Categories: 不動産屋開業

地元で塾を開業しながら地元の不動産仲介会社で副業したケース(大阪府大阪市阿倍野区・55歳男性)

目次

プロフィールを教えてください!

  • 55歳・男性
  • 2年前に大阪市阿倍野区で副業で開業
  • 賃貸仲介業と売買仲介業の両方を実施
  • 自身で宅地建物取引士(宅建士)の資格と免許を取得

1ヵ月間のおよその接客人数、接客回数、契約件数は?

  • 接客人数は10名
  • 接客回数10回
  • 契約件数は賃貸仲介で3件、賃貸駐車場で2件、売買仲介は0.5件(2ヵ月に1件)

どのような会社で、どのような契約条件で働いているか?

  • 5名で営業している会社に対して、顧問として関わっている
  • 雇用契約は業務委託契約で、報酬は年間の定額を決め12ヵ月で割ることで1ヵ月分の報酬を決めている
  • 業務委託契約を解除したい場合には半年前に予告する形式
  • 業務委託契約の条件のなかに、会社経営に関する顧問業務(経営の合理化、経費削減など)、従業員の雇用に関する社労業務(就業規則の修正など)、従業員研修の実施などが含まれている
  • 固定でもらっている報酬は、たとえ営業成績が悪かったとしてもその分を引かれるなどはない
  • また、必要な経費については会社で負担してもらっている
  • 固定でもらっている報酬以外で、成果報酬型でもらう報酬としては、売買仲介業で5,000万円以上の物件の売買契約をおこない、仲介手数料が1.5%以上をもらえた場合に0.5%分を成果報酬としてもらっている

副業で不動産仲介エージェントをはじめる前は、どのような仕事をしていましたか?

  • もともと実家が不動産を保有している家だったため不動産に馴染みがあった(賃貸マンションを3棟、駐車場を3ヵ所、借地権の底地を2件)
  • 就職では建設系の不動産会社で働いていた
  • その後に銀行に転職し、不動産売買に関連した融資や、不動産会社への融資などをおこなった。その銀行ではさらに不動産に関する関連会社に出向し、その後も不動産に関する情報に触れる機会も多かった
  • さらに証券会社に転職し、投資銀行にて不動産ファンド業務をおこなうなどしていた

副業として不動産仲介エージェントをはじめたきっかけは?

  • 不動産仲介業を副業ではじめた経緯は、住んでいる地域の町内会のメンバーが不動産会社をしていて、困っているので相談に乗ってほしいと町内会長から声をかけてもらったため
  • その不動産屋は地元で長らく経営していたものの、跡継ぎもなく、最終的な事業承継も含めて面倒を見てほしいとのことだった
  • 本業では地元で塾を経営していることもあり、まずは業務委託として、副業で仕事を手伝うことにした

副業で不動産仲介エージェントとして働くスケジュールは?(1ヵ月間でどの程度の割合で仕事をしているかなど)

事前に働く時間帯を決めているため、忙しいときと忙しくないときの差はほとんどない

平日のスケジュール

平日は午前9時から午後1時まで関わっている

午前9時(出社)
午前9時~午前10時(研修講師)
  • 会社が若手社員の教育に力を入れており、研修の講師として授業をしている
  • 不動産に関する資格である、宅地建物取引士(宅建士)、マンション管理士、賃貸管理士などの研修の講師をしている
午前10時~午前11時(顧問業務)
  • 主に収支をみながら、経理に関する打ち合わせをおこなう
午前11時~午後1時(接客や案内)
  • 接客や案内をおこなう
  • 若手社員に営業に同行してもらい、実践研修という位置づけでも経験を積んでもらっている
  • 売買仲介で売主と面談する際にはとくに知識が必要なため、業務を主導している

休日のスケジュール

休日は土曜日のみの勤務。午前9時から午前11時まで関わっている。平日におこなっている研修講師と顧問業務のみをおこない、平日のような接客や案内は基本的におこなっていない。

不動産仲介エージェントの副業をして良かったと思うことは何ですか?

  • これまでの不動産に関する知識や仕事の経験を活かせていること
  • また、研修業務は本業である塾の経営とも近しく、自分のスキルややりたいことにマッチしている
  • いままでの不動産の知識をあらためて学ぶなおし体系的に理解することができた(やはり新しい知識は実際に業務をしてみないと身につかないとあらためて実感している)
  • 人とのつながりが広がることがもっとも良い点だと考えている。地元の近くに住んでいる人々の生の情報が入ってくること、地元の税理士や銀行員と知り合いになれたことも良かった
  • もともと地元の町内会長からの相談だったこともあり、町内会の人たちと仲良くなることができ、地元で大きな信頼を得ることができたことも大きい
  • それにより、本業でやっている塾の生徒の集客にもつながっている

不動産仲介エージェントの副業をして大変だったと思うことは何ですか?

  • 突拍子もない時間に急な連絡が入ること。地主さんからは「今すぐ来て」と言われることもある
  • 地元の住民の情報が入ってくるものの、個人情報や重要な機密情報を取り扱う仕事柄、逆に聞かないほうがよかったと思うようなことを、知ってしまうことがある
  • 地元での付き合い上、どうしても本業の塾の経営方針としてはあわない場合でも、副業の不動産に関する業務で重要な関係にあることで、しぶしぶ生徒として受け入れて面倒を見なければならなくなってしまったことがあった
  • あらためて、新しい知識を得られるものの、意外と覚えることが多く苦労することもある
  • 地元の税理士や銀行員と知り合いになれたものの、お客さんを紹介してほしいとお願いされることもあり、もちろん持ちつ持たれつではあるものの苦労することもある

これから不動産仲介エージェントの副業を始めたい方へアドバイスやメッセージをお願いします!

  • 副業で不動産仲介エージェントをはじめる場合、大手の不動産会社に副業で行くのか、フランチャイズをしている会社に副業で行くのか、私のように地元密着型で、独立した業者のところに副業で行くのかのパターンがあると思います
  • 私のように地元密着型で、独立した業者のところにいくと、濃い人間関係に足を突っ込むことになるので、副業にしては重いことに関わってしまう可能性があります
  • また、副業としての雇用契約も結構いい加減な場合があるので注意が必要です
  • 一方で、大手不動産会社やフランチャイズをしている会社などに副業で行く場合には、濃い人間関係に足を突っ込むことは少なく、副業としての人間関係は厳しくならないと思います。また、副業としての雇用契約もきっちりしていると思います
  • しかし、大手不動産会社やフランチャイズをしている会社などの場合には、たとえば賃貸仲介業の場合には賃貸にしか関わらないなど、特定の業務のみに閉じてしまい、知識や経験を活かしづらい(成長しづらい)こともあると思います
  • 実際に、大手不動産会社やフランチャイズをしている会社などでは、宅地建物取引士(宅建士)の免許に対する意識が希薄の場合も多いです
  • SUUMOの広告の更新やHPの更新などが仕事になりがちで、大きなノルマで数多くのお客様に心なく接客してしまうリスクもあり、人と関わることの喜びや人の役に立つ実感を得られない可能性もあると思います
  • そのため、副業で働く場合に、どのような会社でどのような働き方をしたいのかは、メリットやデメリットを踏まえたうえで、自分に合った働き方を選ぶのがよいでしょう

不動産屋開業者へのインタビュー

不動産屋の開業には様々な方法があり、たくさんの働き方があります。実際の事例をもとに、イメージを含めてみるとよいでしょう。

不動産屋を開業して成功する特徴についても以下にまとめています。あわせて参考にしてみていただければと思います。

不動産屋の開業の相談も、お気軽に

不動産屋の開業をご検討の方は、ぜひお気軽にご相談ください。

弦本 卓也

1987年、埼玉県生まれ。大学卒業後、大手広告会社「リクルート」にて不動産メディア「スーモ」(SUUMO)の運営に従事。新卒で入社して、スーモのメディアづくりを7年、その後にエンジニア組織の組織づくりを4年行う。 また、リクルート社内の部活動制度にて「大家部」を立ち上げ部長を務める。不動産投資に関する情報交換や物件見学のワークショップなどを行う。 入社2年目に新築一戸建ての広告を取り扱う部署に異動したことをきっかけに、「いい企画を作るためには、まずは自分で経験したい」という想いから個人で新築一戸建てを購入。その翌年には売却分野を担当したことをきっかけに売却も経験。マンションの売買なども行い、11年間で11回の引っ越しを経験。 「新しい住まいや暮らしを自ら探究したい」という気持ちで購入した東京都千代田区の神保町の中古ビル「弦本ビル」は、コワーキングスペース、シェアオフィス、シェアハウス、飲食店が入居する複合ビルとなっており、20代を中心とした若手社会人や学生のやりたいことを実現する場所として注目を集めている。3年間で延べ1万人以上の来場者を記録し、家賃年収1,400万円を達成しながら満室経営を続けている。 お金面とビジョン面の両立を大切にしており、モットーは「一人ひとりの可能性をもっと世の中に」。会社員を続ける傍ら、学生時代に起業した会社とあわせて株式会社を3社創業。うち1社は売却し現在は2社を経営している。他にもエンジェル投資家として若手実業家の支援を手がける一面も。 日経新聞や不動産業界紙、書籍や雑誌、テレビなどでも多数の注目を集めておりセミナー講師なども行う。宅地建物取引士を保有。

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