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読書ノート『M&Aエグジットで連続起業家になる』

起業し、事業を売却するというのはどのようなものなのか。しかも、それを連続して成功させている人がいるらしい。一度売却をすると、さらに上手に売却ができるようになるというのだ。

ここでは、M&Aで自らの事業を起業し、売却するコツについてまとめたので、紹介したいと思います。

不動産投資の本については、以下でもおすすめしています。あわせてご覧ください。

目次

『M&Aエグジットで連続起業家になる』読書ノート

M&Aエグジットで連続起業家になる

ひとことでいうと

  • M&A市場は国内でも盛り上がってきており、企業にもニーズがある
  • M&Aで売却して連続起業家になることで、自分のやりたい事業や生き方を体現できる

M&Aは近年のトレンド

企業経営者には事業売却という選択肢ができてきた

  • エグジットのなかでも、IPOとM&Aの割合は、アメリカは2:8、日本は8:2
  • アメリカは所有と経営の分離が進んでいる
  • 研究後の社会実装に資金や人が集まるエコシステムができている
  • 日本では、2018年はIPOよりもM&Aが増えてきている
  • IPOは上場準備に時間などの制限があるため面倒が多い

同じ企業経営でも、起業家と企業経営者は異なる

  • 企業経営者はマラソンの長距離ランナー
  • 起業家はリレーの第一走者
  • M&Aでバトンパスをして走る方が得意な人もいる

M&Aをつうじて連続起業家になるメリット

M&A売却で連続起業家になることで、自分のやりたい事業や生き方を体現できるようになる

①時間ができる

  • 短距離走を走ったあとに、次のレースに向けて休む(次のコース決めや、体力の回復のため)
  • エグジット後はお金に振りまわされずに自分のワクワクすることができる

②お金が増える

  • やりたいことの実現の選択肢が増える

③信用が増える

  • 価値のあるものを作ったというステータス(信用)になる

④経験が増える

  • 自転車に乗るのと同様
  • 2社目の起業もスムーズにできる
  • 2社目の売却もスムーズにできる

M&Aで購入したい企業側の事情

資金力のある企業が増え、企業成長のために事業売却を求める大企業が増えてきている

①資金がある

  • 傾向として、大企業では内部留保がふくらんできている
  • 投資先を探している、オープンイノベーションを推進したい企業も増えてきている

②企業成長したい

  • 企業成長のために、会社購入をつうじて「時間」を買いたい

③株価対策をしたい

  • 大企業はM&Aをすることで、株価があがる傾向にある
  • 買収先が決まっていない場合でも、IRのなかにM&Aによる成長を明記している企業もある

M&Aで高く売るためのポイント

ニッチで安定していて成長の余地のある企業が求められている

①ニッチで一点突破

  • 手広く広げた事業は、事業譲渡や会社分割で整理をする必要があることも

②安定した基盤がある

  • 安定した黒字経営がある
  • ストックビジネスである
  • 特定の企業に売上を依存していない
  • 事業が自動化されている
  • 事業が社長に依存していない(社長が毎日出勤しなくても大丈夫)
  • 属人化しない仕組みがあると、売却後にも運用されやすい

③成長の余地がある

  • 競合との差別化要素がある
  • 組織の育成の仕組みがある

M&Aの流れ

※早くて3ヵ月間、長くて1年間

  1. バリエーション(企業価値算定)
  2. M&A提案書の作成:ノンネームシート、詳細提案書、売り手と買い手の順におたがいに名前を明かしていく
  3. 候補先選定:  候補先は、垂直統合(バリューチェーンの川上か川下)、水平統合(同業種)、多角化(異業種)、垂直統合は不動産会社に飲食店を提案など
  4. 打診、面談
  5. 基本合意書
  6. デューデリジェンス(買収監査):DCF法、時価純資産法、類似企業比較法、EBITDAマルチプル法などがある
  7. 株式譲渡契約
  8. 売却後のフォロー:ロックアップ、キーパーソン・リテンション

よくある質問

・自分の会社には価値があるのか?
  バリエーションはオンラインでも簡易にできる
  第三者に客観的に見てもらうことが大切(自分では気づかないことが多いので)
・社員が不幸にならないか?
  社員は意外と、社長よりも仕事内容や給与体系、労働条件に興味があることが多い
  売却先のほうが報酬水準が高いので上がるケースもある
・銀行からの借り入れはどうする?
  名義の書き換えをする
  赤字でも将来性があれば売れる
  詳しくはM&Aコンサルタントに相談を
・ステークホルダーへの説明は?
  株主には、誠心誠意をもって話すしかない
   関係者には売却理由を正直に伝える(飽きた、新しいことをしたい、自分の器では限界、大企業の参加で成長させたいなど)
  関係者以外の取引先などには漏らさない(不安にさせない、口外しないルール)
  馴れ合いの口約束の取引などは、のちのちトラブルにならないように書面を交わしておく

うまくいく連続起業家の特徴

  • 自分の価値観がある
  • 考える前に行動する
  • 熱しやすく冷めやすい

詳しくはM&Aコンサルタントに相談を!

  • 人生でそう売買をしないので、売り手は初めて、買い叩かれても気付かない
  • 手続きが煩雑で長年の経験と実績がある人に手伝ってもらったほうがよい
  • 売らないほうがいいこともある

M&Aエグジットで連続起業家になる

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ABOUT US
弦本 卓也
1987年、埼玉県生まれ。大学卒業後、大手広告会社「リクルート」にて不動産メディア「スーモ」(SUUMO)の運営に従事。新卒で入社して、スーモのメディアづくりを7年、その後にエンジニア組織の組織づくりを4年行う。 また、リクルート社内の部活動制度にて「大家部」を立ち上げ部長を務める。不動産投資に関する情報交換や物件見学のワークショップなどを行う。 入社2年目に新築一戸建ての広告を取り扱う部署に異動したことをきっかけに、「いい企画を作るためには、まずは自分で経験したい」という想いから個人で新築一戸建てを購入。その翌年には売却分野を担当したことをきっかけに売却も経験。マンションの売買なども行い、11年間で11回の引っ越しを経験。 「新しい住まいや暮らしを自ら探究したい」という気持ちで購入した東京都千代田区の神保町の中古ビル「弦本ビル」は、コワーキングスペース、シェアオフィス、シェアハウス、飲食店が入居する複合ビルとなっており、20代を中心とした若手社会人や学生のやりたいことを実現する場所として注目を集めている。3年間で延べ1万人以上の来場者を記録し、家賃年収1,400万円を達成しながら満室経営を続けている。 お金面とビジョン面の両立を大切にしており、モットーは「一人ひとりの可能性をもっと世の中に」。会社員を続ける傍ら、学生時代に起業した会社とあわせて株式会社を3社創業。うち1社は売却し現在は2社を経営している。他にもエンジェル投資家として若手実業家の支援を手がける一面も。 日経新聞や不動産業界紙、書籍や雑誌、テレビなどでも多数の注目を集めておりセミナー講師なども行う。宅地建物取引士を保有。