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『プロハ夢手帳』Action Tips④人生の目標を立てよう!

目標を立てることができれば、自分の実現したい人生に近づいていくことができる。
ただそうはいっても、すぐに立派な目標を立てることはむずかしい。
そこで、「楽しく目標設定をする」ために、「タノモク」というワークショップイベントを主催しているのが、久保田薫さんだ。
ここでは、「目標」と「目的」の違いを知るところから、考え方のコツを教えてもらおう。

目次

人生の目標を立てよう!

案内人:久保田薫さん

ワークショップ「タノモク」主催者。

Q:ふだんどのような活動をしていますか?

本業はフリーランスのエンジニアをしています。エンジニアのなかでも、iPhoneアプリを専門で作っています。エンジニア以外では港区サッカー協会の理事を務めています。メインの仕事は主にFacebookなどのSNSであったり、ホームページの更新などの広報活動をしています。他には日本酒を味わうイベント、投資の勉強会、パクチーの料理を楽しむ会などを行なっています。人が集まるコミュニティがとにかく好きで、みんなで楽しくできたらいいなと思っています。全て主催者として企画運営をしており、イベントを企画し始めて丸2年ほどになります。

Q:久保田さんが主催している「タノモク」とはどんなイベントでしょうか。

タノモクというのは目標設定のワークショップのことを指しています。「楽しく目標設定をしましょう」というイベントです。目標設定というと少し敷居が高いのでもう少しゆるくできたらいいなというところで、カタカナで「タノモク」というイベントにしました。内容としては「目的とはそもそも何か」という話をしたうえで、実際にワークで自分の好きなことや、やりたかったものの写真や雑誌を持って来ていただき、それを自由に切り貼りにして一つのボードにした「ビジョンボード」を作っていくワークをしています。

TIPS.1 目標と目的の違いって?

Q:目標と目的の違いについて教えてください。

まず、目的とは文字の通り目の「的」と書くわけですよね。弓道で言うところの的が目的になります。いっぽう、目標というのはその目的の間までに印をつけた、その通過点になります。目標には数字と期限があるということが大きな違いです。例えば、ダイエットしてやせたいというのも目的です。ダイエットをして、人に見せられる体になって海に行きたいというのも、自分の願望ですから目的です。「何々したい」のかたちで表されるわけですね。ダイエットを目標で言うと、「1週間でこの運動をして、何キロ痩せよう」というのが目標になります。このように、数字を明確に決めるということで大きな違いがあります。

Q:目標と目的は、どちらが立てやすいでしょうか。

間違いなく目的ですね。特に僕は目的にフォーカスしたワークショップを開催しているということもありますが、目標というのは目的の後に設定します。目標から立ててしまうと、ゴールがわからなくなってしまい何のために達成したいのかわからない状態になりがちです。目的と目標は山に例えられるのですが、まずは山の頂上を見ることが大切です。山があったとき、その山を登る時にどのくらいまで登ったら1回休憩するかとか、それは山の頂上があるからどこまで登るかということが決められるわけですが、どんな山かわからないと先が見えないため途中で挫折しやすくなるのですね。このため、まずは目的をはっきりさせることが大事です。

Q:目的はどのかたちが表現しやすいですか?

言葉にできるのであれば、文章にしたほうがいいと思います。ただはっきりと書くことは時間がかかるので初めは直感的にノンバーバル(非言語的)なものがオススメです。感覚的に「こういう人生を生きたい」と表現することができます。例えば結婚はわかりやすいですよね。こういう結婚式がしたいとか、こういう結婚生活を送りたいといったもの、またこういう家に住んでこういう家庭を築きたいといったものがあります。他にも衣食住のイメージが多く、食にこだわる人もいますし、海外に旅行したいという人もよくいます。タノモク自体は目的を設定することがイベントのゴールなのですが、最後に参加者に伝えているのが、目的だけだと夢ってどうしても叶わないので、まずビジョンボードで作ったやりたいことに対して、いつまでにやるかという期限を設定することです。目標をつくることで、次につなげているのですね。

TIPS.2 人生の目的の探し方とは?

Q:人生の目的を今まで考えてこなかったなと言う人に対して、どんなアドバイスをしていますか?

人生の目的とは、本当に人生通して叶えないと死ねないくらいの絶対的なものです。じつは、人生のやりたい事は、そもそも未来にはなくて、すべて過去にあるということを知っておいてほしいです。未来にあると思いがちなのですけれども、人間はいままで経験したことでないと、そもそもやりたいことは見いだせないんですよ。例えば海外旅行であったとしても、テレビで見たり雑誌で見たりとかしていないと行きたいとそもそも思えません。自分のやりたいことは今までの経験に全てあり、過去に遡って向き合っていけば自ずと人生でやりたいことが見つかります。小学生の時に親にどこかに連れて行ってもらったとか、アニメでワクワクしたとか、それらをすべて吐き出してみると、おのずと出てくるのです。

Q:久保田さん自身はどのようにして目的を見つけられたのですか?

僕自身も最近まで、やりたいことはたくさんあるけれど、本当にやりたいことってなんだろうということを見つけられずにいました。ところが、ある方法によって見つけることができました。一度やりたいことすべてを書き出してみたのです。そうしたら、幼少期の時代の思い出があまり思い浮かばなかったのですね。思い出せないのなら、知っている人に聞いてみようと考えたんです。自分の幼少期のことを知っているのは家族ですから、家族からこれまでの自分の話を聞くことにしました。結果的に、自分でも驚くほど涙が出るくらい感動する話を聞けて、人生で必ず達成したい目的を見い出すことができました。結果、自分のやりたいことは今まで経験したことすべてにつながっていたと気付き、無駄だと思っていた経験もすべてやりたいことに通じていたことがわかりました。

男女問わず、人間は感情の生き物です。心にグッと動いたことが、人生の目的の土壌になっています。例えばなにか物を作った経験が自分の中で一番大きかったという場合でも、自分が単に作りたいから作ったのか、それとも誰か目の前の人を助けたいから作ったのかで、経験の質も違います。やっていることは表面上一緒かもしれないけれども、大事なのはその理由です。「自分はこういうために仕事をしています」という理由が説明できれば、何をやるにしても他人から共感を得られますから、人間として強いです。

TIPS.3 最初の一歩を踏み出そう!

Q:一歩を踏み出せない人にどんなアドバイスをしていますか?

目的がはっきりしていたとしても、そのゴールに対してすぐにアクションができるかは別問題です。例えば目的が「宇宙開発をしたい」というような大きな目標であったとしたら、いきなりはできないですよね。そういう時は、目標をさらに細かくしていくことが、一歩を踏み出すために必要です。目的を細分化したのが目標ですから、とにかく細かく分けることで、自分がこれまでやってこなかったことが次々と見えてきます。例えばイベントが好きで、イベントプロモーターとして生きていきたいという目的を立てた時に、いきなり東京ドームで5万人を集客することは実現できませんよね。予算もないし、集客方法や誰に声をかけたらいいかもわからないでしょう。そもそもイベント自体をやったことないのであれば、小さく分けて、小規模のイベントからやっていくことが大切です。100人のイベント、それでも大きいなら50人、それでも大きいなら10人のイベントでもかまいません。少人数のイベントをやることで、最低限必要なことが見えてくるでしょうし、失敗しても大したことではありません。やってみて楽しいと思ったらそれは合っているし、やりたくないと思ったら自分に合ってないなということがわかるわけです。本当にイベント開催が自分の人生の目的
だったのかな、という判断材料にもなります。小さなゴールに対して小さな解決方法が見えてきますから、なんでも小さなことに区切ることは有効です。ゴールを小さく分けるときに、人から言われて分けるのではなく、自分なりに考えて分けてみることが大切です。もしそれでも難しいのであれば、その程度の人生の目的だったのかなと、人生の目的を自分自身と対話してみることも大切です。踏み出せないのなら、そもそも本当にやりたいことじゃなかったのじゃないかというわけです。

Q:過去は定期的に振り返ったほうがいいですか?

過去を振り返ることは、おそらく一生やっていったほうがいいですね。人生の目的が本当にあっているのかどうか、自分はどういう人間なのか。何度も自分で山を見て確認することが必要です。それは誰しも必要なことで、何歳になってもやるべきだと思います。これって登山と同じで、定期的に山を見て確認をしながら山を登る。小さく一歩一歩登りながら、たまに休憩するときに山の頂上を確認する。次の道があっているかを確認しながら、もう一度小さな一歩を踏み出していく。気づいたら頂上に登っていて、振り返ったら素晴らしい景色が広がっている。やりたいことの実現もこんなイメージで考えていったらよいのではないでしょうか。

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弦本 卓也

1987年、埼玉県生まれ。大学卒業後、大手広告会社「リクルート」にて不動産メディア「スーモ」(SUUMO)の運営に従事。新卒で入社して、スーモのメディアづくりを7年、その後にエンジニア組織の組織づくりを4年行う。 また、リクルート社内の部活動制度にて「大家部」を立ち上げ部長を務める。不動産投資に関する情報交換や物件見学のワークショップなどを行う。 入社2年目に新築一戸建ての広告を取り扱う部署に異動したことをきっかけに、「いい企画を作るためには、まずは自分で経験したい」という想いから個人で新築一戸建てを購入。その翌年には売却分野を担当したことをきっかけに売却も経験。マンションの売買なども行い、11年間で11回の引っ越しを経験。 「新しい住まいや暮らしを自ら探究したい」という気持ちで購入した東京都千代田区の神保町の中古ビル「弦本ビル」は、コワーキングスペース、シェアオフィス、シェアハウス、飲食店が入居する複合ビルとなっており、20代を中心とした若手社会人や学生のやりたいことを実現する場所として注目を集めている。3年間で延べ1万人以上の来場者を記録し、家賃年収1,400万円を達成しながら満室経営を続けている。 お金面とビジョン面の両立を大切にしており、モットーは「一人ひとりの可能性をもっと世の中に」。会社員を続ける傍ら、学生時代に起業した会社とあわせて株式会社を3社創業。うち1社は売却し現在は2社を経営している。他にもエンジェル投資家として若手実業家の支援を手がける一面も。 日経新聞や不動産業界紙、書籍や雑誌、テレビなどでも多数の注目を集めておりセミナー講師なども行う。宅地建物取引士を保有。

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