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ヨーロッパ周遊記(20100908テッサロニキ→ブカレスト)

テッサロニキ駅からブカレスト駅へは0:28に発車。ほぼ定刻通りの出発だ。
空席を探していたら、「どうして君を座らせない理由があるかい」と席をすすめてくれたおじさんがいた。助かった。
彼はブルガリア出身のおじさんで、ギリシャにはオリンパスの山に山登りに来たらしい。
印刷会社で働いていて、仕事が少なくなって1週間の休みになったから登山をしにきたという。
彼とは相撲、武術、道場、ヨーグルト、伝統料理や酒、映画の話などをした。

「そろそろ寝る?」と尋ねると「起きて話してたい」って言われる。修学旅行の夜みたいな盛り上がりだ。それほどおじさんは、外国人と話すことを大切だと思っているようだった。
拙い英語でも、違和感なく話せてよかった。ただ、ブルガリアの「はい」は首を横に振るようで、そこに違和感があった。

パスポートをチェックした国境の駅で、おじさんと一緒に窓から夜空を眺める。
すごく、星が綺麗だ。このあたりでは国境駅以外に明かりがないからだろう。

おじさんの話だと、国境の駅では、お互いの国の車掌さんが、すれ違う電車に乗り換えて自国に帰っていくらしい。そのためにしばらく待たされることがあるんだそうだ。

発車して、そろそろ寝ることにする。睡眠は4:00→8:00だ。


8:15にソフィア駅に着く。ここでいったん電車を降りる。

チケットを買うときに、乗り換えがあるかと聞いたら、同じ列車だけど車両を変えなければならないと言われていたので、なんでわざわざ乗り換えるのだろうかと思っていたけど、駅についたら車両をまるまる交換するという意味だったことがわかる。

ブルガリアの駅では、ギリシャの車両がルーマニアに行かないように、ギリシャから来た車両を、ブルガリアの車両と入れ替えるらしいのだ。

おじさんはソフィアに家があるはずなのに、俺の乗り換えの時間まで一緒に話して付き合ってくれた。日本とも相撲やヨーグルトで交流があることを知っていて、それを喜んでくれているようだった。

そして、9:06にソフィアからブカレストへと発つ。
ソフィアの出発前に、駅にいる人にお金を乞われた。通貨が変化する国際線が出る主要駅の列車に乗り込んで、外国人にお金を求めるのは賢いな。もう使わないお金ならあげてもいいかなって思っちゃうもん。空港のユニセフ募金なんかも賢い仕組みだと思う。

やっとこさ、睡眠をとる。9:30→12:45だ。主要駅のざわめきでちょいちょい目覚めながらもぐっすり眠る。
肉体の生み出す価値には限界がある。ハードワークには限界がある。精神や思考の生み出す価値は無限大。ビジネスアイデアを生み出す脳みそが大事。目が覚めて、1時間ほどをかけてパリまでの日記を加筆修正する。懐かしい。

電車は荒野を、山を、国境を、そしてドナウ川を越えてルーマニアへと向かう。
今日は車内でも蒸し暑かったので、水は持っていた全ての2.5Lをぴったり飲み切ってしまった。

19:00過ぎにルーマニアはブカレストに到着。意外と大きな駅でびっくりする。

すぐにインフォメーションでマップをもらって、駅と宿にチェックを付ける。
そしてチケット売り場で、ブカレストからブタペストまでのチケットの値段と時間を聞いて、とりあえず現地通貨がないと不安なので、換金所で換金をする。5ポンドが17レイになった。

ホテル代のことも考えて、駅の表に出てすぐのところでも換金をしておく。10ポンドが45レイだ。こんなに近い場所で、激しいレートの違いがあるのにびっくり。ここまでは手際よくこなせた。駅からはじまる旅行にだいぶ慣れてきたからだな。

20:00なのに日が暮れ始めている。時差から来る違和感なのだろう。
そして砂埃がすごい。
途中のスーパーで購入したジュースと水は合計で10.10レイだった。

宿を間違えて、予約しようと思ってしなっかった宿を目指してしまった。
飲食店らしきテラスにいたおにいさんに尋ねると、丁寧に電話して知人にGoogleで調べてもらってまで、行き道を教えてくれた。助かった。で、さらに歩く。

宿に着く。宿のYMCAはニューヨーク以来なので親近感が沸く。宿代は30レイだ。

宿に着いて案内を受けたあとに、パソコンを操作している人に「日本人ですか?」と聞かれる。
彼の名前は後藤ケイスケさんという。
静岡県出身で、ICUで心理学の修士を取ってから、高校で相談員を3~4年ほどして、辞めてヨーロッパやイスラム諸国を旅行しているらしい。心理学の免許を持っているらしい。

後藤さんとは、旅の話やラテン系などの人種による性格の違いについて話した。彼の得意とする心理学の話も聞く。心理学には興味があったので、心理学者の方の話を聞けて嬉しかった。

飛行機の中で立てた旅のコンセプトを見せたところ、恥ずかしげもなく見せれてすごいと褒められる。そして、純粋だという感想を言われる。正しくカウンセリングを受けたいならば、カウンセラーに隠し事をしてはいけないのがルールなんだそうだ。

心理学は人の裏を知りたくてはじめる学問な気がするけど、俺は人の裏を知らなくてもよいと考える性格だからだろうな。例えば、不安から逃げてはいけないんだけど、不安は考えるだけ考えて、プラスにできる部分はを見つけていきたいと思っている。それが理想だ。

俺が毎日、朝起きて夢日記をつけていることを伝えると、いくつかピックアップして夢診断をしてもらえることに。夢には抑圧した感情や、鮮烈に感じている感情が表れるらしい。たとえば、夢で見る不安や焦りは現実で抑圧している感情の表れだという。

俺は一人旅に出るといつも、集団の中にいる夢を見る。「忘れないでね」って自分で自分に問いかけているのが夢のお告げだと思っていると言うと、自分で夢を解釈することが大事だと言われる。

彼は「人間誰しもそうですから」というのが口癖のようだ。被験者を安心させるための心理学者の話し方なのかもしれない。

後藤さんは、次の仕事をどうしようか、自分もカウンセリングを受けたいと冗談のように言っていた。自分の負の部分を知りたくて心理学を始めたのに、他人のことばかりでこれは違うぞと思っているらしい。
話が盛り上がって、2~3時間語ってしまう。まだまだ話し足りないけどね。
お風呂は諦めて、明日の朝にしよう。外国人が、英語で寝言を話していて少し驚く。おやすみなさい。

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ABOUT US
弦本 卓也
1987年、埼玉県生まれ。大学卒業後、大手広告会社「リクルート」にて不動産メディア「スーモ」(SUUMO)の運営に従事。新卒で入社して、スーモのメディアづくりを7年、その後にエンジニア組織の組織づくりを4年行う。 また、リクルート社内の部活動制度にて「大家部」を立ち上げ部長を務める。不動産投資に関する情報交換や物件見学のワークショップなどを行う。 入社2年目に新築一戸建ての広告を取り扱う部署に異動したことをきっかけに、「いい企画を作るためには、まずは自分で経験したい」という想いから個人で新築一戸建てを購入。その翌年には売却分野を担当したことをきっかけに売却も経験。マンションの売買なども行い、11年間で11回の引っ越しを経験。 「新しい住まいや暮らしを自ら探究したい」という気持ちで購入した東京都千代田区の神保町の中古ビル「弦本ビル」は、コワーキングスペース、シェアオフィス、シェアハウス、飲食店が入居する複合ビルとなっており、20代を中心とした若手社会人や学生のやりたいことを実現する場所として注目を集めている。3年間で延べ1万人以上の来場者を記録し、家賃年収1,400万円を達成しながら満室経営を続けている。 お金面とビジョン面の両立を大切にしており、モットーは「一人ひとりの可能性をもっと世の中に」。会社員を続ける傍ら、学生時代に起業した会社とあわせて株式会社を3社創業。うち1社は売却し現在は2社を経営している。他にもエンジェル投資家として若手実業家の支援を手がける一面も。 日経新聞や不動産業界紙、書籍や雑誌、テレビなどでも多数の注目を集めておりセミナー講師なども行う。宅地建物取引士を保有。