目次
銀の現物(銀地金、コイン)や銀ETF、銀鉱山会社の株式の買い方まとめ
銀の特徴
- 通貨としても工業用の金属としても使われる二面性がある
- フィルムカメラとしての用途は減少しているが、電子機器や医療器具での用途が増えてきている
- 同じ貴金属のなかで、金の価格につられて連動しやすい。また、他の金属の精製時の副産物としても収集される
- 金属としては金よりも流動性が低いため、価格変動のボラティリティが高い
- そのため、投機対象となることもある
- 過去に、1980年にアメリカの富豪ハント兄弟が銀を買い占めたことで暴騰し、と暴落がおこったことがある(銀の木曜日)
- また、1996年にはウォーレン・バフェット氏が約3,900トンの銀を買い占めて早々と売ったことも話題になった
世界の銀の消費量(2019年)
- 2019年の世界の銀の消費量は2018年の消費量よりもわずかに増加し、3年連続で増加した
- 宝飾品や銀製品の消費は増加した一方で、写真やその他の産業用途は減少した
世界の銀の生産量(2019年)
- 2019年の銀の供給は消費を上回り、過剰供給となったをもたらした一方で、投資家による購入が増えた
- 世界の銀鉱山の生産は2019年にわずかに増加し、推定27,000トンとなった
- なお、ペルーでは労働者のストライキの影響で生産が減少した
- 銀を主とした鉱山よりも、鉛や亜鉛、銅、金の鉱山から産出され、精製の際の副産物として収集されている
銀の生産国名 | 2019年(推定:トン) |
---|---|
メキシコ | 6,300 |
ペルー | 3,800 |
中国 | 3,600 |
ロシア | 2,100 |
ポーランド | 1,700 |
オーストラリア | 1,400 |
チリ | 1,300 |
アルゼンチン | 1,200 |
ボリビア | 1,200 |
アメリカ合衆国 | 980 |
その他 | 3,600 |
合計 | 27,000 |
世界の銀の供給量の推移
- 2020年はコロナショックにともない需要と供給がともに減少の見立て
- 一方で近年は投資としても注目を集めている
銀の価格の推移
- 銀の先物をみると、2011年を中心に上昇し下落し、現在は安定して推移している
- 金銀比価(GSR)、すなわちGOLD / SILVER RATIO(金の価格÷銀の価格)をみると、近年は上昇傾向にあるため、銀が金に対して相対的に価値が上昇している傾向にあるといえる
銀への投資方法
銀の現物(銀地金、コインなど)への投資
- 地金(じがね)は、バーやインゴットと呼ぶこともある
- 現物は、田中貴金属工業などの貴金属の販売店や、SBI証券などの証券会社から購入できる
- 銀は酸化や硫化により黒くなりやすいため、空気に触れないように密封して保存するのがよい
銀ETFへの投資(国内・海外)
対象 | ティッカー | 名称 | 評価 | 経費率 | 分配利回り |
---|---|---|---|---|---|
銀 | 1542 | 純銀上場信託(現物国内保管型“銀の果実”) | 0.59% | 0.00% | |
1673 | WisdomTree 銀上場投信 | 0.49% | 0.00% | ||
SLV | iShares Silver Trust | ◎ | 0.50 % | 0.00% | |
SIVR | ETFS SILVER TR/PHYS SILVER SHS | ◎ | 0.30% | 0.00% |
- 取引量の多いiShares Silver Trust(SLV)を購入するのがおすすめ
銀鉱山会社への投資(国内・海外)
対象 | ティッカー | 名称 | 評価 | 経費率 | 分配利回り |
---|---|---|---|---|---|
銀鉱山会社 | SIL | グローバルシルバーマイナーズ | ◎ | 0.66% | 2.18% |
- なお、貴金属ストリーミング企業であるウィートンプレシャスメタルズ(WPM、旧SLW)などの個別株を購入することができる
- 世界でTOP10となる銀鉱山会社は以下
産出会社順位 | 会社名 |
---|---|
1 | Fresnillo |
2 | KGHM Polska Miedź |
3 | Glencore |
4 | Pan American Silver Corp. |
5 | Polymetal Intl. plc |
6 | Hindustan Zinc Ltd. |
7 | Southern Copper Corp. |
8 | Buenaventura |
9 | CODELCO(チリ国有) |
10 | Hochschild Mining plc |
- 個別の会社に株式投資する場合には、リスクが高くなってしまうため、上位から数社を少しずつ購入し多様化することがおすすめ
- 日本国内の証券会社では取り扱いのない銘柄がある
- 2020年6月時点で、SBI証券で購入できるのは、ウィートン プレシャス メタルズ(WPM)、パン アメリカン シルバー(PAAS)、ファースト マジェスティック シルバー(AG)、ヘクラ マイニング(HL)、SSRマイニング(SSRM)、コー マイニング(CDE)、サザン コッパー(SCCO)、ニューモント(NEM)