国土利用計画法
国土の適正な利用と地価の抑制のため、広い土地を取引するときは知事に届けるという制度
事後届出では、所有権、地上権、賃借権が移動する際には、契約を締結した日から2週間以内に、市町村長経由で都道府県知事に届ける(✕引渡しから、✕登記をした日から、✕予約完結権を行使した日から、✕停止条件が成就した日から)
・届出対象面積
① | 市街化区域内 | 2,000㎡以上 |
② | 市街化区域以外の都市計画区域内(=市街化調整区域+非線引き区域) | 5,000㎡以上 |
③ | 都市計画区域外(準都市計画区域含む) | 10,000㎡以上(=1ha以上) |
※②は「市街化調整区域等の市街化区域を除く都市計画区域内」と表現されることがある
・国土利用計画法(事後届)と開発許可の対象面積の比較
※国土利用計画法の届出は2,000㎡、5,000㎡、10,000㎡だが、開発許可は1,000㎡、3,000㎡、10,000㎡であることに注意。取得の方が開発よりも規模が大きい
・国土利用計画法(事後届)の面積の考え方
面積は取得者を基準に判断する
※該当するCのみに届出が必要
※Cが一体性のある開発を行う場合には、届出が必要
※物理的・計画的に一体性がある場合には、土地の合計面積で判断する(複数土地の取得タイミングがずれた場合でも)
※一体性がある場合でも、各タイミングで指定の面積を超える場合にはそのたびごとに事後届をおこなう
・国土利用計画法(事後届)の届出の要否
届出必要 | ・売買(予約・停止条件付含む)、交換 ・譲渡担保(金銭債権の担保として物件の所有権を移転するもの、買戻権)、代物弁済(予約含む) ・地上権・賃借権(権利金あり)、所有権移転請求権の譲渡 |
届出不要 | ・贈与、信託、相続、法人の合併、時効、地上権・賃借権(権利金なし)、質権、抵当権の設定 ・契約の解除・取消し ・当事者の一方または双方が国・地方公共団体である場合 ・裁判所が関係(調停、和解、競売) ・農地法3条1項(農地→農地)の場合は届出不要 ※農地法5条1項(農地→農地以外)の場合は届出必要 ・非常災害の応急処置 |
※民間による適正な土地利用と地価の抑制が目的のため、金銭の授受がないものや国や公共団体が関わるものは届出が不要
※農地は農地としての目的での移転であれば届出は不要だが、農地以外の目的での移転は事前届出が必要(農地法5条でも都道府県知事に事前に届出を出すが、あらためて国土利用計画法でも都道府県知事に事後に届出を提出する)
・国土利用計画法(事前届)
・監視区域は令和3年4月1日現在では、東京都小笠原村のみ(届出対象面積500㎡以上) ・注視区域と規制区域はこれまで一度も指定されたことがない ・監視区域では、期を分けて分譲する場合でも、一団の土地である場合には合計面積で事前届出が必要 ・事前届をしたものについては、事後届は不要 |
・国土利用計画法(事後届)の申請と審査の流れ
・国土利用計画法(事後届・事前届)の審査と罰則
※届出事項は事後届でも事前届でも利用目的と土地の対価を記載する。一方で事後届の審査事項は利用目的のみ
※土地の対価は、交換の場合などで金額が決まっていない場合でも、時価を基準として見積もった金額を記載する必要がある
※農地法では取引の契約自体が無効になるが、国土利用計画法では取引の契約は無効や取消しを命じることはできない