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マンション火事の体験と火災保険をめぐり起こったトラブルを紹介

本記事は、筆者自身が実際に体験したマンション火災と、その後の不動産会社・保険会社とのやり取りを記録したモノです。

この経験を通して不動産と火災保険というものについていくつかの教訓があり、今後不動産を購入しようと考えている方の参考になればと思い書き記しております。

是非参考にしてみてください。

目次

マンションの賃貸と火災保険

賃貸借契約と失火賠償責任保険

自分が住んでいた分譲マンションを転勤や買い替え等で賃貸するケースは良くある話です。

私の場合は後者です。

24年前に購入したマンションで最寄り駅まで徒歩15分と、やや不便な立地。

ローン残もあり、買い替えは無理と思っていましたが、色々と相談してみると、仮に売却でローン残があるとダブルローンになるので無理とのことでしたが、賃貸にすることによる賃料収入を当該マンションのローン返済に充てることで新たなローンを組める、つまりマンションを新規購入できることがわかりました。

また、賃貸管理も空室リスクを避けるため、いわゆる不動産仲介業者による「サブリース契約」での賃貸としました。

詳細は割愛しますが、手数料は取られますがほぼ丸投げの管理です。

空室リスクはなく、賃料が確実に入る仕組みです。

その時の契約内容に入居者が「失火賠償責任保険」に加入することを義務付けています。

これは、アパート等への賃貸入居の際でも同様に義務付けられているケースが多く、賃借人(入居者)の失火により建物に被害が発生した場合の「原状回復義務」を約定しているものです。

多くの賃貸借契約には、この「失火賠償責任保険」への加入が義務付けられています。

自分の財産は自分で守る

一般的に建物所有者は、万が一の火災に備えて「火災保険」に加入します。

一般的にというのは任意であり強制ではないからです。

しかし、日本の法律では、「過失により他人に損害を与えた場合には民法上の責務を負いますが、失火の場合には重過失を除き賠償責任を負わない(失火の責任に関する法律/失火法)」とされています。

つまり、自分の財産は自分で守る必要があるのです。

前述の通り、賃借人(入居者)が失火賠償責任保険に加入したとしても多くの建物所有者は火災保険に加入します。

また、マンションの場合は共用部分への保険としてマンション保険にも加入します。

火災にあってわかったこと

火災発生から通報まで

火災が起きる確率は低いので保険料もさほど高くはありません。

実際、友人・知人との普段の会話でも火災がおきたとの話は聞きません。

まさか、自分がオーナーとして所有し、賃貸借したマンションの一室が全焼となるとは思いもよりませんでした、、、、、が実際におきました。。。

賃借人(入居者)が留守中の火事でした。

入居者からの謝罪の電話では、おそらく、「家電品のコード類からの出火と思われます。」とのこと。

マンションは密封性が高いせいか、煙が外に出て初めて火災に気づかれた近所の方の通報で、消防により消し止められたのですが、既に中はキレイに蒸し焼き状態の全焼でした。

約4年前、マンションを賃貸する時にリフォームしキレイにしたのに、、、悲しいです。

さて、ここからが大変なのです。

発生後1週間の動き

①不動産仲介会社へ、火元入居者から他の居住者への謝罪依頼の電話

専有居室のオーナーとして、まずは、マンション内の他の居住者への謝罪が先決と考えました。

とは言え、実際には私も被害者側であり、火元となった入居者(賃借人)からの謝罪が必須と考え、不動産仲介会社へ電話。

実は前述した通りマンションの賃貸管理については、サブリース契約をしていた関係で、入居者の名前すら知りませんでした。

②マンション管理会社へ電話

前述①の対応をマンション管理会社に伝えるとともに今後の対応について協議。

マンションの密封性が高いことが逆効果となり、火事による焦げ臭い匂いは本当にひどいものです。

火災発生から1週間後に始めて罹災現場(自宅/賃貸居室)に入りましたが、オートロックのマンション入口を入った途端に焦げ臭い匂いが鼻をつきました。

部屋に入ればなおひどく、もちろんマスクをしましたが中に3分いるのもつらい状況でした。

マンション居住者はさぞかしその匂いにも困っているだろうと思い、いち早くキレイに再建することが大事だと思いました。

したがって、専有居室の修繕時期等マンション理事会への情報連携をはかっていただくよう管理会社に要請しました。

③住宅支援機構(旧住宅金融公庫)へ電話

一般的にマンション購入に際し、ローンを組む前提条件として火災保険への加入が義務付けられていて、私も加入していました。

早速、保険証券を見ながら住宅支援機構に電話し(保険証券は旧住宅金融公庫のままの記載です)、幹事保険会社の担当も決まりました。

④工事見積りおよび業者選定

不動産仲介業者からの連絡で

「入居者加入(失火賠償責任保険)の保険会社担当(以降A社と言う)より、現場調査は終了したので工事見積りの提出を急いでほしい。」

とのことで、早速、業者選定に入りました。

発生後8目から50日までの動き

①不動産仲介業者およびA社との電話でのやりとり

まず、罹災後10日以上経っても火元となった入居者からは一切の連絡、謝罪もなく、さすがにひどいと思い不動産仲介業者の担当に苦情を申し入れました。

その後、入居者より謝罪の電話がありました。

マンション居住者には罹災後すぐに謝罪をしてくれたようなので、そこは救われました。

また、その電話で、私からは「マンション入居者が匂いで困っていると思うのでいち早く工事に着工したい。

したがって、焼失家財等を早く撤去してもらいたい」と伝えました。入居者もA社と話をしたようですが、要領を得ませんでした。

そのような経過から、A社と直接話したい旨を不動産仲介業者経由で伝えていただき、ようやくA社とコンタクトがとれました。

内容としては、「入居者の保険なので立ち入れる話ではないと思うが保険の対象有無も含め、火災現場の焼失廃材を早く撤去できるよう入居者と話してもらいたい。」

と伝えました。

②複雑な保険関係

今回のマンション火災で関係する保険会社が3社。

入居者が加入している失火賠償責任保険のA社、私が加入している住宅支援機構の幹事保険会社のB社、そして、マンション共用部分に関わるマンション保険C社の計3社。

ただし、C社はマンション管理会社対応ですので管理会社との調整事項となります。

いずれにしても、私自身、仕事をしながら、合間での対応で、ほとんどすべてを電話対応でこなしました。

第一優先はA社となります。

A社の保険支払額が確定してB社の保険支払額が確定します。

仮にA社がなければ単純にB社だけの認定ですぐに支払いがされたと思いますが、賃貸契約条項で失火賠償責任保険への加入を義務付けていたがために、厄介なことになりました。

冒頭に記載しましたが、そもそも自分の財産は自分で守る。

日本の法律では住宅に関してはそのような法律になっています。

A社も大変失礼なもの言いで、その法律を持ち出した話をし、結果、「入居者の賃貸借契約の加入義務から関わっている次第で入居者とオーナー様の示談が成立しないと払えないのです。」との話。

つまり、支払いが遅くなるのは賃貸借契約条項に入れてるアンタが悪いと言われてるようで大変不愉快でした。

A社から見積りも急ぐよう言われ2社に依頼し、1社からは依頼から約2週間後(罹災後20日後)、もう1社からはさらに1週間後(罹災後27日後)に提出しました。

A社は2社の見積りを鑑定するのにさらに1週間かかるとのこと。

罹災後35日経っても焼失家財の撤去もできず、匂いは徐々にやわらいでるとは思うもののマンション居住者は不満を抱いてるだろうとの思いから、A社に対して一部内払いができないか聞くも、示談をたてにダメでした。

被害が大きいのでなんとかなるだろうと思いましたがダメでした。

私は被害者なのにひどい話です。

③見積額について

ほぼ全焼でしたので、見積りにもそれなりに時間がかかるようで、届いた2社の見積りは偶然とは思いますがいずれも8ページにわたる詳細なものでした。

内容を見ても素人にはまったく分かりませんでした。

ただ、2社の見積額には大きく開きがあり、合計額で800万円と1200万円で400万円もの開きがありました。

ちなみに、先に到着した800万円の業者には聞きましたがバス・トイレ・キッチンなど付帯設備関係は、ほぼ標準での見積りとのこと。

なお、今回は火事による全損ですので、通常のリフォームではなく、骨組み以外の内装・設備をまるごと取り替える、フルリフォーム、いわゆる「スケルトンリフォーム」での見積もりです。

400万円の開きには素人ながらビックリ。

その差の理由は分からずじまいですが、当然のことながら業者選定は見積額の低い業者にしました。

実は前述の通りA社とは時間がかかると判断し、示談成立前でリスクはあると思いましたが業者選定を先行しました(罹災後48日目)。

やはり、マンション居住者のことが気になりました。

マンションの1室で火事が起きたことによりマンション価値が下がる可能性だってあるのです。

ちょうどこのタイミングで焼失家財の撤去も1両日中に行われ、工事も50日目以降から着工できることになりました。

撤去の話もA社・入居者からは何の連絡もなく、たまたま依頼した工事業者が撤去業者と現地で出くわしてわかったことです。なんだかな~。。

④A社の見解

結局A社からの連絡は罹災後52日目でした。

想像どおりでしたがA社の見解は見積額の低い業者を参考に鑑定。鑑定結果は540万円。

失火賠償責任保険では原状回復を前提としていること、新価ではなく時価(経年劣化も考慮)であることでの認定であるとのこと。

詳細にわたる見積り項目すべてにコメントが記載されていましたが素人には分からず。

またまたA社はクールに

「わたくしどもの鑑定では540万円となりました。ご納得いただけるかは分かりませんが不足する分についてはB社とご相談のうえ、示談のご検討を」

とのたまわれました。

まあ、呆れましたがここはじっと我慢しました。

いずれにしても、業者の話からすると実際の損害はおそらく800万円に限りなく近いと想定し、とりあえずA社の見解をB社に伝えるとともに、A社の見解・コメントをチェックしてもらうことにしました。

⑤B社の見解

A社の見解および鑑定後の見積りを急ぎB社にFAX。

B社でもチェックに1週間はかかるとのことでしたが電話がきたのは2週間後(罹災後65日目)でした。

B社の見解は、A社の示した540万円は

「実際には全損で、再建にはほぼ見積額である800万円くらいはかかると考える。ただ、失火賠償責任保険の原状回復は再調達価額ではなく時価での鑑定であり妥当であると考える。したがって、見積額相当の契約(再調達価額)をされているので、差額相当分はB社よりお支払いします。」

とのこと。

マンションの共用部分と専有部分

実際にマンション購入時や購入後の日常生活においても「マンションの共用部分」を意識したことはあまりありませんでした。

今回の火災で初めてその分類を強く意識させられました。

と言うのも、焼失後の再建にあたっては、保険の支払い責任が明確に区分されるからです。

購入時のマンション管理規約には共用・専有の区分が明確になっているのです。

例えば、玄関ドアや窓・サッシは共用部分です。

したがって、私が依頼した工事業者はあくまでも専有部分であり、共用部分については、マンション管理組合が依頼する業者となります。

工事にあたっては業者間の連携も必須となります。

マンション再建後の検討

工事着工から完成まで

罹災後50日目から工事着工となり、以降、再建(フルリフォーム)・完成まで約50日(罹災後100日)とのこと。

完成後の対応について

①引き続きサブリース契約(賃貸借契約)を続ける
②サブリース契約を解除し、売却する。

の2案について検討しました。

賃貸にしろ売却にしろ“火災が起きた物件”として扱われるのは間違いなく悩ましい判断でしたが、売却の方向で検討を始めました。

ところが、またまた難解な壁が立ちはだかりました。

サブリース契約をしている不動産仲介会社とのやりとり

サブリース契約の内容

おそらく一般的な契約内容と思いますが主には

①契約期間=6年
②賃料
③契約更新
④契約解除

等についての記載です。

なお、契約当事者は私とサブリース契約不動産仲介会社(以下D社と言う)であり、入居者は関係ありません。

なお、契約解除条項として

「賃貸借期間内であっても~双方とも書面の通達により6ヶ月間の予告をもって解除することができる。また、3ヶ月分の賃料を支払うことにより即時に本契約を解約することができる」

とあります。

サブリース契約での取り決めがないことでのやりとり

私からサブリース契約をしたD社に対して以下の質問をしました。

①サブリース契約を解除したいがどうか?契約内容では今回のケース、つまり、賃借人の過失による物件の焼失を想定した内容にはなっていないと思うが?

マンションの賃貸管理を数多くやっているが前例はない。社内で検討をしたが、賃借人の過失による焼失が原因での解除は取り決めになく認められない。よって、引き続きサブリース契約満了の6年間(残り1年半)を続けていただくか、そちらの事情による解除と言うことで契約に示した家賃3ヶ月分の違約金をお支払いいただくことになります。仮に再建(原状回復)後の売却としても新しいオーナー様にサブリース契約を承継していただきたい。

②いくら何でも売却後の新たなオーナーにサブリース契約の承継と言うのは無理ではないか?

あくまでも、「賃借人の過失によってサブリース契約対象物件が焼失した」ということで違約金無しでの解除を可能とすべきではないかという相談である。

サブリース契約では賃借人に失火賠償責任保険への加入を義務付けており、その保険で原状回復を想定しており、賃借人過失による焼失での解除は想定していない。

③失火賠償責任保険での原状回復義務が契約内容にあり、履行したのだから解除できないと聞こえるが、そのA社とは示談も成立していない。

ましてや、800万円という見積額からもA社の提示額540万円では、到底原状回復できない。

つまり当方の保険金を活用して原状回復となる。

そちらの入居者が原因で焼失したのであり、かつ原状回復を完結できないのであれば当方責任による違約金支払いによる解除には納得できない。

オーナー様の仰ることは十分理解しますので再度、社内で検討します。

以上のようなやり取りがありましたが結局、「当方の違約金支払いでの契約解除しかできない。申し訳ありません」とのことでした。

よって、D社からは「解除にあたっては6ヶ月前通知の契約条項があり、即時解除希望とのことなので当初契約にもとづき、賃料の3ヶ月分を違約金としてただきます」とのこと。

違約金支払いには納得できませんが、私としては他のマンション居住者のことを最優先に考え、早く綺麗にしたいとの思いでした。

したがって、まず賃借人加入の失火賠償責任保険のA社と提示額540万円で示談しました。

なお、フルリフォームは当初見積額の800万円かかっており不足分は当方保険でまかなえました。

再建後のマンション売却までの流れ

不動産仲介会社の選定

売却の仲介をしていただく不動産会社の選定にあたっては数社足を運びました。

結果、地元業者を選定しました。

理由としては、当該マンション近郊での販売実績が1年以内にあるかないかで当初の売り出し価格の設定に大きな開きがあったからです。

やはり、販売実績のない業者は一般的な相場価格から当初売り出し価格の設定を低くせざるを得ないからです。

なお、いずれの業者も、売却にあたっては火事があったことを告げる必要があるとのことで、その部分でも最終的には価格交渉がされてるであろうとのことは私も理解しているところです。

マンション売却決定

当初売り出し価格の設定にあたっては、専門家である仲介不動産会社のアドバイスによって決定しました。

築年数、間取り、向き等近隣相場をもとに検討しました。

加えて「フルリフォーム」であることと、火事による交渉も想定し、相場より少し高めで設定しました。

結果的には、当初売り出し価格から2度の引き下げをし、購入希望者がでた最終交渉でもう1度引き下げましたので都合3回の引き下げとなりました。

とは言え、相場価格を若干下回る程度で売却できました。

感謝、感謝です。

ちなみに、販売開始から約6ヶ月後の売却です。

火事~売却後の所感

火事が起きてからマンション売却まで、実に11ヶ月を要しました。

ただし、売却にかかった6ヶ月はやむを得ないとしても、その他の5ヶ月が大変でした。

その内フルリフォームの期間は1ヶ月半くらいでした。

大変だったことは前述したとおり数多くありますが、関係する保険会社が3社あり複雑で時間を要しました。

加えて、マンションであったことから占有部分と共有部分でも責任範囲が異なり工事業者も異なることになり、調整に苦労しました。

サブリース契約による賃貸借についても最良の選択かは慎重に判断すべきと思いました。

いい勉強になりました。

色々と苦労し、焼け損だなとは思います。

ですが、実質かかった費用面だけを見ると、結果論ではありますが、火事による再建費用は保険金でまかなえたこと、ほぼほぼ相場近くで売却できたことを考えると、不謹慎かもしれませんが「得した」ことになります。

何故なら、仮に火事がなく中古マンションの売却を考える場合、綺麗にして少しでも高く売るか、もしくはそのままで売るかになります。

通常リフォームでも200~300万円程度の自己負担はあるわけで、売却価額からはその分が考慮されることになります。

今回のようにフルリフォーム費用800万円を保険金でまかない、「新築」でき、売却価額に反映できたわけで、その部分は「得した」と言えます。

あくまでも結果論ですが。

「新築」といいましたがマンションですので外壁・外観はなんら変わりません。

しかし、共有部分である、玄関ドア、窓サッシ、ベランダサッシ等はマンション保険ですべて新品に取り替えられました。

フルリフォームでも共有部分は勝手に取り替えられませんから購入者にとっては相場価格より割安で「新築」を手にできたのです。

まさに売り手・買い手ともWIN-WINです。

教訓

家を持つなら“戸建かマンションか”の議論はやめておきます。

今回は私自身が24年前に新築分譲マンションを購入し、その後、賃貸借をし、その賃借人の失火により全焼した体験から得られた教訓として

[su_list icon=”icon: check-square-o”]
  • 適正額で火災保険加入すること
  • サブリース契約は慎重に
[/su_list]

この2つが挙げられます。

適正額での火災保険加入

火災保険は自宅用・賃貸借用いずれの場合でも適正額での加入は必須です。

特に融資を受けてマンション購入する場合がほとんどでしょうから、万が一火事で焼失した場合、保険がなければ住宅ローンだけが残るという悲惨なことになります。

特に注意したいのが「適正額」で加入しているかどうかです。

例えば、仮に3000万円で購入したマンション(専有面積20坪)を自己資金等を除き1000万円の住宅ローンを組むとした場合、融資側(貸す側)は1000万円の債権保全がされればいいわけです。

つまり、「1000万円の火災保険に加入してください」となります。

マンション価格は土地込みの販売価格ですから実際には火事で土地まで焼失するとはならないので建物評価分の保険加入が必要です。

仮に20坪の専有面積とすれば場所にもよりますがおおよそ1400万円~1600万円となります。

したがって、債権保全分の1000万円加入では全焼した場合、不足することになります。

つまり、不足分は別途、火災保険に加入する必要があります。

案外見落としがちな点です。

また、私のように賃貸借ではなく、自宅としての場合は家財も焼失しますから、その分も加入しないと、すべて持ち出しになります。

今からでも遅くありません。ご自身の火災保険をチェックしてみてください。

なお、すでにお話ししたように、共有部分はマンション管理組合でマンション保険に加入していること、また賃貸借の場合は入居者に賠償責任保険に加入していただくなど、保険関係での手続きが複雑になるのは避けられません。

賃貸借時の留意点

まず最初に考えることは賃貸借する場合の賃貸管理(賃借料集金等)をどうするかです。

選択肢は

①自分ですべて行う
②不動産会社等仲介会社に任せる

の大きく分けて2つです。

私の場合は後者②で、いわゆる「サブリース契約」です。

ネットで検索すると出ますので詳細は割愛します。

不動産会社というよりは、賃貸管理を専門にやっている会社です。

ネットでばトラブルも紹介されていますがメリットも多いです。

最大のメリットは賃料保証です。

オーナーにとっては空室になって賃料収入が見込めなくなるのが最大のリスクです。

賃料の集金はもとより賃貸借の募集から管理の一切を代行してくれて、空室時の賃料保証もあります。

当然、仲介会社へは手数料を支払いますので実質の手取り賃料収入は少なくなります。

賃貸経営をする多くの人が利用していることからもその魅力は大きいのでしょう。

ちなみに私の場合、賃料固定の保証期間は6年でした。

せめて6年間はフル活用したかったのですが、1年たらずの期間で焼失してしまいました。

さて、いい話ばかりしましたが、この“保証期間”を過ぎてからが大変なようです。

他では10年保証期間もあるようですが、いずれの場合でも期間後の賃料を下げられる可能性は大きく、そのことも見込んだ収支プランは必須です。

また、サブリース契約をこちら側から解除したい場合、6ヶ月前通知等の契約条項があり、守らなければ3ヶ月分の家賃相当額を違約金として支払うなどの契約条項があり、実際、私も違約金を支払ったのです。

サブリース契約をするにしても、実績・信用のある会社を選択すべきでしょう。

以上が私の体験から得られた教訓です。

皆さんの不動産売買の参考になれば幸いです。

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ABOUT US
弦本 卓也
1987年、埼玉県生まれ。大学卒業後、大手広告会社「リクルート」にて不動産メディア「スーモ」(SUUMO)の運営に従事。新卒で入社して、スーモのメディアづくりを7年、その後にエンジニア組織の組織づくりを4年行う。 また、リクルート社内の部活動制度にて「大家部」を立ち上げ部長を務める。不動産投資に関する情報交換や物件見学のワークショップなどを行う。 入社2年目に新築一戸建ての広告を取り扱う部署に異動したことをきっかけに、「いい企画を作るためには、まずは自分で経験したい」という想いから個人で新築一戸建てを購入。その翌年には売却分野を担当したことをきっかけに売却も経験。マンションの売買なども行い、11年間で11回の引っ越しを経験。 「新しい住まいや暮らしを自ら探究したい」という気持ちで購入した東京都千代田区の神保町の中古ビル「弦本ビル」は、コワーキングスペース、シェアオフィス、シェアハウス、飲食店が入居する複合ビルとなっており、20代を中心とした若手社会人や学生のやりたいことを実現する場所として注目を集めている。3年間で延べ1万人以上の来場者を記録し、家賃年収1,400万円を達成しながら満室経営を続けている。 お金面とビジョン面の両立を大切にしており、モットーは「一人ひとりの可能性をもっと世の中に」。会社員を続ける傍ら、学生時代に起業した会社とあわせて株式会社を3社創業。うち1社は売却し現在は2社を経営している。他にもエンジェル投資家として若手実業家の支援を手がける一面も。 日経新聞や不動産業界紙、書籍や雑誌、テレビなどでも多数の注目を集めておりセミナー講師なども行う。宅地建物取引士を保有。