目標を立てることができれば、自分の実現したい人生に近づいていくことができる。
ただそうはいっても、すぐに立派な目標を立てることはむずかしい。
そこで、「楽しく目標設定をする」ために、「タノモク」というワークショップイベントを主催しているのが、久保田薫さんだ。
ここでは、「目標」と「目的」の違いを知るところから、考え方のコツを教えてもらおう。
目次
ワークショップ「タノモク」主催者。
本業はフリーランスのエンジニアをしています。エンジニアのなかでも、iPhoneアプリを専門で作っています。エンジニア以外では港区サッカー協会の理事を務めています。メインの仕事は主にFacebookなどのSNSであったり、ホームページの更新などの広報活動をしています。他には日本酒を味わうイベント、投資の勉強会、パクチーの料理を楽しむ会などを行なっています。人が集まるコミュニティがとにかく好きで、みんなで楽しくできたらいいなと思っています。全て主催者として企画運営をしており、イベントを企画し始めて丸2年ほどになります。
タノモクというのは目標設定のワークショップのことを指しています。「楽しく目標設定をしましょう」というイベントです。目標設定というと少し敷居が高いのでもう少しゆるくできたらいいなというところで、カタカナで「タノモク」というイベントにしました。内容としては「目的とはそもそも何か」という話をしたうえで、実際にワークで自分の好きなことや、やりたかったものの写真や雑誌を持って来ていただき、それを自由に切り貼りにして一つのボードにした「ビジョンボード」を作っていくワークをしています。
まず、目的とは文字の通り目の「的」と書くわけですよね。弓道で言うところの的が目的になります。いっぽう、目標というのはその目的の間までに印をつけた、その通過点になります。目標には数字と期限があるということが大きな違いです。例えば、ダイエットしてやせたいというのも目的です。ダイエットをして、人に見せられる体になって海に行きたいというのも、自分の願望ですから目的です。「何々したい」のかたちで表されるわけですね。ダイエットを目標で言うと、「1週間でこの運動をして、何キロ痩せよう」というのが目標になります。このように、数字を明確に決めるということで大きな違いがあります。
間違いなく目的ですね。特に僕は目的にフォーカスしたワークショップを開催しているということもありますが、目標というのは目的の後に設定します。目標から立ててしまうと、ゴールがわからなくなってしまい何のために達成したいのかわからない状態になりがちです。目的と目標は山に例えられるのですが、まずは山の頂上を見ることが大切です。山があったとき、その山を登る時にどのくらいまで登ったら1回休憩するかとか、それは山の頂上があるからどこまで登るかということが決められるわけですが、どんな山かわからないと先が見えないため途中で挫折しやすくなるのですね。このため、まずは目的をはっきりさせることが大事です。
言葉にできるのであれば、文章にしたほうがいいと思います。ただはっきりと書くことは時間がかかるので初めは直感的にノンバーバル(非言語的)なものがオススメです。感覚的に「こういう人生を生きたい」と表現することができます。例えば結婚はわかりやすいですよね。こういう結婚式がしたいとか、こういう結婚生活を送りたいといったもの、またこういう家に住んでこういう家庭を築きたいといったものがあります。他にも衣食住のイメージが多く、食にこだわる人もいますし、海外に旅行したいという人もよくいます。タノモク自体は目的を設定することがイベントのゴールなのですが、最後に参加者に伝えているのが、目的だけだと夢ってどうしても叶わないので、まずビジョンボードで作ったやりたいことに対して、いつまでにやるかという期限を設定することです。目標をつくることで、次につなげているのですね。
人生の目的とは、本当に人生通して叶えないと死ねないくらいの絶対的なものです。じつは、人生のやりたい事は、そもそも未来にはなくて、すべて過去にあるということを知っておいてほしいです。未来にあると思いがちなのですけれども、人間はいままで経験したことでないと、そもそもやりたいことは見いだせないんですよ。例えば海外旅行であったとしても、テレビで見たり雑誌で見たりとかしていないと行きたいとそもそも思えません。自分のやりたいことは今までの経験に全てあり、過去に遡って向き合っていけば自ずと人生でやりたいことが見つかります。小学生の時に親にどこかに連れて行ってもらったとか、アニメでワクワクしたとか、それらをすべて吐き出してみると、おのずと出てくるのです。
僕自身も最近まで、やりたいことはたくさんあるけれど、本当にやりたいことってなんだろうということを見つけられずにいました。ところが、ある方法によって見つけることができました。一度やりたいことすべてを書き出してみたのです。そうしたら、幼少期の時代の思い出があまり思い浮かばなかったのですね。思い出せないのなら、知っている人に聞いてみようと考えたんです。自分の幼少期のことを知っているのは家族ですから、家族からこれまでの自分の話を聞くことにしました。結果的に、自分でも驚くほど涙が出るくらい感動する話を聞けて、人生で必ず達成したい目的を見い出すことができました。結果、自分のやりたいことは今まで経験したことすべてにつながっていたと気付き、無駄だと思っていた経験もすべてやりたいことに通じていたことがわかりました。
男女問わず、人間は感情の生き物です。心にグッと動いたことが、人生の目的の土壌になっています。例えばなにか物を作った経験が自分の中で一番大きかったという場合でも、自分が単に作りたいから作ったのか、それとも誰か目の前の人を助けたいから作ったのかで、経験の質も違います。やっていることは表面上一緒かもしれないけれども、大事なのはその理由です。「自分はこういうために仕事をしています」という理由が説明できれば、何をやるにしても他人から共感を得られますから、人間として強いです。
目的がはっきりしていたとしても、そのゴールに対してすぐにアクションができるかは別問題です。例えば目的が「宇宙開発をしたい」というような大きな目標であったとしたら、いきなりはできないですよね。そういう時は、目標をさらに細かくしていくことが、一歩を踏み出すために必要です。目的を細分化したのが目標ですから、とにかく細かく分けることで、自分がこれまでやってこなかったことが次々と見えてきます。例えばイベントが好きで、イベントプロモーターとして生きていきたいという目的を立てた時に、いきなり東京ドームで5万人を集客することは実現できませんよね。予算もないし、集客方法や誰に声をかけたらいいかもわからないでしょう。そもそもイベント自体をやったことないのであれば、小さく分けて、小規模のイベントからやっていくことが大切です。100人のイベント、それでも大きいなら50人、それでも大きいなら10人のイベントでもかまいません。少人数のイベントをやることで、最低限必要なことが見えてくるでしょうし、失敗しても大したことではありません。やってみて楽しいと思ったらそれは合っているし、やりたくないと思ったら自分に合ってないなということがわかるわけです。本当にイベント開催が自分の人生の目的
だったのかな、という判断材料にもなります。小さなゴールに対して小さな解決方法が見えてきますから、なんでも小さなことに区切ることは有効です。ゴールを小さく分けるときに、人から言われて分けるのではなく、自分なりに考えて分けてみることが大切です。もしそれでも難しいのであれば、その程度の人生の目的だったのかなと、人生の目的を自分自身と対話してみることも大切です。踏み出せないのなら、そもそも本当にやりたいことじゃなかったのじゃないかというわけです。
過去を振り返ることは、おそらく一生やっていったほうがいいですね。人生の目的が本当にあっているのかどうか、自分はどういう人間なのか。何度も自分で山を見て確認することが必要です。それは誰しも必要なことで、何歳になってもやるべきだと思います。これって登山と同じで、定期的に山を見て確認をしながら山を登る。小さく一歩一歩登りながら、たまに休憩するときに山の頂上を確認する。次の道があっているかを確認しながら、もう一度小さな一歩を踏み出していく。気づいたら頂上に登っていて、振り返ったら素晴らしい景色が広がっている。やりたいことの実現もこんなイメージで考えていったらよいのではないでしょうか。
あなたのやりたいことを実現する最初の一歩を踏み出す
夢のワークブック『プロハ夢手帳』をお届けします!
若い世代に読んでほしい、アクションのためのヒントが満載。
この『プロハ夢手帳』は、「やりたいことがわからない」、「自分にあった仕事がわからない」といった悩みを抱える人に対して、やりたいことを見つけ、実際のアクションへの最初の一歩を踏み出すためのきっかけになる「夢のワークブック」です。
これから何かをやってみたい若手社会人や、エネルギーはあるけれど何から始めたらいいかがわからない学生の方に向けて、いま読むべき内容だけを収録しました。
12人のインタビューから学ぶ、行動のヒント。
本書に登場するのは、プロハに関わりのある12人の起業家たち。それぞれの起業体験から生き方のこだわりをわかりやすく語っています。
本書では、それぞれのページに、手書きで文章を書き込めるノート部分を設けました。
文章を読んで、思いついたことを自由に書き込み、「自分だったら何ができるか?」、「自分だったらどう考えるか?」をまとめながら読み進めることができます。
本書の章末には、学んだことを整理し、自分の次のアクションを生み出すために、オリジナルのスペシャルワークシートを設けました。本書のワークシートを書き上げて人と対話することで、さらに大きな成長のチャンスを得ることができます。
自分と向き合い、気づきを得るために、ぜひワークシートにチャレンジしてみてください。
本を読み終わったら、単に読むだけではなく、自分だけのメモが書かれた本を持ってぜひ
神保町のプロハ(TOKYO PRODUCERS HOUSE)に足を運んでみてください。そして、プロハの
メンバーたちと対話してみてください。きっと、かけがえのない時間が過ごせるはずです。
「#プロハ夢手帳」をつけて、本書の感想やワークシートの内容を投稿してみよう!
この本を通じて、あなたの「やりたい」が明確になり、
夢が叶う瞬間が生まれることを心から祈っています。
ご購入は、以下よりお願いします!
https://dreambook.theshop.jp/items/9147705
ご購入は、以下よりお願いします!