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ニューヨーク滞在記⑪タイムズスクエアの吉野家、ブロードウェイへ!

Sep/02/2008 TUE 快晴

睡眠2:30→7:30

7:30になると、携帯電話の2度目のアラームが震えだす。柵のないベッドから落ちないように、壁際に身体をくっつけて寝るのにも慣れてきた。いよいよ新たな一週間のはじまりだ。

ベッドから梯子をつたって器用に飛び降りる。相方はまだ、音も立てずにすやすやと眠っている。昨日の朝食後に洗っておいた果物のプラスチックに、これまた昨日の残りのシリアルとミルクをかけて食べる。お腹はいっぱいになったけれども、昨日の夜に買っておいたシザーサラダが悪くならないうちにと、こちらも食べておくことにする。無理して詰め込む必要もなかったんだけれど、安かったこともあって、日持ちしなさそうなしなびた感じがしたのだ。ミルクはコップ一杯分ぐらいを注いで、あとは飲みきれずに残してしまうこととなった。まだ味は変わってはいないようだけど、ホテルでは机の横に放置しているので、腐ってしまわないかが心配だ。

食べ終わると8:00になり、出発の準備をはじめる。久しぶりの学校なので、身支度だけでなく忘れ物がないかのチェックもしっかりする。相方が寝ていたためトイレで整髪と髭剃りを済ませてくるも、トイレから戻ると起きていた。

それでも急いで出なくてはいけない時間だったので、相方を待ってから8:30に掃除用のチップ1ドル札をおいて、部屋をあとにする。相方は髭は剃っていないものの、目覚めると颯爽と着替えてと、準備が早い。しかし今日はレッドラインでキャナルSt.駅に8:50に着いて、LSI最寄りのキャナルSt.駅に9:00に到着するという、遅刻ギリギリとなってしまった。

授業では席を移動しながら、shouldやmustを用いて職業の当てあいをしたり、アドバイスを出しあったりをする練習をした。そして2時間目はお待ちかねのテストの時間だ。テストは文法が中心で比較的簡単なものだったけれど、日本ではあまり触れてこなかった、単語を用いて例文を創作するという英作文の能力が試されるような問題も多く出題されていた。

放課後の13:00になると、クラスメイトのユウリとカズが昼ご飯を食べに行かないかと誘ってくれた。喜んですぐに快諾する。そうして、クラスメイトのトビー、ユウリ、ユウキ、カズ、それとユウリの友達の目がくりっとした慶応の男の子の、日本人5人にスイス人1人という異色のメンバーで、ランチを食べにいくことになった。

俺はまず、図書館でユウキがメールをチェックするのを待ってから、一同の待つ1階の玄関前の喫煙所へと合流する。そして、とりあえずの目的地のタイムズスクエアへと向かっていく。日本人は日本人で固まってしまうことが非常に多い。個人的にはなるべく英語を話したかったので、アップタウンするレッドラインの電車から、食事までの間ずっとトビーの隣で英語を話していた。

話題はスイスでの生活の様子、用いる言語や家族のこと、遠距離恋愛中の彼女のこと、そして将来の予定などの話だった。英語での会話はいつも難しい。とくに電車内などの外での会話では、雑音や騒音が入ってくるし、お互いに顔を向き合わせて話さないので、口元を見られずなにを言っているかが聞きとりづらい。トビーの発音は比較的聞きとりやすく、そして俺のレベルにあった言葉を多く使ってくれているようで話しやすかった。生の会話では、相手の言うことをしっかり聞いて、それに対して的確な返事を瞬時に返さなくてはいけない。今回は俺が一方的に質問をして、答えに相槌を打って、話を広げていくというかたちになった。彼は前に内気な性格だと自称していたことがあったけれども、特に英語に自信がないわけではなく、優しい性格の持ち主だった。

14:00になって、他の日本人たちが一度は食べてみたいと思っていたという、タイムズスクエアの吉野家に到着した。俺も、ニューヨークには吉野家が2店舗あるってのは日本で噂に聞いたことがあったけれども、彼らの話ではそのうちの1軒は潰れてしまっていて、今はこの1軒しか残っていないとのことだった。

お店を決定する前に、トビーに牛肉は好きかと尋ねてみると、彼はあまり牛肉は好きではないような反応だった。それでも「大丈夫」とのことだったので、最終的に吉野家へと行くことになった。なんだか、ニューヨークの吉野家も、日本の吉野家を再現するような外装になっていたので、ちょっぴり懐かしくもあり、嬉しく思った。

吉野家ではBeef Bowlという名前の、4.75ドルで日本と同じぐらいの大きさのどんぶりの牛丼を頼んでみることにした。味はほとんど日本とは変わらない。ただ肉はやや多めにつがれて出てきた。アメリカ人のための価格設定と、その分の量の肉だというのであれば、間違いなく文句のない内容だと思う。日本ではアメリカ産の牛肉はどうのこうのというのがニュースになったりするけど、こっちではこれまでに味の面で気になることは一度もなかった。トッピングに備え付けの紅ショウガをのせて食べてみる。外国の人なかには紅ショウガが苦手な人も、きっと多いんじゃないかな。トビーも紅ショウガに挑戦してみたけれど、ひりひりして美味しくないと驚いていた様子だった。一方の牛丼の方は、美味しいといって全部平らげてくれていた。けど水をおかわりしてまで飲んでいたので、気をつかってくれていて、実は不得意だったのかもしれない。やっぱり国民性の違いっていうのは、難しそうだ。

トビーをタイムズスクエア駅まで見送って、今日のお昼を誘ってくれた日本人3人とも別れて、俺はユウキとダウンタウンに乗ってLSIに戻ることにした。ユウキは図書館のパソコンを利用して、日本の父親とメールをしたいというのだ。どうやらユウキの話によると、ホームステイ先での様子をユウキの母親にメールで説明したら、父親が日本の旅行会社に苦情を言ったらしかった。

図書室からラウンジまでを行ったり来たりしながらユウキがメールを打つのを待つついでに、図書室で自己紹介カードを18枚、1.8ドルで印刷してみた。自己紹介カードは日本で作成して、20枚ほど印刷してきていたんだけれど、こっちで何枚か配っていったら、残り2枚になってしまっていた。ここでの印刷は紙質が悪く、斜めにずれて印刷されてしまった。用紙自体も正確なサイズの長方形にはなっておらず非常によろしくない。たしかに、初日に配られたノートにはじまり、授業中に配られるプリントも、教科書も、ことごとく筆圧で紙に穴があくほどの品質だった気がしていた。

ついでに職員室に行って、クラスを替えてもらえないかとお願いをしてみることにした。係りの女性に話しかけて、少したらいまわしにされながらも、自分の意思を違和感のない英語で伝えてやりとりをする。彼女からは、この時期は日本人が多いからどのクラスに行っても日本人が多くて仕方がないと言われたんだけど、パソコンで調べてみてくれて、さすがに半数以上が日本人だということで、状況に納得してくれたらしかった。彼女は、最後に「替えたから明日の掲示板を見て確認してみて」と言ってくれた。よかった!クラスが変わって、また新しい出会いや刺激があればいいな。

15:00になると、ユウキがひととおりメールを終えたようで、歩いてノリータやブロードウェイ沿いの店で洋服を探すことになった。やはりユウキはファッションショップを見てまわるのが好きなようだ。ブロードウェイなどの栄えた通りに面するお店は、アウトレットよりはまだ品揃えが都会向きで、東京にも比較的近いテイストでデザインされているようだ。しかし、価格帯はその分高くなっている。

街の交通量は非常に多い。幅の狭い通りでは、人も信号や横断歩道を無視して、車の合間を縫って道路を横断することも少なくない。そして車はいつもいつも、クラクションを鳴らしまくっている。日本ほどうるさい音のクラクションではないものの。車体が黄色のタクシーと、高級車が多いらしく、日本車も多く見られるようだ。高級車に関しては俺はまったくわからないんだけど、相方やユウキは詳しいようだ。

そうそう、ホンダはこっちではアキュラっていう高級ブランドを展開しているらしくて、記号がAのマークなんだってさ。

18:00ごろに途中でふらりと入ったスーパーで、アップルジュースが2.09ドルで安かったので購入する。アメリカで食品の相場がわかってきたなんて、俺も賢いおばちゃんになったわ~。

もう少し歩きまわって、そろそろ夕飯を買うことにする。19:00にタイムズスクエア駅まで行って、前に歩いて帰ったときに買った酒屋さんをさがして歩く。ブロードウェイに沿ってそこそこに歩きつづけて、やっとのことで発見して14ドルでお酒を6本を購入する。そして、そのまま北上を続けて、ホールフーズへと歩いていく。で、グランドサラダ(4.99ドル)とハーブ鳥の腿(11.51ドル)をおつまみに購入して、そしてさらにジンジャーエール(1.64ドル)とセサミのお菓子(2.59ドル)を購入して、ホテルの部屋に戻る。これからホテルの部屋で宴会をやろうということで、これらはユウキと2人で割り勘をした。ジンジャーエールを買ったのはユウキの提案だったんだけど、コウの最終日からいまだに部屋に残っている、美味しくないブルーベリービールと割って、シャンディーガフのようにして飲もうというアイデアだ。これでいくらか飲みやすくなるだろう。

YMCAには20:00ごろにたどりついた。ユウキはもう何度もここに来て覚えているようだ。先に帰って寝ていた相方を起こしてしまったけれども、相方は快く迎え入れてくれた。ユウキと夕飯用にと買ったハーブのお肉を相方にあげて、相方が途中で買ってきたお寿司などをもらい、3人で酒とつまみを食べて、喋る、喋る。

俺はあまり気にならなかったんだけれど、ふと「こないだはここでコウが説教じみてたよね」と相方が笑った。まぁたしかに悟ったかのように話すところはあったかもしれない。ユウキもホームステイ先で色々と大変だったのに、「まぁ、それもいい経験になるよ」なんて言われたことを根にもっていたようだった。ユウキの苦労話はもう毎回、ネタのようになっていているんだけれど、本人にとっては本当に大変なことなんだよね。

23:00になって、一行は解散してユウキを見送ることにした。ユウキはホームステイ先で本格的にモメていることもあって、あまり門限を気にしなくなったようだ。

相方と駅まで見送ったあとに、0:00から30分ほどかけてゆっくりとシャワーを浴びて、色々と整理して、1:00に日記を書きはじめる。と思いきや、1:15には疲れが出て眠くなってきたので、中途半端なものの寝ることにする。

今日は洗濯の必要はない。毎日の洋服のコーディネートが上手くいっている。水があまりよくないせいなのか、紫外線が強いせいなのか、乾燥しているせいなのか、環境のせいで徐々に髪の毛にクセが出てきたような気がする。ちゃんと日本から持ってきたコンディショナーもつけてるのになぁ。そろそろ髪が伸びてきて鬱陶しいなー。

んじゃあ、ぐっない♪

・今週までのクラスメイト
サンボン/韓国、NYで家を借りながら半年通う、映画を撮影するのが趣味らしい
モエ トグリ/日本、東京出身、服を買うのが大好きなギャル、ギャル語を使い授業をかったるいと言う
ユウリ ヤマモト/日本、慶応大学出身
マユミ オオタ/日本、ダンサーっぽい、京都出身、音楽科
タカヒロ ナカジマ/日本、30歳ぐらい、会社を辞めて東洋大学の宗教系の学部に再入学した、将来家業を継いで神主になるらしい
マリナ/ロシア、結構歳はいってそう
サラ/イタリア、金髪に青い瞳
アマリア/スペイン、スペイン人っぽい聞き取りづらい癖のある英語、黒髪
カズヤタカヤマ/日本、多くを英語で会話、大学を卒業して就職せず来たらしい、将来は数学の先生を目指す、左手に障害があるためシャイだったらしい、東京理科大学の数学科

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弦本 卓也
1987年、埼玉県生まれ。大学卒業後、大手広告会社「リクルート」にて不動産メディア「スーモ」(SUUMO)の運営に従事。新卒で入社して、スーモのメディアづくりを7年、その後にエンジニア組織の組織づくりを4年行う。 また、リクルート社内の部活動制度にて「大家部」を立ち上げ部長を務める。不動産投資に関する情報交換や物件見学のワークショップなどを行う。 入社2年目に新築一戸建ての広告を取り扱う部署に異動したことをきっかけに、「いい企画を作るためには、まずは自分で経験したい」という想いから個人で新築一戸建てを購入。その翌年には売却分野を担当したことをきっかけに売却も経験。マンションの売買なども行い、11年間で11回の引っ越しを経験。 「新しい住まいや暮らしを自ら探究したい」という気持ちで購入した東京都千代田区の神保町の中古ビル「弦本ビル」は、コワーキングスペース、シェアオフィス、シェアハウス、飲食店が入居する複合ビルとなっており、20代を中心とした若手社会人や学生のやりたいことを実現する場所として注目を集めている。3年間で延べ1万人以上の来場者を記録し、家賃年収1,400万円を達成しながら満室経営を続けている。 お金面とビジョン面の両立を大切にしており、モットーは「一人ひとりの可能性をもっと世の中に」。会社員を続ける傍ら、学生時代に起業した会社とあわせて株式会社を3社創業。うち1社は売却し現在は2社を経営している。他にもエンジェル投資家として若手実業家の支援を手がける一面も。 日経新聞や不動産業界紙、書籍や雑誌、テレビなどでも多数の注目を集めておりセミナー講師なども行う。宅地建物取引士を保有。