「不動産仲介業は未経験でも起業できるのか?」という質問は、多くの方からいただく質問のひとつです。もちろん、不動産業界に関わらず、新しい業界で働くのであれば、未経験よりも経験があったほうがいいのは事実です。しかし、不動産仲介業では、開業してから経験を積むこともそこまで難しくはありません。
今回は、不動産仲介業を未経験で開業した場合に、どのようにして不動産仲介の実務で経験を積んでプロの営業になっていくかについて解説します。
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不動産仲介業で独立すると聞くと、すでに不動産仲介会社でトップレベルだった営業が開業をするイメージが強いでしょう、しかし、トップ営業もだれもが最初は未経験です。
また、不動産会社を開業する前に他の不動産会社で下積みとして、いわゆる修行をしようと考えることも多いですが、案外、不動産仲介会社に転職して学ぼうとしても、教育が整っていない場合が多いです。いきなり放り出されて、結局自分で勉強するしかなかったという状況も多くあるでしょう。不動産業界では個人の成績で給与が決まる歩合制で、個人プレーで動く人たちが多いです。手厚い研修などがしっかり用意されていて、福利厚生のしっかりしている不動産会社はそこまで多くありません。
いずれにしても、自分から実務の現場に出て、学び成長していく力が求められます。とにかく、経験をすることと、経験から学んでいくことが大切です。きちんと仕事をしていけば、気がつくと一人前になっているものでしょう。
不動産仲介業には、不動産の売買の仲介と、不動産の賃貸の仲介の2種類の仲介のかたちがあります。売買の仲介は、自宅などを売りに出している人と、それを買いたいと思う人の間に立って、取引を仲介する形式です。一方で、賃貸の仲介は、家探しをしたことのある方なら多くの方が経験しているかも知れませんが、家を借りたいと思った人に対して、家を貸したいと思った人を結びつけて、間に入り仲介をする形式です。
不動産の仲介では、売買では高額な家を扱いますので、難しい決まりや考慮するべき重要事項なども数多く存在します。一方で、賃貸の仲介の場合には、そこまで多くのルールはありません。また、賃貸の場合には売買の場合と比べて比較的価格が低く、気軽に住み替えもできることから、売買の場合ほど慎重に家を見きわめることもありません。
そのため、まずは不動産仲介業の中でも、賃貸仲介からはじめるのがよいでしょう。仲介は2社が協力しながら契約を進めていくものですので、学びながらも一緒に契約が成立するように進めていきましょう。
不動産の賃貸仲介では、まずは家を探している人を見つけることからはじめましょう。賃貸の仲介では、貸したい側と借りたい側の2種類のお客さんがいますが、未経験のうちから貸したい側を探すのは難しいことでしょう。それよりも、家族や親戚、これまでの付き合いのある友人や知人などから、家探しをしたい人を見つけるほうが簡単だといえます。
また、賃貸仲介では、賃貸借契約書を結びますが、そのフォーマットの手配は、不動産を貸す側の不動産仲介会社が用意するのが通常です。オーナーに責任をもって契約内容を説明をできるように、貸す側の不動産屋さんが物件の状況の記載や契約の条件の記載などを細かく定めているのです。そのため、借りる側のお客さんを見つけた不動産仲介会社は、契約書の作成や説明などを、そこまで十分にしなくても良い立場であるといえるのです。
もちろん、誠意を持って一生懸命、お客さんにも取引先の不動産仲介会社にも接するのが当然ですが、取引先の不動産仲介会社には、未経験であることを伝えて、指示を受けながらも用意してもらった申込書などを使用し、契約書なども読みこみ、言われたことにこたえていくと、取引が成立することが多いです。
こうして不動産の賃貸の不動産の見方や、賃貸借契約の書き方などを学べば、ゆくゆくは反対の立場である、オーナーを見つけて貸す側の不動産仲介会社になることができるようになります。それまでは家探しをして物件を探している側の接客をして、経験を積んでいくのがよいでしょう。
不動産の売買仲介は、1回あたりの手数料単価が高いものの、取引の前後に知っておくべきルールやおこなう手続きの難易度が格段に高いです。物件も個別性が高いため、共通して通用することもそこまで多くはありません。
しかし、不動産の売買では特に適正な取引が促進できるように、国土交通省や保証協会などが、ガイドラインや契約のテンプレートなどを定めています。また、保証協会は種類や地域によって、未経験の開業者向けに営業研修などもおこなってくれています。それらの制度を利用して教えてもらうのもおすすめです。
もし、自身も不動産を買う経験をして勉強してみたいようであれば、自分で不動産会社に問い合わせて、物件の案内をしてもらったり、契約書を作成してもらったりして、買ってみるのもおすすめです。自分で買う経験をしておけば、お客さんへの営業のトークでも自分が買った物件の話もでき、説得力が増すでしょう。
不動産の仲介の営業は、賃貸仲介であっても売買仲介であっても、事務所内に5人に1人の宅地建物取引士(宅建士)がいれば、必ずしも自身は宅地建物取引士(宅建士)の資格がなくても営業をすることが可能です。もし、宅地建物取引士(宅建士)の方が身近にいるのであれば、資格を取っていない段階から不動産仲介の営業を経験させてもらうのもよいでしょう。
しかし、とくに売買仲介をおこなう場合には、取引が複雑で責任も非常に大きいことから、身近に経験豊富な宅地建物取引士(宅建士)がいない場合には、自分で免許を取得しておいたほうがよいでしょう。もしも最速での開業を目指すのであれば、資格の勉強と並行して実務の経験を積んでいき、資格を取得してから起業をするのがおすすめです。
不動産業界の資格には、いくつか種類がありますが、まずは宅地建物取引士(宅建士)の資格があれば問題ありません。
なお、はじめて宅建試験の勉強をする場合には、こちらのテキストや問題集がおすすめです。
不動産屋の開業をご検討の方は、ぜひお気軽にご相談ください。