ただいまは13日の金曜日、時刻は12:56だ。
ヒースロー空港に到着した。入国審査の列に並ぶ。
流れてきた荷物を受け取って、トイレでヒゲソリとコンタクトをして地下鉄のヒースロー駅を目指す。
空港でのレートはポンドが153.93円だった。高っけー!確か大黒屋ではユーロ114円、ポンド138円だったような。。。
意外とすんなりと入国審査も通過する。確かに空港は人が多いから、大勢を短時間で処理しなくてはいけないんだろうけど、俺が本当に悪意がないかなんて、パッと見ただけでは分からないはずなのに。
地下鉄駅に降りる。
地下鉄のヒースロー駅の改札の前で、オイスターカードの販売機を見つける。オイスターカードは日本のSuicaのようなものらしい。
5ポンドだけど、販売機はコインしか受け付けない。紙幣しか持っていないので、近くのコンビニでジュースを買うことにする。
お釣りだけでは5ポンドには足りないはずなので、さらに5ポンド紙幣をコインに変えてもらう。
ジュースは2ポンドはしなかった。お釣りのコインがいくらなのか分からないので写真を撮る。後から調べるに、ジュースは1.5ポンドだったらしい。味は、カルピスに炭酸を入れたような味だった。
オイスターカードには、デポジットが3ポンドと初期チャージが2ポンドだと書かれていた。
目的のピカデリーサーカスまでにはチャージが足りないんじゃないかという不安から、駅員さんにチャージをし忘れたと言った。けれども、俺のカードを機械で確認してから、次の列車に乗れば問題ないと教えてくれた。
ピカデリーラインに乗る。列車は14:00に出発だ。ピカデリーサーカス駅までは3.80ポンドらしい。
ガイドブックによると、チャージが不足していると50ポンドの罰金だと書かれている。チャージは乗る前にしなければいけない、と。
そろそろ携帯もパソコンも電池がなくなってきた。
どうしよう。困惑に困惑が重なる。。。
偶然にも、日本人の男の子が隣に座ったので相談してみる。彼は九州産業大学の4年生だった。ゼミの旅行で来ているらしい。なんて豪勢な。
オイスターカードについては、やはり解決しなかった。
ピカデリーサーカス駅で、駅員さんに自己申告する前に、カードをタッチして引っかかってから言ったほうが自然だと思って、取りあえずタッチしてみると、何故か改札を抜けることができた。
訳が分からず、しばらくじっとして、チャージ機を探してみる。チャージ機はクレジットカード専用のようだ。取りあえず出れたから、チャージはまた使うときにすれば良いか。
飛行機で挙げた通り、分からないことだらけだ。
誰かに聞かないと分からない。たくさんのことを相談したいから、日本語で日本人を相手にやりとりできそうなところが良い。
取りあえず、地図にある日本大使館に行って相談してみよう。
ということで、ピカデリーサーカスでは、エロスの像の写真だけ撮って、500mぐらいの距離を日本大使館へとひた歩く。
うっすら肌寒い小雨の中、傘もささずに、ビーチサンダルに大荷物を背負って、大柄の日本人が早足で歩く。
目は乾燥していて、伏し目がちになる。人や景色を見る余裕はほとんどない。
途中で、スーツを着た女性に、「You are luckey guy. Why do you think you are lucky?」と声を掛けられる。ラッキーとはなんだよとか思いながらも、無視してひたすら大使館を目指す。
車のスピードが容赦ない。通行人は上手く信号を渡るものの、左折車がそのぎりぎりの隙間を攻めて、突っ込んでくる。
大通りの一本道で日本大使館に着いた。
パスポートを見せて、手荷物検査を通過して、受付の日本人のおじさんに、「旅行について相談したいんですけど」と尋ねると、「本来は日本の紹介しかしないけど、奥の女性に聞いてみると答えてくれるかも」と教えてくれた。助かった。
日本についてのパネル紹介の奥に、図書館があって、受付には、おばさんが座っていた。
「すみません、ちょっと旅行についてお聞きたいんですけど」と言うと、彼女は若干怒り気味で「ここの人じゃないから答えられないわ」と即答で拒絶されてしまった。「ここは旅行の相談に来るところではない」らしい。
渋々大使館を後にして、取りあえず今夜の宿の予約ができていることを確認しようと、正面のグリーンパークを突っ切って、予約した宿の住所を目指すことにする。
戦争に関する公園で一休み。壮大なオブジェがそこにあった。ここはWellington Archという場所らしい。
そこで隅の木陰に腰を下ろして、大きなリュックサックを置いて少し休憩を取ることにした。
ここはどこなの?俺はどこにいるの?彼女や友達と来た方が100倍楽しかったよ。俺はここまで苦行に来たんだろうか。
でも日本人と日本語で時間を共有できたから、気は紛れたかな。なんて思考を連ねてみる。
まぁそんなことをあれこれ考えても仕方がないわけで、取りあえず今の俺には今夜の宿に落ち着くことが必要なんだ。
車道でたくさん走っている黒い車はタクシーで、二階建てのバスが多いのも、観光地だからなんだろうね。
宿に行くついでに寄ってみようと、バッキンガム宮殿へと向かってみる。
バッキンガム宮殿には、彫刻の芸が細かい建物とオブジェがあった。
そこから勘を頼りに、日本で予約した目的の宿に向けて歩き回るも、なかなか見つからない。
Victory駅にて少し休憩して地図を参照して、やっとのことで目的のThe White Ferryにたどり着く。
予約がちゃんとされていて、現地払い分の13.49ポンドを支払う。
部屋に通ると、部屋は15人部屋だった。15台のベッドが並べられていいる。
ここでは契約が本当に履行されるかが、今日の自分を脅かす一大事なんだね。
パソコンの無線LANのパスワードを教えてもらって、部屋に着いてすぐにパソコンを起動して、彼女と母親に、無事到着した旨をメールする。
その流れで彼女とSkypeを30分ほどして、混み合わないように、先にシャワーを済ませてしまう。ついでに今日の服も水洗いしておくことに。
彼女はわんわん泣いていた。まだ初日なのに。
彼女とSkypeして、気の持ちようで物の見方って変わるんだと思った。彼女に景色を見せたときに、「外国っぽいね!」って驚いてくれたから、それから俺自身も、やっと外国っぽく見えてきたんだ。
それから荷物を整理して、20:00に再出発だ。
今日は天気が不安定だ。本当に降ったり止んだりした天気で困る。きっとこれは、降ったり止んだりでは表現できない天気というべきだろう。
オレンジ色の地元のスーパーのようなお店で、安売りのパスタの惣菜3.75ポンド、ジュース2つで2ポンド、エビアン0.81ポンドを購入する。合計で6.56ポンドだ。
隅の方で、隣の黒人がジュースをマクドナルドのバッグに入れて万引きをしているのが目に入った。何も言えないのが無力だった。
帰りは少し寄り道して、大きな教会の写真を撮って帰る。
住宅街には同じような作りの家が1ブロックごとに並んでいる。車は自由に脇道に停めても良いらしい。
ユースホステルには、1階に2種類のパブがあって、2~4階が部屋になっているという複合事業を営んでいた。
21:00に帰宅するも、ほとんどの若者は下のパブで盛り上がっているようだ。
女の子たちも、おめかしをして夜の街に遊びに出かけていく。
そこで、一人でソファーに座ってパスタを食べて、アップルジュースを飲む。パスタはシナモンのような甘い味がして戸惑ったけれども、食べているうちに、これならイケるって気持ちになれるかも、と思えるようになった。アップルジュースは濃い味で、氷やお酒などで薄めて飲むもののような味だった。
ベッドで荷物を整理しつつ、半額券をもらっていたので一杯だけ飲もうと思い立ち、そこで一階に降りることにした。
ビールを注文する。5%のステラアリトイスを1.75ポンドだ。薄くて苦くてビールの焼酎割のようでキツかった。
サッカーの再放送らしきを観てボーッとする。
隣のオーストラリア人のモルガンがお菓子を注文して、「一緒に食べよう」と話し掛けてきてくれた。カッコイイ。嬉しかった。一人で淡々と飲んでいたからさ。
バーのお兄さんにも、日本語の漢字とひらがなについての質問をされた。
俺も、幼稚な英語しかしゃべれないからって、言い方や態度まで幼稚にするべきじゃないよな。もっと堂々としてていいんだ。
部屋に戻って、22:30におやすみなさい。