弁済業務保証金
保証協会が、宅建業者が開業する際の営業保証金の負担を小さくする仕組み
・保証協会
・保証協会は国土交通大臣の指定を受けた一般社団法人。ハトマークとうさぎマークがあり、同時に2つ以上には入会できない(1つにしか入会できない)。入会すると社員たる地位になる ・保証協会は、新たに宅建業者が社員として加入したときと、社員がその地位を失ったときに、直ちにその旨をその宅建業者の免許権者に報告しなければならない ・保証協会は、宅建業者の業務に従事している、または従事する前の者を対象に研修をしなければならない ・保証協会は、任意的業務として一般保証業務(社員が顧客から受領した支払金の返還義務を連帯で保証)、手付金の保管事業、社員の研修費の助成(ただしあらかじめ国土交通大臣の承認が必要)をおこなっている |
・弁済営業保証金の流れ
※増設(支店数の増加)の際には、営業保証金の場合は事前に供託をしないと営業を開始できないが、保証協会の場合は営業を開始して2週間以内の納付でよい
※保証協会は、弁済業務保証金から生ずる利息や配当金は、弁済業務保証金準備金として繰り入れなければならない。また、準備金が不足した場合には社員全員に対して特別弁済業務保証金分担金の支払いを通知し、社員は通知から1ヵ月以内(✕1週間)に納付しなければならず、納付しない場合には社員たる地位を失う
・弁済業務保証金の還付の流れ
誰が | ・宅建業に関する取引から生じた債権を有するもの(ただし宅建業者を除く) ✕広告代理店の報酬 ✕従業員の給料 ✕電気工事の代金 ※保証協会(✕免許権者)による認証が必要 ※保証協会の社員になる前の取引も還付の対象になる |
金額 | 営業保証金であれば供託しているはずの金額に換算しその範囲内(全店分の総額) |
還付後の流れ | ・保証協会は、国土交通大臣から通知書の送付を受けた日から2週間以内に、供託所に不足額を供託 ・社員の業者は、保証協会から通知書の送付を受けた日から2週間以内に、保証協会に還付充当金(不足額)を納付→納付しない場合は社員の地位を失う ※保証協会は、社員の地位を失った際には、ただちに免許権者に報告しなければならない |
※宅建業者が保証協会の社員たる地位を失ったときは、1週間以内に供託所に営業保証金を供託し、免許権者に届出なければならない
※宅建業に関する取引から生じた債権を有するものが、還付を請求する際には、保証協会に認証を受けた後に、供託所に請求をおこなう(保証協会に請求するわけではない)。保証協会は、宅建業者の相手方からの苦情に対して、必要と認めるときは当該社員に文書もしくは口頭による説明を求めることができ、宅建業者は拒んではならない
※保証協会は、弁済業務保証金の還付で弁済業務の円滑な運営に支障を生ずるおそれがあると認めるときは、当該宅建業者に対し、担保の提供を求めることができる
・弁済業務保証金の取戻しと公告
取戻し事由 | 公告の要否 |
社員の地位の喪失(全部取戻し) | ・保証協会は(✕社員は)6ヵ月以上の期間を定めて公告 ・公告をした際には遅滞なくその旨を免許権者に報告する |
事務所の一部廃止(一部のみ取戻し) | 不要 |
※支店数の減少の際には、営業保証金の場合には公告があるが、保証協会の場合には公告はしない(分担金が少額のため)
・保証協会のメリット
※支店を増やすときには事務所増設前までではなく増設後2週間以内の供託でよい、支店を減らすときは公告を6ヵ月間ではなく、公告不要