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【2022年版】宅建士独学勉強ノート(重要事項説明書)

重要事項説明書

・重要事項説明(35条書面)

誰が作成が義務付けられているのは宅建業者
※個人間の場合は作成しないこともある。自ら貸主の場合も作成は宅建業者であっても義務ではない
※1つの取引で複数の業者が媒介するときは、すべての媒介業者に説明義務があり、交付内容については双方の宅建業者がその内容に義務を負う(説明自体は誰がおこなってもよい)
※あくまで説明義務は媒介業者であり、売主や買主は宅建業者であっても義務は負わない
※宅地または建物に係る信託の受益権の売主となる場合も重要事項説明が必要
誰に買主貸主(交換の場合は両当事者)
※買主・借主が宅建業者の場合で媒介がない直接の取引の場合には重要事項の説明は不要
※重要事項は契約前に判断するための説明のため、売主や貸主への説明は不要 ※代理人と契約した場合でも、依頼主(買主など)に説明する必要がある
いつまで契約が成立するまで
どこでどこでもよい
説明方法宅建士が説明(宅建士であれば専任でも専任以外でも、アルバイトでもよい)
・信託の場合を除き、取得者が宅建業者のときには説明不要(ただし書面の交付は必要)
・請求がなくても宅建士証を提示しなければならない(原本でない写しの提示はNG)

・IT重説

賃貸および売買の代理または媒介の説明では、テレビ会議も可(IT重説)。

要件①映像と音声が十分につながる環境にて実施
②あらかじめ宅建士が記名押印した重要事項説明書を相手方に郵送していること
③映像と音声が十分につながっていることを宅建士が重要事項前に確認すること
④宅建士が画面上で宅建士証を視認できたことを確認すること
※宅建士証は、事前のコピーの郵送などは提示に代用できない

※令和3年4月から売買も可能になった。令和4年を目処にペーパレス化を目指している

・重要事項説明書面(35条書面)の記載事項一覧

※頻度は低いが「森林経営管理法」「都市再生特別措置法」「原子炉等規制法」「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」「流通業務市街地の整備に関する法律」「急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律」も重要事項説明の対象

※35条は契約前に読む前提のため、売買双方に交渉の余地があり契約直前に交渉されるような項目(双方の確認事項・代金や支払時期・登記移転時期・引き渡し時期・危険負担)については、その後の契約書である37条にはあるが35条にはない(必要ではない)ものとなっている

※重要事項説明が必要でない項目は、宅建士を持たない従業員に説明させても宅建業法には違反しない

・35条書面(売買の記載事項)

※登記された権利は近々抹消される予定があっても説明が必要(賃貸でも説明が必要)

※建物状況調査(インスペクション)は1年以内の調査の有無

※国土交通省令のうち耐震診断については、昭和56年6月1日以降に着工したもの(新耐震基準のもの)は説明不要

※売買の媒介で新築の場合は重要事項説明で「住宅性能評価」「検査済証」も説明しなければならないが、賃貸の媒介の重要事項説明では不要

※水害ハザードマップは市町村長が図面を提供している。売買でも賃貸でも、建物でも宅地でも説明(ある場合には地図上での所在地の確認を含む)が必要

※売買の媒介では売主が契約不適合担保責任を負わない旨の定めをした場合は、買主への説明は不要

・手付金は保全が必要な場合がある

※詳しくは手付金へ

・契約不適合責任の保険

※詳しくは住宅瑕疵担保履行法へ

・国土交通省令・内閣府令で定める事項

土砂災害警戒区域造成宅地防災区域津波災害警戒区域、石綿(アスベスト)、古い建物の耐震診断(昭和56年6月1日以前築)、住宅性能評価、水害ハザードマップ

・売買で区分マンションの場合の追加事項

管理委託先の氏名・住所
専有部分の利用制限
共用部分に関する規約
専用使用権
修繕費や管理費を特定の者のみ減免する内容(住所や氏名は不要)
計画修繕積立金の内容、すでに積み立てられている額
敷地に関する権利の種類および内容
通常の管理費の額
(一棟の)修繕の実施状況

※①②が必要的記載事項、③~⑨が任意的記載事項。任意的記載事項は記載が任意なのではなく、定めがあれば必ず記載(定めがなければ不要)というもの

(修繕)→(共用)部分、(管理)→(占有)部分

※マンションの賃貸の場合には、重要事項説明では、「専有部分の用途その他の利用の制限に関する規約の定め(案を含む)」と「建物全体の管理が委託されているときは、管理者の氏名・住所」のみが対象。たとえば「専用使用権(特定の者のみに使用を許す旨の規約の定め)」「マンションの敷地に関する権利の種類及び内容」は、売買の重要事項説明では必要だが、賃貸では不要

・35条書面(賃貸の記載事項)

 記載事項宅地建物
石綿使用の調査結果
建物の耐震診断
(既存の建物の場合)建物状況調査
台所・浴室・便所等の整備状況
私道に関する負担
契約終了時における宅地上の建物の取壊し
登記された権利
法令に基づく制限
造成宅地防災区域
水害ハザードマップにおける物件の所在地
土砂(津波)災害警戒区域
賃借以外に授受される金銭の額・目的
契約の解除
損害賠償額の予定または違約金
支払金・預り金の保全措置の有無・概要
飲料水・電気・ガスの整備状況
契約期間および契約更新
定期借地権・定期借家権
宅地建物の用途や利用の制限
契約終了時の精算
管理委託者の氏名・住所
(未完成物件の場合)工事完了時の形状・構造
(マンションの場合)専有部分の利用制限(案)・管理委託先

※売買にあって賃貸にないものは「テロップ不要」。それ以外にも国土交通省令のうち「住宅性能評価」「検査済証」は賃貸で説明不要

※賃貸で追加になるもの(居住用でも、事業用でも説明は必要)

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ABOUT US
弦本 卓也
1987年、埼玉県生まれ。大学卒業後、大手広告会社「リクルート」にて不動産メディア「スーモ」(SUUMO)の運営に従事。新卒で入社して、スーモのメディアづくりを7年、その後にエンジニア組織の組織づくりを4年行う。 また、リクルート社内の部活動制度にて「大家部」を立ち上げ部長を務める。不動産投資に関する情報交換や物件見学のワークショップなどを行う。 入社2年目に新築一戸建ての広告を取り扱う部署に異動したことをきっかけに、「いい企画を作るためには、まずは自分で経験したい」という想いから個人で新築一戸建てを購入。その翌年には売却分野を担当したことをきっかけに売却も経験。マンションの売買なども行い、11年間で11回の引っ越しを経験。 「新しい住まいや暮らしを自ら探究したい」という気持ちで購入した東京都千代田区の神保町の中古ビル「弦本ビル」は、コワーキングスペース、シェアオフィス、シェアハウス、飲食店が入居する複合ビルとなっており、20代を中心とした若手社会人や学生のやりたいことを実現する場所として注目を集めている。3年間で延べ1万人以上の来場者を記録し、家賃年収1,400万円を達成しながら満室経営を続けている。 お金面とビジョン面の両立を大切にしており、モットーは「一人ひとりの可能性をもっと世の中に」。会社員を続ける傍ら、学生時代に起業した会社とあわせて株式会社を3社創業。うち1社は売却し現在は2社を経営している。他にもエンジェル投資家として若手実業家の支援を手がける一面も。 日経新聞や不動産業界紙、書籍や雑誌、テレビなどでも多数の注目を集めておりセミナー講師なども行う。宅地建物取引士を保有。