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【第二章】コンディションを整える

目次

コンディションを整える

生活の基盤を整える

新しいことをはじめるときは、どうしてもこれからのことに注目しがちです。しかし、これまでの生活を見直すことも同じように大切です。

健全な体と心がすべての土台

「良質な解」というものは「良質な問い」と「健全な精神」から生まれます。「良質な問い」は、例えば以下のようなものです。

  • 自分はなんのために生きるのか?
  • なんのために働くのか?
  • お金とは何か?
  • 人生とは何か?

これらの「問い」を、自分自身に向けることで、自分のなかで自分なりの、「納得のいく答えをもつ」ことができます。

「良質な解」を見つけるためには、「健全な精神」が必要です。忙しくて疲弊していて考える時間がなかったり、ストレスが多くて擦り切れたりしていると、たとえ「良質な問い」があったとしても、きちんと向きあうことができません。

そのため、「健全な精神」でいることが大切です。

健康の基本は睡眠、運動、食事

健全な精神は、健全な肉体に宿ります。

一番大切なのは自分の命で、健康であることです。健康の基本は睡眠、食事、運動です。

食事に関しては、口に入れたものがすべて自分の身体をつくります。睡眠も、きちんととらないと頭が働かなくなってしまいます。適度に運動することも、健康の維持のために必要です。

健康な身体や精神が、自分の時間を生み出し、自分で有効に使える時間が、新しい価値を生み出します。その価値が信用につながり、信用がお金になります。そして、そのお金を通じて、自分のやりたい経験ができたり、思い描いたゴールを達成できたり、ということにつながります。

もし、精神的に余裕がない、肉体的に辛いという場合には、一度ゆっくり休みます。文章を読むのをやめて、横になって目を閉じます。また余裕が出てきたら、この文章に戻ってきます。

リフレッシュも大事

一方で、長く続けていくためにも、定期的な休養が大切です。1日の仕事でも、つねに緊張しながら張りつめていては、心も体も疲弊してしまいます。

リフレッシュはメリハリを生みます。自分なりのリフレッシュの方法や、ストレスを解消する方法を見つけます。マッサージやジム、銭湯やサウナに行くこともおすすめです。

サウナは熱い部屋に入って汗をたくさんかいて、冷たい水に入るのを交互にすると気持ちがいいです。そういった自分なりのストレスの解消方法を見つけることが大切です。もちろん、お酒やカラオケ、ゲーム、仲間と過ごす時間もストレスの解消の役に立ちます。

メリハリをつけることは時間の無駄遣いではなく、長い目で見た投資です。つねに全速力で走りつづけるのではなく、長い目で見て少しずつ休みながら、人生の時間をかけて走ります。

肩肘を貼らず、無理をせず、遊び心を忘れずに、リラックスして取り組みます。

ちなみに、弦本の一番のストレス解消は「寝ること」です(笑)

片づけをする

片づけは次の取り組みの準備

いまあるものを手放すことは、これから手に入れるもののために必要な準備です。ものをなるべくもたない生活をすることで、思考も整理されてスッキリします。片づけをすることで、新しいことを始める土台ができます。

部屋を片付ける

まずは身のまわりの掃除をします。部屋の散らかりは心の散らかりです。

片付けや環境の整理では、一気に片づけるのがポイントです。「いつかつかうかも」と思ったものでも、捨ててしまうか、メルカリなどで売りに出してしまいます。

「ミニマリスト」という言葉が最近、若い人たちの間で言われていますが、必要最低限のものをもち、余計なものをもたないことが、もっとも機動力が高まり、効率的で環境にも優しいです。

一方で、効率性の観点で、必需品は複数の物をあらかじめ用意しておくというのも大事です。自宅と職場に「置き傘」ならぬ「置き充電器」を置いたり、「置きPC」、「置きマウス」、「置きスマートフォン」があると、持ち運ぶ荷物が減り、さらに機動力が高まります。

お金やクレジットカード、着替え、メガネ、洗面道具なども、たとえば職場に置いておくと、手ぶらで家を出られるようになります。

決断のクセをつける

人は1日に小さいものも含めると、約1万回の決断をしているといわれています。

自分の大切なことに決断のパワーを割くために、決断に頭を使わないようにすることが大切です。スティーブ・ジョブズやマーク・ザッカーバーグが、いつも同じ服を着ているのは、重要なこと以外に決断のパワーを使わないためともいわれています。

また、たとえ小さなものであっても、捨てるか残しておくかの小さな決断をする癖をつけることも大切です。「決断」という字は「断つ」ものを「決める」と書きます。だれかに決めてもらうのではなく、自分で判断の基準をつくり、決断する癖をつけるということです。

たとえばお昼ごはんを食べるお店を決めるときなどの、「今日は何を食べようか」といった小さな選択であっても、他の人に決めてもらうのではなく、自分の意思で考えて「決断する」癖をつけます。

仕事でも、だれかに案を提案するときは、A案とB案があって、「どちらがいいか?」と選んでもらうのではなく、「自分はこの案がいい」、「理由はこう」などと、自分の意見をもちます。
また、他の人からの提案や意見を否定するときはに、「その案はよくない」というだけでなく、「こうしたらもっとよくなる」という代替案を提案します。

そうすることで、いざ大きな判断が求められる局面でも、自分で考えて、自分で決断することができるようになります。

新しいことをはじめるとき、まわりからはいつも「うまくいかない」、「やめたほうがいい」と意見をもらうことが多いと思います。
しかし、多少の批判をされても、自分のやりたいことをやります。

放っていても勝手に自分でやりたいと思えるようなことは、本当に放っておいてもやってしまうものです。
やらない後悔よりもやって後悔をしたほうが楽しいです。

節約をする

節約は最大の投資

「節約」と聞くと、我慢が必要な印象や、貧しい気がする、ひもじい印象があるかもしれません。しかし、節約は最大の投資です。

たとえば、500円を節約することは、一見すると小さな節約に思われがちです。しかし、投資の世界では、利回り5%(1年間で5%分の利益が出る)の場合に、500円を増やすためには、元手が1万円と時間が1年間も必要になります。
そのため、500円の節約は、1年間で1万円を運用したことと同じ価値があります。

世界的に不安定な現在の市況のなかで、利回り5%で1年間、確実に運用をするのも難しいです。また、投資には利益に一般的に20%の税金がかかることや、その節約した500円をその後の投資にあてられることを考えると、いまの500円の節約は、数十年後の何万円、何十万円の価値になると考えられます。

携帯電話の通信会社を格安SIMの会社に変えるのは、節約に有効です。他にも、水道や電気の契約、保険の見直しや家計の見直しも大きな節約になります。

将来の幸せのために「天引き」する

収入と支出の関係には、「パーキンソンの法則」というものがあります。

人間の性質は、「パーキンソンの法則」として知られています。「人は収入が増えると、支出もそれにあわせて増える」というのです。

人は収入が増えると、よりよい家に住みたい、よりよい物を買いたい、ちょっと奮発して美味しいごはん食べたいなどと思うものです。

このような法則に左右されない一番のコツは、自分の気づかないところで我慢をする「天引き」の仕組みをつかうことです。

一度手に入れたお金を取りあげられるのは、結構な痛みがともないます。しかし、お金が手に入る前に「天引き」をすると、なくなる意識が少なくなり、痛みが小さくなります。

最初に月々に天引きする金額を決めておけば、いつ目標を達成できるかがわかりやすいです。また、残った分でどのようにしてやりくりすればいいかを考えるほうに集中すれば、余計なお金を使うことは考えなくなります。

節約は、いまこの瞬間に我慢をするという、ネガティブなイメージがあるものです。人は、たとえ長期的な幸せのために節約をすると頭でわかっていても、感情では理解できないということは、過去の実験からも明らかになっています。

なお、古代バビロニアの資産術が書かれた名著『バビロンの大富豪』では、最低でも収入の10%以上を、天引きして貯蓄するのがよいと説かれています。

具体的な方法としては、会社勤めの場合には、給料の振込口座を分けることを検討します。会社は、依頼をすると給与の振込口座を分けてくれることがあります。また、銀行にも「目的別口座」というものがあり、口座を分けてくれることがあります。これらの仕組みを活用して、自分が意識しなくてもお金が貯まる「天引き」を取り入れます。

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ABOUT US
弦本 卓也
1987年、埼玉県生まれ。大学卒業後、大手広告会社「リクルート」にて不動産メディア「スーモ」(SUUMO)の運営に従事。新卒で入社して、スーモのメディアづくりを7年、その後にエンジニア組織の組織づくりを4年行う。 また、リクルート社内の部活動制度にて「大家部」を立ち上げ部長を務める。不動産投資に関する情報交換や物件見学のワークショップなどを行う。 入社2年目に新築一戸建ての広告を取り扱う部署に異動したことをきっかけに、「いい企画を作るためには、まずは自分で経験したい」という想いから個人で新築一戸建てを購入。その翌年には売却分野を担当したことをきっかけに売却も経験。マンションの売買なども行い、11年間で11回の引っ越しを経験。 「新しい住まいや暮らしを自ら探究したい」という気持ちで購入した東京都千代田区の神保町の中古ビル「弦本ビル」は、コワーキングスペース、シェアオフィス、シェアハウス、飲食店が入居する複合ビルとなっており、20代を中心とした若手社会人や学生のやりたいことを実現する場所として注目を集めている。3年間で延べ1万人以上の来場者を記録し、家賃年収1,400万円を達成しながら満室経営を続けている。 お金面とビジョン面の両立を大切にしており、モットーは「一人ひとりの可能性をもっと世の中に」。会社員を続ける傍ら、学生時代に起業した会社とあわせて株式会社を3社創業。うち1社は売却し現在は2社を経営している。他にもエンジェル投資家として若手実業家の支援を手がける一面も。 日経新聞や不動産業界紙、書籍や雑誌、テレビなどでも多数の注目を集めておりセミナー講師なども行う。宅地建物取引士を保有。