『オンラインサロンのつくりかた』読書ノート
■オンラインサロンとは
オンラインサロンとは
近年では芸能人やインフルエンサーなどがはじめている
オンライン(インターネット)で主催者と参加者がコミュニケーションをとるサービス
従来の縦のつながり(先生と生徒の関係)だけでなく会員同士の横のつながりがあるもの
月会費型の課金モデルが多い(年会費や入会費のみのものもある)
コミュニティとは
従来のコミュニティは共同体、地域社会を意味しており、住んでいる地域や所属している会社にしばられていた(途中で抜けるコストが高かった)
オンラインサロンでは、自分で選べ、気軽に辞めることができる
組織は目標や成果が外向きだったが、コミュニティは自分たちの中にある
オンラインサロンのコミュニティは
共通の価値観と目標をもっている
安心安全な環境で、一緒に成長していける
オンラインサロンのメリット
①環境を変えて、従来の組織や地域コミュニティにしばられない「本当の自分」に出会える
②普段は物理的に出会えないような人とでも、時間や場所の制約なく関われる、学べる(忙しくても参加ができる、リアルよりも安く情報が得られる)
③安心安全な場所として、自分の居場所にできる(家族、学校や会社以外の第三の居場所)
④信頼できる人から専門的な情報を得られる
オンラインサロンが代替している価値
・優良な情報、限定コンテンツの配信
・出会いの場(友達、恋人、仕事)
・ゆるやかな企業体
・ギルド(相互扶助)
コミュニティの提供価値
お金を払ってでも働きたい(スキルアップの仕事をしたい)
お金を払ってでも好きな人の近くにいたい(有名人に近づきたい、学びたい、コミュニティへ貢献したい)
■オンラインサロンのつくりかた
オンラインサロンの種類を決める
①私塾型…あるテーマに関して、専門家が先導し、学びたい受講者にコンテンツを提供する(オーナーは先生という位置づけ)
②キュレーター型…テーマをもとに、キュレーションされた情報を得られる(オーナーはある分野のオタクやヘビーユーザー)
③交流会型…テーマをもとに参加者同士がマッチングし、情報交換する(オーナーは仲間という位置づけ)
④共同プロジェクト型…オーナーが持ち込んだテーマを、会員が一緒に取り組む(オーナーは応援してもらう)
テーマを決める
自分がお金や時間を投資してきたテーマを洗い出し、複数のテーマから共通点を見つける(悩みを克服する前の自分やまわりの人をターゲットにするとよい)
サロンのテーマに対して、ターゲットとなる会員の悩みと、それを解決するために何にお金を払うかを分析する
ターゲットとなる会員が集まると他社とコラボできるか、他社にも魅力的に見えるか
明確な提供価値を定義する(何にいくらの価値があるのか)
競合サービスのターゲット、提供価値、価格をリサーチし、自分のサービスで提供できる競合優位性を分析する
コンセプトを決める
だれのどんな悩みを、どんな活動で、解決してどのようになるのか
コンセプトにあわせて運営する、コンセプトに共感する会員をあつめる(ミスマッチでお互いに消耗してしまわないようにする)
会員のターゲット
悩みの解決に向けて実際に行動していて、時間とお金を使っている人
コンセプトに共感し、提供した価値によって悩みを解決してくれそうな人
インプットをしつづけている人(アウトプットをする場所を提供することが価値になりそうな人)
注意点
妄想しすぎない(実際に困っている人を探してヒアリングすることが重要)
既存の商品を売ることありきでコンセプトをつくらない
抽象的に考えすぎない
コンセプトをつくりこみすぎない(遊びの部分がある方が会員に自分ごととして一緒につくってもらえる)
コミュニティの成長にあわせてコンセプトを変えてもOK
ビジョンを考える
中長期的に実現したい理想を掲げる(短期的な提供価値に閉じない)
オーナーも会員も一つの方向に向かえるものにする
目先のメリットだけでなく、ビジョンも踏まえて入会してもらう
小手先の「なにをするのか」ではなく、「なぜするのか」のほうが大事
ビジョンのあるサロンやオーナーは魅力的で、自分も関わりたい、応援したいと思ってもらえる
ビジョンを掲げるだけでなく、そのビジョンに向けて進む(一歩を踏み出す)
ノウハウ提供型とビジョン提供型のちがい
ノウハウ提供型…フォロアーが多く、自分が提供する以上の成果が出しづらい。安定しやすいが、コンテンツを提供し続けなければならない
ビジョン提供型…運営の難易度は高いが、自分以上の強みをのある人たちが集まる。オーナーや会員とともに、コミュニティ自体も成長できる(会員も仲間という位置づけ)。自分が教えなくても会員同士で教えあえる場をつくることが大事
魅力的なビジョンのつくりかた
すぐ達成するような現実的すぎるものでなく、ワクワクするものにする
ビジョンを語って成功している人の話を聞く、本を読む
ビジョンをつくるのが上手い人に相談する
自分の夢ではなく、関わる人や社会全体をよくするものにする
5W2Hで具体的にイメージする
運営の仲間集め
作業者ではなく、ビジョンが近く同じ方向を向いている人を見つける
究極は「幸せになりたい」だが、方向性が人によって少しずつ異なるもの
ビジョンの聞き方
①これからやりたいことを聞く
②どうしてそう思ったのか、過去の話を聞く
③今の状況を聞く
④未来と現状のギャップを聞き、どのようにギャップを埋めようとしているのかを聞く
⑤自分のアイデアを精一杯提案する
⑥共感してもらえた場合は、一緒に実現できそうな小さな取り組みに誘う
コミュニティが自走するために
オーナー自身がビジョンを本当に実現したいと想う
会員にとっても実現したいと思える
実現したら幸せな人が増えると思える
ビジョンの実現に向けて、会員が関われる余白がある
オンラインサロンのコンテンツの要素
学び、目標、仲間、ロールモデル(少し先で成功している、目標とするお手本)、ペースメーカー(締め切り)
知識や理論よりも挑戦、実践、成長
定期勉強会、動画配信、Q&Aのできる掲示板、オンライングループコンサルティング
オンラインサロンと他の組織の違い
学習塾(起業塾)との違い
会員同士の教えあい、一人でなくみんなで目標を達成、定性的な成果がある(モチベーションがあがる、友だちができるなど)
会社との違い
受動的ではなく能動的、人とのつながりを重視、生活のためではない、目標の達成が義務ではない、制約がなく自由
地域コミュニティとの違い
付き合う人を選べる、ヒエラルキーにしばられない
カスタマージャーニーマップをつくる
会員が入会から卒業までに、どのように成長していくか(求める行動、触れるコンテンツ、気持ちの変化)
入会前→入会直後→1週間後→1ヵ月後→3ヵ月後→6ヵ月後→卒業時→卒業後
実際に運営をしながら定期的に振り返り、細かく修正をして、運営者から促進するアクションを設計していく
卒業後に成果が出る場合もあるので、進捗を聞きやすい状態をつくっておく
金額設定について
サロンをつくる前に、勉強会をしてみて参加者にサロンのニーズをヒアリングする(できるかぎり1対1で聞く)
月額5,000円であれば本3冊分や飲み会1回分と比較される
累積で1万円を払うころ、2~3ヵ月が経過したころに継続か退会かを考えはじめる
用意するコンテンツ
・入会前「何が得られるのか?」「どんな人がいるのか?」「馴染めるのか?」
入会時のオリエンテーション(参加の理由、入会の目的、現在の仕事、現状の課題、ここで実現したいことを話してもらう)
オーナーや運営者のプロフィール、実績
どのような会員がいるのか、ロールモデル
提供するコンテンツ
お試し参加のできるイベント
・入会直後「ここでなにをしたらよいか?」「コミュニティのルールと実態はどうか?」
入会後のマニュアル(ルール、ガイドライン)
コンテンツのある場所のラインナップ
最初に知って得する情報
自己紹介のお願い(歓迎メッセージ)
「○期生」があると同級生の連帯感が生まれる
・イベント参加時
イベントは、オンラインで動画が見られるようにする
オフラインでの参加はリアルの交流に価値をおく(自己紹介タイムやぐるーぷわなどでの仲間づくり、直接フィードバックをもらえるなど)
イベント参加後にフォローアップをする
・3ヵ月後「役に立ったか?」「生活の一部になっているか?」「継続するか?」
進捗報告会(定例で中間報告の時間を設ける、報告スレッドで進捗を投稿する)
横のつながり
・6ヵ月後
先生として自発的な勉強会やイベントの開催
新しい入会者との関わり(お世話)
・退会時
解約しやすい、出戻りしやすい雰囲気をつくる
歓迎会、送迎会
解約の理由を聞き、改善に役立てる
■集客の仕方
・専門家として認知と信頼を得る
①SNSやブログでの発信
Facebook、note、Twitter、WordPressなどのサイト、ブログサービス(はてなブログなど)
ポジション(立ち位置)を明確にする(賛成か反対か、好きか嫌いか)
ゴールを明確にする(現在やっていること、過去にやってきたこと、未来にやりたいこと)
発信をしつづける(ゴールに近づいていく様子を発信しつづける)
ノウハウ系の記事タイトル:◯○とは何か、知っていないと損をすること、知っていると得をすること、◯○がよい3つの理由、いま◯○が必要な理由、◯○の学び方、上手な◯○の選び方
体験談系の記事タイトル:◯○で失敗した私の話、◯○を学んでよかった話、◯○で変わった話、◯○を活用している人
プロフィールを書く(基本情報、仕事内容、ストーリー、実績、関係者の声、外部サイトのリンク)
プロフィールをURLで送れるようにしておく(だれかに紹介される場合にもURLで送ってもらいやすい)
SNSアカウントでもプロフィールを揃えておき、投稿する
②発信にリアクションをもらう
「◯○について知りたい人?」などとテーマについて発信し、リアクションのあった人に個別にメッセージを送り、誘う
要件だけでなく、定型文ではなく個人的な挨拶のメッセージでワンクッションをはさむ
③見込み客のリストをつくる
ビジョンに共感してもらえるか×お金を払ってもらえるか
すでに見込み客のいる専門家とコラボイベントを開催する
リザストがおすすめ
④会員募集をする
対面で一人ひとり話をする(直接感想や意見などの反応をもらう)
Webで告知する(コンセプト、ビジョン、カリキュラム、どんな人に来てほしいのか、会費、決済方法、必要なアカウント、禁止事項)
ペライチがおすすめ
オンラインだけで会うのが不安な場合には、リアルで会ってから入会してもらうというのもよい
楽しく活動することが目的なので、強い売り込みはしない
■運営
事務局の役割(コンテンツ作成、集客、運営、盛り上げ)
入会時期ごとのカリキュラム、学習フェーズごとのカリキュラムをつくる
売上の3割を目安に講師を呼ぶ、運営を外注するとよい(動画撮影、動画編集、イベントレポート、メルマガ配信、ブログ執筆、動画販売など)
オンライン相談会を開催すると、会員も参加しやすく講師も話しやすい、会員を中心にコンテンツをつくりやすい
プロジェクトや分科会、部活をつくり報告会を開催する(リーダーの役割をつくる)
特典をつくる(イベント参加費の割引、個別コンサルティングの割引、優先参加権、オフ会参加権)
今月(今週)のイベント情報を送る
運営の振り返りをする
1週間~1ヵ月に1度はおこなう
盛り上がりを定量化する(投稿数、投稿への反応数など)
会員数、退会率、既読率、イベント参加率
ワンソースマルチユースをする
オフラインのイベントをオンライン配信する(動画、ブログ記事など)
内部向けのイベントでも外部の集客に流用する(お試し参加、無料特典、一部を切り出して集客用コンテンツ化など)
会員限定動画はFacebookライブ、Youtubeの限定公開、Vimeoのパスワード付きがおすすめ
大人数での会議ではZoomがおすすめ。講師がスライドを映して授業をすることもできる
得意な会員がいれば外注してもよい
会員の成長をコンテンツ化する
ロールモデルの成功ストーリーをインタビューし、記事化する(いつ、どこで、なにを、どのようにしたのか)
記事化された会員も、成功事例として取りあげられ承認されることで満足度が高まる(本人にシェアをしてもらいやすい)
アップセル、クロスセル
会員の悩みを聞いて新しいサービスをつくる(商品化に向けてお試ししてもらう)
会員サポートの質や数を増やす
提供した価値を可視化する
学習コンテンツを増やす
会員のスキルの商品化を手伝い手数料をもらう
会員の集客を手伝い紹介料をもらう
成長した会員が必要になるサービスを提供する、専門家を紹介する
コミュニティ運営の経験をもとに事業展開をする(コンサルティングなど)
コミュニティの価値をもとに会場費を割引をしてもらう、コラボをしてもらう
顔と名前が一致するのは100~150人程度まで
コミュニティづくりやブランディングに関するおすすめの書籍
コミュニティの特徴と事例を知り、企業や個人でコミュニティをつくり、ブランディング化し、マーケティングとして収益を上げるために役立つ本を紹介します。
もしよろしければ、コミュニティづくりやブランディングの参考にしていただければと思います。