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『プロハ夢手帳』Action Tips③イベントを主催してみよう!

数多くのイベントに参加することで、自分の知見を広めることができ、やりたいことをより明確化するヒントが得られる。
もし、参加することに慣れてきたら、次は自分でイベントを考えてみることも発見につながる。
「意図や目的があれば、飲み会でもイベントとして成り立つ」と話してくれたのが、普段から社会人向けビジネス交流会を開催している日比さん。
企画の考え方から具体的なステップ、大事な集客のコツまでを教えてもらおう。

目次

イベントを主催してみよう!

案内人:日比大輔さん

社会人イベントを数多く主催。

Q:主催者として、どのようなイベントを企画していますか?

20代、30代の若手の方で、「やりたいことが見つからない」または「やりたいことはあるけれど一歩踏み出せない」といった方を対象に、異業種交流会や若手社会人が集まれる場を提供しています。

Q:イベントを主催するときは、どういったことを重点的に大事にしていますか?

『イベントで呼びたい人が何を求めているのか?ニーズがどこにあるのか?』を大事にしています。僕が呼びたい人たちは「そもそも出会いや、色んな人との交わりがない」といったケースが多いんです。やりたいことがあるかないかって、現在の日本の社会だとあまりおおっぴらに言い合えるような空気がないと感じています。だからこそ、やりたいことがある人や、やりたいことは明確ではなけれど踏み出したい、人が集まれる場のニーズがあると感じてイベントを主催しています。

Q:イベントをやってみたい人にひとこと。

イベントは、本当に誰でもできるものだと思います。少なくとも最初から成功を目指さなくてもかまいません。失敗も、糧になると思います。最初にあまり大きなイベントをやるのではなく、自分の手足が届く範囲、身の丈にあった範囲の中でのイベントの企画・運営をやってみることがよいでしょう。

TIPS.1 イベント企画の基本を知ろう!

Q:イベント企画は、最初にどこからはじめるといいと思いますか?

イベントをそもそも何のためにしたいのか、その目的をはっきりさせることが第一です。目的とは、「友人を作りたい」、「誰か困っている人に対してセミナー形式で教えたい」といったものです。「やってみないと分からない」ではなく、「何故やるのか?」を最初に考えることが大切です。もう一つは『誰に向けたイベントなのか』、『誰のどんな問題をどうやって解決したいのか』、その『どうやって』の部分が『イベントを通して』となるのかと思います。まずは、参加者に与えたいものを最初に決めることが大事です。自分の想いがあってもいいですが、それだけだとお客さんからすると「来たい!」と思わないものになることもあります。「飲みたいから集めた!」では、1回はできても継続的にできないこともあります。

Q:お客さんが期待するものはどんなものがありますか?

僕がお客さんとしている人たちが期待していることは『出会い』『つながり』と認識しています。そもそも「出会い」や「やりたいこと」のある/なしは、日本の社会だとあんまりおおっぴらに言い合えないような空気があるじゃないですか。だから『やりたいことがある人』、『やりたいことが明確じゃないけど踏み出したい人』、『やりたいことをそもそも見つけたい人』が集まれる場が求められているのかなと、実際にやっていて感じています。僕がやっているのは若手の方々の中でも、やりたいことが見つからないとか、あるけど一歩踏み出せない人向けに、異業種交流会などをして若手社会人が集まれる場を作っています。

Q:同じ業種の人を集めるのか、違う業種の人を集めるのか、どっちがいいですか?

両方よいと思いますが、あえてどちらかというと『違う業種』の方が有意義だと思っています。20代では「あえて違う考えを入れる」ことが大事ではないかと思います。同じ業種と違う業種ではそもそも得るものが違うと思っています。同業で会って意見交換することで学びを深められると思いますが、幅広く学ぶには色んなバックグラウンドを持った人と会った方が意外と参考になるケースがあると思います。また同じ業種の人よりも違う業種の人のほうが、仕事上で会う確率は低くなるので、そういった意味でも違う業種の方々を集めてみた方が面白いと個人的には思っています。ただ、業種によっては同業種の人と触れ合う機会がほとんどない業界や職種もあるので、そういったものであれば同業種でもいいかもしれませんね。

TIPS.2 イベント開催の具体的ステップ

Q:準備をするにあたって最初にするのは何ですか?

まずは目的や理由、お客さんはどういう人にするかを決めます。お客さんにどういう価値を持って帰ってもらいたいのか、イベントが終わるときの理想的な状態をイメージできていればいいと思っています。

Q:それが決まったら、次の準備は?

イベントの周知です。規模感などが決まっている前提ですが、大きなイベントだとイベント決済のツールを使う必要がありますが、4~5人程度であれば自分で声をかけてしまえば終わります。告知方法が決まったら実際に告知と集客を始めていきます。会場選びは企画を立てる段階で考えるというかたちですかね。骨子を決めていって、詳細な時間日時場所金額、イベントのタイムスケジュールを決めるのが2番目です。次は場所決めです。オフィスでイベントが開けるならオフィスでもいいですし、外部でやるときは知り合いと共同開催して、スペース自体を無料で借りてしまうこともできます。「スペースマーケット」のような場所貸しのポータルサイトもあるので、お金はかかりますが好立地やいい内装空間などを選びたい場合はこういったツールを使うこともできます。

Q:金額の設定はどうするのですか?

そのイベントで収益を得たいかどうかや呼びたい人の層によって全然違うため、そこをみながら決めます。来てほしい層が一般的な若手の20代前半の社会人で、ふらっと飲みに来て若い人たち同士で繋がれる場を作りたいのであれば、3000円程度でしょうか。参加費は安ければ安いほど良いと思います。ただ、イベントの目的として「収益を上げたい」と考えるならば、会場費やお酒、飲み物などの原価を引いてどれだけ利幅が残るかを考えて、何人集客するのかを計算して、参加費を決めていきましょう。

Q:よくやりがちな失敗はありますか?

参加者名簿が作れてない、運営するメンバーで情報共有できてないケース、あとは運営の流れがイメージできてない人は多いと思います。やってみたことがないとイメージは難しいと思いますが、他のイベントに出れば勉強できると思います。イベント自体を忘れている参加者も多いので、事前に「明日イベントやりますよ~」ということをメッセージや電話で伝えなければなりません。イベントページの更新ができていないケースも多いと思います。起こりうる状況や発生しうるリスクの想定を立てて、それに対する対策を決めておくことが大事ですね。

TIPS.3 集客のコツを知ろう

Q:イベント概要が決まったら集客です。人を集めるときに気をつけることは何ですか?

少人数の場合で、自分の繋がりのある人を呼びたいのなら、直接電話やメッセージを送ります。いっぽう、少人数だけど全くの新規の自分の知人や友人ではない方に来てほしいのなら、Facebook、Peatix、ウェブ広告を出すことになると思います。20人規模であれば、ほとんど自分で集めるほうが多いと思いますね。これが100人から300人くらいになると自分だけで集客できる限界を超えてきて、誰かの協力を仰ぐ姿勢が必要だと思います。

Q:まだ時間はあるけど告知しても手応えがない場合にはどうしたらいいですかね?

手応えがないとき、大体は個別のメッセージ送信が足りてないことが多いです。集客を達成できていない人を見ていると、そもそも声掛けした人数がとても少ないケースが多いです。数多くのイベント主催者と会ってきましたが、うまくやっている人は当たっているリーチの数が多いケースがほとんどです。また声はかけているけど来たい人が少ない場合、そもそもニーズとマッチしていない可能性を考えてみてください。よくありがちな失敗例は、誰にでも同じ文章を送っているケースやFacebookのイベントページをそのまま送っているなどです。家にポスティングされたチラシやはがきの中身を深く見ないのと同じ話ですね。それよりは直接のメッセージや電話ができる間柄ならコミュニケーションを取ったほうが結果として効率は良いでしょう。

相手の仕事ややっていること、興味関心事項を考えて、「あなたはこういう仕事をしていると思うけど、仕事に役立つマーケティングに関する勉強会があるけどどう?」といった話し方をすれば、とたんに反応が良くなります。普段の仕事ややっていることにどう役立つか、その人に向けての提示があると全然やりとりが違いますよね。

Q:キャンセルを防ぐにはどうしますか?

開催人数の1~2割程度はキャンセルになると見越すのが大事だと思います。急な仕事や体調が理由だと仕方ないですが、それ以外の要素を極力減らすことです。早ければ1週間前、遅ければ3日前や前日にリマインドするのが大事です。忙しくて忘れてしまっている人は多いと思います。参加者側としても、正直面倒くさいなと思っていてもメッセージが来たことで行こうと思いなおすこともあるので、リマインドは効果的だと思います。

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弦本 卓也

1987年、埼玉県生まれ。大学卒業後、大手広告会社「リクルート」にて不動産メディア「スーモ」(SUUMO)の運営に従事。新卒で入社して、スーモのメディアづくりを7年、その後にエンジニア組織の組織づくりを4年行う。 また、リクルート社内の部活動制度にて「大家部」を立ち上げ部長を務める。不動産投資に関する情報交換や物件見学のワークショップなどを行う。 入社2年目に新築一戸建ての広告を取り扱う部署に異動したことをきっかけに、「いい企画を作るためには、まずは自分で経験したい」という想いから個人で新築一戸建てを購入。その翌年には売却分野を担当したことをきっかけに売却も経験。マンションの売買なども行い、11年間で11回の引っ越しを経験。 「新しい住まいや暮らしを自ら探究したい」という気持ちで購入した東京都千代田区の神保町の中古ビル「弦本ビル」は、コワーキングスペース、シェアオフィス、シェアハウス、飲食店が入居する複合ビルとなっており、20代を中心とした若手社会人や学生のやりたいことを実現する場所として注目を集めている。3年間で延べ1万人以上の来場者を記録し、家賃年収1,400万円を達成しながら満室経営を続けている。 お金面とビジョン面の両立を大切にしており、モットーは「一人ひとりの可能性をもっと世の中に」。会社員を続ける傍ら、学生時代に起業した会社とあわせて株式会社を3社創業。うち1社は売却し現在は2社を経営している。他にもエンジェル投資家として若手実業家の支援を手がける一面も。 日経新聞や不動産業界紙、書籍や雑誌、テレビなどでも多数の注目を集めておりセミナー講師なども行う。宅地建物取引士を保有。

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