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ニューヨーク滞在記⑨ウッドベリーコモンプレミアムアウトレットへ!

Aug/31/2008 THU 快晴

睡眠0:00→8:00

「グッドモーニング、ニューヨーク」、今朝の目覚めは最高だ。またしても、相方は寝ている様子だ。寝ている相方を起こさないように、そおっとベッドから飛び降りて、シャワー室前の流し台へと抜け出して、洗顔や髭剃り、歯磨きやコンタクトレンズの装着なんかをおっぱじめる。

今日はユウキとアウトレットでブランドショップをまわるので、お店であわせやすいように服装に気をつかっておこう。そのため、恥のないようにラルフローレンを身にまとって気どってみせる。まだユウキとの約束まで少し余裕がある。久しぶりにトイレの個室に篭もることにするか。そうそう、トイレに入ってじっとしていて分かったもんだ。外国人は朝のシャワーが多い。朝のシャワー室は3つともいつも満室だし、4つある流しもたいてい髭剃りで混みあっている。

トイレでは水を流すのも一苦労だった。レバーがあまりよく仕事をしてくれない。そういえばホテルのエレベーターもボタンの押しが甘くて、強く押さないと反応しないことが多くあったのを思い出した。LSIのエレベーターもボタンの反応が悪かったし、駅構内のエスカレーターなんかは止まっているのも見かけたこともあった。日本では機械が使いやすいのは当たり前の光景に思っていたけど、ニューヨークではそれが当然ではないことだと教えてくれているようだ。

準備を済ませて9:00に、待ち合わせの例の地球儀の下へと向かった。今日も晴天だ。ガラス張りのタイムワーナーセンターが日の光を反射して眩しい。しかし、ユウキは今日も時間通りにはやって来ない。

今日は遠くに買い物に行くので、待ち合わせをかなり早い時間帯に設定していた。しかし、約束を30分過ぎた9:30になっても、ユウキは一向に現れない。

待ち合わせから1時間待って、10:00になって朝食の頃合いになったので、待ち合わせ場所をこっそり抜け出してタイムワーナーセンター地下のホールフーズに食糧の調達に行ってみる。そこで、シザーサラダ3.29ドルとカップケーキ3.49ドルを購入して、地球儀の下に戻って食べながら引き続きユウキを待つことに決めた。

炎天下で待つこと1時間半、時刻は10:30をまわった。そこに、ついに、ついに息を切らしたユウキが現れた。彼はもう俺は待ってないと思っていたらしかったんだけど、とりあえず待ち合わせの場所に来たらしかった。原因は寝坊だった。待ち合わせは俺にとってはすぐそこだけど、彼にとっては1時間のところで、遠くから来てくれてるんだから、時間に遅れるのは仕方がない。今日も待ちながらというものの、ニューヨークの情報誌とパソコンを広げて、日記を書いて待ち時間を過ごしていた。自分でも、打ち込み切れない日記に追われていたので、待っていることはあまり苦ではなかった。というより、正直待っていることすら忘れるほどに集中した日記の時間だった。彼は携帯電話を持っていない。公衆からの、日本の携帯電話への電話の掛け方もよくわからない。だから連絡ができないのは重々承知のうえだった。今日も仕事に集中できる静かなところを待ち合わせ場所にしておいてよかった。

時間がもったいなかったので、合流するとすぐにレッドラインで2駅隣りのタイムズスクエア駅まで移動する。8番街と42St.が交わる場所にあるポートオーソリティーバスターミナルの2階に向かうのだ。そこで、情報誌に書いてあったとおりに、ウッドベリーコモンプレミアムアウトレットまでの、往復のバスのチケットを購入する。往復のバス代は40ドルだった。きっと、郊外に激安の買い物をするためなんだから、バス代は少々高くても納得できるっしょ?ってことなんだろうな。

ウッドベリーコモンプレミアムアウトレットは、ニューヨークの島のなかにはなかった。次のバスは11:30からの出発ということだったので、それまでの30分の間に、いったん外に出て、ユウキの昼ごはんを買いに行くことにした。ユウキは遅い朝ご飯を、そして俺はおやつにポテトチップスを99セントで購入して、トイレを済ませてバスターミナルの3階のバスに乗り込んだ。バスはすぐに高速道路に入って、そして60分近くかけて大陸を北上し、郊外まで俺らを運んでいった。うーん、このぐらいの距離じゃあ片道2,000円でもおかしくなかったなぁ。

昼まっただなかの12:30に、バスは目的地のアウトレットに無事に到達した。アウトレットは遠かった。そして、郊外にあるただただ広い場所だった。店舗はまるで家のように立ち並び、連なって集落を形成していた。集落の中心にはフードコートがある。アウトレットは陸の孤島に閉じ込めて、ショッピングのみに集中させつつ、買い物に疲れたらフードコートでもさらにお金を落とさせるという策略なんだろう。

ほとんどの品物は半額以下で、噂どおり本当に、大変にお得だった。アウトレットはブランド好きの、特におばさまなんかの女性にとっては、格好でたまらない買い物場所に違いなかった。しかし、男の俺らにとっては、ノリータやソーホーで味わった屈辱を再び味わうことになった。商品のサイズは大きく、そこにあるのはやはり無地、ストライプ、ボーダーなどの地味な配色が陳列されている。たまに見かけてもごちゃごちゃした柄のものは骸骨などのレイアウトのものばかりだ。今日は期待して「散財してやるぜ!」と意気込んでやってきたのだ。しかも文字通り、はるばる遠くまで。ニューヨークではファッションはあまり期待できないのかもしれない。ラルフローレンのような無地ばかり。何がアメカジなんだろう、日本で買い物したほうがよっぽど自分にあった服が買えるような気がする。そういえば前に、クラスメートのモエが、ウッドベリーコモンプレミアムアウトレット?うわーチョー行きたい、今度行こう。なんて誘ってくれていたのを思い出す。女性にはよさそうだけど、男性には微妙かもなぁ。

「買えるのはジーパンだけかな」ということで、ジーパンを探すことにした。こんなところでは、サイズが合うのはジーパンぐらいのものだろう。ひとつ見つけて試し履きをすると、ちょうどよかったので即決で、20.81ドルで買った。これはとても安かった。やはり、ジーパンは日本と同じような規格があるので、アメリカでも問題なく買える。柄が気に入ってサイズがあったら即買いだ。トミーフィルフィガーのお店は、メンズ、レディース、キッズなどで展開していて、古きよきアメリカという感じだった。

一方のユウキも、やはり同様になにも買えずにいたようだった。ジーパンに関しては、彼は気に入ったブランドがあるようで、そこの生デニムを探して歩いていた。ユウキには服の種類や着こなし方を教えてもらった。彼の談義はすごく参考になった。俺はグレーのジーパン、ベスト、アクセサリー、ネックレス、ナロータイ、グレーのチェックのスーツ地のスラックス、カーディガンなどを揃えるといいらしい。まだまだファッション開拓の余地がありそうだ。そういえば相方も、過去にお気に入りの白いシャツがあって、俺にも白いシャツを買ったらいいってすすめてくれてたなぁ。

昼はフードコートにあるメキシコ料理屋さんで6.00ドルのラップチキンとカレーを食べた。カレーはブラックビーンとスパイシーなルーにパサパサしたタイ米だった。一緒に注文したラージサイズのファンタオレンジと、無料でおかわりをしたコーラは、俺のお腹をイッキに水っ腹に変えてくれた。

お腹いっぱいになったあとは、引き続き残った体力で、文字通り脚が棒になるまでアウトレット中を歩き回った。最後は時間との戦いになって、ヘトヘトになるほどだった。でもなんとか半日で、アウトレットを一通り視界に入れてまわりきった。それにも関わらず荷物は少ないままで、帰りの18:50のバス停に並ぶ。まわりの家族連れたちは、大きな紙袋をいくつも抱えている。俺はジーパン1枚、ユウキにいたっては来たときと同じままの恰好だった。

帰りのバスは途中、渋滞に巻き込まれたようだった。けれど、その間にウトウトと寝ることができた。バスは90分をかけて、もと来たマンハッタンへと戻っていく。まだ薄暗かった景色も気がつけばもう真っ暗だ。

20:30になり、ポートオーソリティーバスターミナルにバスが到着した。ポートオーソリティーバスターミナルは、マンハッタンで最大のバスターミナルだ。ターミナル内には1階にいくつかのお店があって、その中のひとつにクリスタルフォトという、何方向かから写真を撮ってガラスの中に自分の顔をレーザーで彫刻できるという技術のお店があった。こんなのはすっごい記念になるんだろうなー。でも、やっぱりそれなりに高そうだった。

他にもターミナル1階の玄関には、自動で開閉する自動ドアがあった。このドアは横にスライドするのではなく、どこでもドアのようなドアがあり、人に反応して前後に開閉するというものだった。これは、日本では見かけたことのない面白い仕組みの自動ドアだった。ハリーポッターの魔法をイメージして、カッコつけてドアを開けてみる。

バスターミナルから歩いて向かったタイムズスクエア駅でユウキを見送る。今日は疲れていたんだけど、歩いてホテルまで帰ることにする。まだ帰るには少し時間に余裕があったので、マンハッタンの夜景を見ながら歩いて帰る。8Ave.とブロードウェイを使って北上しつつ、道路沿いに並んでいたお土産屋さんにちょくちょく入ってみたりしながら、帰りまでに買っておきたいお土産の検討しながら、相場を調査して突き進む。そして結局、酒屋さんでカクテルを2本を、それぞれ3.50ドルで買って、21:00にYMCAの部屋に戻る。

またもや15分前に戻った相方がいた。門限なんて定めていないのに、お互いに毎日同じ時間に帰ってくるなんて、なんて気があうのだろう。ということで、俺が買ってきたお酒を2本開けて、1本を相方に渡して、しばし歓談をして過ごす。

2時間ほどまったりした後に、23:00に明日の朝食を買出しに行くことにした。いつものデュアンリードでハニー味のシリアル2.79ドルと1/2ガロンのミルク7.98ドルを購入する。本当はお酒も購入したかったんだけど、よさそうなのが見つからなかった。あと、毎回お店のお手紙コーナーで、日本にいる彼女のために手紙の用紙を探していたんだけれど、あまりしっくりするものが見つからない。23:45に部屋に戻って、日記の続きを書くことにした。

相方は、今日は教会でお説教を聞いてきたらしい。教会では毎週、礼拝の日曜日には牧師さんが説教をしてくれるのだ。彼はそこで外国人と会話をしたり、その後セントラルパークで浮浪者っぽい人と話をしたりしたようだ。明日も彼に会いに行くんだそうだ。その教会はおすすめで、来週にも行くといいとのことだった。

微妙なほろ酔い気分で0:30に寝ることにする。今日は疲れちゃったからもうシャワーはいいかな。明日早起きしてサッサと入ろう。明日は月曜日だけども、勤労感謝の日なので学校は休みだ。俺はまた9時にユウキと地球儀で、今度は自由の女神を見に行く予定にている。

昨日今日と、ユウキとばかり行動していて、相方とは日中の行動を共にしていない。相方とは気心がしれているし、別行動でも問題なく、気をつかわずに過ごしている。

高校からの長い付き合いだけど、俺は行きたい所を羅列してガチガチ行動していく性格で、相方はひとりで思い立ったところにフラッと出かけるのが好きな性格で、常に一緒にいなくてもお互いに気にならないと思っている。相方も楽しそうだし、あまり干渉しすぎることもなくお互いに充実した生活を送れればいいと思う。

さぁて、果たしてユウキは明日ちゃんと来てくれるのでしょうか。てかその前にちゃんと朝起きてお風呂に入らなくちゃいけないな。そうだ、明日は今日買ったジーパンを履いていこう。てなわけで、おやすみなさーい。

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弦本 卓也
1987年、埼玉県生まれ。大学卒業後、大手広告会社「リクルート」にて不動産メディア「スーモ」(SUUMO)の運営に従事。新卒で入社して、スーモのメディアづくりを7年、その後にエンジニア組織の組織づくりを4年行う。 また、リクルート社内の部活動制度にて「大家部」を立ち上げ部長を務める。不動産投資に関する情報交換や物件見学のワークショップなどを行う。 入社2年目に新築一戸建ての広告を取り扱う部署に異動したことをきっかけに、「いい企画を作るためには、まずは自分で経験したい」という想いから個人で新築一戸建てを購入。その翌年には売却分野を担当したことをきっかけに売却も経験。マンションの売買なども行い、11年間で11回の引っ越しを経験。 「新しい住まいや暮らしを自ら探究したい」という気持ちで購入した東京都千代田区の神保町の中古ビル「弦本ビル」は、コワーキングスペース、シェアオフィス、シェアハウス、飲食店が入居する複合ビルとなっており、20代を中心とした若手社会人や学生のやりたいことを実現する場所として注目を集めている。3年間で延べ1万人以上の来場者を記録し、家賃年収1,400万円を達成しながら満室経営を続けている。 お金面とビジョン面の両立を大切にしており、モットーは「一人ひとりの可能性をもっと世の中に」。会社員を続ける傍ら、学生時代に起業した会社とあわせて株式会社を3社創業。うち1社は売却し現在は2社を経営している。他にもエンジェル投資家として若手実業家の支援を手がける一面も。 日経新聞や不動産業界紙、書籍や雑誌、テレビなどでも多数の注目を集めておりセミナー講師なども行う。宅地建物取引士を保有。