて、面白いことしたいんです。何なら借りませんか?」みたいな感じでいろんな人に声をかけていきました。
貴重なご意見やご紹介をいただきました。ワクワクしながらも前に突き進んで行きました。印象に残った突き進みエピソードが2つあるんですが、1つめが、この2階を借りてくださった方との出会いです。
会社の先輩に「ビル買います。面白いことしましょうよ。ぜひ借りてください」って言うんですけど、大体「面白いね」とは言ってくれるんですけど「借ります」とは言ってくれないんですよね。なので「借りてくれそうな人を紹介してください」って言って、次の人紹介をしてもらいます。
今度はその人に会いに行って「面白いことやるんで借りてください」って言うんですけど、面白いねとは言うけど借りてくれない。
そこでミナモトさんが出てきて。あそこに座っていらっしゃるんですけど(笑)
「借りてください。面白いことしたいんです」って行くと、ちょうどそういう物件探してる人がいるよってことで紹介していただいて「借ります」ってことで、無事に借りていただきました。
お伝えしたいポイントは、とにかく会いまくるということで。
リクルートの仕事もあったんで、昼のランチの時間にここに来たりとか、夜ここに来て案内とかするんですけど、1ヶ月で100人以上に会いました。
2つめが、3階に入った会社さんの話なんですけど、あるベンチャーキャピタルの方から連絡が来て、すぐに返事をして、紹介したい人がいるんだよねって言われたんで4分後には写真を送って。
1時間後には契約書作って送って、「これでどうですか?」みたいな感じでやりとりして、2時間半後には最後の文書が決まって、捺印はじゃあ夜の8時に会ってやりましょうみたいな感じで、即日捺印みたいなことをしました。内見せずに、条件だけで決められました。
紹介してくださったベンチャーキャピタルの方も、「このスピード感こそベンチャーだな」と。
ベンチャーの経営者の方だったんで、意思決定が早いということで、すごいなと思いました。
結果的に、引き渡し受けてから1週間後には全室が満室になりました。
助かった…って感じですね。
ということで、いろんな方に助けていただいて、4年間でこういう形になってきました。
この2階、プロハは若手社会人と学生の秘密基地になっています。
コワーキングスペース兼イベントスペースとして展開していて、これまでたくさんの方が会員さんとして自分たちのやりたいことを活動してきています。
たくさんの会社も登記していて、様々なジャンルの会社だったり、個人だったりが集まってきています。
特にここは東京駅や大手町に近いので、本業で働きながら副業として、夜8時ぐらいから来て作業したりとか、自分のやってることをここの場所でお披露目して仲間探しするとか、業界の交流会やるとかの使われ方も多くて。
渋谷とかだとスタートアップで独立した人たちがやったりするんですけど、こっちはどっちかというと副業みたいな感じで来られる方が多いです。
キャリア支援だったりとか、パラレルキャリアの支援だったり、無人島活用事業とか、日本酒作ったりとか、地方創生系やってる人とか、結構多いです。
様々な方がシナジーを生み出しています。イベントも、朝は朝活したり、技と技の交換会みたいなので自分のスキルを交換し合う会をやっていたり、アイデアの壁打ちをしたりとか。結構地方系のイベントも多くて。同郷の人たちとの「ゆかり飲み」みたいなものだったり、農業のイベントとか、音楽系のイベントをやったり、不動産系のイベントをやったりもしています。
「食べる・住む・働く」が一体となったビルっていうのを当初、掲げたんですが、各階にもシナジーが出てきました。たとえば、今日もそうですけど1階でケータリングをとって2階で交流会をしたりとか、2階で交流会をして1階でご飯を食べたりとか。
あとは2階で考えたことを4、5階で泊りながら合宿したりとか。
全部あわせて、これは3階で事務所を開設してる人なんかは、2階で打ち合わせをして1階でご飯を食べて、4階5階でシャワー浴びて、また3階で仕事してみたいな、ビル内で完結するみたいなのがあって。
職住近接って感じだと思うんですけど、そういう使われ方もしてきています。
弦本ビル自体は、若手社会人だったり学生さんが中心のビルとなっています。
そして、自分のやりたいことを実現する場所になっています。
たくさんのメディアにも取り上げていただいて、週刊ビル経営さんでお世話になってたりもするし、不動産ソリューションフェアに行かせていただいたりしてますね。
週刊賃貸さんにもミナモトさんの紹介で載せていただいたりとか。全国賃貸住宅新聞にも2回掲載していただきました。
あとは日経新聞とかですね。あと健美家さんも今日いらっしゃっていただいて。本を紹介してくださってありがとうございます。
本を出したりとか。それから研究室とかでもテーマに研究してもらったりとかしていて。慶應大学には、コワーキングスペースの研究でとりあげていただきました。
これは、ここがうまくいってる理由として示された気付きの1つなんですけど、そこにちょうどスクリーンがあるんですけど、そのスクリーンがすごくいいみたいなことを研究室の方々に言われまして。
向こう側で仕事していて、こっち側でこういうイベントしていて、ちょうど声が聞こえるぐらいの距離感があの仕切らしいんですよ。
こっちで話していて「それ面白そうだね、紹介して」とか「あそこでワークしてるから、紹介するよ」みたいなのが生まれたりするのがいいらしくて。
安く買って手作りでスプレーで塗ったりとかされているんですけど、そういうのが大事なんだなってあったりします。
あとは、テレビではnews zeroとかにちらっと出たりとか、シシド・カフカさんって方が来たりとか、最近だと落合陽一さんとか来てくださったりとかしました。
これからやりたいことなんですけど、さきほどもうしあげたように、「一人ひとりの可能性をもっと世の中に」とか、これまで育ててくださった人たちへの感謝とか還元をしていきたいなとか、「三方よし」を実現したいと思っています。
今は5階建てで「食べる・住む・働く」なんですけど、イメージは2020年ぐらいには、8階建てになったらいいなみたいなことを想像しています。
学ぶ場所だったりとか、遊ぶ場所だったりとかが入った複合ビルなのか、街なのかはわからないんですけど、そういうことをやってみたいなというふうに思っています。
「一人ひとりの可能性をもっと世の中に」ということで、誰かがやりたいなと思ったことをここに持ち込むと、それが実現できる場所であったりとか、最先端の働き方とか暮らし方ができるようなコミュニティだったり、東京と地域、東京と世界をつなぐような拠点にできたらなというふうに思っています。
ということで、弦本ビルの紹介だったんですけど、オーナーはそんなすごいことしてないなっていうのを思っています。
やっぱりテナントの皆さんが日々やってることだし、僕は最初のきっかけをつくっただけというふうに思っています。
ワクワクして、飛びついて買って。
やばいと思って、いろんな人に「ワクワクするんだけど、借りて!助けて!!」みたいに言っただけなんで。
それだけだと思っています。
なので、僕から言えるようなこととしては、入居者と一緒に成長していくようなオーナーになっていくのがいいかなと思っております。
みなさまとも一緒に、楽しく不動産活用をしていけたらいいなと思っています。ご清聴ありがとうございました。