建物区分所有法
・一部共有部分の管理
・共有部分の規約
・規約により、特定の共用部分を一部の所有者の管理に移すことができる(管理所有)。また、一部共用部分を一部の所有者の管理から全体の管理に移すこともできる。ただし、共有することが前提となる共有部分については専有部分とすることはできない ・敷地利用権は、専有部分と分離して処分することはできない(一体化の原則)。しかし、規約によって別段の定めをすることができる(持分が少ないからといって共有部分の一部が使用できないわけではない) ・法定共用部分は登記できないものの、規約共用部分は登記することで(表題部に登記)第三者に対抗することができる |
・管理組合と管理者
・管理者は、集会の決議で専任・解任される(別段の定めがなければ過半数)。ただし、規約に別段の定めをすることで、集会以外の方法にすることもできる。任期や資格などの制限はなく、区分所有者以外からも専任できる ・区分所有者は、必ず管理組合の構成員(組合員)にならなければならず、脱退することはできない ・管理組合を登記して法人化することもできる(理事と監事を置く。ただし理事と監事は兼ねることはできない) ・管理者解任の請求は単独で裁判所に対しておこなうことができる |
・議会の招集と議決権
※区分所有でないワンオーナーの建物の場合は、専有部分の面積は柱の中心線で計測する
・手続き等の省略
①全員の同意で招集手続きを省略できる ②全員の承諾で書面・メールで決議できる ③全員の賛成で賛成の決議があったとみなせる |
※1人でも反対者がいる場合には手続きを省略することはできない
・決議に必要な定数(区分所有者数)および議決権(持分割合に基づく権利)の割合
決議事項 | その他の決まり | |
4/5以上 建替え決議 | ・建替え | ・定数(頭数)を増減することはできない(規約の別段の定めでも変更できない) ・2ヵ月前に招集通知を発送する(期間は規約で伸長できる) |
3/4以上 特別決議 | ・規約の設定・変更・廃止 ・管理組合法人の設立・解散 ・義務違反者への訴訟(使用禁止・契約解除など) ・大規模滅失の復旧(建物価格の1/2超の復旧) ・共有部分の重大変更 (例)エレベーター設置 | ・共有部分の重大変更以外は、定数(頭数)を減らすことはできない ※共有部分の重大変更に関しては、過半数(✕1/2以上)まで定数を減らすことができる(定数は減らせるが議決権までは減らすことはできない。✕定数及び議決権を減ずることができる) |
過半数(✕1/2以上) 普通決議 | ・管理者の専任・解任 ・義務違反者への訴訟(騒音の停止請求など) ・小規模滅失の復旧(建物価格の1/2以下の復旧) ・共用部分の軽微変更 (例)階段の滑り止め設置 ・共用部分の管理 (例)火災保険の締結 | ― |
1/5以上 | ・集会の招集 | ・定数(頭数)を減らすことができる(集会を開きやすくできる) |
1名以上 (単独) | ・共用部分の保存行為 (例)扉の修理、電気の交換 ・小規模滅失の復旧(決議があるまでの間) | ― |
※規約の設定や変更、廃止が一部の区分所有者に特別な影響を及ぼす場合は、その承諾を得なければたとえ3/4以上を満たしていても規定を変更することはできない
※大規模滅失では、反対者から賛成者に買取請求ができる。一方で建替えの場合には賛成者から反対者に売渡請求できる(それぞれ逆の立場からは請求できない)
規約や議事録 | ・規約や議事録は管理者が保管し、保管場所は建物内の見やすい場所に掲示しなければならない ・特別利害人から請求があった場合、正当な理由がある場合を除いて閲覧させなければならない ・規約や集会の決議は一般承継人(相続人)、特定承継人(マンションを中古で買った人)にも効力が及ぶ ・分譲業者など、最初に専有部分の全部を所有する者は、公正証書により規約共用部分などについて、規約で定めることができる(原始規約)。この場合は特別に建物の登記記録の表題部に登記される ・集会を開催した場合には、議長は議事録を作成し(パソコンでも可)、議長および出席した区分所有者2名の署名押印をしなければならない |