弦本ビルに入居している個人事業主のみなさんと、税理士さんへの相談会を開催しましたので、その際のメモを共有します。
内容は税理士さんの個人的な見解であり、またメモの記述が正確とはかぎりませんので、主張や内容が正しいかはご参考までにとしていただき、必ず専門家に意見を聞くようにお願いいたします。
目次
年金を払っていなくても大丈夫なのか?
- まずは払うか払わないかを決める事が大事
- お金に余裕ができてから払うことができる
- お金に余裕ができてから払うことで、税金のコントロールもできる
- 20年間以上払わないともらえなくなる
- 年金事務所に相談に行くとよい
- 分割払いや猶予も相談に乗ってもらえる
- 遅れても利息はつかない、捕まることもない
- 悪質な場合や明らかに財産がある場合には、財産の差し押さえがあることはある
- 猶予は3年?5年?
- 年金をさかのぼって払いはじめる年収の金額を決めておく
資産運用をしたほうがいいのか?
- 少額のうちは資産運用をするのはあまり意味がない
- まとまったお金がないと意味がない
- 年金を払わないとしても、月に2万円ずつは貯金して積み立てておく
- 海外の利回りの高い投資信託がおすすめ
個人事業主の開業申請はしなくてはいけないのか?
- 廃業はいつでもできる
- 廃業するメリットがないため、特に廃業届を出さない人も多い
- 法人化したとしても、会社員になったとしても、個人事業主としてお金を受け取る受け皿があってもよい
個人事業主と法人とはどちらがいいのか?
- あまり大きな差はないため、自分が作りたい方を選ぶのがよい
- 法人のデメリットは開業時に23万円、赤字でも毎年7万円が最低かかる程度。入会金と年会費のようなもの
- 個人と法人との両方を持っておいて使い分けるのも良い
届出を出すタイミングの考え方は?
- 「開業してから、遅滞なく提出すること」とあるが遅滞なくの期間の定義はない
- 届出などは、①届け出をしないことで罰則があるかないか、②遅れることでメリットが消えてしまうかどうか
- 開業届は罰則がなく、特にメリットがない場合には遅れても問題ない
- 一方で青色申告承認申請書は、設立して3ヵ月以内でないと期限が切れるため出しておくべき
- ただし、青色申告を申告できずに白色申告になったところで恩恵が受けられない場合は急ぐべきではなかったとなる
- なお、現在は新型コロナウイルス感染症の影響で、申告が遅れてもよくなっている
青色申告と白色申告はどちらがいいのか?
- 青色申告のメリットは65万円の控除があること。ただし税率から考えると住民税と所得税の合計が20%とすると、結局12万円程度
- 白色申告のメリットは、簿記の形式にする必要がないこと。収支を計算して通帳のコピーとあわせて提出するだけでOK
- ただし、青色申告がおすすめ。理由は経営するときに収支を管理する能力が必要なため
- 控除は、物的控除が7つ(社会保険料控除、医療費控除など)、人的控除(障害者控除、子供、配偶者控除)が8つある
- 売上が200万円を超えた場合には、青色申告をするのが有利になる目安。基礎控除38万円、国民健康保険を月に1万円払っている場合には年間12万円の控除、必要経費が60万円かかるとすると、175万円が控除できる。この場合の税金は5,000円程度
税務署が税務調査に来る基準は?
- 個人事業主の場合はほとんど税務調査は入らない
- 金額の大きさというよりは、違和感や大きな変動がある場合には入る場合がある
個人事業主で使用している銀行口座から現金を引き出したときにどうするか?
- 現金の引き出し、現金預け入れも記録する必要がある
- 月に一度、仕事用とプライベート用とでまとめておろした場合でも、一度「事業主貸」にしておき、そこから仕事用に使用したときに「経費」で計上しなおすのがよい
- 家賃を支払った場合や携帯電話代を支払った場合には、一度「事業主貸」で全額を振り込んでおいて、事務所として使用している割合を按分して、「経費」で計上しなおすのがよい
- 法人の場合には、個人に貸した場合には返してもらわなければならない
- 一方で、個人事業主の場合は個人と生活をともにしているため、事業主貸が増えていくことになる
- 一年間の決算でどうしても数字が会わない場合には、事業主貸にしてしまい、また来年からやりなおすというのもある
- また、すべての銀行口座を事業に関わるものとして通帳を登録すると、個人の家計用の口座も深刻に使用することになる
- 銀行などに家計の内容を見せるのは恥ずかしいこともあるため、完全に個人用の口座にする場合には、事業用としては申告せずに切り分けて使うのがよい
- 銀行からしても、事業用と家庭用とで分けていないことは経営ができていないのでは?と疑われることにもつながる
- 家計用の口座に少額を振り込んでもらった場合には、通帳を登録するのではなく、「事業主借」を使って仕事用の口座に移しておくのがよい
- 家計用の口座に振り込んでもらったものを、手渡しでもらって事業用の口座に入金するのと同じ扱いになる
個人事業の開業時の初期費用の扱いは?
- 創業時に個人から振り込んだお金は「事業主借」となる
- 創業後に追加で個人からお金を振り込んだ場合も「事業主借」となる
報酬をLINE Payで支払われた場合は?
- 現金や銀行口座、受取手形で受け取ったときと同様で流動資産として扱う
経費を使ったのにレシートがない場合は?
- 出金伝票にメモをすることで代用できる(自動販売機などレシートが出ない場合にも使える)
- 飲み代を割り勘して領収書がもらえなかったときなどにも使用できる
物を盗まれた時にはどうすればいいのか?
- 物を盗まれた時にも、交番で証明書発行してもらって計上できる
経費に計上できる範囲は?
- プライベートの飲み会を経費にするのは脱税のためNG
- 仕事の飲み会であっても割り勘にも関わらず領収書を多くもらうのは脱税のためNG
- 売上につながらない出費は経費としてはいけない
- 例えばスパイスの研究家であれば、スパイスを買うのは経費になる。一方でおにぎりは経費にならない
売掛金の扱いは?
- 青色申告の場合には、帳簿上では月末などに支払いが決まった時点で売掛金を1行追加する。実際に翌月10日などに振り込まれた場合には、売掛金を消して現金に変えたという行を追加する
法人などで何かを始めるときに気をつけるべきことは?
- 解約するときなどの終わりの手続きの方法も明記しておくのがよい