目次

まわりの力を借りる

世の中には、さまざまな価値のあるものがあります。自分の力だけでなく、自分やだれかがもっている価値の力を借りて、自分のやりたいことをさらに加速して実現します。

価値の交換をする

世の中にはたくさんの価値あるものがあります。具体的には、時間やお金、金融商品、肉体、健康、体力、精神、信頼、実績、知識、スキル、特技、経験などです。ほかにも、美容、人脈、人格、家族、モノ、事業、製品、サービス、知名度や権利、自然、人工物など、たくさんのものがあります。

世の中はこれらの交換で成り立っています。価値を他の価値と交換して、より価値のあるものに変えていっています。

価値の交換とは

価値の交換はこれらの価値を別の価値に交換することをいいます。たとえば、時間とお金の交換が「労働」であったり、お金と物の交換が「購入」であったり、「消費」や「投資」などと呼ばれています。

働くとは

「働く」とは、「人のために動く」と書きますが、自分の人生の時間を相手に提供することによって、それを対価にお金をもらうことをいいます。実際には、他にも体力や健康、精神力などを差し出して、経験やスキル、信頼などを手に入れているでしょう。

一方で、企業の側からすると、お金を払うことで個人から労働力をもらい、商品やサービスに付加価値を加えています。そして、その商品を他のお客さんに提供することで、より高いお金と交換しているのです。

学ぶとは

個人でも、たとえば学ぶことは、時間やお金を使って、知識に交換することです。その知識をもとに資格をとって、会社で昇給をしてお金を得たり、新しい仕事を受注したりすることで、新たな時間やお金の価値に変えているのです。

運動とは

運動は、たとえばジムに通ってトレーニングをすることなどですが、こちらも価値の交換です。運動は、時間とお金を提供して、健康を手に入れるものです。健康は、長く生きることで時間に交換されていくものです。自分の時間を使って健康な身体を手に入れるのも、将来の時間を得るための行為といえます。

生きるとは

このように、普段の些細な行動でも、どんな価値を提供していて、どんな価値を受け取っているかを意識することが大切です。

価値を認識することによって、得られる学び自体も大きくなります。また、意図して身につけたい価値を手に入れることができます。

人は、生まれるときに、自分の肉体とあわせて、唯一の価値あるものをもって生まれ、死ぬときに失うものがあります。それは「時間」です。

自分の肉体に、時間をかけて体力をつけ、精神力をつけ、知識をつけ、成長していって、さらにその能力を交換してお金に換えたりしていきます。自分のほしいものを買ったり、自分の住みたいところに住んだり、欲しいものを手に入れたりしていくのです。

さまざまな価値のポートフォリオをつくって、最後に、死ぬときにはすべてが「経験」に変わり、人生が終わるときには、自分自身の肉体と時間がなくなります。自分が死ぬときに、自分のために残せるものはありません。

自分の価値は、すべてかたちを変えて、自分の後世や、後輩たちにしか残すことができません。そのため、人類は価値をバトンタッチしながら、世の中をより発展させていっているのです。

そのような人生のなかで、自分がなにに価値を感じるのか、自分が価値を感じる資産はなにか、そしてその資産にどの時期に注力するかを考えてみましょう。

場所や時間によっても、価値の考え方は変わってくると思います。たとえば小さいころは、おもちゃが好きかもしれないし、若いころは美容に興味をもつかもしれないです。

少し年をとってくると、スキルや知識に興味をもってきたり、仕事やキャリアに興味をもってきたりします。

年をとると、趣味や健康に興味をもつあるかもしれません。

また、季節や時間帯によっても、感じる価値は変わります。夏に感じる価値と、冬に感じる価値は異なります。

同じように、場所が変われば価値も変わります。いつもは気軽に口にしている水でも、富士山の山頂や砂漠では、ものすごく価値のある資産になることがあります。

そして、多くの価値は人々の交換をつうじて、世の中をぐるぐるまわっています。

自分が他人の人生に支えられながらも、一方でなんらかのかたちでだれかに貢献することができていて、人類全体で助け合いが成り立っているのです。

コンビニやレストランで、商品やサービスが悪いということで「お客様は神様だ!」と怒る人がいると耳にします。しかし、価値を交換しているという意味では、お金も商品やサービスも、まったく同じ価値の交換です。そう考えると、店員さんも神様なのです。

お金を払う対象となった商品を作るためにも労力がかかっていますし、それを運搬してきたり、陳列して提供することにも、価値があります。そのおかげで、同じものを交換できるという感覚が大切だと思います。

投資する

「投資」とは、目の前の「値段」と「価値」の差を予測して賭けることをいいます。価値には、現在目の前に見えている価値と、将来になって顕在化する価値があります。投資では、その差を見きわめて予想しているのです。

具体的には、商品を安いときに(安い場所で)買って、高いときに(高い場所で)売るということだと思っています。

どの商品にも、買い時と売り時があります。そのため、投資のスタンスとしては、自分の都合で動くよりも受け身でいることがおすすめです。金融資産を見つけては、密かに見守っておいて、金額が下がり買い時になった瞬間に仕入れることが大事です。

そのため、さまざまな金融商品について勉強をしておいて、目をつけていた金融商品が、相場として下がったタイミングを見極めることが重要です。

これは、投資の世界では、「バリュー投資」と呼ばれる投資方法です。本来価値のある会社や金融商品の表面価格が下がったときに、買いから入る方法です。価値があるものなので、ゆくゆく実態の価値が反映され、価格が上がっていくだろうという、投資の方法です。

複利での成長

一度投資をして得たリターンは、再度投資にまわして掛け算で成長していくことが大切です。

このような成長を複利といいます。時間をかければかけるほど、大きく成長することができます。もちろん、お金以外の知識などでも、再投資をすることで複利を重ねて、大きく成長していくことができます。せっかくの投資のリターンを無駄にしないように、意識して再投資をします。

なお、元手が大きくないうちは、利益が大きくないことから、時間や手間をかけて投資をすることは、あまり価値のないことかもしれません。

お金が貯まるまでは、インデックス投資などで手間をかけない投資をおこない、そのぶんの時間や手間は、自分への投資に向けたほうが、将来の大きなリターンにつながります。

まずは時間を使わない投資から

手元の資金が少額のときは、投資に時間をかけることが非効率になることがあります。たとえば、1万円の資金を5%の利回りで1年間運用すると、利益は500円になります。この500円を得るために、何時間も時間をかけるのは、もちろん、いい経験や投資の勉強にはなるのですが、効率がいいとはいえません。

そのため、手元に資金をためる段階では、政府が優遇しているNISAの定期積立や、テーマから銘柄を自動で選んでもらえるロボットアドバイザー(AIによる少額投資)がおすすめです。会社勤めの場合には、社内株を買うのもおすすめです。働かなくても、資産運用でお金を手にする経験は、なんとも不思議な感覚になるものです。

しかし、本来投資とは、お金を預けっぱなしというのは危険です。

自分でリスクを把握して、決断して資産を運用するほうが、学びがあり、よりよい投資ができるようになるからです。投資は、ある程度の資金がたまったあとに運用するほうが、利益の総額が高くなるため、時間をかけても割にあうようになります。そのため、手元にある程度の軍資金がたまり、時間に余裕ができていたら、自分で考えて投資をすることをおすすめします。

投資は余裕資金で

投資は余裕資金でおこなうことが大原則です。常に上下に変動する相場のなかで、生活費を削って無理をしてまで投資をすることは、損する選択しか選べない局面で、他の選択ができず不利になります。

たとえばボーナスが入ったときや、少しお金に余裕が出てきたときに、そのお金を元に投資にあててみて、そこで利益が出てきたら、またその利益分を投資に回していく、という考え方がよいでしょう。

日本株は、とくに身近な生活でかかわるお店や、ニュースなどとも親和性が高く、意識をしやすいので、とくに勉強になると思います。

また、たくさんの種類の金融商品に投資をする経験をすると、複数の知識が身につくのでおすすめです。

不動産の相場を読むときも、金融商品で得ていた知識が役に立ちます。

また、会社勤めをしている場合には、市場や相場を知ることは自分の会社についても知ることにつながります。

自己投資が一番の投資

自分の増やしたい価値に投資します。

時間の力を借りる

時間とお金は非常によく似ています。「Time is money.」と表現されることもありますが、人生が有限であることから、実際にはお金よりも時間が大切だと考えられています。

お金よりも時間

時間は不可逆的なものです。未来の時間はお金で買うことができますが、一度過ぎ去った時間や人生は、買い戻すことができません。

時間があるほど数多くの失敗ができます。、数多く失敗ができるとm早く立ちなおって、より早く成功できるはずです。

時間を節約するために、なるべく会社の近くに住んで、通勤時間を短くしたり、リモートワークで仕事をしたり、アウトソーシングを活用したり、タイムマネジメントの力を使ったりして、より多くの時間を生み出します。

お金の力を借りる

未来はよくなるという前提で、お金を借りることは、いい借金といえるでしょう。

お金の勉強をする

お金の勉強は、生きていくうえで非常に大切な勉強です。しかし、学校ではほとんど教えてもらえません。それは、よい労働者や消費者になることを、行政や資本家が望んでいるからなのかもしれません。

時間やお金はあくまで手段

時間やお金は、いくら貯めるかが目的ではありません。あくまで、それらを使って自分のやりたいことを実現するという手段です。そのため、時間をお金を使う目的を明確にしておくことが大切です。

お金は交換がしやすく、測定がしやすいため、ともすると金額が目安になってしまいがちです。しかし、自分のなかでお金よりも価値を感じるものをつくっていくことが重要です。

いわゆる不労所得とはなにか

不労所得とは、働かなくてもお金を稼げる状態をいいます。

不労所得は楽してお金を儲けているイメージをもたれやすいですが、自分がいなくても価値を生み出し続ける仕組みをつくることだと思います。

常に人に価値を提供しつづける仕組みをつくることで、常に自分の時間を割かなくても、結果的に収入が入ってくることだと思います。

不労所得は目的ではなく、そこで生まれた時間をどのように使うかが大切だと思います。個人的には、やはりだれかのためになることをして、「ありがとう」と言ってお金をもらいたいですし、それが人類を繁栄させる方法だと思っています。

お金というのは、受け取った人が今度は次の価値と交換するために、一時的に預かるものだと思っています。

信用の力を借りる

「信用」は、過去の実績や未来への期待が指標となるものです。信用を高めると、スムーズに仕事をもらえるようになったり、お金を借りることができるようになったりします。
とくに、会社員の場合には、実は会社で働いていることが「信用」になっています。たとえば、物件の全額のお金をもっていなくても、「信用」を「お金」に交換して、不動産を購入するためのローンを借りることができます。

お金よりも信用

もともとお金も、信用を代替したものです。

これからの時代はお金を増やすことよりも、信用を増やすことのほうが大事な時代になってくるでしょう。信用さえ可視化されて循環できるようになれば、お金はこの世からなくなるかもしれません。

信用の生み出すレバレッジ

信用があると、たとえば不動産用や事業用にローンを組むことができるようになります。

リスクを分散させる

投資の世界では「卵をひとつのかごに盛るな」という名言があります。

たとえば、不動産投資のみに集中投資をしていると、たとえば地震などがあった場合に、不動産がすべて損害を受けて、資産がなくなってしまう可能性があります。

そういった場合にそなえて、同じ不動産でも、場所や物件の種類を変えて、一度に損害をすべて受けないようにすることができます。他にも、不動産以外の金融商品を持っておけば、不動産が損害を受けても、他の資産で損失をカバーできるようになります。

仲間の力を借りる

人は一人では生きていけません。自分の力だけではできないことも多いです。仲間の力を借りる必要があります。仲間を味方にして、仲間の知恵を借りましょう。

コミュニケーションを学ぶ

コミュニケーションは、相手の立場に立つことに尽きます。まずは自分から提供することが大切です。自分から信頼して、相手のことを尊重します。相手の時間を大切にすることや、相手の期待に120パーセントで答えていくことが大切です。自分を大切にするのと同様に、目の前の相手を大切にします。

メールやチャットの返信では、なるべくすぐに通知を見られるようにして、すぐに返事をするようにします。また、伝える内容や伝える順番、伝え方についても、相手の立場や、相手の気にする点などを踏まえたうえで伝えるとスムーズです。

また、「飾らずに可愛げをもつこと」も大切です。素直さや愛嬌を忘れずに、ありのままで無理をせず、自然体で、人とのつながりを大切にします。ノリよく、フットワーク軽く、ちょっとした誘いであっても、こまめに足を運び、気軽に誘いあえるような、そういう関係がうまくいきます。

ビジョンを発信する

自分のやりたいことを口にします。SNSで発信するのもいいでしょう。つねに発信していることで、同じことを考えている仲間が集ってきたり、だれかが連れてきてくれたりします。

アイデアを発信する

思いついたアイデアは、関係しそうな人にメモの段階から共有して、感想をもらいましょう。

信頼してもらう

ビジョンや想い、楽しむ様子や数重ねた行動は、人を感動させ、動かします。行動は大切です。起業をしたいという人は多いですが、アドバイスをしても実際に起業をするための登記をする人ですら、少ないです。

期待させすぎず、誠実に

安請けあいをしてしまって、できないことを受けてしまうこともあるでしょう。その際は、ずるずる引き延ばして、最後にできませんでした、ということがないように気をつけたいものです。

できないと思ったときは、逆にここまでならできると伝えるということが大切です。中途半端に受けるのではなく、うまく断ることは、逆に信頼を高めることにもつながります。

信じる、頼る、任せる

自分から信じて、頼って、任せましょう。相手が失敗してもいいやと思えるような人に、自分の子どもを預けるような気持ちで信じきることが大切です。

組織をつくる

ひとりではできないことでも、組織という仕組みをつくれば、仲間と一緒に実現できます。

仲間の生み出すレバレッジ

組織が機能すると、これまで1+1が2であったものを、それ以上にできるようになります。

個人から組織へ

自分が主語であったところから、組織が主語になることで、仕事に対する視点が高くなり、広く物事を考えられるようになります。

確認用キーワード:「ま」

弦本 卓也

1987年、埼玉県生まれ。大学卒業後、大手広告会社「リクルート」にて不動産メディア「スーモ」(SUUMO)の運営に従事。新卒で入社して、スーモのメディアづくりを7年、その後にエンジニア組織の組織づくりを4年行う。 また、リクルート社内の部活動制度にて「大家部」を立ち上げ部長を務める。不動産投資に関する情報交換や物件見学のワークショップなどを行う。 入社2年目に新築一戸建ての広告を取り扱う部署に異動したことをきっかけに、「いい企画を作るためには、まずは自分で経験したい」という想いから個人で新築一戸建てを購入。その翌年には売却分野を担当したことをきっかけに売却も経験。マンションの売買なども行い、11年間で11回の引っ越しを経験。 「新しい住まいや暮らしを自ら探究したい」という気持ちで購入した東京都千代田区の神保町の中古ビル「弦本ビル」は、コワーキングスペース、シェアオフィス、シェアハウス、飲食店が入居する複合ビルとなっており、20代を中心とした若手社会人や学生のやりたいことを実現する場所として注目を集めている。3年間で延べ1万人以上の来場者を記録し、家賃年収1,400万円を達成しながら満室経営を続けている。 お金面とビジョン面の両立を大切にしており、モットーは「一人ひとりの可能性をもっと世の中に」。会社員を続ける傍ら、学生時代に起業した会社とあわせて株式会社を3社創業。うち1社は売却し現在は2社を経営している。他にもエンジェル投資家として若手実業家の支援を手がける一面も。 日経新聞や不動産業界紙、書籍や雑誌、テレビなどでも多数の注目を集めておりセミナー講師なども行う。宅地建物取引士を保有。

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