お笑い芸人で株式会社Zeppyの代表取締役社長である井村俊哉さん。2021年10月21日に三井松島ホールディングスの大量保有報告書に68.2万株で5.22%の保有をしたことが公開されたことで話題を呼びました。
今回は、井村俊哉さんの投資手法についてまとめました。
目次
①銘柄発掘
- リサーチに最も時間をかける
- 伸びる会社を安く買う(グロース株投資)
- 割安×成長×モメンタム+インカムゲインのことをアルファ(市場平均に対する超過利益)と呼ぶ
- それぞれの要素が25%ずつになっている割安なものを買うイメージ
- 割安かどうかは、PER、EV、EBITDA、株主還元をみる
- 成長は、成長率、利益率、Moat(競合優位性)、継続性をみる
- 9つの情報源から探す
- 会社の決算発表
- 会社の適時開示情報
- 大量保有報告書
- コンセンサス・レーティング(複数の証券アナリストたちの共通認識)
- 投資家ブログ
- 投資メディア
- 投資家との情報交換
- 日常生活
②業績確認
- 決算情報を見る
- 適時開示ネットiMarket(アイマーケット)が参考になる
- 時間がない場合にはPTSの株価上昇ランキングをもとに、上昇した理由を分析することでトレーニングをする
③事業概要把握
- マネックス証券の銘柄スカウターが参考になる
④銘柄メモ作成
- 会社名、配当性向、ヒアリング情報などを記録する
- Evernoteにメモをする
⑤銘柄リスト更新
- フォルダを作成し、ジャンルごとに分類する
- すでに買っているフォルダ、買う可能性の高いフォルダ、様子見フォルダ、とりあえず入れておくフォルダの4種類に分けておく
⑥開示資料読込
- ①~⑤では広く読み込むが、そのなかで気になる銘柄については深く読み込む
- 有価証券報告書を読む
⑦アナリストレポート閲覧
- 想定されるリスクやチャンスについて、プロの意見を参考にする
- 特に企業にヒアリングした情報は参考になる
- ターゲットプライスについては短期的で薄いことが多いため、話半分にして参考にする
- ブリッジサロン
- シェアードリサーチ
- ホリスティック(証券リサーチセンター)
- フィスコ
- SMBC証券
- みずほ証券
- 大和証券
- 野村證券
- 東海東京証券
- いちよし証券
⑧競合比較
- 個別銘柄のみでみず、競合と比較することでセクター全体がよいのかを見極める
- 他社との差があることではじめて相場を知ることができる
- 海外の銘柄とも比較する
- 同一のセクターのみでなく、類似する隣りのセクターも見る
- バフェットコードの企業比較が参考になる。従業員数、棚卸資産などの細かい検索条件も便利
- 飲食株の場合には、施設面積あたりの売上を計算して比較する
- 開運株の場合には、隻数や重量トンで比較する
⑨将来性の検討
- 定量評価、定性評価で将来性を見極める
- 売上成長率がPERを上回るかを確認する
⑩IRヒアリング
- 事前準備として、開示資料を読み込み、ヒアリング項目を作成しておく
- 自分で調べて分かることは聞かないようにする
- 投資家であることを伝え、自分の名前を名乗る
- 相手の時間を大切にし、希望する取材時間を伝える
- 相手の部署を尋ねる。広報担当よりも経営企画の担当の方が数字に詳しいことが多い
- ヒアリングでは収益構造を把握する(原価と販売管理費の内訳や、商材ごとの粗利率、売上構成比、成長率、採用計画、離職率、求人倍率、季節性、得意先、仕入先、M&A、競合など)
⑪バリュエーション検討
- PERとEBITDAを競合と比較する
- 金額を予測するために、配当性向をみる
- 品質を予測するために、成長率(売上成長率など)、収益性(粗利率など)、継続性(ビジネスモデルなど)をみる
⑫銘柄分析シート作成
- 収益構造の理解のために、必要に応じて作成する
⑬妥協なき情報収集
- 市場を上回るリターンを生む根拠があるかを知りにいく
- 人事異動情報も参考になる
- 業界誌を読むと業界動向がわかる。メディアごとに論調があるため複数誌を参考にする
⑭カタリスト把握
- 株価が上がるタイミングを見極める。地味な銘柄が注目を浴びる瞬間を狙う。いつか上昇するというだけではなく、これから上昇すると確信できるときに買う
- 好材料が出るタイミングを予測する
⑮需要の確認
- カタリストが出た際の反応をみる(空売り残高など)
- 価格帯別出来高を参考にする
- 持株比率のデータから、どのような投資家が投資しているかを想像する(国内か海外か、年金などの長期保有か)
- 機関投資家の動向も確認する
⑯投資
- 最も上昇する銘柄を探し、少ない回数の売買で集中投資をする(取引は年間で数回にする)
- 同時にもつ銘柄は5銘柄が目安
- 3段階に分けて購入する(打診買い→サブ銘柄→コア銘柄)
- 現状でも少なくとも半額にみえる銘柄に投資する。2~3年後に上昇するかを目処に考える
- 不用意なナンピン買いはしない
- 現状で流動性が低い場合でも、人気になり流動性が高まると考えられる場合には気にせず購入する
- 動向をみてシナリオが異なる場合には、損切りする