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Keller Williams Realty(ケラー・ウィリアムズ)が日本で展開するアメリカの不動産エージェントの仕組み

アメリカの大手仲介会社といえば、①REALOGY(リアロジー)、②RE/MAX(リマックス)、③Keller Williams Realty(ケラー・ウィリアムズ)が老舗といわれています。

REALOGY(リアロジー)はアメリカ最大手の会社で、傘下にCENTURY21(センチュリー21)やBetter Homes and Gardens Real Estate(ベターホームズアンドガーデンズリアルエステート)  Coldwell Banker(コールドウエルバンカー)、Sotheby’s International Realty(サザビーズインターナショナルリアルティ)などのブランドを持っていて、近年は2019年にAmazon(アマゾン)との提携を発表し話題となった会社です。

アメリカの不動産エージェントは必ず不動産仲介会社に所属する決まりとなっていますが、REALOGY(リアロジー)は傘下にあるグループ会社に所属する不動産エージェントを合計するとアメリカで最大手となりますが、単一のブランドでみるとKeller Williamsが最大の組織となっています。

Keller Williams Realty(ケラー・ウィリアムズ)の社名の由来は、ケラー氏とウイリアムズ氏の2人で共同で創業したことが理由です。ヒューレット・パッカード社が創業者のヒューレット氏とパッカード氏の名前をあわせて社名にしたのと同様の形式です。

Keller Williams Realty(ケラー・ウィリアムズ)は1983年にテキサス州のオースティンで創業されて、そのわずか2年後にはオースティンでトップの仲介会社になります。その後、1991年にテキサス州全体に広げてフランチャイズ制度を開始して、さらに全米に展開し、2013年には所属する不動産エージェントの数でアメリカ国内で1位になりました。

2012年にKeller Williams Worldwideとして世界中に拠点を拡大し、2021月2月時点で世界54ヵ国に展開し、加盟店は1,070店舗以上、スタッフ数は19万人以上、取引件数は126万件以上、取扱高は約43兆円となっています。

そんなKeller Williams Realty(ケラー・ウィリアムズ)ですが、日本には2019年の9月から進出をしはじめています。また、2021年の2月からは丸紅の100%子会社の丸紅都市開発株式会社と組んで、事業提携をしています。

アメリカの不動産仲介業界では、不動産エージェントは顧客の代理人(=エージェント)として貢献することで報酬を得る働き方が一般的になっています。不動産エージェントは仲介会社と業務委託契約を締結し、自らの裁量で自由な場所や時間で勤務することができ、フルコミッション制により実力に応じた報酬を得ることができる仕組みになっています。また、業務委託契約で働くことで副業として働くことができることから、他分野との融合による多様な不動産エージェントの創出が促されたり、新しい就労の機会が創出されたりすると考えられています。

Keller Williams Realty(ケラー・ウィリアムズ)では、世界中で不動産エージェントの組織やチームを強化してきたノウハウを日本でも展開するそうです。オリジナルのトレーニングの受講や、顧客データ、物件登録、入出金管理などです。世界中の不動産エージェントとつながることで、日本人向けに海外物件を取り扱うことや、海外の不動産投資家向けに日本の物件を紹介することも、スムーズにできるようになるかもしれません。

アメリカでは、不動産エージェントは、基本的に社員ではなく業務委託契約のフルコミッション制で働いています。そして、報酬となる仲介時の仲介手数料のうちの何割かを所属する不動産仲介会社に納める形式となっています。

また、不動産エージェントは通常はチームを組んで活動をしています。チームの中で買主側の担当や売主側の担当、物件見学の担当などの役割が明確に分かれており、それぞれの貢献度に応じて報酬を分配しています。そのため、アメリカではチームごとの引き抜き合戦になってしまい、訴訟になってしまっていたり、露骨な紹介料を設定することでねずみ講のようになってしまい、問題視されることもあるそうです。

Keller Williams Realty(ケラー・ウィリアムズ)は老舗の大手企業でありながら、テクノロジー企業であることを掲げています。そして実際にバーチャルアシスタントのAI化なども進めています。本社のあるオースティンは最近とくにテクノロジー系で賑わっている地域です。毎年3月にある世界的に有名な最先端テクノロジーの祭典「SXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)」が開かれていたり、IT企業のGAFAであるGoogleやApple、Facebook、Amazonも拠点を構えている有名な地域です。

日本国内では、まだまだフランチャイズの形式は広がりはじめたばかりです。

今後、不動産とテクノロジーが融合することで、海外のブランドが国内に入ってきやすくなりそうです。また、日本国内でも、不動産仲介営業の働き方が変化して、独立や副業として不動産エージェントとして働くケースも増えてくると考えられます。

Keller Williams Realty(ケラー・ウィリアムズ)の今後の動きにも注目です。

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ABOUT US
弦本 卓也
1987年、埼玉県生まれ。大学卒業後、大手広告会社「リクルート」にて不動産メディア「スーモ」(SUUMO)の運営に従事。新卒で入社して、スーモのメディアづくりを7年、その後にエンジニア組織の組織づくりを4年行う。 また、リクルート社内の部活動制度にて「大家部」を立ち上げ部長を務める。不動産投資に関する情報交換や物件見学のワークショップなどを行う。 入社2年目に新築一戸建ての広告を取り扱う部署に異動したことをきっかけに、「いい企画を作るためには、まずは自分で経験したい」という想いから個人で新築一戸建てを購入。その翌年には売却分野を担当したことをきっかけに売却も経験。マンションの売買なども行い、11年間で11回の引っ越しを経験。 「新しい住まいや暮らしを自ら探究したい」という気持ちで購入した東京都千代田区の神保町の中古ビル「弦本ビル」は、コワーキングスペース、シェアオフィス、シェアハウス、飲食店が入居する複合ビルとなっており、20代を中心とした若手社会人や学生のやりたいことを実現する場所として注目を集めている。3年間で延べ1万人以上の来場者を記録し、家賃年収1,400万円を達成しながら満室経営を続けている。 お金面とビジョン面の両立を大切にしており、モットーは「一人ひとりの可能性をもっと世の中に」。会社員を続ける傍ら、学生時代に起業した会社とあわせて株式会社を3社創業。うち1社は売却し現在は2社を経営している。他にもエンジェル投資家として若手実業家の支援を手がける一面も。 日経新聞や不動産業界紙、書籍や雑誌、テレビなどでも多数の注目を集めておりセミナー講師なども行う。宅地建物取引士を保有。