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トランクルーム経営に注意!失敗しない投資の方法・考え方を解説!

個人の方で、家の中に荷物や捨てられない思い出の品などが溢れている人は多いのではないでしょうか。

また、会社やお店などでも保管すべき書類や備品などがたくさんあり、置き場所に困っているケースが少なくありません。

そのような場合に便利なのが「トランクルーム」です。

皆さんも、国道沿いなどの土地に、内部を仕切ったコンテナボックスを置く「屋外型トランクルーム」、街中でビルのワンフロアや地下室などをボードやパーテーションで仕切った「屋内型トランクルーム」を見かけたことがあるのではないでしょうか。

今回は、そのようなトランクルームを運営して収益を上げるトランクルーム経営について解説します。

「トランクルームなんかに投資して本当に儲かるの?」
「お客さんは本当にいるの?」
「リスクが高そう…」

こんな声が聞こえてきそうです(笑)

世間一般では、まだまだ認知度の低いビジネスと思われがちですが、市場が拡大してきている背景もあり、これから成長が見込めるビジネスなのです。

この記事を参考にしてトランクルーム経営を理解し、「面白いかも…」と感じる方はぜひトランクルーム経営にチャレンジしてみてください!

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目次

トランクルーム経営とは?

トランクルーム経営とは「空いている土地や建物に荷物などを置くスペースを設置して、利用者に貸し出すことにより賃料収入を得るビジネス」のことです。

つまり、トランクルーム経営は立派な賃貸事業経営といえますが、まずはそのビジネスモデルや収益性について解説します。

トランクルームとは?

トランクルームとは、「個人や企業の荷物や品物を収納する貸倉庫や物置などのスペース」です。

例えば、家具類、思い出の品(写真やアルバムなど)、冬物の衣類や季節用品(こたつや扇風機など)、スポーツ・レジャー用品(スキー板やスキューバダイビングなど)、アウトドアグッズ(キャンプ道具など)、本や雑誌等の書籍類などが、家庭の年月に連れてますます増えていき、やがて押し入れやクローゼットなどの収納スペースに入りきらなくなります。

庭などに物置でも設置できれば別ですが、そのような家庭ばかりではありません。

不動産情報ポータルサイトを運営するLIFULL HOME’Sが、トランクルームを現在利用している、または利用したことがあると回答した20~50代の男女480人に対して、「トランクルームに預けているものは何ですか」というアンケートを実施した結果を以下の通り紹介します。

<トランクルームに預けているもののランキングベスト10>

引用元:LIFULL HOME’S PRESSホームページ 「トランクルームに預けているものランキング~こんなものも実際は預けられる?」より

この他、DVD、ブルーレイレコーダーなどの映像メディア13.3%、着物などの和服12.3%、人形・ぬいぐるみ・フィギュア9.6%、ドレス・タキシードなどの礼服8.5%、絵画・骨董品などの収集品7.3%、ゲーム・PCなどの電子メディア7.1%、精密機器(カメラなど)6.5%、エクステリア用品6.0%、高級ブランド品3.5%、遺品(両親の思い出の品など)2.9%、過去の交際相手との思い出の品(写真やプレゼントなど)2.3%、貴重品2.1%、コスプレグッズ1.9%、その他6.7%と続いています。

普段使わない「家具」や「家電」、季節用品である「アウトドア・レジャー用品」「季節の行事用品」などサイズの大きな荷物を預けることにより、手狭な自宅やオフィスを広く使うことができ、必要な場合にはすぐに取り出せる利便性がトランクルームの最大の魅力といえるでしょう。

同時に、法人などの影響により「書籍」や「書類」など、紙に関するものも多い結果となっています。

注目すべきところでは、「絵画・骨董品などの収集品」や「コスプレグッズ」など、趣味や嗜好に関する荷物を預ける人や、セキュリティや室温・湿度管理が徹底されているトランクルームには「高級ブランド品」や「貴重品」などを預ける人がいる点が挙げられます。

こうしてみると、トランクルームには一般消費者の幅広いニーズがあることがうかがえます。

トランクルームの種類

トランクルームには、その用途や設置方法によってさまざまなタイプがあますが、大きく分類すると下の図のようになります。

<トランクルームの分類>

まず、屋外型トランクルームと屋内型トランクルームに分類することができます。

屋外型トランクルームは、一般的に「コンテナボックス(コンテナ収納)」といい、屋内型トランクルームは、「レンタル収納型トランクルーム」と「認定トランクルーム」に分類することができます。

なお、この記事では「コンテナボックス(コンテナ収納)「レンタル収納型トランクルーム」「認定トランクルーム」という呼び方をしていますが、特に正式な呼称が定義されていないため、便宜的にこの呼称で解説していきます。

・コンテナボックス(コンテナ収納)

コンテナ収納は屋外型トランクルームの代表的事例であり、荷物を収納するほかにバイクを駐車するバイクコンテナなどの派生サービスも生まれています。

土地上に20フィート(長さ6,058ミリメートル×幅2,438ミリメートル×高さ2,591ミリメートル)のコンテナボックスを1部屋から6部屋程度に仕切って使用します。

<コンテナボックスのバリエーション>

また、コンテナボックスの配置タイプは、平屋タイプや二階建てタイプ、混在タイプ、中通路タイプなど、バリエーションに富んでいます。

<コンテナの配置タイプ>

コンテナは本来、海上輸送などに利用される貨物用の箱ですが、耐久性が高く、設置も容易であり、また価格もリーズナブルなことから商品の保管庫や住宅・店舗にまで利用されている事例もあります。

コンテナ収納の利用者は個人の利用者はもちろんですが、資材や部材、工具等を保管するために利用する建設業者や設備業者などが多く見られます。

・レンタル収納型トランクルーム

レンタル収納型トランクルームとは、ビルのワンフロア(または複数フロアや一棟の場合もあり)や専用建物一棟のフロアをパーテーション等で間仕切りし、各室を収納スペースとして利用者に貸し出すサービスのことをいいます。

<レンタル収納型トランクルームの事例>

仕切られた各室のスペースは、0.5帖ほどの小さなスペースから8帖程度の大きなスペースまでさまざまなタイプがあり、中には0.5帖タイプを上下二段に仕切ってロッカーのように貸し出している場合もあります。

<レンタル収納型トランクルームのタイプ>

通常、専用フロアや建物への入室をICカード対応とするなど、利用者以外は入室できない仕組みとなっており、セキュリティや防犯性が高いことが特徴です。

そのため、個人の利用者、とりわけ女性の利用者にはコンテナ収納より人気が高いといえるでしょう。

・認定トランクルーム

認定トランクルームとは、倉庫業法第2条第3項で定められたトランクルームのことをいいます。

(定義)
第二条 この法律で「倉庫」とは、物品の滅失若しくは損傷を防止するための工作物又は物品の滅失若しくは損傷を防止するための工作を施した土地若しくは水面であって、物品の保管の用に供するものをいう。
2 この法律で「倉庫業」とは、寄託を受けた物品の倉庫における保管(保護預りその他の他の営業に付随して行われる保管又は携帯品の一時預りその他の比較的短期間に限り行われる保管であって、保管する物品の種類、保管の態様、保管期間等からみて第六条第一項第四号の基準に適合する施設又は設備を有する倉庫において行うことが必要でないと認められるものとして政令で定めるものを除く。)を行う営業をいう。
3 この法律で「トランクルーム」とは、その全部又は一部を寄託を受けた個人(事業として又は事業のために寄託契約の当事者となる場合におけるものを除く。以下「消費者」という。)の物品の保管の用に供する倉庫をいう。
4 この法律で「倉庫証券」とは、預証券及び質入証券又は倉荷証券をいう。
引用元:総務省行政管理局運営 e-Gov 電子政府の総合窓口 より

つまり、倉庫業法に定められた認定トランクルームとは、「国土交通大臣の行う登録を受けた倉庫業者が、基準に適合する施設や設備を有したうえで提供するトランクルームサービス」ということになり、倉庫業者以外の者が行うレンタル収納型トランクルームと区別しています。

この認定トランクルームは、倉庫業者が利用者と寄託契約(物を保管する約束をし、物を預かってもらう契約)を締結し、定めた約款に基づいて倉庫業者の責任の範囲を明確にしています。

例えば、預けた荷物には火災保険の他に、給排水設備の事故などによる漏水・水濡れ等、盗難によって生じた損害などを担保する保険が付保されているため、貴重品などを保管するのにも適しているといえるでしょう。

その他にも、温度や湿度を一定に保ち、ワインや楽器などでも適切に保管できる環境が整っているなど、倉庫業者ならではの高度な管理体制のもとで荷物を預けることができます。

こうした倉庫業者が運営する管理体制の優れたトランクルームを、国土交通省では一定の基準のもと「優良トランクルーム」として認定しており、窓口やパンフレットなどに優良トランクルームマークを掲示しています。

レンタル収納型トランクルームと認定トランクルームの違い

ここでは、レンタル収納型トランクルームと認定トランクルームの違いについてまとめています。

まずは、比較表を確認してみましょう。

<レンタル収納型トランクルームと認定トランクルームの比較表>

上の表から、レンタル収納型トランクルームと認定トランクルームを比較した場合に、事業や投資としてレンタル収納型トランクルームの良い点を考えると、

・開業にあたって許認可や資格が必要なく、誰でも始めることができる
・荷物の搬出中は利用者が自分で行い、原則24時間いつでも搬出入できる
・利用料金が比較的割安である
・荷物に対する補償責任がない

ということになります。

一般消費者は、不動産賃貸業である「レンタル収納型トランクルーム」であっても、倉庫業である「認定トランクルーム」であっても、どちらも「トランクルーム」として認知しています。

そのため、不動産賃貸業や倉庫業などの業態の違いなどは関係なく、収納する物品や目的、立地、設備状況、管理体制、料金などをもとに収納場所を選んでいるのが実状です。

そして、両者の最も大きな違いは、「レンタル収納型トランクルームは少額から投資することができ、資格が必要ないため誰でも気軽に投資を始めることができる」点にあるため、地主やビルオーナー、個人投資家が参入すべきは「レンタル収納型トランクルームの経営」ということになります。

トランクルーム事業の市場性は有望?

米国と日本のトランクルームの供給事情の比較

米国では、1970年代からセルフストレージ(Self-Storage=自分で保管するという意味)といわれる個人向けレンタル収納スペースが普及し、現在では全米に5万箇所・1,700万室以上が存在するといわれています。

その割合は、実に10世帯に1世帯となっており、米国の消費者にとって定着したサービスとなっています。

さらに米国では、セルフストレージ特化型REIT(不動産投資信託)が複数上場しており、不動産業界においても成長性が高い分野として注目されています。

その一方で、日本では米国のセルフストレージに該当する「コンテナ収納」と「レンタル収納型トランクルーム」が、いまだ50万室程度の供給数であると推定されています。

その歴史は浅く、1999年にエリアリンク株式会社(東証マザーズ上場)によって、千葉県市川市でコンテナ収納1号店が出店されたのが国内セルフストレージの始まりといわれています。

その後、土地の有効活用やビルの空室対策として、不動産業者を中心にビジネスが広がっていったのです。

住宅事情の狭い日本では、今後もトランクルームの需要が伸びていくことが予測されています。

<セルフストレージの供給戸数>

引用元:一般社団法人日本セルフストレージ協会ホームページ セルフストレージの将来展望 より

日本のトランクルームの市場規模の推移

国内のシンクタンクである株式会社矢野経済研究所が発表した「レンタル収納・コンテナ収納・トランクルーム市場に関する調査を実施(2018年)」によると、2017年度のコンテナ収納・レンタル収納型トランクルーム・認定トランクルームの市場規模は696億9,000万円と推計されており、2018年度には前年比6.7%増の743億3,000万円に拡がると見込まれています。

<収納サービス国内市場規模推移>

引用元:株式会社矢野経済研究所ホームページ 「レンタル収納・コンテナ収納・トランクルーム市場に関する調査を実施(2018年)」より

上のグラフから、2013年度から一貫して全体の市場規模が対前年比7~8%増の割合で成長していることがわかります。

その原因として、大手事業者や既存事業者に加えて、その成長性に目を付けた中小事業者や個人投資家などの新規事業者が積極的な参入し、トランクルームの拠点数や供給戸数が増加したことや、一般消費者の認知度向上や需要増が挙げられます。

2020年には国内市場規模が829億3,000万円となることが予測され、特に3大都市圏(首都圏・中京圏・近畿圏)では、拠点数や一般消費者の需要の増加により一層の市場拡大が期待されています。

また、地方においても、こうした収納サービスの認知度が向上していることから、緩やかに需要が拡大するものと見られています。

なお、本記事ではこれ以降、本記事では「トランクルーム」の定義を、屋外型トランクルームの「コンテナ収納」と屋内型トランクルームの「レンタル収納型トランクルーム」とします。

トランクルーム経営を行う方法と経営方式とは?

トランクルーム経営を実際にどのように運営するのか、また運営する場合の経営方式について解説します。

トランクルーム経営を行う3種類の運営方法とは?

トランクルーム経営は地主やビルオーナーの方はもちろんですが、土地やビルを所有していない個人投資家でも行うことができます。

トランクルーム経営を行う代表的な運営方法は、下記の3種類あります。

・自分が所有している土地や建物を有効活用する
・土地や建物(一棟またはワンフロアなど)を借りて運営する
・土地や建物を購入して運営する

上記の中から、自分の状況にあった方法を選択します。

土地オーナーやビルオーナーは、空いている自分の物件を有効活用してトランクルーム経営を行うことができます。

物件を所有していなくとも第三者所有の土地や建物などを賃借して、運営することは十分可能です。

注意しなければならないのは、地代や賃料の支払い比率です。

物件を借りてトランクルーム経営を行う場合は、相場賃料より安く物件を借りる必要があります。

目安としては、土地を借りた場合の地代は想定賃料収入の30~40%程度、建物を借りた場合の賃料は想定賃料収入の40%程度です。

通常の不動産情報ポータルサイトで探してみても、なかなかその比率に収まる物件は見つからないと思いますが、根気よく探すことでよい物件に巡り合うことができ、トランクルーム経営の成功率をアップすることができます。

運営会社にはトランクルームに適した物件情報が集約されていますので、そのような運営会社をパートナーとすることができれば、物件情報の取得に有利に働きます。

また、これ以外にも運営会社によっては、他の投資家と共同出資でトランクルームを運営するスキームを提案してくれる場合があります。

トランクルーム経営の経営方式は5種類ある

トランクルーム経営を行うには、5種類の経営方法があります。

どの方法を選択するによって収益性やリスクが変化しますので、じっくりと検討のうえ判断しましょう。

管理委託方式

「管理委託方式」はアパート・マンションや駐車場などの不動産経営において、ポピュラーな経営方式です。

運営会社が、利用者の募集・契約締結・集金管理・日常的なメンテナンス・クレーム対応など、一連の運営業務を代行します。

この方式においては、オーナー自身の負担でコンテナを置く土地や、トランクルームを設置する建物にコンテナやトランクルームを建築・設備する必要がありますので、初期費用がかかります。

オーナーのもとには、毎月の賃料収入に応じた管理委託手数料が差し引かれて賃料が支払われ、空室リスクはオーナーが負うことになります。

管理委託手数料は、通常、賃料収入の15~20%程度ですが、運営会社によって異なります。

アパート・マンションや駐車場の管理委託手数料は5~10%程度の範囲ですので、トランクルーム経営の場合は「管理委託手数料が少し高いのでは?」と感じるかもしれませんが、トランクルーム経営の利回りはアパート・マンション経営の利回りと比較して非常に高いため、吸収することができます。

また、トランクルーム運営には立地の目利きや集客の方法など、特有の知識やノウハウが必要なため、管理委託手数料の料率より運営実績が豊富な運営会社を選ぶことが成功のカギです。

中には管理委託手数料が安い会社もありますが、「安かろう悪かろう」ではトランクルーム経営に失敗するリスクが高いので、運営会社の選定には注意が必要です。

サブリース方式

この方式は、オーナー自身の負担でコンテナボックスや建物を設置して、それらを運営会社が決められた固定賃料で一括借上する方式です。

運営会社が一括で借り上げるため、オーナーに空室リスクはありませんが、収益性の面では管理委託方式より低くなります。

サブリース方式で注意するべき点は、将来的な賃料減額とサブリース契約の解除です。

一般的に、サブリース契約の場合は「経済状況の変化などにより賃料が見直される」という内容が契約書に規定されています。

つまり、賃料収入が減額されるということです。

また、運営会社からの賃料減額の申出をオーナーが拒絶した場合、契約が解除されることもありますので注意が必要です。

事前に、賃料減額時の規定などの契約内容を精査し、オーナーに不利な条件になっている場合は必ず確認・交渉しましょう。

フランチャイズ方式

フランチャイズとは、フランチャイザー(フランチャイズ本部)が開発した商品やサービス、ノウハウ、店の看板を利用する権利をフランチャイジー(加盟店)が収受し、フランチャイジーはその対価(ロイヤリティ)を支払う仕組みのことをいいます。

コンビニなどのフランチャイズでは、オーナー自らが現場に出て指揮するというイメージがありますが、トランクルームのフランチャイズでは、本部である運営会社がほとんどの業務を代行してくれるため、オーナー自身が動くことはほとんどありません。

この方式では、オーナーの手間がほとんどないため、手っ取り早くトランクルーム経営を始めることができますが、加盟金やロイヤリティなどの初期費用が高額な場合もありますので、収益性や投資の事業性をよく検証したうえで加盟することが大切です。

貸地方式

この方式は、土地を所有している方の土地有効活用のひとつといえます。

土地オーナーが所有している土地を、運営会社が土地一時使用賃貸借契約(または事業用定期借地契約)によって借り上げ、運営会社の負担でコンテナやトランクルームを設置してトランクルームを運営します。

土地オーナーのもとには毎月一定の固定地代が支払われ、初期費用の負担もありません。

また、土地一時使用賃貸借契約を締結する場合は、借地借家法の規定が適用されないため、相続発生時の売却や他の用途への転用を比較的容易に行うことができます。

自己運営方式

自己運営方式の場合は、物件探し・トランクルームの設置や建築・利用者の募集・契約締結・集金管理・日常的なメンテナンス・クレーム対応など、トランクルーム経営に関するすべての運営業務を自分自身で行います。

やりがいも大きく、管理委託手数料の負担もないため収益も増えますが、賃料設定や集客など特別なノウハウが必要なため、稼働率が上がらないリスクがあります。

屋外型トランクルームと屋内型トランクルームの比較

地主やビルオーナー、個人投資家などが参入するべきは屋外型トランクルームの「コンテナ収納」か、屋内型トランクルームの「レンタル収納型トランクルーム」であると説明しましたが、どちらが投資の収益性が高くリスクが低いのでしょうか?

ここでは、両方のトランクルーム経営について比較・検証していきます。

屋外型トランクルーム(コンテナ収納)の特徴

屋外型トランクルームは、所有もしくは借りている土地(更地)上に、専用のコンテナボックスを設置して、利用者に貸し出します。

車で横付けすることができるため、家具などの大きく重い荷物などを収納する場合に非常に便利です。

屋外型トランクルームの敷地は、車でのアクセスの良さや敷地への入場のしやすさ、視認性の良さなどが重要なポイントとなるため、幹線道路などの交通量の多い道路沿い立地が適しています。

アパート・マンションと違って駅からの距離はあまり重要な要素ではなく、そうした土地でも屋外型トランクルームにより有効活用できる可能性があります。

また、建物のプランを入れにくい地形の悪い変形した土地でも、設置することが可能です。

屋外型トランクルームは、建設業者や設備業者が使用する建材・部材、機材などの収納や一般消費者であれば引越しの際の家具類の一時保管に利用されるケースが多いです。

なお、屋外型トランクルームには、空調設備や室内照明などがないため、温度・湿度管理の面で劣り、夜になると現場内は暗いためセキュリティ・防犯性の面から女性の利用者には敬遠される傾向があります。

しかし、コンテナボックスの壁には断熱材が使用されているため、外部の気温との温度差はプラスマイナス5度程度であり、内部の気温がそれほど高温になったり低温になったりする心配はありません。

<屋外型トランクルームの特徴>

屋内型トランクルームの特徴

屋内型トランクルームは所有もしくは賃借しているビルなどのワンフロア(一棟の場合や専用建物の場合もある)に、パーテーションなどで間仕切りをして収納スペースを設置し、利用者に貸し出します。

たとえ車を駐車するスペースがあったとしても、大きな荷物や重い荷物を運びこむのには適していません。

セキュリティや温度・湿度管理を適切に行うことができるため、車で運びこむ必要のない荷物や高額な荷物を保管するのに適しています。

<屋内型トランクルームの特徴>

ただし、温度・湿度管理を行うためにはエアコンや換気扇などの空調設備を稼働させる必要があり、設備の設置費用や電気代などンランニングコストが発生します。

オーナーに温度・湿度管理の義務があるわけではありませんが、利用者へのアピールになり集客に役立つため、一定の気温や時間によって空調が稼働するように設定するなど工夫をしながら検討してみましょう。

どちらのトランクルーム経営が有利なのか?

屋外型、屋内型両方のトランクルーム経営の比較表を確認しましょう。

<屋外型トランクルームと屋内型トランクルームの比較表>

初期投資や投資利回りの観点からすると、屋内型の方が有利ですが、毎月の支払い賃料やランニングコストは、屋外型の方が有利です。

つまり、一概にどちらの投資の方が有利であるということは言えません。

大切なことは、まずそのエリアでトランクルームの需要があるのかどうか、需要が見込める場合はどちらの形態のニーズが強いのか、ということを事前に見極めることです。

そのうえで、投資の収益性や事業性を判断することが成功のカギとなるでしょう。

トランクルーム経営の5つのメリット

次に、トランクルーム経営の5つのメリットについて確認していきます。

長期利用が多いため、安定経営が見込める

トランクルーム経営の場合、アパート・マンション経営ほど入退去のサイクルが速くないことがメリットのひとつです。

屋外型トランクルームの場合は1.5帖~2帖程度、屋内型トランクルームの場合は1帖程度のスペースを月額1万円前後(もちろんエリアによって異なります)の賃料で利用できるため、事業者はもちろん一般消費者にとっても、それほど費用の負担を感じることがありません。

そのため、一度トランクルームを利用すると、中には一時利用の短期で解約する利用者もいますが、多くの利用者が長期間にわたって利用し続ける傾向があります。

アパート・マンションのように、入居者が入れ替わるたびにリフォーム工事や水回りのクリーニングが必要なく、コストもかかりません。

そして、稼働年数が増えるほど、長期利用者の割合が増えていくという特徴もあります。

このように、トランクルーム経営は定着率が高い(=空室率が低い)ビジネスであるため、安定経営が見込めるメリットがあります。

初期費用やランニングコストが安い

トランクルーム経営は初期費用が安いことがメリットのひとつといえます。

初期費用としては、屋外型の場合はコンテナボックス1台を設置する費用は約100万円程度、屋内型(ビルのワンフロア)の場合は15~20坪程度で約300万円程度が目安です。

初期費用が安く済むのは、土地やビルなどの建物を購入することなく、借地や部屋または建物の賃借によって運営できるためです。

そのため、建物を建てたり購入したりするアパート・マンション投資のような、数千万円から億単位の初期費用は必要ありません。

また、土地や建物を所有しないため固定資産税や都市計画税といった税金の負担がなく、アパート・マンションのように入退去ごとのリフォーム工事や設備類のメンテナンス工事が必要ないため、ランニングコストも安く抑えることができます。

月々のコストは借地料や貸室の賃料、電気代、運営会社への管理委託手数料くらいです。

一般的に、屋外型の場合のランニングコストの目安は賃料収入の約30~40%程度、屋内型の場合で約40%程度と考えるとよいでしょう。

高利回りのため回収期間が短い

トランクルーム経営の利回りは20%を超えることが一般的です。

利回りには「表面利回り」と「実質利回り」の2種類があり、それぞれ下記の計算式で求められます。

<表面利回りと実質利回りの計算方法>

表面利回りは賃料収入を総投資額で割った割合のため、ランニングコストを考慮していません。

表面利回りがいくら高くとも、ランニングコストが嵩んでしまえば手元に残るキャッシュが少なくなるため、投資の収益性を正確に判断するためには「実質利回り」を検証することが大切です。

例えば、屋外型トランクルームであるコンテナボックスを100万円で1台設置して、賃料収入が年間60万円見込める物件があるとします。

地代と管理委託手数料、電気代などのランニングコストが約40%、稼働率80%と仮定すると、

実質利回り=(60万円-24万円)×80%÷100万円×100=28.8%

となり、実質利回りで28.8%の高利回りが見込める…と判断することができます。

利回りが高いということは、投資資金の回収が早いということです。

前述の例の場合、100万円÷28.8万円により約3年半年で投資資金を回収することができます。

(ただし、稼働率80%程度になるまでには、1年程度の時間を要することを想定しておく必要があります)

こうした高利回りを実現できる要因は、初期費用とランニングコストの安さにありますが、アパート・マンション経営と比較すると投資資金が少ないため、収益の額が多いわけではないことを注意しましょう。

クレームやトラブル対応がほとんどない

トランクルーム経営の場合、アパート・マンション経営のような「設備の故障」「住民同士のトラブル」「賃料の滞納」「事故物件」といったトラブルが発生するリスクはほとんどありません。

トランクルームには給湯器やキッチン、浴室などの設備がなく、荷物を収納する無人のスペースを貸すだけですので、クレームが発生する要素がほとんどないのです。

賃料滞納のリスクはゼロではありませんが、賃料保証会社を利用することによってリスクを回避することができます。

万一、夜逃げなどにより残置物がある場合も、賃料保証会社が処分費用を補償してくれます。

また、人が住んでいないため自殺や孤独死などによる事故物件となる可能性は低く、たとえ現場で事件が起きたとしても、住宅でないことから利用者が心理的瑕疵を気にする傾向は少ないと考えられています。

節税効果が高い

トランクルーム経営には、高い節税効果があることもメリットです。

事業を行うために購入したコンテナボックスやトランクルームの間仕切りなどは、減価償却することができます。

減価償却とは、車や建物など、高額で長期的に使用することができるものを購入した場合に、購入費用をその年の経費として計上するのではなく、法定耐用年数(使える年数)に応じて少しずつ分割して経費化することをいいます。

例えば、新車の法定耐用年数は6年、木造建物の法定耐用年数は22年というように、物によって法定耐用年数が定められています。

コンテナボックスの法定耐用年数は、20フィート超のものが7年、20フィート以下のもので3年であり、トランクルームの間仕切りは15年となっています。

法定耐用年数が短ければ短いほど、1年間に減価償却できる経費が大きくなるため、所得税の節税効果が高くなります。

減価償却できる経費は減価償却費と呼ばれ、実際の支出が伴わない経費ですので、手元に残るキャッシュが多くなるメリットがあります。

実際に法人税の節税効果を期待して、利益の出ている法人がコンテナボックスを購入して、トランクルーム経営をするケースもあります。

また、1棟型のトランクルームを建築する場合は、その土地は貸家建付地の評価となり、建物による資産圧縮効果と併せて相続税対策となります。

コンテナボックスを設置した場合でも、小規模事業用宅地の評価減の適用を受けることができるため、相続税の節税につながります。

ただし、税制に関しては事前に専門家である税理士によく相談し、期待される相続税効果が得られるのかよく確認しましょう。

トランクルーム経営の4つのデメリット

トランクルーム経営にもデメリットはあります。

続いて、デメリットについて確認していきましょう。

稼働率が上がるまで時間がかかり、当面は赤字が続く

運営会社は、新規の現場がオープンする際、自社サイトやポータルサイトへの掲載、チラシやポスティングなど紙媒体での広告、現地看板などによって集客しますが、アパート・マンションのようにオープンと同時に満室稼働…ということはまずありません。

これは、一般消費者のトランクルームに対する認知度がまだまだ低いことに原因があり、オープンキャンペーンの実施や、ポスティングや現地看板などによって周辺住民への認知度を徐々に上げていくほかに手段はありません。

オープン直後に数件、その後毎月1~3件くらいずつ段々と稼働率を上げていき、現場の規模にもよりますが、半年~1年後の稼働率80~90%程度を目指すことが現実的な事業計画です。

稼働率が低い期間も、地代や賃料などのランニングコストは発生します。

そのため当面は赤字が続くこととなり、その赤字は自己資金で補てんするしかありませんので、あらかじめ注意しましょう。

ただし、サブリース方式により経営する場合は、オープン当初から収益を上げることができます。

高い収益は望めない

トランクルーム経営は、収益性の点ではそれほど高くない投資と言えます。

事業規模や立地、収納スペース、近隣の需要などによっても異なりますが、一般的にはトランクルーム1室当たり1万円前後~数万円程度の賃料となります。

8帖タイプなどかなり広めのタイプは数万円の賃料となりますが、一般消費者の最もニーズがあるタイプは、0.5帖~1帖程度の広さの1万円前後のタイプなのです。

そのため、ニーズに合わせて小さな広さのトランクルームを多く設置することになり、多額のキャッシュフローを期待することはできないのです。

アパート・マンションのように、数千万円から億単位の投資をして多額のキャッシュフローを望む場合には、適している投資とはいえません。

用途地域の制限がある

都市計画法により、建築できる建物の種類や用途の制限が定められており、その地域区分を用途地域といいます。

用途地域には、2018年4月の都市計画法の改正により田園住居地域が新しく追加され、現在では全部で13種類あります。

そのうち、「第1種低層住居専用地域」「第2種低層住居専用地域」「第1種中高層住居専用地域」および「市街化調整区域」においては、コンテナボックスを設置して屋外型トランクルームを経営することはできません。

また、屋内型トランクルームは「第1種低層住居専用地域」「第2種低層住居専用地域」「第1種中高層専用地域」「田園住居地域」および「市街化調整地域」においては建築することができません(第2種中高層住居専用地域内は面積や階数などの条件による)。

多くの自治体では、インターネットにより都市計画について確認することができますので、事前に必ず用途地域を確認し、トランクルーム経営が可能な用途地域かどうかチェックしましょう。

また、用途地域を確認する方法として、役所に直接電話して確認する方法がオススメです。

部署名は自治体によって異なりますが、「都市計画課」「まちづくり推進課」といった部署に電話をつないでもらい、「○○町●丁目▲番地(対象地の住居表示)の都市計画について教えてください」と尋ねれば、ほとんどの自治体で丁寧に対応してくれます。

他にも尋ねたいことや確認したいことがあれば、遠慮せずにどんどん聞きましょう。

その他、トランクルームの建築に関しては「建築指導課」「建築審査課」といった部署で、「この土地上でトランクルームの建築は可能ですか」と尋ねるのが最も早い方法ですので、ぜひ試してみてください。

建築確認の必要がある

1棟型の屋内型トランクルームを建築する場合はもちろんですが、屋外型トランクルームであるコンテナボックスを設置するためにも建築確認申請が必要です。

屋外型トランクルームの場合、以前は簡単な基礎の上にコンテナボックスを設置するだけのため、建築確認申請は不要という見解が主流でした。

しかし、平成16年に国土交通省から下記の通り通達が発表されました。

<コンテナを利用した建築物の取扱いについて>

引用元:国土交通省ホームページ 「コンテナを利用した建築物の取扱いについて」(平成16年12月6日付け国住指第2174号)より

これは、「コンテナボックスを設置したトランクルームは建築物に該当するため、一般に建築基準法に基づく確認申請を行い、確認済証の交付を受けなければ設置できず、また、すでに設置されているコンテナボックスを利用した建築物については、建築基準法に適合しない場合には違反建築物として、是正指導や是正命令の対象となる」ということを通達しています。

ただし、この通達はあくまでも地方自治体への要請であり、法律として定められたわけではなかったため、それ以降もコンテナボックスの運営会社は建築確認を出さずに設置していたのです。

しかし、そうした状況が進む中、平成26年12月に新たな通達が国土交通省より地方自治体に行われました。

<コンテナを利用した建築物に係る違反対策の徹底について>

引用元:国土交通省ホームページ 「コンテナを利用した建築物に係る違反対策の徹底について」(平成26年12月26日付け国住安第5号)より

これにより、明確に建築基準法に基づく建築確認申請の必要性が発表されたため、コンテナ業界においても建築確認を取得する動きが加速しています。

ただし、建築逢確認申請には数十万単位の費用が発生するため、初期費用については注意が必要です。

まずは、運営会社によく相談してみましょう。

優良な運営会社を選ぶ10のポイント

特有のノウハウが必要なトランクルーム経営の成功のカギは、「優良な運営会社の選定」にあるといっても過言ではありません。

ここでは、その選定方法の10のポイントについて解説します。

運営実績が豊富である

トランクルーム経営は特有のノウハウやスキルが必要なため、運営実績は重要なポイントといえます。

長年にわたってトランクルーム事業を運営している会社であれば、ノウハウや情報などが蓄積されているはずです。

そうして蓄積されたものに基づき、利用者満足を追求したトランクルーム運営を行っていれば、利用者からの信頼も厚いことでしょう。

さらに、運営実績が豊富であれば、土地オーナーやビルオーナー、個人投資家などからのニーズが集まり、運営実績をさらに伸ばしているでしょう。

どの程度から「運営実績が豊富だ」ということを判断するのは難しいかもしれませんが、各運営会社のホームページから現場数を確認したり、近隣にその運営会社の現場があれば、その現場を確認したりするなどして判断しましょう。

ちなみに、アパート・マンションなどの賃貸管理会社を選定する際には、管理戸数が500戸以上あれば一定の賃貸管理のノウハウやスキルがあると判断され、ひとつの目安となっています。

近隣にある既存現場の稼働状況をチェックする

自分がトランクルーム経営を検討している現場の近隣に、その運営会社の既存現場があれば稼働状況をチェックしましょう。

運営会社は近隣に需要やニーズを調査したうえで、現場のレイアウトやプランニングをしています。

そこには、その運営会社のプロとしてのノウハウや目利きが詰まっており、それは稼働率に反映されるはずです。

近隣の既存現場の稼働状況をチェックすれば、そのエリアが供給過多になっていないか、まだまだニーズは見込めるのか、稼働率はどのように推移するのか、などの情報を運営会社から得ることができます。

また、供給過多ではないにもかかわらず、その運営会社の現場の稼働率が低ければ、その運営会社のサービスや利用者対応、現場の日常管理などに問題があるのかもしれません。

そのため、運営会社を選定する際には、初期費用や賃料などの条件だけでなく、その運営会社の近隣にある既存現場の稼働状況を必ずチェックしましょう。

運営スキームのバリエーションをチェックする

このポイントは運営実績の豊富さと連動しますが、ひとつの運営スキームにこだわらず、さまざまな運営スキームで展開している運営会社を選定しましょう。

運営会社の中には、コンテナ収納である屋外型トランクルームだけを運営している会社や、屋内型トランクルームだけを運営している会社もありますが、できれば屋外型・屋内型の両方を運営している会社を選定する方がベターです。

さまざまなバリエーションで運営している会社は、その分さまざまなノウハウや情報が多く蓄積されているため、豊富なバリエーションを活用して収益の最大化を図ることができると考えられるからです。

このような運営会社をパートナーとすれば、投資家はその恩恵を受けることができるのです。

また、営業エリアについても同様のことが言えます。

一定のエリアに集中して事業を展開している運営会社より、広範囲で事業を展開し、新規エリアへの進出に積極的な運営会社の方が将来性はあるといえるでしょう。

法令や法規制を遵守しているか

前述の通り、トランクルーム経営には建築基準法上の制限があります。

平成26年12月の新たな国土交通省からの通達により、厳格な法令遵守の運用が各自治体に求められています。

特に屋外型トランクルームの場合は、これまでほとんどの運営会社が、建築確認申請を提出せずに安易なコンテナ設置を行ってきたのが実状でした。

屋外型トランクルームとして利用するコンテナボックスは、建築基準法第2条第1項に定める建築物であるため、基礎をしっかりと造り、アンカーボルトでコンテナをきちんと地面に固定する必要があります。

(用語の定義)
第二条 この法律において次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 建築物 土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの(これに類する構造のものを含む。)、これに附属する門若しくは塀、観覧のための工作物又は地下若しくは高架の工作物内に設ける事務所、店舗、興行場、倉庫その他これらに類する施設(鉄道及び軌道の線路敷地内の運転保安に関する施設並びに跨(こ)線橋、プラットホームの上家、貯蔵槽その他これらに類する施設を除く。)をいい、建築設備を含むものとする。
(以下省略)
引用元:総務省行政管理局運営 e-Gov 電子政府の総合窓口 より

このため、各自治体も取り締まりを強化してきています。

建築主も「何も知らなかった」では済まされず、万一、法令違反があれば行政指導を受けるリスクがあるため、事前に運営会社に「建築基準法を満たした施設を計画し、建築確認申請を提出して確認済証の交付を受ける」ことを必ず確認しましょう。

また、併せて既存現場に関する法令遵守についても確認してみると、運営会社としてのコンプライアンスに対する姿勢や規律がわかるでしょう。

既存現場の管理状態をチェックする

運営会社を比較する場合に、各運営会社の既存現場の管理状態を必ずチェックしましょう。

場内の管理状態は稼働率や利用者満足に影響を及ぼします。

一時的に利用していた利用者が、長期契約を結ぼうと思っても、管理状態が悪ければそのトランクルームを続けて利用したいとは思わないでしょう。

せっかくの長期利用者を、近隣の競合他社の現場に取られてしまう可能性があるのです。

そのため、現場は常に良好な管理状態を保つ必要があり、特に「場内は清潔な状態か」「ゴミや不法投棄はないか」「雑草が繁茂していないか」といったポイントに関して注意が必要です。

運営会社を選定する際には、その会社が行き届いた管理を行ってくれるかどうか、既存現場をチェックして判断しましょう。

失敗事例などについて確認する

優良な運営会社を選定するためには、運営実績となっている成功事例だけでなく、失敗事例についてもヒアリングしてみましょう。

「稼働率が上がらない現場」「オープン以来1年経っても赤字で、損益分岐を超えられない現場」など、具体的な失敗事例を確認します。

どんな優良な運営会社でも、オープンした現場が100%成功することはありません。

事業計画通りに稼働率が上がらないこともありますし、当初の賃料設定通りに埋まらずに賃料を減額しているケースもあるでしょう。

要は、失敗した場合にどのような対策を事前に立てているか、そして、いかにその対策を迅速に実行して軌道修正するかが大切なのです。

ただし、失敗事例の割合が多い運営会社は、そもそもの実力に疑問符が付きますので、注意しましょう。

インターネットの活用度をチェックしよう

現在では、ほとんどの業種においてインターネットの活用が重要であり、トランクルーム経営においても必要不可欠なツールです。

トランクルームもアパート・マンション同様に、物件情報を自社サイトや物件情報ポータルサイトに掲載し、利用者を集客して契約につなげます。

トランクルームの普及に伴って、トランクルームのポータルサイトもいくつか作られてきているのです。

<トランクルームの主な物件情報ポータルサイトの事例>

LIFULLトランクルーム

e-トランク

こうしたインターネットを十分に活用した物件情報発信や集客を行っているのか、事前にチェックすることが大切です。

物件情報ポータルサイトへの登録に費用がかかる場合などは、費用についても確認しておきましょう。

平均的な利回りをチェックする

その運営会社に運営を委託しているオーナーの平均的な投資利回りをチェックし、収益性がどのくらいであるのかを確認します。

前述の通り、トランクルーム経営の平均的な実質利回りは20%を超えますので、平均利回りが20%より低い場合は注意が必要です。

ただし、利回りには2種類あることを説明しましたが、その運営会社の利回りの定義についても確認しましょう。

相手が言っている利回りが表面利回りの場合は、正確な収益性を判断することができないため、毎月のランニングコストを考慮した実質利回りを確認しましょう。

オーナーの立場に立って考えてくれるか

その運営会社が自社の利益だけでなく、オーナーの立場に立ってオーナー利益の最大化を考えてくれる会社かどうか、確認しましょう。

例えば、こちらからの質問や疑問に対して、

・親身に丁寧に納得がいくまで説明してくれるか
・面倒臭がって適当な対応をしないか
・「大丈夫ですから任せてください」といった雑な対応をしないか

という点が主なポイントです。

こうした対応の運営会社は、現場がオープンしてから問題や課題が発生した場合も、同様の対応を取られるリスクがありますので、事前に必ず確認しておきましょう。

個人投資家を受け入れているかどうかを確認

運営会社の中には、土地オーナーやビルオーナーなど不動産所有者しか受け入れない会社もあります。

あなたが土地やビルを所有している場合は問題ありませんが、トランクルーム経営を行う不動産を所有していない個人投資家の場合は注意が必要です。

ホームページなどで「オーナー募集」と謳っていても、実際に問い合わせると「該当物件を所有していない個人投資家は対応していません」と回答される場合があります。

また、自己資金が豊富な大口の投資家だけを相手にしている会社もあり、そのスタンスは運営会社によって大きく異なります。

事前に、運営会社にどのようや属性の客を受け入れているのか、どの程度の予算から受け入れてもらえるのかなどを率直に確認してみましょう。

トランクルーム経営の実現性がないにもかかわらず商談を続けていても、時間や機会の無駄となってしまいます。

利用者のニーズを掴んで、トランクルーム経営を成功させましょう

トランクルーム経営の概要や今後のマーケット予測、経営方法、メリット・デメリット、運営会社の選定方法などについて解説してきました。

トランクルーム経営は、初期投資が少なくて済む分、爆発的に収益が上がる投資ではありませんが、利用者の契約期間が長期間になることが多く、安定収入が見込めるメリットがあります。

また、アパート・マンションでは有効活用できない立地でも、事業が成立する可能性もあります。

こうした特徴をよく把握して、リスクが低く始めやすい投資を希望する場合は、トランクルーム経営を検討するとよいでしょう。

今後も、収納の需要は増加していくと考えられており、立地や使い勝手がよくリーズナブルなトランクルームは利用者にとっても魅力的な施設であり、そうしたニーズを的確に掴むことがトランクルーム経営の重要なポイントといえるでしょう。

トランクルーム経営を始めるならレンタルボックス大手の加瀬倉庫に相談しましょう。
駅から遠い、地形が悪いなど、土地の特徴に合わせた相談が可能です!
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ABOUT US
弦本 卓也
1987年、埼玉県生まれ。大学卒業後、大手広告会社「リクルート」にて不動産メディア「スーモ」(SUUMO)の運営に従事。新卒で入社して、スーモのメディアづくりを7年、その後にエンジニア組織の組織づくりを4年行う。 また、リクルート社内の部活動制度にて「大家部」を立ち上げ部長を務める。不動産投資に関する情報交換や物件見学のワークショップなどを行う。 入社2年目に新築一戸建ての広告を取り扱う部署に異動したことをきっかけに、「いい企画を作るためには、まずは自分で経験したい」という想いから個人で新築一戸建てを購入。その翌年には売却分野を担当したことをきっかけに売却も経験。マンションの売買なども行い、11年間で11回の引っ越しを経験。 「新しい住まいや暮らしを自ら探究したい」という気持ちで購入した東京都千代田区の神保町の中古ビル「弦本ビル」は、コワーキングスペース、シェアオフィス、シェアハウス、飲食店が入居する複合ビルとなっており、20代を中心とした若手社会人や学生のやりたいことを実現する場所として注目を集めている。3年間で延べ1万人以上の来場者を記録し、家賃年収1,400万円を達成しながら満室経営を続けている。 お金面とビジョン面の両立を大切にしており、モットーは「一人ひとりの可能性をもっと世の中に」。会社員を続ける傍ら、学生時代に起業した会社とあわせて株式会社を3社創業。うち1社は売却し現在は2社を経営している。他にもエンジェル投資家として若手実業家の支援を手がける一面も。 日経新聞や不動産業界紙、書籍や雑誌、テレビなどでも多数の注目を集めておりセミナー講師なども行う。宅地建物取引士を保有。