主たる債務者の債務を別の者が保証したとき、この保証人の債務を「保証債務」という
・4類型がある
・保証債務の成立
※抵当権の設定では書面は不要だが、保証契約では書面または電磁的記録が必要
・求償権
※連帯保証の場合には、Bが自分の負担分を超えないとC、Dに請求できない
※連帯債務の場合には、Bが自分の負担分を超えなくてもC、Dに請求できる
・共同保証(分別の利益)
※連帯保証の場合には、各人が全額の保証責任を負うが、共同保証の(分別の利益がある)場合には、共同保証人が債務額をそれぞれの人数で頭割りし、等しい割合で分け合うことができる
・保証債務の性質
付随性 | 原則 主たる債務が成立しない場合には、保証債務も成立しない 主たる債務が消滅した場合には、保証債務も消滅する 例外 保証人に生じた事由 履行・相殺 → 主たる債務者に及ぶ(たとえば債務者が時効完成を目指していても、保証人が返済したときに時効は更新されてしまう) ※混同と更改は影響しない それ以外 → 主たる債務者には及ばない |
随伴性 | 主たる債務が移動した場合は、保証債務も移動する |
補充性 | ・催告の抗弁権(主たる債務者に先に請求してもらう) ・検索の抗弁権(主たる債務者を先に差押さえてもらう) ※(連帯でない)保証人の場合には認められるが、連帯保証人の場合には認められない ※保証人はあくまで債務者が弁済できなくなった際に登場する。ただし、主たる債務者が破産手続開始の決定を受けたとき、またはその行方が知れないときには保証人は請求や差押さえを受けなければならない |
・相対効と絶対効
1人の影響が債務者全体に影響を与えることを「絶対効」という。与えない場合は「相対効」という
相対効の例としては、債権者が保証人の保証債務を免除したとしても、債務者の債務自体は免除されない、連帯保証人に訴訟による弁済を求めても主たる債務者の時効は猶予されないなど
・混同・更改・相殺
混同 | 債権者を保証人が相続したとき(その分担分の債権が減少する) |
更改 | 別の債務を提供する(現金ではなく物や他の資産などを返済にあてること) |
相殺 | 1人の債務者が、対立する同種の目的の債権で相殺すること(他者の承認がない場合には頭割りした自分の債権を上限に相殺できる。特約で相殺を無効にしている場合には相殺はできない) |
※AがDを相続した場合
・連帯債務者の1人が死亡した場合
・連帯債務者の1人が死亡した場合に、相続人が複数いる場合には、被相続人の債務の分割されたものを承継し、各自が承継した範囲内での連帯債務者となる |