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【2022年版】宅建士独学勉強ノート(借家)

借家

・借地借家法の適用範囲

借地借家法は、一時使用を除く建物賃貸借契約に適用される
✕一時使用目的(貸別荘、選挙事務所など)
✕使用貸借(無償で賃貸する場合)

※適用範囲外では民法が適用されるため、賃貸人の保護が弱くなる。たとえば一時使用目的の契約は、期間を定めた場合は賃貸人のみでなく賃借人も期間途中の解約の申入れをすることができない。また、一時使用目的では賃借権の対抗要件は登記しか認められない

・賃貸借と使用貸借

使用貸借は賃料がなく、借地借家法が適用されないため、使用する入居者は賃貸借契約のような保護がされない

※賃貸借の賃料は、後払いが原則のため、支払時期を明記しない場合は毎月末に同月分を支払う(当月末日までに翌日分の賃料を支払う決まりではない)

※契約終了は両当事者から解約を申入れでき、申入れから3ヵ月後に解約を終了できる(民法の規定)

・普通賃貸借と定期建物賃貸借(定期借家契約)

通常の賃貸借契約では、大家は「正当事由」が認められづらいため、定期借家契約(定期建物賃貸借契約)という選択肢が有効

・造作買取請求権

条件賃貸人の承諾を得て取り付けたもの
期間満了または解約申入れによって終了
※債務不履行で終了した場合は不可

※転借人にも造作買取請求権は適用される

※買取請求が適法に行使されたときは、当事者間で売買契約が成立したものと同一の効果が生じる(形成権)

・建物買取請求権と造作買取請求権

借地の場合には建物買取請求権の同時履行を求めることができるが、借家の場合には造作買取請求権の同時履行を求めることはできない

※借地権での「建物買取はしない」特約は借地権者に不利になるため無効だが、建物賃貸借での「造作買取はしない」特約は賃借人に不利ではあるものの有効

・地代・家賃の増減額請求

賃貸人賃借人ともに、将来に向かって家賃の増額or減額を請求することができる権利がある

※普通賃貸借契約ではあらかじめ賃料増額をしない特約を書いていた場合には、賃貸人は増額請求をおこなうことはできない。また、あらかじめ賃料減額をしない特約は無効となる(賃借人に不利になるため)。一方で定期建物賃貸借契約の場合には、賃料の改定について特約があるときには賃借人は減額請求をすることができない

※裁判にて家賃の見直しがおこなわれた場合には、裁判が確定した時点ではなく価格改定を請求された時点からさかのぼって賃料の増減の反映をおこなう

・居住用建物の賃借権の承継(✕居住用以外は不可)

相続人がいる場合相続人が承継することができる
相続人がいない場合婚姻届または縁組届を出していないが、事実上夫婦または養親子と同様の関係にあった賃借人の同居人が承継することができる(ただし特約で排除することができる)
※同居人は、借家人が死亡したことを知ったときから1ヵ月以内に、家主に対して反対の意思表示をすれば承継しない
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ABOUT US
弦本 卓也
1987年、埼玉県生まれ。大学卒業後、大手広告会社「リクルート」にて不動産メディア「スーモ」(SUUMO)の運営に従事。新卒で入社して、スーモのメディアづくりを7年、その後にエンジニア組織の組織づくりを4年行う。 また、リクルート社内の部活動制度にて「大家部」を立ち上げ部長を務める。不動産投資に関する情報交換や物件見学のワークショップなどを行う。 入社2年目に新築一戸建ての広告を取り扱う部署に異動したことをきっかけに、「いい企画を作るためには、まずは自分で経験したい」という想いから個人で新築一戸建てを購入。その翌年には売却分野を担当したことをきっかけに売却も経験。マンションの売買なども行い、11年間で11回の引っ越しを経験。 「新しい住まいや暮らしを自ら探究したい」という気持ちで購入した東京都千代田区の神保町の中古ビル「弦本ビル」は、コワーキングスペース、シェアオフィス、シェアハウス、飲食店が入居する複合ビルとなっており、20代を中心とした若手社会人や学生のやりたいことを実現する場所として注目を集めている。3年間で延べ1万人以上の来場者を記録し、家賃年収1,400万円を達成しながら満室経営を続けている。 お金面とビジョン面の両立を大切にしており、モットーは「一人ひとりの可能性をもっと世の中に」。会社員を続ける傍ら、学生時代に起業した会社とあわせて株式会社を3社創業。うち1社は売却し現在は2社を経営している。他にもエンジェル投資家として若手実業家の支援を手がける一面も。 日経新聞や不動産業界紙、書籍や雑誌、テレビなどでも多数の注目を集めておりセミナー講師なども行う。宅地建物取引士を保有。