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【2022年版】宅建士独学勉強ノート(保証債務)

保証債務

主たる債務者の債務を別の者が保証したとき、この保証人の債務を「保証債務」という

・4類型がある

・保証債務の成立

※抵当権の設定では書面は不要だが、保証契約では書面または電磁的記録が必要

・求償権

※連帯保証の場合には、Bが自分の負担分を超えないとC、Dに請求できない

※連帯債務の場合には、Bが自分の負担分を超えなくてもC、Dに請求できる

・共同保証(分別の利益)

※連帯保証の場合には、各人が全額の保証責任を負うが、共同保証の(分別の利益がある)場合には、共同保証人が債務額をそれぞれの人数で頭割りし、等しい割合で分け合うことができる

・保証債務の性質

付随性原則 主たる債務が成立しない場合には、保証債務も成立しない 主たる債務が消滅した場合には、保証債務も消滅する
例外 保証人に生じた事由
   履行・相殺 → 主たる債務者に及ぶ(たとえば債務者が時効完成を目指していても、保証人が返済したときに時効は更新されてしまう) ※混同と更改は影響しない
   それ以外  → 主たる債務者には及ばない
随伴性主たる債務が移動した場合は、保証債務も移動する
補充性・催告の抗弁権(主たる債務者に先に請求してもらう)
・検索の抗弁権(主たる債務者を先に差押さえてもらう)
※(連帯でない)保証人の場合には認められるが、連帯保証人の場合には認められない
※保証人はあくまで債務者が弁済できなくなった際に登場する。ただし、主たる債務者が破産手続開始の決定を受けたとき、またはその行方が知れないときには保証人は請求や差押さえを受けなければならない

・相対効と絶対効

1人の影響が債務者全体に影響を与えることを「絶対効」という。与えない場合は「相対効」という

相対効の例としては、債権者が保証人の保証債務を免除したとしても、債務者の債務自体は免除されない、連帯保証人に訴訟による弁済を求めても主たる債務者の時効は猶予されないなど

・混同・更改・相殺

混同債権者を保証人が相続したとき(その分担分の債権が減少する)
更改別の債務を提供する(現金ではなく物や他の資産などを返済にあてること)
相殺1人の債務者が、対立する同種の目的の債権で相殺すること(他者の承認がない場合には頭割りした自分の債権を上限に相殺できる。特約で相殺を無効にしている場合には相殺はできない)

※AがDを相続した場合

・連帯債務者の1人が死亡した場合

・連帯債務者の1人が死亡した場合に、相続人が複数いる場合には、被相続人の債務の分割されたものを承継し、各自が承継した範囲内での連帯債務者となる
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ABOUT US
弦本 卓也
1987年、埼玉県生まれ。大学卒業後、大手広告会社「リクルート」にて不動産メディア「スーモ」(SUUMO)の運営に従事。新卒で入社して、スーモのメディアづくりを7年、その後にエンジニア組織の組織づくりを4年行う。 また、リクルート社内の部活動制度にて「大家部」を立ち上げ部長を務める。不動産投資に関する情報交換や物件見学のワークショップなどを行う。 入社2年目に新築一戸建ての広告を取り扱う部署に異動したことをきっかけに、「いい企画を作るためには、まずは自分で経験したい」という想いから個人で新築一戸建てを購入。その翌年には売却分野を担当したことをきっかけに売却も経験。マンションの売買なども行い、11年間で11回の引っ越しを経験。 「新しい住まいや暮らしを自ら探究したい」という気持ちで購入した東京都千代田区の神保町の中古ビル「弦本ビル」は、コワーキングスペース、シェアオフィス、シェアハウス、飲食店が入居する複合ビルとなっており、20代を中心とした若手社会人や学生のやりたいことを実現する場所として注目を集めている。3年間で延べ1万人以上の来場者を記録し、家賃年収1,400万円を達成しながら満室経営を続けている。 お金面とビジョン面の両立を大切にしており、モットーは「一人ひとりの可能性をもっと世の中に」。会社員を続ける傍ら、学生時代に起業した会社とあわせて株式会社を3社創業。うち1社は売却し現在は2社を経営している。他にもエンジェル投資家として若手実業家の支援を手がける一面も。 日経新聞や不動産業界紙、書籍や雑誌、テレビなどでも多数の注目を集めておりセミナー講師なども行う。宅地建物取引士を保有。