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ヨーロッパ周遊記(20100814ロンドン、ハイドパーク)

睡眠22:30→7:30、誰かの目覚ましで目を覚ます。夢を見ていた。めちゃめちゃぐっすり寝ていて、ロンドンに来たことをすっかり忘れていた。
複数のいびきが聞こえる。まわりを眺めると起きてこっそりパソコンをしている人もいる。
窓が空いている。外が寒い予感がする。
昨日、お風呂で洗って干しておいた服は完全には乾いていない。
俺はもっと孤独と向き合わなきゃなぁ。日本に帰ったら、失うものがないから、何でもできるって気分になれるように。

朝食は7:00~9:00だと言われていた。そこで、朝食を食べるために、8:30に1階のバーへと向かう。
予約をするときには朝食付きと書かれていたけれども、セルフサービスでパンとシリアルが買ったまま置かれているだけだった。そこで、パンを6切れ焼いて、シリアルを2杯食べて、コーヒーを3杯飲む。といっても、どれも小さいんだけどね。
食べてるときは至福の瞬間だ。ピーナッツバターとジャムを塗って4枚食べた。
目の前のオーストラリア人のお兄さんがチョコクリームを塗って食べていることに気付く。なので、2枚にべったりとそれを塗ると、チョコレートではなくオーストラリアで食べたベジマイトだったことに驚いた。思い切った最初の一口しか食べれず、こっそり返却口に戻しておいた。

食後に韓国人の女の子に話しかけてみる。彼女もヨーロッパを一周していて、韓国市立大学の学生らしい。ヨーロッパ各所の話と、ホステルの取り方や、一日のスケジュールなどを教えてもらう。ソウルに行った話もした。

不安なことばっかだったから助かった。1時間ほど話に付き合ってもらって、10:30にチェックアウトの時間になったので部屋に戻る。
宿泊者はチェックインの前に、ホステルで荷物を預かってもらうことができるらしい。それで昼の間に、荷物を置いて市内を観光すればいいのだ。

その後は、荷物をまとめて、チェックアウトの手続きを終えた後でも、ソファーで自分のパソコンを使わせてもらう。
パソコンで日記を書いて、日本で予約に使った『ホステルワールド』で今夜の宿の予約をして、携帯とカメラとパソコンを充電して、ゆっくりしていた。
パソコンはリモートを使うとクリックが遅くなるため、自分のパソコンにGoogle ChoromeとGoogle日本語変換をインストールする。
そして、手元の小銭のペンスを画像と見比べて、金額を確認する。

・やりたいこと:のんびり日記を書くこと。市内を観光すること
・やりたくないこと:大荷物で観光すること。課題を解決できず先延ばしすること
・やらなければいけないこと:インフォメーション、宿のチェックイン、ブリットレール4日間のパスの買い方、鉄道の予約、乗り方、アイルンドへの入り方、船の予約、列車の乗り継ぎ、郵便局、ハガキ購入、手紙、手紙の内容
・今できること:チェックアウトしたがソファーで荷物を整理する、水を使える、電気を使える、充電ができる

考えなければいけないことが多い。とりあえずトイレと洗顔をしてくるか!
旅行のプランは他人に任せれば楽なのかもしれない。そこにツアーなどの商売の根底があるんだと思う。考えることはコストなので、他人の代わりに考えてあげるとお金をもらえるんだ。
誰かの代わりに、それをやってあげる。で、そのお礼にお金をもらうのだ。やらなければいけないことは、やりたいことがあるから、それについてくるものなんだね。

突き詰めるところ、「俺はどうしたいの?」っていうことだ。
生きるから家賃を払う、食べるために、自分のスペースを手に入れるためにお金を払う。最低限、生きるためにもコストが必要なんだ。それで、コストの支払いにお金が必要だから、人は働いて稼いでいるんだ。
そう考えると、実は、最高の旅行は、何も考えずに、何もしないでいることなのかも知れない。でも、それではつまらない。

この旅行には、博物館や美術館に行くためでなくて、自分のことを考えるために来たんだ。
今日は動き回るよりもゆっくりしたかった。取りあえずゆっくりできる居場所があって良かった。

16:30になって、そろそろ動き出そうかと思った。あまり長居しては悪い。今度は今夜の宿を確認しなくてはいけない。
サンダルから靴にはきかえて、忘れ物がないかを確認する。
今夜の宿は歩いてでも行けそうな距離のところにした。いざとなったらここに戻って来れるように。

日記を整理して目的も振り返ったので、旅立ちはリフレッシュした気持ちだった。
健全な肉体と精神があることは素晴らしい。それがすべての資本だ。そういえば時差ぼけもしなかったなぁ。

途中のお土産屋さんでハガキを2枚買った。2枚で1ポンドだった。コインを正しく払えて良かった。
日本人向けの観光案内所である『みゅう』に行ってみる。しかし、『みゅう』はツアーの代理店なので、バックパッカーにはあまり役に立たないところだった。でも、日本語の地図が無料で置かれていたので、それをもらっておいた。日本語があって分かりやすい。今後はこれを中心に使おう。

今日も雨が降ったり止んだりだ。夕立かと思えば晴れるし、晴れたと思えば夕立なのだ。
タバコをトントンしたおじさんに、「ライター持ってる?」って聞かれたけど、「No」って答えた。そのあとで自分でライターをつけていた。

歩きたければ歩けばいい、休みたければ休めばいい。自分を縛っているのは自分なのさ。ってな爽快な気分でハイドパークを突っ切って歩く。ハイドパークには野生のリスがいた。地元民は、野鳥やリスに餌をあげている。

動物の世界では、結局食べ物を持ってるヤツが強いんだね。
そうだ、家族連れの人に悪い人はいないような気がする。か弱い子供を連れて歩くのはリスクだからさ。あとはカップルも安全だ。グルのカップルなんてなかなかいないだろうし、悪いヤツでも恋人の前では悪いことをできないだろう。

首から貴重品類をぶら下げているために、肩首が痛くなってきた。首から摩耗していくんだな。
そうして、少し迷いながらも19:00に目的の2日目のホステルにたどり着く。West Two Londonというホステルだ。
受付では、予約したのが午後だったため、予約が反映されていないようだった。
受付のお姉さんに、「予約の確認のメールを見せて」と言われて、受付のデスクトップを向けられる。それを使って自分のGmailにログインして、予約の確認メールを見せた。
ここは階段もトイレも部屋も汚いホステルだった。これ以上汚くてもまだまだ行けるだろうけどね。ふと、無人島で生活してみたいなとも思った。
部屋はうっすら汚くて、ベッドメイキングもされていなかった。
再び受付に行って、パソコンの無線LANパスワードを教えてもらう。しかし、電波が入らずパソコンが使えない。これはつらい。

しばしの間、これまでの道程を『みゅう』でもらった地図に記していく。
ガイドブックを読むに、スタンバイチケットを買えば安くオペラを観られるということなので、20:30にお金とパスポートと地図だけを持って、夕飯の調達がてら、ハイドパークを突っ切って、来るときに途中で見かけた劇場まで行くことにした。荷物がなく、実に身軽だ。

劇場で、お姉さんにチケットがないかを尋ねてみる。しかし、閉店がまもなくでチケットボックスの受付が終了しかけていた。ですよねー。

帰りはハイドパークの園内が閉まっていたので、外側の大通りに沿って歩く。飲み屋が賑やかだ。
自転車を公園から出せないでいるお兄さんを手伝ってあげた。

道端には車がたくさん駐車されている。
荷物を盗まないのも、車の窓を破壊して盗まないのも、そんなことをするリスクを冒さないほどに皆が裕福なのか、冒しても見つかったときの代償が大きいからなのか。
スリが多いといって、人のものを盗んで売れる闇市があるのだろうか。大勢の監視が犯罪を抑止しているのだろうか。

目に入ったケバブ屋さんで、4.90ポンドのケバブを持ち帰ることにした。閑散とした店内で店員のお兄さんに注文する。ラージサイズでラム肉にチリソースにした。ラム肉は機内のピザサンドイッチ以来だ。下手な英語でも通じるから嬉しい。

他の店でビールを買う。1.49ポンドだ。しかし、またしても薄くて、今度は少し苦めのビールだ。
そして、辛めのソースのケバブを食べながらビールを飲み、歩いてホステルへと戻る。

同じ道を迷いながら帰宅する。本当に、同じような建物ばかりだ。
夜の街を歩けるほど成長したんだなぁ。

帰宅すると他の宿泊客のおばさんに、ベッドが違うと言われた。
場所を移動して、パソコンが微妙に通じたので、30分ぐらい電波と戦いながら、なんとか彼女と母親にメールを返す。
明日はマクドナルドの電波でも借りて、ホステルを予約しなくちゃ。
トイレに行って、シャワーで手を洗って歯を磨く。今日はシャワーはなくてもいいや。
それから今日の日記を整理して、0:00におやすみなさい。

ベッドは足が伸ばせない。毛布が汚いから、自分のシーツを間に挟んで、おやすみなさい。

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ABOUT US
弦本 卓也
1987年、埼玉県生まれ。大学卒業後、大手広告会社「リクルート」にて不動産メディア「スーモ」(SUUMO)の運営に従事。新卒で入社して、スーモのメディアづくりを7年、その後にエンジニア組織の組織づくりを4年行う。 また、リクルート社内の部活動制度にて「大家部」を立ち上げ部長を務める。不動産投資に関する情報交換や物件見学のワークショップなどを行う。 入社2年目に新築一戸建ての広告を取り扱う部署に異動したことをきっかけに、「いい企画を作るためには、まずは自分で経験したい」という想いから個人で新築一戸建てを購入。その翌年には売却分野を担当したことをきっかけに売却も経験。マンションの売買なども行い、11年間で11回の引っ越しを経験。 「新しい住まいや暮らしを自ら探究したい」という気持ちで購入した東京都千代田区の神保町の中古ビル「弦本ビル」は、コワーキングスペース、シェアオフィス、シェアハウス、飲食店が入居する複合ビルとなっており、20代を中心とした若手社会人や学生のやりたいことを実現する場所として注目を集めている。3年間で延べ1万人以上の来場者を記録し、家賃年収1,400万円を達成しながら満室経営を続けている。 お金面とビジョン面の両立を大切にしており、モットーは「一人ひとりの可能性をもっと世の中に」。会社員を続ける傍ら、学生時代に起業した会社とあわせて株式会社を3社創業。うち1社は売却し現在は2社を経営している。他にもエンジェル投資家として若手実業家の支援を手がける一面も。 日経新聞や不動産業界紙、書籍や雑誌、テレビなどでも多数の注目を集めておりセミナー講師なども行う。宅地建物取引士を保有。